山川草一郎ブログ

保守系無党派・山川草一郎の時事評論です。主に日本外交論、二大政党制論、メディア論などを扱ってます。

「やめます」型リーダーからの脱却?

2003年08月26日 | 政局ウォッチ
小泉純一郎首相が、自民党総裁として続投か、辞任かの瀬戸際に立たされている。前内閣の不人気から自民党を救った救世主として、小泉氏は首相就任以来、高い支持率を保持してきた。 小泉氏と並び、「次期首相にふさわしい人物」アンケートの上位に必ず顔を出す人物に、東京都の石原慎太郎知事がいる。 小泉首相と石原都知事。いずれも大衆的人気に支えられる両者だが、実は本質的に大きな違いがある。小泉氏が「郵政3事業民 . . . 本文を読む

イラク戦争と「近衛声明」

2003年08月25日 | 日本の外交
2001年9月11日朝、ニューヨークとワシントンという米国の中枢都市は、その建国史上初めて外敵からの攻撃を受けた。多数の民間犠牲者を出したこのテロ攻撃によって、ブッシュ政権内のネオコン派と呼ばれる勢力は、従来から練っていたある計画を実行に移すことを決めた。 「中東の民主化」を目指すその計画は、まず、攻撃の首謀者とされたイスラム原理主義指導者オサマ・ビン・ラディンへの報復攻撃として開始され、彼らの . . . 本文を読む

「安全保障」という名の罠

2003年08月24日 | 日本の外交
日清戦争から対米敗戦に至る戦前日本の半世紀は、「安全保障」に突き動かされた歴史と見ることができる。 明治初期の日本にとっての脅威は強大な海軍を有する清国だった。日本は1894年の日清戦争で勝利し、清国の影響下にあった朝鮮半島から「大韓帝国」を独立させた。朝鮮半島に緩衝地帯を作って日本本土の安全を確保するためだ。 ところが、韓国に赴任した初代統監・伊藤博文がハルビン駅頭で朝鮮人青年のテロに倒れる . . . 本文を読む

新しい民主党の宿命

2003年08月22日 | 政局ウォッチ
民主党と自由党の合併について、「政策無視の野合」との批判がある。必ずしも的外れではないものの、そう意味のある議論とも思えない。なぜなら与党たる自由民主党が「政策政党」でないからだ。 よく指摘されるように自民党は、東西冷戦時代に構築された「派閥均衡による体制内政権交代システム」であると同時に、「事業者間の競争、および事業者と中央官庁の間の調整役としての利益配分システム」として存在してきた。民主、自 . . . 本文を読む

「小泉純一郎」という逆説

2003年08月22日 | 政局ウォッチ
「小泉純一郎」という政治家を侮ってはならない。なぜなら彼は、おそらく戦後では吉田茂、中曽根康弘両氏以来の「2大政党制論者の現職首相」だからだ。 宮沢政権末期に郵政相の辞表を提出し、内閣総辞職の契機をつくったのは彼だった。菅直人氏が二度目の民主党代表に就任した際、菅氏から「私の次の厚相があなただった。あなたの次の首相は私に」と水を向けられ「すぐにそうなるんじゃないか」と平然と語った。 小泉氏は本 . . . 本文を読む