タケ・タケ・エヴリバディ!

当ブログは「竹と生きる・竹を生かす」をメインテーマに、管理人の田舎暮らしの様子をお届けします。

沙羅双樹

2023年06月26日 | ふるさと長岡・嗚呼!田舎暮らし

中学校だったか小学校だったかは忘れてしまいましたが、国語の授業で「平家物語」の前文を暗誦させられたことを今でも思い出します。

祇園精舎の鐘の声
諸行無常の響きあり
沙羅双樹(さらそうじゅ)の花の色
盛者必衰の理をあらわす
おごれる人も久しからず
ただ春の夜の夢のごとし
たけき者もついには滅びぬ
偏(ひとえ)に風の前の塵に同じ

わっはっは。覚えているものですね。意味はどうだったんでしょうか?

祇園精舍の鐘の音には、諸行無常、すなわちこの世のすべての現象は絶えず変化していくものだという響きがある。 娑羅双樹の花の色は、どんなに勢いが盛んな者も必ず衰えるものであるという道理をあらわしている。 栄え得意になっている者も、その栄えはずっとは続かず、春の夜の夢のようである。勢い盛んではげしい者も、結局は滅び去り、まるで風に吹き飛ばされる塵と同じようである。

こんな感じでしょうかね?ところで文中に出てくる「沙羅双樹の花」というのが、いったいどんな花なのかということを、ボクはずっと知りませんでした。本当だったらこの文章を暗誦させられた時に、「沙羅双樹ってどんな花なんだろう?」って疑問をもつのが正しい学習者の姿でしょうし、暗誦させるなら「これが沙羅双樹だよ」って花の姿を教えてくれるのが教師の務めのような気がするんですが、ボクにはそんな記憶がまったくありません。

この「平家物語」は、「力があるものも花の色のように変化し、衰えていく」いう意味も持ち、その変化の例えを沙羅双樹で表したみたいです。淡い黄色い花を咲かせるとされていた沙羅双樹ですが、お釈迦様が入滅すると同時に真っ白く変化したとも言われています。そのため平家物語では「大きな勢力も、淡い黄色から白く変化した沙羅双樹の花のように変わり散っていく」と表現されたようです。

実はこの花が「沙羅双樹」だとボクが信じていた期間が10年間ほどありました。「沙羅双樹」ってボクらの言う「夏椿(なつつばき)」だということを友人から教えてもらい、「え~?そうだったの?」って知ったのは、ボクが40代の頃でした。「え~?!沙羅双樹って夏椿なの?」「じゃぁ家にも咲いてるじゃん!沙羅双樹!」上下に画像を掲載した白い花は、わが家に今咲いている「沙羅双樹」です。

白い可憐な花ですね。もう少し遠くから見てみましょうか?

え~い!もう1枚!

ところがよく調べてみたら、「沙羅双樹」と「夏椿」はよく似ているけど実は異なる花だということがわかりました。

【沙羅双樹】インド原産のフタバガキ科の樹木。大きいもので30メートルにまで成長し、淡い黄色の花を咲かせる。暖かい環境を好み、開花時期は3月~7月。
 
【夏椿】日本原産のツバキ科の花木。木の高さは10メートルぐらいで、透明感のある白い花を咲かせる。開花時期は6月頃。夏に咲く椿に似た花から〔夏椿〕と名付けられた。
 
沙羅双樹と夏椿は全く別の花なのですが、実はどちらも沙羅の木(シャラのき)という別名を持っているのだそうです。夏椿が沙羅の木と呼ばれるようになった理由は諸説ありますが、「寒い日本では咲かない沙羅双樹に代わり、見た目が似ている夏椿を沙羅の木として神社に植えるようになった」と言われています。

だから、このブログ記事に掲載されているわが家の庭に咲く白い花は、正式には「沙羅双樹」ではなく「夏椿」なのですよ。まぁ別名「沙羅の木」であるのは間違いないんですけどね。なんか、面倒くさいですね。まぁ面倒くさいので、わが家ではこの「夏椿」を「沙羅双樹」とこれからも呼ぶことにします。何か問題でも?(笑)

コメント (2)
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