毎日が山のこと

最近の山歩きの記録はもちろん、作ってみた山行プラン、過去の山歩きの記録も順次掲載中です。

2か月ぶりの山歩きで本社ヶ丸へ(2023年10月18日)

2023-10-20 15:13:05 | 山日記

2か月ぶりに山歩きに出かけた。中央線の笹子駅から本社ヶ丸に登った。

化学療法が1回休みとなったので、副作用が少し軽くなったのか、妻の方から「しばらく山に行ってないね」と促してくれた。

 

そこで大菩薩から丸川峠をまわって塩山にでる行程をたてて出発したのだが、なんと途中の電車が遅れて所定の中央線電車に乗り遅れてしまった。

甲斐大和からのバスに間に合わない。

そこで急遽、駅から直接歩いて登れる本社ヶ丸に登ることにしたのだ。

笹子駅には昔々よく来たものだが、5年ほど前、鶴ヶ鳥屋山の時以来久しぶりに降り立った。

 

昔登った時は、甲州街道を西に向かい巨大な東山梨変電所のわきを通って清八峠から登ったのだが、今回は逆回りで登ってみようと思った。

 

駅前からすぐに南の山沿いの道に入り、笹一酒造を見下ろしながら船橋沢という沢へと入っていく。

 

この付近の南斜面はほとんどが杉林なので沢は薄暗い。

 

舗装の林道は途中で終わって、未舗装の林道もこの水道施設のところで終わる。

ここから沢にそった山道は、堰堤を越えたり、3回ほど渡渉を繰り返しながら登っていく。

 

沢が二股にわかれ、その右の沢が5mほどの滑め滝になっていた。この滑滝は鶴ヶ鳥屋山の時にも写真を撮った記憶がある。ちょっと目立つのでコースの確認ポイントだ。

 

滑滝の脇をとおって右の沢を詰めると途中から左手の急斜面へと登るように標識が示されていた。

 

ここからの道は、こんなところに道をつけなくてもと思ってしまうくらい急斜面で、しかも土がやわらかい。

足元がぐずぐず崩れやすい。

道と行ってもほとんど踏み跡にすぎないものが、ジグザグと登っていく。

 

斜面を見下ろすとこんな感じ。

このあと、人の足跡なのか動物のそれなのかわからないが、踏み跡が錯綜してきて、どれを選んだらいいのかわからなくなった。

尾根筋は見えているのでどれを選んでも尾根に出られるだろうと思ったが、残念ながら私が選んだ踏み跡は途中から水平にトラバースしていた。

けもの道だったようだ。

踏み跡があってもなくても大差ないのだが、やはり足元が崩れやすいので一歩一歩慎重に、木の幹やわずかな岩角などを足掛かりにようやく尾根にたどりついた。

 

やはり尾根道は歩きやすいし安心だ。5年前の時もここを通っているのだが、その時は特に道に迷うようなことはなかったと思う。動物が増えて踏み跡が乱れたせいだろうか。

 

尾根を少し登ると送電鉄塔があった。地図で確認すると葛野川線の鉄塔だ。

このあたりは東山梨変電所が近いので高圧送電線がたくさん通っている。

 

さらに登ると今度は黒野田林道に出た。そのすぐ上で新しい送電鉄塔の建設工事がやられていた。

リニアのための電力増強ということらしい。

 

この尾根にはご覧のような巨木があった。

 

大人二人では手がとどかないようだ。記憶には残っていなかったが5年前の写真を調べたらこの木もちゃんと写真に撮ってあった。やはり目立つので、これもコースのポイントになる。ただし、今のところ地図に表示はない。

 

稜線が近づいて、道は右手へとトラバースしていく。

 

そして11:36、ようやく宝越えの稜線にたどりついた。

駅からほとんど3時間近くかかってしまった。

5年間に鶴ヶ鳥屋山に行ったときには2時間半ほどで登っていたので、やはり、急斜面のところで20分近くロスしてしまったようだ。

 

宝越えという呼び名は、南側にある宝鉱山へ抜ける道があったのだろう。でも今はそれらしい道は見当たらない。

ここから角研山までの稜線は歩いたことがない。

今回笹子から直接角研山へ登るルートを使わなかったのは、この宝越えと角研山の間を歩いてみたかったためでもある。

 

地図上ではわずか20分にすぎないのだが、歩いてみたら、アップダウンがあってしかも次第に高くなっていく。

先ほどの急斜面でのロスが疲れになって出てきたようだ。

 

20分のコースに30分近くかかってしまった。

 

ここから山頂までは地図上の行程でも1時間30分となっている。

この分では到着は午後1時をはるかにまわってしまいそうだ。

 

ここから山頂までの稜線は、少し歩きやすくなった。

 

標高1300mを越えたので、木々の色づきもよくなってきた。

 

地図上に西群馬幹線222号送電鉄塔と記された鉄塔についた。

まわりが伐採されているので大展望が広がっていた。

 

谷の向こうに滝子山と南大菩薩の峰々。右奥は奥多摩。大岳山の特徴のある姿も確認できた。

 

これは北西側のながめ。奥に霞んでいるのは奥秩父の山々だ。

 

期待していた紅葉も鮮やかさをましてきた。

 

尾根も広がりが出て歩きやすくなり、一段また一段と高度をあげていく。

 

トリカブトの仲間の花が点々と咲いていた。

ヤマトリカブトだろうか。

 

日差しが暖かな色合いに染まって森がなんともいえずいい。

一段高度を上げるたびにもうそろそろ山頂かと期待するが、その先にまだ高いところが見えている。

なかなか到着しない。

もうこの先の方には高いところはなさそうだと思われたところも山頂ではなくて、いったん低くなって突然あらわれた岩場をのぼったところが山頂だった。

 

これまでとは打って変わって岩場の狭い山頂だった。

そのかわり、360度の大展望だった。

 

すぐ南には三つ峠山。その右奥に見えるはずの富士山は残念ながら雲の中。

 

西には甲府盆地の奥に雄大な南アルプスの山なみ。

 

これは、塩山の方角。盆地の畑の中に黒っぽく塩の山が見えている。

奥は奥秩父の金峰山から甲武信ヶ岳への連なりだ。

 

はるか西のかなたには八ヶ岳。

 

もう1時40分をまわってしまった。

おにぎりはやめにして行動食だけで腹を満たし、15分ほどで清八峠へと下山を開始。

 

清八峠は比較的近いのだが、本社ヶ丸の近くは岩場が連続している。

 

疲れているので慎重に手足を動員してくだった。

 

鞍部へとくだる手前に展望のよい岩場があった。

 

そこから少し顔をのぞかせた富士山と対面することができた。

 

鞍部からもう一度登り返したところが清八峠。

左に行けば清八山から三つ峠山へと出ることができる。

ここからは道はこれまでよりはよくなったが、長い長いジグザグの下り道で足がつってきたので早めに芍薬甘草湯を服用した。

変電所のところで、ようやくネットがつながったので笹子駅の時刻を確認したが、5時37分までないことがわかった。このあとは舗装道路をのんびりと歩いて駅へとむかった。

笹一酒造はまだ営業していたので酒やビールを仕入れることはできたのだが、電車まであまり残り時間がなくなったのであきらめた。

笹子のまわりにはこの本社ヶ丸、隣の鶴ヶ鳥屋山、谷の北側の滝子山、笹子雁ヶ腹摺山などいい山がいっぱいだが、どの山も楽ではない。

これからも来てみたいいい山ばかりだ。でもその前に大菩薩のリベンジをしなくては。

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30年前の北八天狗岳(1993年7月30・31日)

2023-10-10 16:14:45 | 山日記

今から30年前に、当時中学1年生だった娘と北八ヶ岳の天狗岳に登ったことがある。

記録の文章は残っているのに写真がないと思っていたら、大きなアルバムに貼りこんであった。

スキャンしようと思ったがしっかりと張り付いてしまってはがせない。しかたがないのでカメラで撮りなおした。

文章は、その時の記録を書き直してみた。

 

1993年の梅雨は雨が多く長引いた上に梅雨明け前に相次いで台風がやってきた。

ようやく梅雨明けになって山行きを計画したら、またも台風が接近。しかし、ほかに日程が取れそうもなかったので計画通り実行した。

この時は中学1年の娘と二人で、娘にとっては初めての山小屋どまりの登山だった。

喜ばせようと少し欲張った計画で、渋の湯から天狗岳に登り、黒百合ヒュッテに泊まって次の日は、ニュウから白駒池、高見石をまわって渋の湯に戻るというコースだった。

 

当日は首都高で事故があって品川回りで中央道に出た。相模湖で休憩して9時半に渋の湯に到着。

渋の湯から黒百合ヒュッテまでの登りは樹林の中で展望がないせいか、娘は「疲れた」とぼやいたが、11時50分、無事ヒュッテに到着。

 

小屋で泊りの手続きをして空身で天狗岳を往復しに出発。

ところが出発しようとすると次第に雲が低くなり、雨も降ってきた。

中山峠につくころには傘がさせないほど風も強くなってきたので、あきらめて引き返した。

 

小屋には12~13人が入っていて、ストーブに火が入れられていた。

まだ午後1時をまわったばかりだが、こうなるとなにもすることがない。

出発する人もいたが、中の人は次第に増えて30人ほどになった。

雨は、一時的にやむこともあったが、強くなったり弱くなったりを繰り返した。

 

ようやく5時半に夕食となった。おかずは6人分づつの盛り合わせ。

ハンバーグ、海藻とレタスのサラダ、ジャガイモと高野豆腐の煮物、ひじきと煮豆というメニューだった。

 

夜は大広間での雑魚寝。ふとんは一人1枚。

すぐ隣の男性の歯ぎしりといびき、外は一段と強くなった風雨の音。なかなか寝付かれなかった。

明け方には風も最高潮。外のテントはどうしているかと窓から覗くと闇の中に光がともって一つのテントが浮かび上がった。

たぶん、時刻を確認したのだろう。すぐに明かりは消えた。

 

翌日は雨はあがったものの山はまだガスに包まれていた。

4時半に起きだし、5時半から朝食。6時に出発した。

まだ風当たりは強いがすりばち池コースで天狗岳へとむかった。

 

強い風にふらつきながら岩につけられた印をたどって登る。

約1時間で中山峠からの道と合流した。斜面の東側がすっぱりと切れ落ちている。

 

そこから20分で東天狗岳の山頂に到着。しかし展望はまるでない。

すぐ近くの西天狗岳さえ見えない。

 

岩陰で風をさけていてもからだが冷えてくる。

20分ほどで早々に出発した。

 

8時40分、中山峠。そこからゆるやかに中山にむかって登り、途中から分かれてニュウをめざした。

途中からようやくガスが抜け、少し展望が出てきた。

 

9時50分、ニュウに到着。ガスは抜けても強風はおさまらない。

帽子を飛ばされないようにしながら、佐久平から奥秩父の山々、足元の白駒池などの大展望を楽しんで、娘と写真を撮りっこした。

 

ニュウからは、樹林の中を白駒池をめざして下った。途中の湿原にはワタスゲがきれいだった。

 

11時30分、白駒荘に到着。ここで昼食にした。少し欲張った行程だったので娘は疲れたようだった。

 

娘は疲れが出てしまっていたが、渋の湯での温泉を楽しみに高見石へとむかった。

相変わらずの強風だたが、具合のいいことにガスが抜けていた。

白駒池や麦草峠の国道、その向こうに縞枯山が見えていた。しかし、その先の蓼科山などは雲の中だった。

 

12時50分、高見石を出発。娘も下りになったので元気を回復。

途中、賽の河原を通り、岩石の下から流れ出す伏流水で喉を潤しながら、14時30分渋の湯に戻ることができた。

1人800円なりで温泉にはいり、汗を流して着替えたので、夏の暑い風もさわやかに感じた。

娘とは、今でもたまにいっしょに山に行くが、仕事が忙しいのでなかなかスケジュールがあわない。

 

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コセンダングサ

2023-10-07 15:16:36 | 山野草

妻の3回目の化学療法は、中止になった。

白血球の数値が低くなりすぎていたのだ。

これまでと違って「だるい」「きつい」と繰り返していたのは、薬のがんに対する増殖抑制効果が白血球の増殖も抑えてしまっている。

副作用の強さが、がんの抑制効果にも比例しているといいのだが。

 

近所にみなれない草が増えてきたと思って調べてみたら、コセンダングサという外来植物だった。

最近生息領域を拡大しているらしい。

花を見るとキク科の特徴をそなえている。

同じ場所でも去年はまったく様相が違っていた。

今は空き地でも、すぐに草が刈られ舗装されて駐車場になってしまう。

環境の変化とともにそこに暮らす草も変わっていく。

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花見ヶ原森林公園から黒檜岳(2020年10月13日)

2023-10-06 10:34:26 | 山日記

今日から私の妻は3回目の化学療法だ。先ほど病院まで送ってきた。帰りは午後3時過ぎになるだろう。

病院からは点滴のセットを首からぶら下げて帰ってくる。そのままあさっての昼頃まで自宅で点滴が続くのだ。もちろん当人は歩いたり食事をしたりは自由にできるのだが、力仕事はできない。私は迎えの時間まで自宅待機。

そんなわけで、また古いものに手を加えて投稿する。今回は3年前の秋に赤城山に行った時のものだ。

 

紅葉が美しい北関東の山々の中でも赤城山は特に人気がある。土日には結構な登山客が集まっているはずだ。そこで私は人が少なくて静かそうな花見ヶ原からのコースを選んだ。

最近の10月は天候が思わしくない。そこで気象庁のホームページで、天気分布予報のページでチェックした。ここの情報は前日にならないと出ないので、行けそうな日には、違う地域の候補地を複数もっておいて、ここを開いて日差しが出そうなところを選んで出かけるようにしている。この日も、関東は全般に雨や曇の天気だが、赤城山周辺は日差しがありそうなので決行することにした。

わたらせ渓谷への入口である大間々の町をすぎて谷間へと入り、水沼駅の手前で国道から左へと大きく回り込んで赤城山の山麓斜面へとあがっていく。この道はこのまま走れば沼田へと抜けられる。天気は曇りだ。

 

途中長いトンネルをくぐったりしながら峠近くで左の林道へとはいる。溶岩台地らしい地形の花見ヶ原を南から西へとまわりながらあがっていく。やがてガスがかかった中にキャンプ場が見えてきたので、そこの駐車場に車をとめた。

 

長い運転のあとなのでキャンプ場でトイレを借りようと近づくと管理人がいた。キャンプ場のトイレは鍵をあけていないので管理棟のトイレを貸してくれた。キャンプは夏場だけかと聞くと秋の今頃にも土日には客が来るといっていた。

 

管理棟から少しもどったところに赤城山への標識が立っていた。

 

ほとんど水平といえるようなゆるやかな斜面の森を歩き出す。すぐにササと落葉の木々が混じった森になる。

 

少し傾斜も増して、ガスの流れる森の奥から鹿の声も聞こえてきた。

鹿の声はこのような雰囲気にぴったり。なんだか秋の侘しさが増してきたように感じる。

 

ガスで濡れた落ち葉が緑の色のコケの上をきれいに飾ってくれている。

 

道ははっきりとしているし、500mごとにりっぱな標識が設置されている。

ただ中間点付近で丸い岩がごろごろしているところがあって、道がわかりにくくなったが、そこには目印の板などが枝に下がっているので注意してすすめば迷うことはない。

 

やがて木道があらわれた。しかし、傾斜地にまっすぐ登る形で設置されている木道は滑りやすい。

 

横木が打ってあるがだいぶ取れてしまっているので、今日のような日には注意して歩かなければならない。

山にむかってまっすぐの道。それだけ傾斜がゆるいということだ。

木々の葉の色づきを楽しみながら登るには、このくらいがちょうどいい。

 

朽ちた木にはキノコが。これは食べられそうな感じがするけどやめておく。

 

道は広い斜面から尾根の高まりへと登っていく。

 

そのころから色づいたカエデが増えてきて、周囲が明るくなりだした。

 

予想通り雲のガスの上に出てきたようだ。上を見上げると雲間から青空ものぞき始めた。

 

ゆるやかで広々とした尾根はそのまま黒檜山の稜線へと近づいていく。日差しが得られて森とともに気分も明るくなる。

行く手の空が広い。展望が開けてきたのだ。

 

そこにたどりつくと左下に小沼や地蔵岳が見える。駒ヶ岳から黒檜山へと登る登山道も近い。

 

メインの登山道に合流し、そこからひと登りで赤城山の黒檜大神の祠だ。そして山頂の標識は素通りして展望地へと向う。

 

雲はあるものの日差しがもれて沼田の街も見渡せた。谷川などの山々は上部が雲の中に隠されている。

 

足下の山に日があたって木々が華やぎを増していた。

 

今回の山歩きは同じ道を車に戻らねばならないが、気分のよい森を歩けるのであまり気にならない。

再び標高を下げるとガスがの中に戻ってしまったが、ぼんやり浮かび上がる紅葉の眺めに気分のよさが消えることはなかった。

実に気分のよい山歩きが経験できたものだ。アプローチの便がもう少しよければ度々来てみたいコースだった。

 

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セイバンモロコシに占拠された公園

2023-10-04 10:02:46 | 山野草

近くの公園。この夏草刈りをしなかったらしく、セイバンモロコシが大繁茂。

 

定期的に草刈りをしているときは、ほかにも何種類かの草が混ざって生えていたが、今は完全にセイバンモロコシに占拠された。

 

優に2mは超える草丈。これじゃ圧倒されてしまうよね。

 

穂に花が咲いているのかな。

 

むかし、セイタカアワダチソウが繁茂して、日本中が占拠されてしまうのではなどと騒がれたが、今は所々で見かけるにすぎなくなった。

このセイバンモロコシは、アワダチソウのようには花が目立たないけど、やはりすごい繁殖力のようだ。

この草は、これからどうなっていくのだろう。

でもそのうち草刈りが入って状況は一変してしまうだろうけど。

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