アルビレックスサポーターのボクとしては、新潟県の米菓メーカーといえばアルビのユニフォームスポンサーの「亀田製菓」を一推ししたいところですが、「亀田製菓」と同じほどアイシテいるのが地元長岡市にある「岩塚製菓」です。旧・越路町に本社があるこの「岩塚製菓」は、ボクが子どもの頃からずっと慣れ親しんできた地元のお菓子メーカーなのです。しかもどの商品も間違いなく「美味しい」です。
今日のタイトル「米を洗う」は、幻冬舎から発刊されたマーケティングプロデューサーの辻中俊樹氏が書いた著書で、岩塚製菓の創業75周年に合わせて刊行された「愚直なまでに真面目な会社(岩塚製菓)の縁と感動のストーリー」です。
ところで岩塚製菓というと、皆さんはどんなイメージをもたれていますか?
・亀田製菓とともに県内米菓業界を牽引
・ヨネックス、朝日酒造と共に旧・越路町の基幹産業
・「国産米100%」にこだわる米菓づくりのメーカー
・米粉を購入するのではなく米粉から自社で作る徹底のこだわり
・中国の旺旺集団(ワンワングループ)とも関係の深い優良企業
・豪雪で通行止めとなった関越自動車道で、トラックのドライバーが荷物である自社の米菓を渋滞車に配って有名になった米菓メーカー
こんな感じですかね?
実はボク、昭和の終わりから平成の初めにかけて(ボクが20代後半から30代前半の頃)、勤務していた職場が越路町(当時)だったんですよ。当時の越路町長は平井石金次郎氏であり、何度か直接お話を伺ったことをよく覚えています。あの町長さんが岩塚製菓の創業者の1人であり、当時の会社運営の中枢にいらしたのが後の長岡市商工会議所の会頭となる丸山智氏であったことを、この本を読んで知りました。同じ頃に旺旺集団(ワンワングループ)の蔡衍明(さいえんめい)らへの技術指導や業務提携が始まっていたことなど、当時のボク自身の越路町での仕事や人間関係を思い出しながら、懐かしく読み進めることができました。
1950年代に越路町の岩塚地区に「岩塚農産加工場」としてスタートし、サツマイモから作る「芋飴」を製造していた岩塚製菓の前身が、やがて新潟県そして日本を代表する米菓メーカーとして成長していく創業75年間の社史でもある本書ですが、会社組織としての理念や苦悩や決断の数々もしっかり描かれており、読み物としてもとても面白かったです。
中でも特に、本書に何度か登場する「逆境良薬・順境凶器」という平石金次郎氏の言葉が印象に残りました。「逆境にあるときは、身の回りのものすべてが良薬となり、節操も行動も、知らぬままにみがかれていく」「順境にあるときは、目の前のものすべてが凶器となり、体中骨抜きにされても、まだ気がつかない」ってことですよね。出典は「菜根譚」かな?言い換えると「苦労は買ってでもしろ」ってことです。
この年になっても、身に染みる言葉です。