日本人のDNAの中にはきっと

　この建築の良さが、意識せずに分かる塩基配列になっている部分があるに違いない。足を一歩踏み入れた瞬間からとても厳かな気持ちとなる。枯山水ではない、もっとシンプルな中庭が、逆にその厳かさを引き立てている。訪れた日は回廊にも作品が展示されてあったのだが、その間隔も程よく、いつもせっかちな私でも、ゆったりとした気分になれた。それにしても上野は名建築の宝庫である。

「日本芸術院会館」
設計者：吉田五十八　竣工：1958年　東京都台東区上野公園
DOCOMOMO 100 JAPAN選定建築（当ブログ7つ目）