山川草一郎ブログ

保守系無党派・山川草一郎の時事評論です。主に日本外交論、二大政党制論、メディア論などを扱ってます。

「ガリベン岡田」は「ツッパリ小泉」に勝てるか

2004年07月24日 | 政局ウォッチ
日曜朝のフジテレビの番組で、中曽根康弘元首相が「人生いろいろ」発言を撤回しない小泉純一郎首相を「ツッパリっ子」にたとえて、持論である「大統領型首相から議院内閣的総理への転身」を助言していた。中曽根氏は返す刀で、民主党の岡田克也代表についても「ガリ勉の優等生」と皮肉った。

「ツッパリ」と「ガリ勉」―。先の参院選では「ガリ勉」に軍配が上がったが、日本人の本当の好みは果たしてどちらだろうか。

確かに小泉首相にはいい加減なところがあるが、直感で物事の本質を見抜く天性の才能もある。基本的に怠け者で、ナルシシストでもあるが、生来の明るい性格で日本全体を明るい気分にさせてきた。野球で言えば長嶋茂雄や新庄剛志のタイプだ。

一方の岡田代表は気真面目そのもの。原則を重んじ、計画的かつ着実に歩みを進める。小泉氏とは好対象で、王貞治や松井秀喜に近いタイプではないか。

実力は王や松井の方が上だが、なぜか人気ではかなわない。思えば、長嶋や新庄の人気の秘訣は、プレーそのものより意外性のある言動だったりする。浮き沈みの激しさや、スランプからの立ち直りの早さも魅力の一つだろう。

2000年の米大統領選では、民主党ゴア候補が「ターミネーター」、共和党ブッシュ候補は「チャーリー・ブラウン」にたとえられた。米国民の好みが影響したか、接戦を制したのは大統領としての資質や教養を問題視されたブッシュ候補の方だった。だらしないチャーリー・ブラウンは11月の大統領選でも再選されるのだろうか。

一方、一足先に選挙の洗礼を受けた小泉首相だが、参院選の結果に反省の色を見せないことが新たな批判を呼んでいる。終ったことを深く考えない前向きな性格が、不信感を募らす国民には「開き直り」と映るようだ。そういえば、巨人の不振に苦しんだ監督時代の長嶋も、ファンからの厳しい批判にさらされた。

ところが不思議なことに、負け続きの長嶋巨人に「監督を変えろ」というファンからの声は案外少なかった。国民的スターへの批判は、ある意味で「期待の裏返し」でもあったろうか。

世論調査の結果を見ると、小泉首相の「即時辞任」を求める声もそう多くはないようだ。「悪さの過ぎたツッパリ小泉を懲らしめる学級委員長」―。参院選で民主党に投票した有権者が岡田代表に期待したのは、ひょっとするとそんな役割なのかも知れない。(了)



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