山川草一郎ブログ

保守系無党派・山川草一郎の時事評論です。主に日本外交論、二大政党制論、メディア論などを扱ってます。

「砂」になった日本社会

2005年12月24日 | 社会時評
「粘土だったものが砂になってしまった」と、何かのインタビューで中曽根康弘元首相が言っていた。日本社会が有機的に結合した「粘土」から、つかみどころのない「砂」に変質したため、郵政解散で風を起こし、砂を巻き上げた小泉首相が勝ってしまった。そんな内容だったと記憶している。 日本社会の「砂質化」は10年、20年かけてゆっくりと進行してきたが、2005年は「砂になった日本社会」が特に印象付けられた年だった . . . 本文を読む

「大連立」騒動の火元 

2005年12月20日 | 政局ウォッチ
「小泉首相が民主党の前原代表に大連立を持ち掛けていた」というニュースが、このところ永田町の最大の関心事になっているようだ。現実的に考えて、衆院で過半数を超えている与党が最大野党と連立を組むという構想は、いささか真実味に欠ける。そこで「首相の真意は何か」「公明党へのけん制球だ」「民主党分裂を誘うクセ球では」といったウワサが飛び交うことになる。 「大連立の打診」が明らかになったのは前原代表が米国を訪 . . . 本文を読む

ジャーナリストはプレーヤーであるべきか

2005年12月12日 | メディア論
読売新聞社の渡邉恒雄会長が回想録「わが人生記」(中公新書ラクレ)を出版した。といってもここで話題にしたいのは、この本そのものでなく、11日付日経新聞朝刊に掲載された芹川洋一編集局次長の書評についてである。芹川氏はこう書いている。 本書を通じて浮かび上がってくるのは「時代のプレーヤー」としてのナベツネ像である。共産党時代も政治記者としても、球団経営にあたっても、観客席でプレーをみているだけではおさ . . . 本文を読む

「防衛省」にも、敢えて異論

2005年12月12日 | 政治のかたち
自民党が「防衛庁を省に昇格させる法案」を次期通常国会に提出すべく準備中だという。巷では「防衛庁が防衛省に昇格したからといって、実質は大きく変わらない」「法案提出の手続き簡素化や自衛官の士気向上が期待できる」など、省昇格を容認する意見が多く聞かれるようだ。 現在の防衛庁は内閣府の外局という位置付けで、防衛政策の主任大臣は、あくまで内閣府の主任たる総理大臣なのだという。だから防衛庁は独自に国会に法案 . . . 本文を読む

ロイヤルファミリーはもう要らない

2005年12月12日 | 社会時評
皇室典範の改正問題が現実味を帯びつつある。天皇家の問題を社会問題として騒々しく扱うことには気が引けるし、大きな時代の流れは変えられないとも思うのだが、それでも私個人の意見は意見として書き残しておきたいと思う。 まず立場を明らかにしておきたい。私は、女性天皇を認めることには賛成だが、女系天皇を認めることには反対である。女系の創出は、皇統の断絶のみならず、「新しい王室」の創設を意味する。21世紀の現 . . . 本文を読む

語りはじめた弁護士

2005年12月05日 | 社会時評
広島での女児殺害事件で、逮捕されたペルー人容疑者の弁護人が記者に囲まれ、インタビューに応じている風景を何度かテレビで観た。少し前なら弁護士はマスコミの取材を受けなかっただろう。守秘義務があるため、法廷の外でペラペラ喋ることをよしとしない空気が、日本の法曹界にはあったからだ。 一方、マスコミはマスコミで、警察発表を鵜呑みにして「容疑者は容疑を認めている」などと報じて平気だった。まあ、警察に拘束され . . . 本文を読む

新進党から学ぶこと

2005年12月04日 | 政治のかたち
9月の衆院選で歴史的大敗を喫した民主党が、足腰の弱さを指摘されている地方組織のテコ入れに動き出したようだ。同党に近い関係者から聞いた話では、2007年の統一地方選に向け、各地方で非自民勢力を総結集した「地域政党」を結成し、反転攻勢の礎石にしたい考えだという。 中央政界と異なり、地方政界では民主党はまだまだ弱小勢力だ。都道府県議会では自民党系会派が数十人規模なのに対し、民主党系は2,3人という例も . . . 本文を読む