赤い椅子

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美しいお地蔵さん

2018-01-20 22:34:00 | ノンジャンル
月1回の宇治のサークルの日でした。
大寒なのに暖かい日差しで宇治川がきらきら光っていました。

せっかく宇治まで来ているのだから、会の前に宇治の探訪を
しようということになり、少し早い目に宇治に到着し、
宇治橋の傍の橋寺放正院を訪ねました。



山門は柵がありましたが、小門が開いていたので入りました。
静かな本堂の横のベルを押すと、副住職が出てくださしました。

本尊のお地蔵さまを拝見したいのですが…というと
本堂に入れて下さいました。
自分たち2人以外はだれもいない静かな本堂で、丁寧な
説明もしてくれました。

放生院では、高さ1.9メートル、金箔、極彩色の衣を
身にまとった美しいお地蔵さまに出会いました。





放生院の歴史は古く、本尊の地蔵菩薩像(重要文化財)は
鎌倉後期の作で、その胎内には聖徳太子の念持佛尊影が
納められたといわれています。
また、宇治橋の近くにある放生院は、宇治橋の守り寺として、
通称、「橋寺」と呼ばれています。
“お地蔵さま”というと、どちらかといえば小さくて、
かわいらしい顔をした姿を思い浮かべがちですが、
こちらは、複数の木材による寄木造の木像で、
大人が見上げるほどの大きな地蔵菩薩です。
右手には背丈ほどの錫杖、左の手のひらには人々の願いを
かなえるための宝珠。ふっくらとした頬、鼻筋が通り、
伸びやかな曲線を描いた眉。目は伏し目ですが、
うつむいている訳ではなく玉眼で、どの角度から見ても、
優しく見守られているような印象がありました。

均整のとれた体型にまとう布は、彩色豊か。
蓮の花、鳳凰などの柄が繊細に施されており、金色の文様は
まるで、西陣織のような高級感が未だに残っています。
おしゃれなとてもきれいなお地蔵さまで思わずうっとり。
この地蔵菩薩は鎌倉後期作といわれていますが、
これまでの約680年間、一度も修理をされず、
お身拭いもされていないそうです。

だから…でも…こんなにきれいな色彩が残っている…

今度は地蔵菩薩の横に通して下さいました。
するとびっくり、正面からは直立に見えたお地蔵さまが、
じつは斜め前に傾いた姿勢で立っていたのです。
前傾姿勢の意味について、副住職は仏さんはすぐ我々のところに
かけこめるようにと、この体勢だと教えてくれました。
足がそろっていないこと。横から見ると、右足がちょっと
前に出ていて、お歩きになっているお姿だそうです
お話をお聞きして、何だか、ほろりとしました。

理由はもう一つ、仏さんが直立のまま立っておられると、
着座してお参りというときに、顔が合わず、遠くに
感じてしまう。ところがこういう形で、前傾をとると、
皆さん方が見上げる中で、
仏さんと顔がぴたっと合うということ。
それはたぶん仏師の心でしょうか。この地蔵菩薩は
過去に一度も修理されたことがないことから、
作り手や詳しい来歴については不明との事。

阪神大震災の時間に住職は本堂でお参りをしていたそうですが、
本堂はみしみし揺れたけれど、ご本尊はじっと立って
いらしたそうです 。仏師の匠の技でしょうといわれました。

本当に美しい色が見事に残ったお姿のお地蔵様に会えました。

感動を大事に胸にしまい、急な山門までの階段を転ばぬように
気をつけて下りました。桜の季節もきっと素敵でしょう(*^^)v

こんな美しいお地蔵さまを見ていただきたいと、ネットから
写真をお借りしてハリコしました<(_ _)>




コメント (3)
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