アルバニトハルネ紀年図書館

アルバニトハルネ紀年図書館は、漫画を無限に所蔵できる夢の図書館です。司書のWrlzは切手収集が趣味です。

西ゆうじ/田名俊信『蔵の宿』第34巻

2008-04-06 | 読書
『蔵の宿』第34巻出ました。

去年2007年度に新刊が出なかったので心配してしまいましたよ(笑)
2006年12月の第33巻に引き続き新刊の第34巻です。
楽天ブログの方にフリーページ『蔵の宿』(1)~(10)、(11)~(20)、(21)~(30)、(31)~もあるので良ければご覧下さい。

この漫画にはほんとに「逃げない勇気」をもらってます。とても良い作品だと思います。
一方、福井の料理が美味しそうに描かれてたりして「読んでいてお腹が空く」ってのもありますが(笑)
14ヶ月ぶりの新刊は厚くて680円しました。そして前回「霞ヶ城殺人事件(1)」となんとも気になる処で途切れていたのですが、第387話「霞ヶ城殺人事件(2)」~第395話「霞ヶ城殺人事件(10)」と200枚近くを「霞ヶ城殺人事件」に割いてます。ただし無駄がないです。
事の発端は第33巻最終話で、関連会社の人々を福井に接待旅行に招いている岩田フーズの社長に(既に予約は一杯だが)100万出すから蔵の宿に泊めろ、既に予約されている客には適当に理由を付けてキャンセルすれば良いだろうと言われ、女将の茜が
「目の前のお金に心を奪われて失った信用はお金で買い戻せるものではございません このお金をいただいてお客様をお泊めするぐらいでしたら本日ご予約のお客様を無料でお泊めしたほうがどれだけ商売のためになるか知れません」
と追い払っています。

その岩田フーズの社長・岩田林蔵がなんと「お前の秘密を云々…」と云う手紙につられ深夜お城に外出した処頭を鈍器で殴られ死亡してしまいます。
事件を担当するのはキャリアの木村刑事で奇遇なことに花山の同級生。
日本の警察はキャリアには逆らうことができない事、そしてその官僚主義が警察の腐敗と検挙率の低さに繋がっていることを指摘しています。
花山は木村が友達だから敢えて言うのですが、自分が経営者見習いとして厳しく鍛えられているのとは対照的にキャリアの木村が現場の人間も上司も当たらず障らず「鍛えてくれない」のは自分がそうしているんだ、と。
また「世の中の暗い出来事や人を不幸にしたりつらい思いをさせるニュースを流すことが報道だと思っている人たちに何も話さなくていいの」との茜のマスコミ批判も的を射てます。

茜や花山の助言で「部下を信頼すること」を知った木村刑事は「部下に任せることができる事は任せる」と云う姿勢で気持ちを改めて事件に挑みます。
これは第2巻第24話の「何もしない女将」を思い出させますが、トップが自ら動いてなんでもかんでもやってしまっては部下のモチベーションが低下しやる気をなくさせる、トップはどんと座って動かず部下達を信頼しその能力を活かすべきという事なんですね。

そして事件が無事解決した次の第396話「パパのプレゼント」から拓也君の心温まるエピソードです。久しぶりに対面する父と子。
酒蔵で幸田のスパイをしているパートの小林さんの娘の里沙が出てきます。「小林の奥さん」はわりと初期から登場してますが結構丁寧に描かれているので今後物語のキーの一つになるのかもしれません。
「私泥棒してきたんや!」と言う里沙、そして拓也の木刀を盗んだ事を後悔して自ら返しに来る彼女に「どうしたんだよ その木刀…気に入らなかったのか小林?」「それは小林にプレゼントしたから返さなくていいんだ」と答える拓也が立派です。

第34巻は花山と清香の恋の進展を見守る周囲の第398話「遅い春休み」までです。
週刊連載だから年に4~5冊程度のペースで新刊出してほしいですね。

というか『ゴルゴ13』『本当にあるお仕事のオイシイ話』も出るので大忙しです(笑)


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