山川草一郎ブログ

保守系無党派・山川草一郎の時事評論です。主に日本外交論、二大政党制論、メディア論などを扱ってます。

クリントンの失敗、ブッシュの謀略

2004年06月21日 | 日本の外交
クリントン米前大統領の自叙伝が話題になっている。もっぱら不倫事件に関する記述に関心が集まっているようだが、私はむしろ、彼が自身の政権での外交実績として「ソマリア撤退」を挙げていることが気になった。 いつの時代も、撤退の決断は、派兵の数倍困難だといわれる。とはいえ、為政者が軍の撤退を決断する際には細心の注意が必要なことも事実。残念ながらクリントン氏は、撤退のタイミングを誤ったと思う。 それは、米 . . . 本文を読む

G7復権こそ日本の国益

2004年06月17日 | 日本の外交
小泉首相が各国首脳の中央で写真に収まるという「外交成果」を残して、シーアイランド・サミットが閉幕した。今回のサミットでは、日本の首相の記者会見の場で「日本はアジアを代表していると言えるのか」「中国が参加しないサミットは有意義だと思うか」といった質問が相次いだという。 確かにサミットはここ数年、有効な意義を見出せないまま漂流している感がある。特に今回は、冷戦期の自由社会の盟主レーガン元米大統領の死 . . . 本文を読む

小泉政治の研究

2004年06月07日 | 政局ウォッチ
3年間の小泉政治を分析すると、次のような問題点が浮かび上がる。 (1)政策丸投げ 小泉首相は、興味のない政策は関係閣僚や有識者、官庁に丸投げする傾向がある。今回の年金改革法案も、当面の帳尻会わせだけで、抜本改革とはかけ離れたもの。そうなった理由は、坂口厚労相と厚労省に丸投げしたからだろう。医療費3割負担も同じ。結果として一般国民の負担ばかりが増えていく。 (2)中途半端な改革 興味のない政策が . . . 本文を読む

「国連待機部隊」と大政奉還

2004年06月05日 | 日本の外交
大和朝廷が成立する以前の日本は、複数の有力豪族が存在し、互いに勢力を争っていた。やがて農耕文化の定着とともに共通の秩序を求める流れから、統一国家として、大王(オオキミ)を中心とする朝廷が形成されていったのだ。 国際社会も同じような統一の過程をたどっていると仮定してみれば、各地に近代的国民国家が勃興した19世紀は、豪族の時代に近似しているといえよう。その後、20世紀に入って二度の世界大戦を経験した . . . 本文を読む

「心の闇」で総括してはならない ―佐世保事件に思うこと

2004年06月04日 | 社会時評
長崎県佐世保市で起きた女子児童による同級生殺害事件。亡くなった少女のみならず、加害者、被害者双方の関係者の心情を察すると、言うべき言葉も見当たらない。報道を通して少しずつ見えてきたのは、インターネットでの些細な感情のもつれが、凄惨な事件のきっかけになったということ。テレビドラマの影響もあったという。 こうした事実に接したとき、私たち大人は、とかく「ネット社会に潜む危険性」「少年少女の心の闇」「有 . . . 本文を読む

四面楚歌の小泉首相

2004年06月02日 | 政局ウォッチ
かつて「首相の椅子に最も近い男」と呼ばれた自民党のプリンス・加藤紘一氏が最近、週刊誌などでの発言を活発化させている。 「加藤の乱」で政権奪取に失敗して以降、官房長官時代の公費流用が発覚して議員辞職。昨年の衆院選で返り咲いた後も、派閥に復帰せず沈黙を通していた加藤氏。 イラク情勢の悪化でブッシュ再選が危うくなり、同時に参院選後の小泉首相の続投にも黄信号が灯り始めた今、いよいよ保守本流のリベラル派 . . . 本文を読む