アルバニトハルネ紀年図書館

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聖悠紀『超人ロック エピタフ』第1巻

2008-04-06 | 読書
聖先生40年の長寿作品『超人ロック』の新章「エピタフ」の第1巻です。発売日がちと延びましたが無事入手。普通に買っていても『超人ロック』シリーズだけで単行本が100冊越えます(笑)
時系列的には銀河帝国がカル・ダームIV世の治世-「銀河コンピューター」あるいは「ライガー1」の支配下にあった時期から数世代後です。
銀河帝国第一大臣のブリアン・ド・ラージュは『魔術師の鏡』(少年画報社第21巻、スコラのワイド版では第11巻、いずれも絶版)で一度ロックと対峙しています。宇宙暦では0638年。
ラフラールによる反乱鎮圧と同時にその徹底した厭世観を見せたド・ラージュ、彼の「描かれなかった」一面が明らかになる新章です。
また『シャトレーズ』(宇宙暦0735年)ではSOE(反帝国組織「大地の歌」)のフリーマン博士の「ド・ラージュやナルトモンなどの有能な大臣がいたからだ」との台詞があります。
宇宙暦0547年の帝室外戚オーリック家よりカル・ダームI世(カール・ダームI世)の即位、女帝トレスの亡命、0585年のマイノック家との和解の件に関しては『メヌエット』で詳しく描かれてます。
この作品は結構壮大なスペースオペラになっていて初めてだとどこから読んで良いのか難しいですね。最初に刊行された少年画報社第1巻からして同人誌作品『コズミック・ゲーム』の続きだったので商業誌掲載作から読み始めた私は最初「??」でした(笑)

さて、「エピタフ(Epitaph)」とは碑文、すなわち故人・過去の事柄を讃える言葉の事です。
物語はブリアン・ド・ラージュの孫か曾孫とロックの「対話」-回想の形で進みます。ド・ラージュがオーリック家の遠戚であった事、マイノック公の子供が三人ではなく二人だった新事実が明らかになりますが、かなり不幸で自由のない育ち方をしたブリアンの少年時代から『永遠の旅人』『魔術師の鏡』で酷く厭世的で超能力者嫌いの彼の人物像の周辺に説得力が出てきます。
他に面白い要素として当時の帝国宇宙軍での艦隊戦のノウハウが細かく描かれているのがあります。
銀河帝国の歴代皇帝は初代ナガト帝、二代目アルマ、三代目トレス女帝、カール・ダームI世の次にマイノック公のハラルド(宇宙暦0585年)ですが、初代ナガト帝以外の皇帝が全て偶像となるべくしてなるように仕組まれたライガー教授の「人間不信」が根底にありますね(『虚空の戦場』-宇宙暦0481年参照)。

第1巻では士官学校時代のブリアンが克明に描かれてますが、なんだかマイノックの「道具」として利用されそうな展開で続きが気になります。


『凍てついた星座』の続きも楽しみですね(『エピタフ』と連載誌が違うので交互に出る感じです)

聖先生の公式サイト(年表の話題が出てますが最後にはちゃんと帳尻が合うとの書き込みもありました。私も同感です)
http://www.denkaba.com/


現在「完全版」として再版が再開されているのでまだの方は是非お読み下さい。『永遠の旅人』まで再版されてます。


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