山川草一郎ブログ

保守系無党派・山川草一郎の時事評論です。主に日本外交論、二大政党制論、メディア論などを扱ってます。

ヤルタ体制の50年後

2005年06月25日 | 日本の外交
国連安保理常任理入りを目指す日独印伯4カ国(G4)のキャンペーンは、決議案の上程を前に、米国の「ドイツ外し」宣言で暗礁に乗り上げてしまったようだ。米国は一方で「日本とあと1国」の加入を支持するとも表明しているが、2カ国で手を挙げても加盟国の多数の賛同を得るのは難しいから、日本に対するリップサービスとみるべきだろう。 中国は日本の加入に事実上反対しているので、G4案が仮に上程されても、現常任理事国 . . . 本文を読む

新聞社のポータル化が始まる 

2005年06月19日 | メディア論
市民参加型の新しいジャーナリズムを提唱している湯川鶴章氏(時事通信社編集委員)の「ネットは新聞を殺すのか」は、示唆に富む内容で読むたびに考えさせられるブログだ。最近掲載された「ローカル情報が次の金脈」と題する論考は、3次元写真と地図を組み合わせ究極のタウン情報提供を目指す米グーグル社の動きから、「検索連動型広告の次の金脈は、こうしたローカル情報広告だ」との見方を紹介している。 「ローカル情報は、 . . . 本文を読む

「新たな靖国」をつくってはどうか

2005年06月18日 | 社会時評
靖国問題で新たな展開があるのかどうか。報道によると、小泉純一郎首相は17日夜、新たな戦没者追悼施設の建設について「わだかまりなく追悼できる施設を検討してもいい」と表明した。一方で「靖国神社がなくなるわけじゃない」とも語り、新施設完成後の靖国参拝継続にも含みを残したようだ。とりあえずは週明けの日韓首脳会談に向け、歩み寄る姿勢をみせたというところか。 靖国参拝をめぐっては、日本遺族会が11日に「英霊 . . . 本文を読む

あるテレビマンへの失望

2005年06月14日 | メディア論
尼崎市の脱線事故で、JR西日本幹部を罵倒した読売新聞記者が、逆に視聴者からの強い非難を受け、同社が紙面で謝罪したことは記憶に新しい。この経緯に関して、ずっと引っ掛かっていたことがある。それは、記者が非難を浴びる直接のきっかけとなったテレビ朝日系「報道ステーション」の報道姿勢だ。 当夜(※1)の番組は、問題の記者が関西弁で口汚く罵る場面をことさら強調しているように思えた。VTRは「JRの対応に対し . . . 本文を読む

記者クラブ問題に関する論点整理

2005年06月13日 | メディア論
多くの弊害が指摘されている記者クラブ問題については、インターネット上でも様々な議論が交わされている。現在の記者クラブ制度に批判的な立場を整理すると、①解散すべき②外部に開放し閉鎖性を改善した上で存続すべき―の2つに大別されるのではないか。 既に何度か書いてきたように、私の立場は①である。記者クラブは、官庁が情報発信に前向きになったことや、通信手段が多様化したことから必要性が薄れており、その一方で . . . 本文を読む

上杉隆氏インタビュー記事についての覚書

2005年06月11日 | メディア論
以前紹介した「GripBlog ~私がみた事実~」に、衆院議員秘書や米紙記者として日本のマスコミを外から観察してきたフリージャーナリスト上杉隆氏のインタビュー記事が掲載されている。今回も興味深い内容で一気に読んだのだが、何点か思うところがあったので読後の覚書として残しておきたい。 まず、学歴云々の話。上杉氏はインタビューの中で「日本のマスコミは基本的には6大学を卒業した人か、優秀な大学を卒業した . . . 本文を読む

たかが陰謀論、さりとて・・・

2005年06月06日 | 政局ウォッチ
「『米国黒幕』論へのスタンス」と題する記事で、いわゆる陰謀理論を必要以上に深刻に受け止めることは却って危険であるとの持論を記した。その舌の根も乾かぬうちに、といわれれば耳が痛いのだが、4日放送のCS朝日ニュースターの番組に出演した鈴木宗男元衆院議員の訴えが、妙に引っ掛かって頭から離れない。 あっせん利得罪などに問われて逮捕、起訴された鈴木氏に、当時の世論は「日本の対露外交を歪めた」などと厳しい批 . . . 本文を読む

日中関係の「幼児化」を歓迎する

2005年06月03日 | 日本の外交
小泉純一郎首相の靖国神社参拝問題は、中国副首相のドタキャン騒動に至って完全に「子どものケンカ」の様相を呈してしまった。どっちもどっち―もう少し高尚な表現で言えば「泥仕合」とでもなろうか。ここにきて多くの日本国民が、日中両国指導部の非建設的な水掛け論を眺めながら「いい加減にやめたら?」という反応を示し始めている。 世論調査でも、多数を占める国民が「首相は参拝をやめるべきだ」としながらも、一方で中国 . . . 本文を読む

記者クラブは何故なくならないか

2005年06月01日 | メディア論
フリーライターの方が自ら取材して書いておられるブログ「GripBlog ~私がみた事実~」に、元鎌倉市長の竹内謙氏のインタビューが掲載されている。市役所の記者室を市民メディアに開放した市長として名前は知っていたが、インターネット新聞JANJANの主宰者だということはこの記事で初めて知った。 記事を読むと、竹内氏は記者クラブの問題点を極めて冷静に、正確に捉えていることが分かる。問題点とは「閉鎖性」 . . . 本文を読む