タケ・タケ・エヴリバディ!

当ブログは「竹と生きる・竹を生かす」をメインテーマに、管理人の田舎暮らしの様子をお届けします。

怨念の系譜(継之助・五十六・角栄)

2022年08月07日 | 読みました!見ました!

以前に、映画「峠~最後のサムライ~」田中角栄の自伝「わたくしの少年時代」を話題にした時に、sakaさんがコメント欄に「早坂茂三さんの著書に[怨念の系譜]という本があり、河井継之助 山本五十六 田中角栄 が取り上げられています」と教えてくださいました。「へぇ~すごい目の付けどころだな。継之助と五十六はともかく、角栄さんまでいくか!」とビックリし、さっそく図書館に予約したところ、すぐに届き早速読了。

「田中角栄と河井継之助、山本五十六 怨念の系譜」。著者は早坂茂三氏。言わずと知れた田中角栄を支えた敏腕秘書官です。東洋経済新報社からこの本が出版されたのは2001年。今回ボクが読んだ本は、20016年に復刻されたものです。巻末に解説を書いていたのは、長岡ゆかりの作家・半藤一利さんでした。

内容的には、河井継之助、山本五十六、田中角栄という、越後が生んだ3人の傑人の仕事や人となりについて書かれた書籍であり、中身はそれぞれの人物を取り上げた別の書籍に書かれている内容と大差はないと思うのですが、「越後長岡藩」とか「裏日本」といった観点がこの本全体を貫いているのが大きな特徴です。著者の早坂氏が田中角栄の秘書官だったわけなので、当然田中角栄に関する記述にリアリティーがあり、占める割合も多かったです。いやぁ~おもしろかった!特に田中角栄について書かれた部分(政権争い~ロッキード事件)については、ボク自身の当時の記憶とつながり「そういうことだったのか!」と何度も思いました。

武装中立を腹中に小千谷談判に臨み、夢破れて北越戊辰戦争に突入していく河井継之助。ロンドン軍縮会議で自身の意に沿わぬ役目ながらも奮戦したり、陸軍の日独伊三国同盟締結狂奔を阻止しようとするも、日米開戦の指揮を執るに至る山本五十六。この二人の長岡人の生き方と田中角栄を結びつけ、「怨念の系譜」と関係づける早坂茂三氏に感服しました。

ボクの心に残った田中角栄の言葉を、最後に一つ紹介します。「新潟の連中は辛抱強くて働き者だ。その反面、雪で苦労しすぎて諦めも早い。逆らってもしょうがない。世の中はなるようになる。諦観思想が根強くてなぁ。だから優柔不断で白黒を明言せず、因循姑息で煮え切らない。これじゃぁ駄目だと思った。」なるほどね。当たっているかも。

 

コメント (4)
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