山川草一郎ブログ

保守系無党派・山川草一郎の時事評論です。主に日本外交論、二大政党制論、メディア論などを扱ってます。

首相の失言を深読みする

2006年06月29日 | 政局ウォッチ
少し前の話になるが、森喜朗前首相が民放のテレビ番組に出演し、首相時代の自らの「失言」について、こんな趣旨の弁明をしていた。「自分は『無党派層は寝てろ』なんて言ったんじゃない。『そうはいかないから、しっかりやらないといけない』と言ったんだ。それをマスコミが悪意をもって一部だけ取り出して報道した」 何度も聞いた理屈なので、おそらく周囲から疑問を差し挟まれたことはないのだろうが、正直に言って、私にはこ . . . 本文を読む

ありがとう、ご苦労さん、さようなら。

2006年05月05日 | 政局ウォッチ
政治について書こうという意欲が湧かない時期がある。変化がないときは当然そうだが、変化が起きていても別段刺激されない場合もある。今がそれだ。前原誠司氏の党首辞任を受けての民主党代表選で、小沢一郎氏が新代表に就任。「まずは自分自身変わらなくては」と変身をアピールし、千葉7区補選を制した。新聞政治面は活気付き、テレビも小沢氏のキャラクターに焦点を当てる特集でにぎわった。 小泉純一郎首相との共通点、自己 . . . 本文を読む

007と民主党

2006年03月31日 | 政局ウォッチ
英映画007シリーズの次回作「カジノ・ロワイヤル」で6代目ジェームズ・ボンド役を演じるダニエル・クレイグ=写真が、ファンの間ですこぶる不評らしい。反対派サイトは「ボンド役として絶大なる人気を博していたピアース・ブロスナンを解雇したばかりか、背が低く、金髪で、変な顔のダニエル・クレイグを起用し、ファンを侮辱した」という声明文を掲載、ボイコットを呼び掛けているそうだ。(「ファンが新007をボイコット! . . . 本文を読む

前原さん、その論理は。

2006年02月22日 | 政局ウォッチ
比較的ヒマだったので、仕事の合間に小泉首相と前原民主党代表の党首討論をテレビ観戦した。ライブドアの堀江前社長が武部自民党幹事長の二男への送金を誰かに指示したとされる問題で、民主党が疑惑の根拠としている電子メールに関して「新たな証拠」を提示すると思ったからだ。結果は期待はずれだった。 前原氏は「国政調査権の発動を前提に銀行名と口座を示す」と主張し、小泉首相は「先に証拠を出してほしい」と言い返す。相 . . . 本文を読む

「堀江メール」疑惑の危うさ

2006年02月18日 | 政局ウォッチ
堀江貴文ライブドア前社長が自民党幹事長の二男に「選挙コンサルタント」名目で3000万円の送金を指示していたという「堀江メール」疑惑。この問題を国会で追及した民主党の永田寿康衆院議員に逆風が吹いている。民主党寄りで、アンチ自民の朝日新聞でさえ、「メール疑惑 民主党の信用が問われる」と題した社説で、次のように指摘する。 これだけの重大疑惑を公の場で指摘したのだから、民主党もこうした自民党側の対応は覚 . . . 本文を読む

政界ポジショントーク

2006年01月27日 | 政局ウォッチ
「ポジション・トーク」という言葉がある。「株式先物の買持ち・売持ち等のポジションを持っている影響力のある市場関係者が、自分に有利な相場展開を図るために世論誘導を企てること」を指すらしい。 ライブドア事件に絡んで、ホリエモン応援問題が自民党内の政争に火をつけている。靖国問題などで舌好調の外交評論家・加藤紘一氏の執行部批判にも、何やらポジショントークな雰囲気が漂う。党総務会では武部幹事長とつばぜり合 . . . 本文を読む

安倍コルレオーネの憂鬱

2006年01月05日 | 政局ウォッチ
元日夜にテレビ朝日系で放送された「細木数子が緊急大予言アナタの将来を幸せにするSP」。 自民党の次期総裁候補の運命を占うというので思わず観てしまったのだが、その結論が何とも罪深い。細木女史の下した結論はこうだ。 ▽麻生太郎外相→「可能性なし」 ▽谷垣禎一財務相→「可能性なし」 ▽福田康夫氏→「調整次第で首相になる可能性あり」 ▽安倍晋三官房長官→「将来は首相になる可能性があるが、この1、2年はな . . . 本文を読む

「大連立」騒動の火元 

2005年12月20日 | 政局ウォッチ
「小泉首相が民主党の前原代表に大連立を持ち掛けていた」というニュースが、このところ永田町の最大の関心事になっているようだ。現実的に考えて、衆院で過半数を超えている与党が最大野党と連立を組むという構想は、いささか真実味に欠ける。そこで「首相の真意は何か」「公明党へのけん制球だ」「民主党分裂を誘うクセ球では」といったウワサが飛び交うことになる。 「大連立の打診」が明らかになったのは前原代表が米国を訪 . . . 本文を読む

民主党と浅野知事の誤算

2005年11月24日 | 政局ウォッチ
毎日新聞の読者参加型サイト「まいまいクラブ」に、仙台支局・石川貴教記者のコラム「浅野・宮城県知事の引退」が掲載されている。11月20日付で知事職を退いた浅野史郎氏は、私にとっても、ずいぶん前から気になる政治家の1人だった。 浅野氏が知事になったのは細川政権が発足した1993年。長く続いた55年体制(=自民党1党支配体制)に対する反発が渦巻いていた頃だ。無名の厚生省課長だった浅野氏は、泡沫候補扱い . . . 本文を読む

2大政党化の最終章が始まる

2005年09月04日 | 政局ウォッチ
「小泉政権が続けば日本はぶっ潰れる。郵貯は外資に売り飛ばされる。年金改革やるなら皆さん、民主党ですよ」――民主党・岡田克也代表の訴えを聞いていると、彼らが小泉政権に張ったレッテル「押し売りリフォーム詐欺」を思い起こさずにはいられない。 「2週間ずっと相手の悪口を言い続ける男ってどうなんだろうか」と、どこかの番組でテリー伊藤氏が言っていた。政権の中間業績が問われる参院選では、野党の政権批判攻勢は効 . . . 本文を読む

「参加型」の時代

2005年08月29日 | 政局ウォッチ
郵政民営化法案を自民党内の多数決で国会に提出し、その法案が参院で否決されるや衆院解散に踏み切った小泉純一郎首相。その政治手法に対して「民主主義を壊す暴挙」と声高に批判する人たちがいる。確かに全会一致が原則だった自民党総務会の慣例には反しているし、党内の混乱をきっかけに議会を解散した判断には「危うさ」が付きまとう。 一方で、党総務会の全会一致原則が、赤坂や銀座での連日連夜の根回し、裏工作という自民 . . . 本文を読む

政権評価を二分する「直感力」

2005年08月23日 | 政局ウォッチ
朝食を摂りながら斜めに観ていた22日朝のフジテレビ情報番組が、思いのほか面白かった。30日公示の衆院選で亀井静香元建設相の地元選挙区から出馬する堀江貴文ライブドア社長が、司会者やゲストのピーコ氏らから袋叩きにあっていたのだ。 堀江氏いわく・・・小泉政権になってから、スピードは遅いながらもイイ感じに改革が進んでるな、と思っていたら参院で郵政民営化法案が否決されちゃった。ここで改革を止めたら、日本経 . . . 本文を読む

決断できる国家になれるか

2005年08月14日 | 政局ウォッチ
あす8月15日は終戦記念日。新聞テレビでも60年前に終ったあの戦争について考える特集が目に付く。そんな中、本日付朝日新聞は「なぜ戦争を続けたか」と題する社説で、戦争終結を決断できなかった理由を「指導層のふがいなさ」に求めている。 終戦工作開始を進言した参謀を更迭した東條首相、その東條を政変で総辞職に追い込んだ宮中重臣らも、しかしながら自宅で密談を重ねるだけで「互いの腹の探り合いに終始した」。 . . . 本文を読む

「独裁者」が勝負に出るとき

2005年08月13日 | 政局ウォッチ
「猫だまし解散だ」と、コラムニストの天野祐吉さんがテレビで言っていた。力士が見合った相撲の立会いで、組む直前に相手の目の前で手を叩いて驚かす。ひるんだすきに自分の得意技に持ち込んで勝ってしまう。小泉首相のトリッキーな解散劇を皮肉まじりに讃えた言葉だ。 サプライズ解散という表現もあるらしい。「まさかそこまでは…」という政界の常識を覆した演出に、メディアは目くらましをされた。そんな批判も聞こえてくる . . . 本文を読む