毎日が山のこと

最近の山歩きの記録はもちろん、作ってみた山行プラン、過去の山歩きの記録も順次掲載中です。

足慣らし第2弾は浅間隠山へ(2024年7月31日)

2024-08-02 15:32:41 | 信越・長野・西上州の山

前回の水ノ塔山から1週間、足慣らしの第2弾として浅間隠山に登った。

今回は、山仲間がいっしょだ。どこか計画しろとせっつかれていた。

浅間隠山は標高1757mあるし、登山口の二度上峠は1300mを超えている。

ここなら暑くなくて快適なハイキングが楽しめそうだ。

 

高速を高崎インターで降り、高崎市内を突っ切って、国道406号線を西北西へと走る。

途中、倉淵の道の駅で小休止後二度上峠をめざした。

 

二度上峠の少し手前、浅間隠山登山口の少し先のカーブのところが駐車スペースになっていて、工事現場などにあるような仮設のトイレも設置されている。

あたりは夏の日差しをあびて緑がきらきら輝いている。でも風が吹き抜けて涼しい。

10時15分出発。

 

登山口からカラマツ林の谷間の道へと入ると山道は伸びきった草におおわれていた。でもそこここに花が咲いている。

目についたのは白い花のノリウツギ。

 

斜面を登って峠のようなところに出ると気持ちの良い風が吹き抜ける。

 

 

そこから1528mの山の横腹をあるいて二つ目の峠風のところに出た。

そこで道が分岐していて、浅間隠山への標識が設置されていた。ここで一服。

以前、11月頃に来た時には、このあたりのカラマツが黄葉し、風が吹くたびにきらきらと葉を散らして素敵だった。

 

そこから右側は急斜面だが左側は高原上という尾根にそって浅間隠山へと近づいていく。

樹木はカラマツからコナラに変わり、やがて広い斜面を斜めに登り始めた。

道はもう少し傾斜があってもいいんじゃないと思うほどゆるやかだ。

 

斜面を200mほど登って東へと折り返したあと、また折り返して少しゆるやかになり、ちょっとした尾根の広場になったところに出た。標高1538mのピークだ。ここで2回目の休憩。

 

ここからはしばらく急な登りが続いた。

足元の土が雨でえぐられており、くぼんでいるところは歩きにくい。

そんなところはえぐれの上に新たな踏み跡ができている。

 

標高が1700mに近づいてようやく山頂稜線の一角に着いた。

看板にはジグザグをはずれて直登しないようにという注意の看板があった。雨で土が流され、斜面が荒れてしまうからだ。

 

道はいったん下り気味になり、ふたたび登りはじめると丈の高い草のあいだから鼻曲山など軽井沢の山が見えてきた。

 

南を振り返ると妙義山のデコボコとその向こうに奥秩父の山もみえた。

 

そのあたりから夏の花がたくさん姿をみせてくれた。これまで夏に来たことがなかったので、こんなにたくさん花がみられるとは思っていなかった。

クガイソウかルリトラノオとシモツケソウのコラボ。

 

コオニユリ

 

ヒヨドリバナの群落。

 

そしてひと登りで山頂に到着。12時5分だ。

登山口の案内看板には山頂まで90分と書いてあったが、ゆっくりペースで登っても110分だった。

ヤマレコなどでは1時間47分としてあった。

 

東側は広く展望が開けている。目の前には榛名山。

 

南北は葉を茂らせた樹木があるが、浅間山の方は切り開かれている。

浅間山をバックに記念写真。

 

山頂標識の前でも記念撮影。

 

山頂には小さな石の祠が。

 

あらためて浅間山の雄大な姿を。

山頂に咲く花を写真におさめていると先についていた女性が気がつきにくいところにある花を教えてくれた。

 

ヤマオダマキ

 

ホトトギス

 

ミネウスユキソウはちょっとわかりにくいところに咲いていた。

 

シシウドの線香花火。

 

山頂で45分もすごしてから下山開始。北軽井沢分岐のところで小休止し、午後2時40分無事駐車場に戻った。

この日はこのあと倉渕温泉長寿の湯によって汗を流し、その後道の駅にも寄ったので帰りが少し遅くなった。埼玉にはいるまでは快調に走ったのだが、所沢インターが近づくと激しい雷雨に巻き込まれ、出口が大渋滞。どうもインターへの取り付け道路が冠水してしまったらしい。とんだハプニングだったが、山の方はみんなとてもいい印象だったようで、季節を変えてまた行きたい言っていた。

 

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天気を見て変更、水ノ塔山へ(2024年7月24日)

2024-07-29 09:25:33 | 信越・長野・西上州の山

ほぼ半年ぶりの山歩き。

常念岳を実現するためにブランクを解消したいと梅雨明けを待っていた。

 

本来は麦草峠から北八ヶ岳の縞枯山と雨池を歩くつもりだった。

ところが信越道の横川付近から雨になってしまった。

急遽佐久平パーキングで車をとめ、空をみると八ヶ岳方面も雲が厚くかぶっている。

時間がかかっても甲府の方へでも行くかと走り始めてみると途中で浅間山や高峰高原の山がきれいに見えてきた。

そこで小諸インターから高峰高原に登り、まだ登ったことのない水ノ塔山をめざすことにした。

 

車坂峠にある駐車スペースに車をとめた。

ここはすでに2000m近い標高。涼しい。雨はほとんど降っていない。

 

駐車場の近くの草原にヤナギランやニッコウキスゲが。

 

 

車坂峠から湯ノ丸へ抜ける未舗装の車道を歩いて、スキー場のゲレンデを横切り、水ノ塔山へと向かう。

この白いキク科の花がわからず、変えてから調べたら栽培種のフランスギクが野生化したものらしい。

最近、スキー場の道路に近いゲレンデで繁殖しているそうだ。

 

こんな感じで増えてきている。

以前はこのあたりはヤナギランがもっとたくさんあったように記憶している。

時とともに自然界も変化をしつづけているようだ。

湯ノ丸へと続く未舗装の林道を歩いて登山口へとむかう。

見えている右のピークが水ノ塔山。左は東篭ノ登山。

篭ノ登山は夏と冬にも登っているが、水ノ塔山は未踏だった。

 

登山口には高峰温泉の建物があり、車もたくさんとめてあった。

登山者がとめていいのかわからなかったので、車坂にとめて歩いてきたのだ。

 

天気がよくなってきたようだ。気分も明るくなった。

 

古い火山らしく岩がごろごろした登山道を登っていく。道には日差しももれていた。

この道の右側はまだスキー場のゲレンデが広がっている。

 

シャクナゲがほんの少し咲いていた。

シャクナゲの木は途中点々とみられるのだが、花はここだけだった。

たぶんハクサンシャクナゲ。

 

この花は帰ってから調べてみたけどなんだかわからない。

 

途中の岩がごろごろのところで展望が開けた。

正面にこれから登る水ノ塔山。篭ノ登山や池の平の三方ケ峰も見えてきた。

 

ホラルブクロ。

 

ミヤマコゴメグサかな。

 

雨が多いせいかもうキノコもはえている。

 

火山性の砂礫地になるとオオイタドリがあらわれた。

 

ふたたび岩礫地帯になって展望が開けた。

佐久平も見下ろせるようになってきた。いいぞ。

 

コースの4分の3くらいのところにあった岩塔。

下の方からも見えていて、ちょっとした目印になる。

 

クルマユリ。

 

こんどは黒斑山も見えてきた。

 

頂上に近づいたあたりでミネウスユキソウを発見。

まだ咲き始めらしい。この先数カ所で見られた。

 

頂上直下は岩が顔を出していて両手も使って登るところもあった。

それより、そのころから風が出てきて下界から雲がのぼってきた。

ちょっと待ってほしい。たのむよ。

 

でも願いもむなしく頂上に立った時は周囲がガスに覆われてしまっていた。

とりあえず標識をいれて記念撮影。

 

今日は足慣らしなので東篭ノ登への縦走はしない。

登山口の高峰温泉が1950mなので標高差250mしかないので時間は十分にある。

ガスが晴れるのを期待してゆっくりと食事休憩にした。

 

山頂は北側は針葉樹におおわれて展望は南側だけだ。

風に吹かれながらガスの中で休んでいるとからだが冷えてきた。

 

でも待ったかいがあってガスが一時的に晴れ上がった。

左の高峰山と右の三方が峰のあいだから佐久平が見えてきた。

 

左には高峰高原。スキー場のゲレンデが広がり、左奥には黒斑山。

その後はふたたび雲があがってきて景色はガスに隠されてしまったけど、一時でも晴れてくれてよかった。

 

まだ7月24日で、夏本番はこれからというのに気の早いナナカマドが一部紅葉していた。

 

そしてまたキノコも発見。

 

北日本はまだ梅雨のさなかなので山の天気は読みにくい。

今回は、予想以上に雨の範囲が南に広がってしまった。

帰り道から八ヶ岳を見渡すとかなり雲が少なくなっていたものの頂上稜線はまだ隠されていた。

今回は方向転換が成功したようだ。

久しぶりの娘との山歩き、余裕をもって終了出来てよかった、よかった。

 

 

 

 

 

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西上州の岩山毛無岩(2003年12月4日)

2024-05-14 20:19:41 | 信越・長野・西上州の山

これは21年前の12月なので季節外れなのだが、前回のと同じ岩山つながりということで投稿する。

 

西上州には岩山が多いが、その中でもひときわ立派な岩峰が毛無岩だ。

その姿は、堂々としたバットレスをめぐらして、ヨセミテのエルキャピタンを思わせる。

といってもヨセミテ行ったことないけど・・・

もちろん実際のスケールでは比較にならいないだろうが、写真だけならどうだ。

ヨーロッパの古城のような風格があると思うのだがいかがだろうか。

 

毛無岩があるのは、荒船山の南東。荒船山の最高点、行塚山から黒滝山へと東へ伸びる稜線の上。

荒船山の北東端の岩場に行けば稜線上に飛び出した姿を見ることができる。

この毛無岩に、南の道場から沢ルートで登り、尾根ルートでくだった。21年前の12月だった。

 

自宅を5時ごろにでて、7時すぎ下仁田にむかう途中、鹿岳、四ッ又山などに朝日があたりはじめた。

 

星尾集落付近から朝日をあびた西上州の名峰、立岩を望む。

 

こちらは毛無岩の西にあるイデミ岩を従えた1245m峰と思われる。

登山口の道場へとむかうが、途中からは目的の毛無岩を眺めることはできない。

 

7時50分ころ登山口の少し手前の道が広がったところで路肩に駐車した。

少し歩くと赤い鳥居の山神社があった。ここから急な舗装の道を少し歩いていくと毛無岩登山口の標識があった。

 

道の脇は斜面を開いた畑が広がり、地面は霜で白くなっていた。

 

先ほどの岩峰を正面に眺めながら沢へと入っていく。

赤テープを目印に沢を右岸、左岸へと渡り返して進んでいく。

 

最初に目についたこの滝まで車をとめたところから25分くらい。

 

沢道なので日が差し込まない。木々の間から日の光をあびた岩峰が見える。

 

最近のガイドブックには途中にトタンづくりの造林小屋があると書いてある。

残念ながら私は写真を撮らなかったので記憶に残っていない。

もっぱら枝のシルエット越しにみえる輝く岩壁を眺めていた。

 

沢の詰めに近づくと道がはっきりしてきた。

この滝まで、先ほどの滝から30分弱だ。

 

滝から50分、急登を登りきるとそこが相沢越。相沢というのは道場とは反対の稜線の北にある集落だ。

昔はこの道もちゃんと使われていたのだろう。

峠に並べられていた丸太に腰をおろして小休止。

 

稜線を東へと歩きはじめるといよいよ目的の毛無岩が姿をあらわした。

 

急峻な南壁にたいして北側は急ではあるものの木々におおわれていて少し緊張をやわらげてくれる。

ルートは、樹林帯と岩場の境をなすリッジを木の根につかまりながらよじ登る。

 

振り返るとはるか西に荒船山のテーブルが見えた。

右端の断崖の上が艫岩あたりだろう。

 

夢中だったので登り始めの写真を撮り忘れた。

いよいよ毛無岩の頂上目前。右側の絶壁の高度感がすごくて背筋がぞわぞわしていたことを思い出す。

山頂には10時25分に到着。道場を出発しておよそ3時間だ。

 

 

見下ろした谷が私が登ってきた沢ルートだ。

はるか下に見えていて見下ろすのが怖かった。

 

これはどのあたりを撮ったものだろうか。たぶん南東方向だろう。

こちらはお隣にある立岩。こちらも周囲を垂直の岩で守られているが、割としっかりしたルートがあるので安全に登れる。

 

カメラを標識において記念撮影。

 

下りは反対の東へとくだる。

 

下をのぞき込むと・・・(冷や汗)

 

南側の岩の切れ目から立岩を望む。

 

こちらは北側の展望。谷間にダム湖の荒船湖が見えていた。

 

毛無岩の岩壁の下を迂回してくる登山道に合流。

ここから少し荒船山方向にもどったところから道場へくだる尾根道にはいった。

 

しばらく見通しの悪い樹林の中の尾根道を下る。

なんとか近くから毛無岩を見上げてみたいと見えそうな地点を探しながらくだって、11時50分、ようやく少し藪漕ぎをして見えるところに出ることができた。

でもまだ木が邪魔をしていてすっきりとは見えない。

 

すぐ目の前には毛無岩の岩壁の下につづく岩尾根がみえた。

 

さらに15分ほどくだると今度は全体が見渡せる地点があった。

ここがガイドブックに書いてある第2展望台らしい。

いやいやさすがに立派な岩だ。

 

難攻不落の城を思わせる。

 

その先の尾根道もかなり荒れていて倒木がたくさんころがっていた。

南へ南へと下っていた尾根が先端部で東へと曲がると急斜面をくだり、沢へと下りていく。

 

午後1時5分、沢にでた。目印に岩が積んであった。

 

荒れた沢筋を少しくだる。

 

ようやく山道に出ることができた。

 

沢に出て20分ほどで道場の集落に帰ることができた。

 

出発の時の山神社の前で無事帰還の記念撮影。

 

岩組の美しい道場の集落。

 

13時30分車に到着。

ルートファインディングあり、リッジ登りあり、一部藪漕ぎありの楽しい一日だった。

 

帰りは車を立岩の下までまわしてその姿を写真におさめて帰路についた。

割と名の知られた西上州の立岩は車で近くまでいって見られるから。

でも今日登った毛無岩は残念ながら車で近づいてもみることはできない。

ここに知名度での差があるのだろう。

道路からはなかなか見えないが、南にある大屋山の山頂西側の岩場からは見える。

それがこの写真。ちょっと角度が横になってしまう。

正面から見るなら立岩がいいのだろうけど、私が登った時の写真が見つからない。

藪で毛無岩の方は見えなかったかもしれない。時間があればまた立岩に登って確かめてみたいものだ。

20年以上たっているが、このコースはたぶん今もほとんど変わっていないと思う。

 

 

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石灰岩の岩山小鹿野の二子山(1997年12月28日)

2024-04-26 20:17:34 | 信越・長野・西上州の山

ちょうど20年前の2004年5月に秩父の二子山に登った。一人で出かけたのだが、写真を見ても細かい所があまり思い出せない。実は二子山にはその7年前の1997年の年末に妻やその姉妹といっしょに登っていて、その時の記録が残っていたので、季節外れだがそのときのことを書くことにする。

 

1997年の年末、妻とその姉妹を山に誘ったらみんな喜んで、行くという返事だった。

そこで秩父の山をいくつか候補にあげ、当日に最終決定することにしていた。

当日になってみると風もなく晴れ上がった絶好の登山日和。

そこで大展望が期待できる秩父の二子山に行くことにした。

西武線の芦ヶ久保の近くにある方ではなく、小鹿野町の奥、群馬県との県境にあるほうの山だ。

武甲山同様にはるか太平洋のかなたからやってきた石灰岩の岩山なのでスリルも味わえる。

 

国道299号線で小鹿野町を抜け、志賀坂峠にかかる手前の登人山荘の近くに車をとめた。

二子山はその名の通り東西ふたつの峰からできている。

私たちは、その間にある股峠にむかって魚尾道とよばれる古道を歩く。

 

けっこうきつい登りが続くのですぐに汗ばんできたのでコートを脱いだ。

このあたりから頭の上に西岳の岩峰が見えたので、あそこの上まで行くのだといったら、だれも信用しなかった。

 

谷間の道をすすんで、最後の峠へ向かって登るところは胸突き八丁と呼ぶにふさわしい急登だった。

 

股峠には、東岳に行っているらしいグループのリュックが3つとヘルメットが置いてあった。

峠の北側から冷たい風が吹いてきて汗が冷えてきた。

私たちは東岳には寄らずに直接西岳にむかった。

少し尾根通しに歩いた後、北側の斜面にまわりこむ。

このあたりから足元は少しぬかるんできた。

木の幹や枝につかまりながら登り続け、頂上から続いているらしい岩脈をこわごわ乗り越えたりしていくと、もうそこが山上の稜線だった。

 

稜線に出て少し西へ行ったところが二子山西岳1165mの山頂だった。

ここまでは岩脈を乗り越すときが少し怖かっただけであとは手がかり足掛かりも豊富でそれほど怖い思いはせずに到着できた。

 

とにかくさえぎるもののない360度の大展望だ。南には両神山、北には東西御荷鉾山と赤久縄山。

両神山の向こうには濃淡いくつものグラデーションを重ねたシルエットが武甲山から奥秩父の稜線へとつらなっていた。

ここでお昼にするにはまだ時刻が早いので第2峰まで行くことにした。

 

移動する前に3姉妹と私単独とそれぞれ記念撮影。

 

出発前に西峰の方をみるとすっぱり切れ落ちているようでビビったが、歩きはじめてみるとちゃんと尾根が続いていた。

 

でもこんな風に岩をよじるところもあって、顔が少しひきつっている。

 

岩場を先におりて振り返って写真を撮る。みんなにこやかな顔になるが、下りだすと顔つきが変わってくる。

浸食のすすんだ石灰岩なので手がかり足掛かりはたくさんある。

それでも下をみるとお尻がむずむずしてしまう。

 

奥が西岳の山頂。遠くから見るととても歩けるとは思えない。

歩いているときは夢中だが、振り返ってみるとよくあんなところをと思う。

 

さて第2峰に到着。ここは東岳山頂とほぼ同じくらいの広さ。

そこでお待ちかねの昼食。おでんを4人前用意してきたのだが、足らなかった。

妹さんがワインを持ってきたのでそれもあけた。

 

あらためて自分たちが歩いてきた稜線を振り返り、信じられないような、あるいはやや満足でもあるような3人。

 

両側がすっぱりと切れ落ちた姿は山水画のようだ。

 

昼食後は稜線をさらに西へとすすむ。このあたりからは南面の絶壁がよく見えた。

 

 

目の下には志賀坂峠につづく山々が。

稜線通しには叶山の石灰石採掘場が見えた。もはや山の姿はなくなっていた。

 

さて稜線からはずれておりるところがこれまでで一番段差のある4mくらいの鎖場で、さすがにみんな緊張していた。

手元だけ見ている分にはいいのだが、足場を探して下を見ると足場の先の谷底まで目に入っていまうのでぞっとする。

私が先に下りて、手がかり足掛かりを指示して一人づつ下りてもらった。

 

岩場をぬけたあとは樹林帯の快適なくだりだった。

稜線から標高にして100mほど下ると送電鉄塔があり、樹木が切り開かれて二子山がきれいに姿を見せていた。

 

二子山をバックに記念撮影。

 

カメラを固定して全員で。みんな岩場を越えてきたことで自信にあふれ、満足そうだった。

感想を聞くと、とにかく無我夢中で、つまらないことは全部忘れられたと笑っていた。

帰りに両神村の日帰り温泉に寄るつもりだったが、年末のため営業時間が短縮されて終わってしまっていたのが残念だった。

でも27年前か、みんな若かったね。今では全員ジジババだ。

 

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静けさ求めて父不見山へ(2021年2月5日)

2024-01-10 16:39:03 | 信越・長野・西上州の山

(手を入れての再投稿です)

秩父の小鹿野町と群馬県の神流町との境界に父不見山という山がある。秩父側では「ててみえず」、神流町側では「ててみぇーじ」と呼ぶらしい。

2月、冬の静かな山歩きを求めてこの山に登ってみた。

あまり人の行かない山だ。なにしろアプローチが不便。標高も1047mしかない地味な山なので静かな山歩きが期待できるが、電車とバスで神流町の万場まで行くには埼玉から3時間もかかる。

そこで今回の計画は、マイカーを万場の駐車場に留め、歩いて生利(しょうり)から秩父の吉田町へ抜ける県道を使って杉ノ峠北登山口をめざす。

杉ノ峠から父不見山、長久保の頭と歩いて坂丸峠から小平へと下る。小平からはバスで万場へと戻るという計画だ。

道の駅万葉の里に留めて周回する人もあるようだが、バスを利用する場合は、バスが万場で運転士の休憩で10分間とまる。だから万場に留めると無駄が少ない。

 

万場の中心部に写真のように外来者も駐車できるスペースがある。

以前に若神子尾根から西御荷鉾山に登ったときもここを使わせてもらった。7時30分出発。

 

今回初めて気がついたのだが、そこから川の方にいくともっと広い駐車場もあった。夏の観光客用らしい。

万場の町はまだ日があたっていない。

 

橋で川の南側に渡り、歩いて生利へと向かった。途中にもう1本橋があるのだが、現在架け替え工事中だった。

 

生利から吉田に抜ける県道を歩いて登ると父不見山登山口の標識があった。

 

ここから山道に入るところだが、私はこれを見ながら、計画とは違うコースだと思い込んで県道をさらに上に登ってしまった。

 

やはり、標識の通りに登るべきだったのだ。

1kmほども登ってしまったので引き返すのはいやで、一段上にある林道をめざして斜面を登り、山仕事に使ったらしい古い尾根道をたどって中腹の林道に出ることができた。

下の写真はその尾根道と林道への到達点。

 

舗装の林道をたどって本来の登山コースにもどる途中、視界が開けて父不見山が見えた。

 

途中沢に沿って道があったが、これは登山道ではなかった。もう少し歩くとようやく案内標識を発見。

 

立派な標識だが、少し傷んできていて文字が読みづらい。私製らしい青い標識も近くにあった。

 

道は最初は舗装されていた。車でも入れそうなのだが、作業用の車以外は乗り入れないよう注意看板があった。

 

この山の群馬側は比較的なだらかなので、山中に林道がつくられている。

間違って入り込まないようにしたい。私製の青看板もそのためにつけたものだろう。

 

やがて、赤い布や青い私製看板に導かれて沢を渡り、向かいの斜面の山道を登り始めた。

しかし、その後なんども林道に遭遇した。

 

山の斜面自体がゆるやかなので道も楽に歩ける。ただ北斜面なので寒い。

 

峠が近づくと日陰には雪が積もっていた。

 

10時2分、ようやく杉ノ峠だ。

 

広い尾根の南側にまわると石の祠と灯篭が2基、南向きに設置されていた。秩父側の人が祀ったものだろう。

 

ここでなんと、カメラのバッテリーが切れてしまった。前回使ってチャージし忘れていた。このあとはスマホでの記録だ。

 

杉ノ峠から父不見山までは歩きやすい尾根道だ。気分ものんびりしてくる。

そうそうこんな気分を味わうためにこの山を選んだのだ。

途中奥秩父の山なみが見渡せるところがあった。

 

さらに歩くと父不見山のあと向う長久保の頭も木々の間から見ることができた。

 

10時35分、父不見山山頂に到着。いくつかの標識と石碑があり、小さなベンチも置いてあった。

ベンチに腰掛け、おにぎりとカップラーメンをいただく。

すぐあとに男性が一人登ってきた。しばらく写真を撮っていたがすぐに引き返していった。

秩父側の林道に車を留めて上がってきたのだろう。この山で唯一の人との遭遇だった。

 

山頂からは木の枝越しに白銀の山が見えた。冷えて澄み切った空気の中でかがやいていた。

長野県との境である十石峠やぶどう峠越しに見えているようなので、北八ヶ岳の一部と思われる。

 

20分の休憩後となりの長久保の頭へ向う。

2万五千分の1の地形図では、三角点のない父不見山の名前は書いてあるが、そこより標高が高くて三角点のあるこの山には山名が書いていない。

山頂の標識には長久保の頭と大塚という2つの表示があった。

長久保川というのが秩父側にあるので、秩父側では長久保の頭、万場側では大塚と呼んでいたのかもしれない。

 

坂丸峠への道も歩きやすくいい道だった。

葉をきれいに落としてしまった樹林は明るくて開放的た。

 

途中にある985mの高まりは南側の沢に下りながらまいていくので登り返しもない。

 

坂丸峠も広々した峠だ。

 

峠にはまだ新しい石の祠が祀ってあった。

 

峠の北側はかなり広い落葉樹の広場になっていて、奥の方には送電鉄塔が立っていた。

 

静かだ。風もないので日向は暖かくさえある。

1本の木が横たわっていたので、そこに腰をかけ、お湯を注いでコーヒーいただこうとしたら、お湯の入った魔法瓶はあるのに肝心のコーヒーパックを入れ忘れてきてしまった。

うーむ。最近こういうことが増えているなぁ。

 

坂丸峠から小平への道は道幅も広く傾斜もゆるくて歩きやすい。上部はほとんどが落葉樹林なので明るくて見通しも良い。

 

雪は降ってから数日が立っており少し硬くなっていて、特に踏み跡の部分は氷になっているところがあった。

上の写真の林道を横切った下側は特に雪も多かったので、短時間軽アイゼンを使用した。安心感が違う。

 

道はほかの林道と交錯しつつくだっていくが、迷うようなところはなかった。

 

バスの時刻まで余裕があるので、道をふさいでいる枝等を拾って片付けながらのんびりと下り、13時12分小平のバス停に到着した。

 

赤線の部分がコースからはずれたところ。地図をだして確認すればすぐわかるのに、どうも私はこういうところで横着をして失敗する。

父不見山は秩父側からも登れるが、今回のコースは、山の雰囲気、道、距離など総合して私としては満足度が高かった。

新緑の芽吹きのころや広葉樹が色づく頃また歩いてみたい山だった。

 

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