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毎日が山のこと

最近の山歩きの記録はもちろん、作ってみた山行プラン、過去の山歩きの記録も順次掲載中です。

荒川三山赤石岳②(2016年8月9日・10日)

2022-09-27 08:20:42 | 南アルプスとその周辺

8月9日縦走第3日目。この日もいい天気だった。

この日は、千枚小屋を出発してまず千枚岳へ。その後荒川東岳(悪沢岳)中岳、前岳と縦走し、大聖寺平から小赤石岳、赤石岳と歩いて2500m付近にある赤石小屋に泊まる。

標準コースタイムで10時間半、2回の食事や休憩を含めば12時間を要するロングコースだ。

千枚岳山頂で食べることにして朝食は取らず5時前に出発した。

東の空には薄雲がたなびいていて、富士山のシルエットが浮かび上がっていた。

薄雲のために朝日をあびることはできなかったが、次第に明るくなる斜面を大きくジグザグに登っていった。

 

 

左手には赤石岳。

振り返った東には、裾に少し霞をひいた富士山。

そして前方には今回のコースの最高地点、荒川東岳(悪沢岳)。

5;55 標高2880m、千枚岳山頂に到着。腰をおろして朝食をいただいた。

朝食後、いよいよ悪沢岳に向かう。まずはコース上のピーク丸山へ。

センジュガンピの大きな株があった。(うっかりタカネビランジと書いていましたが間違いです。たまにしかみない花の名前はよく間違えます(笑))

斜面にはマツムシソウをはじめたくさんの高山植物が咲き乱れていた。

谷の向こうに見える赤石岳の高度に少しづつ近いづいていく。

タカネナデシコなどの群落。

イブキジャコウソウの薄ピンクと紫がきれいだ。

まずは3032mの丸山へ。名前の通り丸っこい山頂だ。

その先の悪沢岳山頂はさらに110m上だ。

7:30、3141mの高峰、悪沢岳(荒川東岳)山頂に到着。快晴の空の下、朝日を浴びた山頂。まだ疲れも出ていないので気持ちよくすごす。

ここは赤石岳の山頂より少し高いはずだが、こうやってみると赤石岳もそうとうに高いことがわかる。

まだまだ遠いし、大聖寺平からの登り返しもなかなかたいへんそうだ。

富士山をみると山々のグラデーションがいい。じっくりと撮りなおしてみた。

北には塩見岳とその奥に間ノ岳や甲斐駒ヶ岳。仙丈ケ岳はちょうど塩見岳にかさなっている。

次のピーク中岳へは100m下って100m登り返す。

目の前の斜面がなかなか大きい。

中岳にむかってゆっくりと登り返していく。グライダーで滑空すれば楽だろうなどと考えてしまう。

山頂の少し手前に荒川中岳避難小屋があった。避難小屋にしてはなかなかの規模だ。

荒川中岳、3084m。塩見岳や仙丈ケ岳をバックに。

次の荒川前岳は縦走コースから少し外れている。その先の尾根をたどると山伏峠から塩見岳へと続く。

荷物を置いて前岳を往復した。

いったん戻って、今度は前岳の東斜面をくだって荒川小屋から大聖寺平へと向かう。

途中に鹿よけ柵があって、その先がお花畑だった。

実にたくさんの種類の花々が咲いていたが、そろそろ疲れて集中力をなくした私の写真はどれもこれも手振れだらけ(涙)

先頭を行くMさんは、楽々と歩いていくが、後を行くOさんと私は遅れがちに。

11:32、荒川小屋は立派な小屋だった。このあたりで一泊すれば余裕なのだが、今日は頑張らねばならない。

大聖寺平へむかう山道から荒川小屋や荒川前岳を振り返る。

ここ大聖寺平まではあまりアップダウンのない道が続いた。

いよいよここから小赤石岳へと300m強の登り返しだ。

先頭のM氏もわれわれの疲れ具合を考えてゆっくりと登ってくれる。それにしてもきつかった。

午後になったので雲があがってきた。

その中を小赤石岳から3120mの赤石岳へ。

さすがにもう遠くの景色は雲の中に隠されてしまった。

山頂のすぐ下に赤石岳山頂避難小屋がある。夏は管理人が常駐しているのでここで泊ることもできる。

赤石岳からいったん道を戻って、鞍部から赤石沢北沢へと下っていく。

このあたりにも花がたくさん咲いていたが、もはや写真を撮る元気は残っていない。

350mほどくだって、こんどは小赤石岳からのびる尾根へのトラバース道にはいる。

水平の道なので少しは楽になるかと期待していたが、そうは問屋がおろしてくれない。

歩きにくい道につかれた足が悲鳴をあげた。

富士見平という尾根上のピークで最後の休憩。ここへの登り返しはわずかなものなのだが、ひいひいいわされた。

午後5時、ようやく赤石小屋に到着。遅い到着ですねと小屋の管理人に嫌味をいわれてしまった。

最終第4日目は、赤石小屋から椹島にくだり、ロッジのバスで駐車場にもどった。

赤石小屋からのくだりは結構急なくだりだった。

まだ早いので、どこかで風呂に入ろうと探した。訪ねて行った宿では1時間ほど待ってくれれば入れますといわれたのだが、なんだか時間がもったいないと思ったので、結局風呂には入らずに帰ってきてしまった。

さぞかしからだが臭かったことだろう。

 

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荒川三山赤石岳①(2016年8月8日)

2022-09-26 08:58:20 | 南アルプスとその周辺

私にとって一番大きな山行は、2016年の夏に行った荒川三山と赤石岳の縦走だ。

椹島に入るための一日を含め三泊四日だった。

全体行程は、2日目の朝椹島を出発しロッジから千枚小屋へ。3日目は、荒川三山、赤石岳と歩いて赤石小屋まで。4日目椹島に下ってロッジのバスで畑薙の駐車場まで。

たしかこの時は第2東名を使って新静岡インターで下り、安倍川をさかのぼって峠を越え、大井川流域に入った。

畑薙ダムの近くの駐車場に車を停め、椹島ロッジ宿泊者用のバスを待って、ロッジに入った。

椹島ロッジはこのあたりの山を所有する東海製紙の子会社東海フォレストの経営で、千枚小屋や赤石小屋もみな同じ経営だ。

それにしても椹島は、いい場所だと思う。大井川の古い蛇行の跡なのだが、今はもう一段浸食が進んでいるので川から10mほど高くなっており、水をかぶる心配のない高台になっているのだ。

2日目は、朝6時半にロッジを出発。一段高いところを走る道路を大井川に沿って少し遡り、瀧見橋のところから登山道に入った。

今はもう少し上流に千枚大吊り橋ができて、そちらから登り始めるようだ。

道路をはずれて登山道を大井川の流れに削られた右岸の崖道をしばらく歩く。

たぶんこの辺がたびたび崩れて危険なので大吊り橋がつくられたのだと思う。

川べりの崖をへつるようにして歩き、大井川の支流、奥西河内の吊り橋を渡る。

奥西河内は、南アルプス南部の盟主、荒川東岳(悪沢岳)から流れ出している。

この橋を渡って急斜面を登り、いよいよ千枚への尾根へと取り付く。

尾根を少し登ると林道にぶつかり、そこを少し右へ歩く。

そこから長い鉄はしごを登って、いよいよ長い長い登りに突入する。

胸をつくような急登こそないが、標高1100mの大井川から2600mの千枚小屋まで標高差1500mを登るのだ。

うっそうとした木々に覆われた尾根道をゆっくりと登っていく。

このあたりはそれほど急ではない。

林道から300mほど標高をあげると清水平という場所に出た。

少し広くなっていてちょうどよい休憩スポットだ。

そこから少し急な登りで200m登ると蕨段だ。

ときどき木のあいだから周囲の山が見える。これは赤石岳だ。

蕨段から少し傾斜もましてきて、さらに500m登ると次の休憩スポット駒鳥池がある。

道はしっかりしていて歩きやすいが、疲れの出てきたからだには標高差500mはやはりきつい。

すでに5時間半も登り続けている。駒鳥池が近づくころにはすでに足はパンパンになってきていた。

登山道からそれて少し下ると駒鳥池があった。それほど大きくはないが深い樹林の中に静まりかえっていた。

写真を撮り終え、登山道に戻って休憩してからふたたび動き出そうとすると足がつってきた。

休憩して筋肉が冷えるとつることが多いように思う。

痛さをこらえながらしばらく静止し、その後ゆっくりと動き始める。

少しづつ筋肉が温まるとそのうちにけいれんはおさまってくれた。

駒鳥池から150mほど登るとようやく千枚小屋に到着した。午後1時50分だ。

南アルプスの南部らしく、小屋のあたりまで樹林におおわれている。

木造だがしっかりしたつくりのきれいな小屋だった。

小屋の前は東にむかって開けていて大展望が広がっていた。

正面には富士山が見えているのだが、この日は少し雲がまとわりついていて、夕方まで同じような状態だった。

(続く)

 

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野呂川から間ノ岳・北岳へ(2017年7月31日~8月2日)

2022-09-02 20:30:59 | 南アルプスとその周辺

山仲間のM氏から誘われて出かけた間ノ岳と北岳の縦走のことを記録しておきたい。

私は、若い頃に職場の仲間と白根三山を縦走している。

その時は広河原から入って奈良田におりた。

しかし、初日は強い雨になってしまったので、八本歯のコルから北岳稜線小屋に直行して北岳の山頂を踏みそびれている。

だから喜んで参加させてもらった。

コースは野呂川から両股小屋泊まり。2日目は仙塩尾根経由で間ノ岳へ登り北岳山荘泊まり。

3日目に北岳山頂をこえて広河原に降る計画だ。

広河原から北沢峠行きのバスにのり、野呂川出会いで下車。

ここから林道を2時間20分あるいて両股小屋へと向う。

バスは満員だったが、出会いで降りたのはわれわれ3人だけだった。

降りる時バスの運転士さんが、最近小屋まであいだでクマが出没しているから気をつけるようにいわれた。

「脅かさないでよ」といったら、「いやいやほんとだから」と返された。

12時45分、両股小屋にむかって出発。クマが出ないことを願いつつ一方で出会ってみたいとも思う。

立派な林道をゆっくりと奥へとむかった。

見通しがいいのでクマが出ても遠いうちに気がつくだろう。

谷底から見上げる山の大きさに南アルプスの奥深くを歩いていることを実感する。

奥になって山が迫ってくると野呂川の流れが少しづつ近づいてきた。

すきとおった綺麗な流れが、ところによって青みがかってうつくしい。

下流部と違ってこのあたりでは流れもそれほど急ではないし、谷底も少し広がっている。

道が白い綿毛でおおわれていた。柳絮と呼ばれる柳の種を含んだ穂綿だ。

15時5分、予定通り両股小屋に到着。こじんまりとしたかわいい小屋だ。

着くなり、管理人さんが「クマに会いませんでしたか」といった。

つい先日も小屋のすぐそばにあらわれたそうだ。いや無事でなにより。

まずは小屋の前のベンチで山奥の空気をあじわった。

急なはしごをのぼった2階が寝室。真ん中開いている出入口を囲むように寝るように作られていた。

さて第2日。8月1日だ。

小屋を5時15分ころに出発。まずは仙塩尾根の野呂川乗越へと登る。

この日は、私はからだが重くて調子がでなかった。

最後尾を遅れ気味に登っていった。

45分ほどで300m登り、乗越に到着。標高は2315m。樹林の中の狭い尾根で見通しはない。

深い樹林の仙塩尾根を南へ、三峰岳(みぶだけ)をめざして登り始める。

長い長い見通しのない尾根道を黙々と歩く。あいかわらず調子がでない。

2時間半ほど歩くと樹林帯を抜けてようやく視界が開けてきた。

伊那谷側の展望。遠くにうっすらと中央アルプスの連なりが見えていた。

このあたりから高山の花々が姿を見せ始めて、写真もたくさん撮ったが、記録写真的に撮ったものばかりなので割愛する。

すでに森林限界をこえていて、野呂川の谷を見下ろせるポイントがあった。

奥に見えているのは甲斐駒ヶ岳だろう。

ミヤマダイコンソウ。

前方には塩見岳。私はまだ登っていない。そしてその奥には荒川三山の悪沢岳。

北を振り返ると仙丈ヶ岳がずっしりと存在感を示していた。

三峰岳への最後の登り。右へ向かえば熊ノ平小屋を経て塩見岳へ向かう。

9時50分、2999mの三峰岳山頂に到着。

少し時間をとった休憩。休んでいると岩陰からオコジョが顔をだした。

あわててカメラを手にしようとしたが、たちまち姿を消し、その後を姿を見せてくれなかった。

三峰岳は仙丈ヶ岳から塩見岳、荒川三山、赤石岳と連なる主稜線のピークだが、すぐそばにある間ノ岳の圧倒的な存在によって、山頂からなだれ落ちる尾根の先端の小さなピークにすぎないように見えてしまう。

高さだけならあの剣岳と同じなんだけどなぁ。

それにしてもこれからここを登るのか、と少々へこんでしまう。

相変わらず調子があがらないので仲間には先に行ってもらい、自分のペースで登った。

高度があがってきて稜線のむこうに北岳が頭を見せ始めた。

イワギキョウ。足元には次々と小さな花があらわれて励ましてくれる。

もうまもなくと上を見上げると仲間のO氏が岩に腰をおろして私を待っていてくれた。

11時10分、ようやく長い登りを終えて日本第3位のピーク、間ノ岳山頂に到着した。

すでに東側からガスがあがっていて展望はなくなっていた。

しばらく休憩して花などを写真に撮っていたが、ガスが濃くなって雨粒が混じってきた。

急いで北岳山荘へと下り始める。

途中少し雨にうたれたが直ぐに小止みになった。

14時28分、北岳山荘に到着。

また雨になってしまったので夕食まで小屋の中で横になって休息した。

第3日、8月2日はいいお天気だった。

5時前に起きだして日の出を見る。

北岳の八本歯のコルの近くから日が登り、北岳のシルエットが大きい。

間ノ岳とのあいだにある中白根山が赤く染まっていた。

下界は雲海におおわれ、日の出と共に朱に染まってきた。

富士山に少し雲がかかっていたのが残念だった。

30分ほどたって北岳全体に日があたってきた。

初の北岳山頂に期待が高まった。

小屋を出て稜線に出ると北岳のシルエットの向こうに仙丈ヶ岳。ほれぼれする姿だ。

日が少し高くなって雲海が白くかがやく。その向こうに富士山。たなびいていた薄い雲が消えてきた。

岩稜の尾根道にはたくさんの花々。ウスユキソウの仲間もあった。ヨツバシオガマやキバナシオガマなども咲いていた。

あぶない岩場にはしっかりした階段が設置されている。

6時40分、八本歯のコルへとの別れる吊尾根分岐に到着。

ミヤマオダマキが朝日をあびている。

いよいよ山頂も近い。でも山が大きいので見た目より時間がかかった。

7時5分、待望の北岳山頂に到着。しばし記念写真を撮りまくる。

ピークにはかなりの人、おそらく30人くらいがいた。

この日も夏らしくすぐに雲があがりはじめあたりはガスが流れはじめた。

この山行計画をたてたMさんは、下山の途中で小太郎山に寄るために山頂から一人で先行した。

Oさんと私はのんびりと自分のペースでくだる。

やがて肩の小屋が見えてきた。

チシマギキョウ。

肩の小屋の少し先の広場で休憩していると小屋の人たちが出てきて作業を始めた。

ヘリが荷物を積んで到着するので少し離れてくださいといわれた。

しばらく様子をみているとヘリが荷物をぶらさげてやってきた。

広場の上空でホバリングしながらロープをさげ、小屋の人たちが手早く網をひろげて荷物をだし、傍らに運んでいく。

ヘリはすぐに引き返していった。

イワヒバリもそのようすをじっと眺めていた、わけではなさそうだ(笑)。

8時40分すぎ、小太郎山への分岐に到着。小太郎山は北岳から北の方に突き出した尾根の先端だ。

晴れていれば、仙丈ヶ岳、甲斐駒ヶ岳、アサヨ峰から鳳凰三山を見渡せると思うが、Mさんにはあいにくガスに包まれていた。

今ごろはすでに引き返し始めている頃だろうといいながらわれわれは先にくだる。

白根御池にむかって急斜面をくだっていく。草すべりだ。晴れていれば展望を楽しみながらくだれるのだろうが、ガスの中。

かなり下るとダケカンバの林の中にマルバダケブキがたくさん咲いていた。

ここにもたくさんの花が咲いていたが代表してセンジュガンピを。

そろそろ白根御池かと思われる頃、小太郎山に立ち寄ったMさんが追いついてきた。さすがだ。

10時26分白根御池に到着、池のほとりにはたくさんのテントが。

小屋のかたわらでゆっくりと休憩し、その後広河原へとくだって帰宅した。

ちょうど5年前の夏の山行だったが、この時いっしょだったOさんは最近ガンを発症し、手術後の放射線と抗がん剤の治療を続けている。

この秋には軽いハイキングにでもいっしょできるといいのだが。

 

 

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