アルバニトハルネ紀年図書館

アルバニトハルネ紀年図書館は、漫画を無限に所蔵できる夢の図書館です。司書のWrlzは切手収集が趣味です。

『週漫スペシャル』2010年11月号

2010-09-30 | 青年漫画
 
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今日もオレは風邪でかったるい雨の日を迎えているわけですが、昨日きちんと記事が書けなかったので、週漫スペシャルは「オトナが読む漫画雑誌」としてある面ではとても正しいということを書きます。
今まで「特集」を強く意識したことがなかったんだけど、今月号の特集が「喰いごろの女たち」なので、そういう下劣な目線で真面目に記事を書きます。ちなみに病院で処方された風邪薬のおかげで鼻づまりが解消され、気分はとても爽快です。

レビューというか感想の基準は、「描かれている女性を抱きたいと思うか」という動物的な物です。ただし特集と向き合い、この雑誌を正当に評価しようと試みたつもりです。

まず大前提として、ロリータ趣味のある人は例外として、男はオレくらいの年齢(36歳)になると10代やハタチそこそこの小娘に「欲情」など出来なくなる。(ただし二次元なら別だ)。テレビに出てくる若いタレントさん(時代の定義する「美」)なんかも、確かに可愛いし(メイクが)綺麗だとは思うけど、オレはムラムラとは来ない。
「ガキに興味はない」というすましたような言い草は、裏を返せば「オレは自分好みの熟女とならいくらでもヤれる」という下劣な物だ。「喰いごろの女」=「熟女」とここでオレは勝手にすり替えているけど、「熟女」が何なのかネットで調べて答えを探すのはやめましょう。オレに言わせれば熟女というのは年齢でも容姿でも社会的地位でもなく、「生き様」だ。


『「淫乱」の証明』/大葉康雄・沙川聖
女友達が自分の夫と不倫していると気付いた妻が、目的を持って男に抱かれ始め、やがてその目的の標的が変わるという巻頭カラー。
派手な服と濃い化粧を夫に咎められた妻が着替えると、躯(カラダ)には不倫の証である大量のキスマーク。浴室で手淫に及ぶ左手には結婚指輪。

何を以て「熟女」と呼ぶかその定義は非常にあやふやで、むしろ定義など無く、それに男が何を求めるのかも千差万別だ。それを踏まえた上で断言するけど、大葉康雄先生の描く女性は設定や年齢や境遇に関係なく、オレの「熟女像」として理想にとても近い所にある。
こんな女、現実に身近にいたらすごくイヤだけど、もしいたら抱かなきゃ勿体ない。
MY PAL COMICSに採録された過去の作品(新人アナが事件を解決するあれとか)を数えなければ、ここ4年ほどで大葉康雄先生の新作を30作くらい読んできたけど、描かれてきた女性を抱きたいかと尋ねられればオレの答えはほぼ毎回「YES」だ。


『沿線不倫恥図~安い罰金、高い不倫』/北野信・小田はるか
一方で、北野信先生がほぼ一貫して描いているのは、今のオレの嗜好とは逆で、「オヤジは若い子が好きに決まっているだろう」という主張だ。それも実情を指摘した非常に的を射た物で、そういう需要が相当存在することをオレは「頭」では理解しているけど、「感覚」としては理解できなくなった。
ただしオレも自分がハタチの頃には「三十路の女性と寝ている自分」が想像できなくて、今では「ハタチの小娘と寝ている自分」が想像できないという逆転現象を経験している。
その意味を考える前に次の作品を引用したい。


『恋人バレの秘密』/宮内かずみ・万平
50代の部長が、部下から風俗ではなく出会い系を利用していると聞き、自分もそれを実践するが援交狩りに遭う話。
これは「熟れている」と「熟れ過ぎて腐っている」との境界線を描いている。熟女とは「年齢」ではないという点でも深く共感できる。
オヤジが援交と称して幼い子供を買ったというようなニュースを聞くと、「ディスカウントショップで安い粗悪品を大量に買った」ような物じゃないかと穿(うが)った感想をオレは持ってしまう。払う金額がたとえ高くても、優良店で長年愛用できる良品を購入したほうが賢い買い物に決まっている。(ただしオレはカネで女を買わないし、売春が犯罪であるという点に異論はない)。



『今晩、お邪魔します』「ももいろハウス」未華--の場合/蝦名いくお
この作品で妻と別居中の男が入れ込むデリヘル嬢は、年齢的には若いと思われる。ところが彼女は自分が疑われたことに腹を立て、「妊娠詐欺」の真犯人を突き止める有能な駒として動く。主人公が前述の「賢い買い物」をした例に数えて良いと思う。未華が十年後に更に「いい女」になっている可能性は否定できないのだから。


『誘惑・妹の唇』/百花・美々華
読み飛ばしたわけではなくて、自分の都合のいいように引用するために順番を前後させた。
美女に求婚した気の小さい男が、妹に認めてもらうのが結婚の条件だと言われ、彼を誘惑する妹は姉と共謀して彼を試していた。
愛と肉欲は別物だという話は、「男の性欲」を正当化してくれる正直な漫画だ。男が浮気するのは当然なんだから女性はいちいち怒らないで下さいという、とんでもない暴論を描いているけど、ヒトは人間である前に動物だ。
愛しているからヤるのか、ヤれるから愛するのか、その根源的な問いへの答えを人類は未だに見付けていない。


『キャバクラ裏日記 やりたい女たち』/作麻正明・香橋義高
こちらは逆に、表題の通り「やりたい女」の側を描いている。
「熟れっ娘」という看板を掲げているキャバクラ。そこで働く二人の女は過去の職場を混乱に陥れ、この世の酸いも甘いも舐め尽くし、東京で天職を見付けて男を玩(もてあそ)ぶ。殺人事件に巻き込まれても捜査に協力し、事が落着すればまた天職だと嘯(うそぶ)く。
今回はあくまで「登場人物を抱きたいか」という視点で感想を書いているので、「面白い漫画だった」という自分に不利な事実からは敢えて目をそらしておく。


『ルーム・シェア』/わたんかづなり
これはスペシャルゲストとして登場した漫画家の作品なので特集には参加していない。家事が出来ず、片づけていない方が落ち着くという果歩のトラウマを「魅力」と勘違いする場合もあるかもしれない。
「片づけられない女」であるという時点で萎えるし、家事をしない女をオレは生理的に受け付けない。記憶を抹消されて生まれ変わるというオチが楽しかった。


『マハルキタ~嘘つき』間宮聖士・中山たくみ
国籍で抱きたいか抱きたくないかを判断しろというのは重いのでスルーします。というかこのシリーズあんまり好きじゃない。
この作品を含む後半の3作は、特集には不参加。


『渚秘記』~露呈した不実/成沢功・大川功
渚の本名と過去を知っているらしい男が現れる。
成沢功先生の描く女性は、たとえ着飾っていてもいなくても、「身近な女性がこういう事を考えていたら嬉しいよね」というオヤジの妄想を掻(か)き立ててくれる。もちろんオレは実生活で近所のOLさんをそんないやらしい目で見ている不審な変態ではありません。
「和服で乱れる過去のない女」というのが(今の)オレの好みではないので、渚を抱きたいかと訊かれれば答えは残念ながら「NO」だ。『恋文』のほうが登場人物が等身大であるという点では好きだった。


『悪女の標的』part.3/池田文春・高野洋
完結編。10年の歳月を経て美しくなった緋沙子を、北島は「欲しい」と言って抱く。
10年前の、意志のなかった22歳の緋沙子と、今の彼女とのギャップには雲泥の差がある。
そして北島は「褒美として君をくれ」と言い直す。10年前の彼女は「褒美」にはなり得なかったが、共に戦い続ける存在になった今の緋沙子は充分に「褒美」たり得る女性だ。


と、こんな感じに特集も意識しながら、いやらしい目で読了したわけです。
「喰いごろの女たち」というのは結局のところ、「オレが抱きたいかどうか」という主観です。十年前の自分が読んだら違う登場人物を抱きたいと思ったかもしれないし、十年後の自分が読んだらまた違った感想を抱くかもしれない。だから人の数だけ楽しみ方があるし、オレの楽しみ方が絶対なわけでもありません。そして結婚もしていないくせに偉そうなオレは「喰いごろの女」=「熟女」とすり替えているけど、少なくとも「熟女」とは実年齢でも相対的な年齢差でもなく、オレにとってはその女性の「生き様」です。
「自分は20年前から酒井法子が好きだったので彼女が前科者になった今でも好きだ」というのと「昔は酒井法子が好きだったけど今はAKB48のこの子が好きだ」との違いと大差ないじゃないかと思われるかもしれないけど、かなり次元の異なる話です。

「自分は熟女が好きだ」という軽々しい言葉をたまに耳にするけど、そう言い放つからには「そもそも『熟女』って何なんだ?」という問いへの自分なりの答えは持っていてほしいと思う。
オレは「生き様だ」という結論を現時点では下している。だから仮に熟女が揃っていますという看板を掲げていても、風俗店で素性の知れない女を買うことはない。無論、他人のものを盗ったりもしない。

言い繕っているようであれですが、自分だって若い頃は若い子と付き合っていたので、若い女性を敵に回そうという意図は全くございません。
「おっさんがきもいこと書いてるよ」と寛容に笑い飛ばしてもらえれば幸いです。


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9・29

2010-09-29 | daily
 
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『週漫スペシャル』11月号の感想を書こうと思いましたが、予定を変更して僕の苦しみを書こうと思います。

僕は今日、風邪の症状が辛くて辛くて、苦しみに耐えきれずに病院に行きました。
僕が風邪を引いたのはもちろん中国のせいです。その理由をこれから理論的に説明します。

三日ほど前からなんとなく喉や鼻が辛かったのですが、本格的に辛くなったのは昨日9月28日です。
28日といえば、僕がテレビを見て「中国はなんて悪いんだろう」と思った日です。
従って、僕が風邪を引いたことが中国のせいであることは明白です。

お医者さんに診てもらったら、1,010円かかりました。
抗生物質以外に風邪の症状を和らげる薬を出すと言われましたが、以前出してもらった薬は眠くなるので要らないと言ったら、今度は漢方薬を出してあげると言われました。


処方せんを薬局に持っていったら、1,180円かかりました。
抗生物質は3日間続けて飲みなさいと言われました。つまり飲み終わるのが中国の建国記念日である10月1日なので、僕の風邪の責任が中国にあることが、暦学の見地からも証明されました。
そして漢方薬は以前もらった薬とは違って中国発祥の薬なので、やはり僕が風邪を引いたのは中国の陰謀であることに間違いがないことが、薬学の見地からも証明されました。
僕は病院と薬局で合計2,190円を支払いました。でも僕が負担したのは3割に過ぎません。僕が払わなかった残り7割の5,110円は保険料です。
中国は我が国の財政を圧迫するひどい国だなあと、僕は思いました。
僕は薬局からの帰り道、コンビニに寄りました。小銭が810円しかありません。週漫スペシャル11月号とハイライトとセブンスター(合計910円)を買おうと思ったのに、100円玉が一枚足りず、週漫スペシャルとハイライトだけしか買えませんでした。

僕は中国共産党政府に謝罪と賠償を要求します。
僕が払った治療費:2,190円
僕が圧迫してしまった医療財政:5,110円
僕が値上げ前に買い損なったセブンスターの代金:300円440円
小計:7,740円
消費税:387円
円高による損失:680円
スマイル:0円
合計:8,807円

11月号で面白かった作品:2, 5, 6。


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『夢みる太陽』第7巻/高野苺

2010-09-28 | 少女漫画
 
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冒頭に番外編が採録されています。
三浦さんの高校時代に、事故に遭って目覚めなくなってしまった、彼を好きだった女の子のお話。

善に「俺を殴れ」と詰め寄る大家さん。
今はよくても結果は同じだと大家さんが後悔していた頃、しま奈は未来の自分と大家さんとの関係に幸せな思いを巡らせていた。
しま奈の誕生日は祝ってくれないが、善と二人でのお祝いには同伴すると言い張る大家さん。
「俺と一緒にいたいだろ」。

後悔のないようにひとつひとつ伝えていこうとするしま奈の前に、藤原と紹介された、大家さんのお父さんが現れる。
17の誕生日に好きな人のお父さんから、胸をえぐるような言葉を投げ付けられてしまうしま奈。その日を楽しく祝ってくれ、支えになると言ってくれる善に心の中で謝りながら、頼りすぎるからいけないんだと、しま奈は一人で考えようとする。
しかし12時を過ぎてしまったことを申し訳なさそうに窓から入ってきた大家さんは、自分のために花を選んでくれており、「言わない」「頼らない」と決め、何て答えたら正解なのか分からないしま奈に初めて気持ちを聞かせてくれる。
「おまえはどこにもやらない」。

ところが太陽を迎えにきたお父さんは、この家は売り払うから全員出ていけと、子供には反論が出来ない「常識」を振りかざす。
大家さんも迷っていて、誰かの答えを待っているのかもしれないと感じたしま奈は、二人を追いかけて、「非常識」な気持ちを真っ直ぐに伝える。

いつになってもいいんだ
時間なんて関係ない
今がうまくいかなくても
いつかそれが報われたら


31ST DOORカラー扉(『別冊 マーガレット』2010年5月号)


32ND DOOR見開きカラー(6月号)


番外編表紙カラー(2月号とじこみふろく)


6月号表紙


高野苺さんのカラー原稿がモノクロでしか単行本に採録されないのはひどい損失だと、最近思う。



お薦め度:★★★★☆
大家さんが立ち止まって振り返ってくれた日のことが、夢で終わらないようにと願うしま奈がすごく良い。
叶わないような夢を抱いている皆が、それを諦めない様が好きです。


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【検索用】夢みる太陽 高野苺 7
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『ビッグコミック』2010年19号

2010-09-27 | 青年漫画
 
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オレはコンビニで漫画雑誌だけを買い、その一冊を袋に入れやがれと大きな態度がとれないので、シガレットも一緒に買っています。昨日は「いつもの」が品切れだったのでセブンスターを買いました。


『ゴルゴ13』第506話「天空の毒牙」前編/さいとう・たかを
巻頭カラーです。
スイス、チューリッヒ。ギリシャの株価は当面低迷したままだと居間で確認していた銀行家が変死する。4日後、二人目の銀行関係者が変死する。
現場に現れた引退間際の警部は、旧約聖書の言葉を引用し、二人の犠牲者にはもっと多くの共通点があると指摘する。あの男に撃ち抜かれた時計を今も手放さず、屈辱を忘れていない警部は、犯罪の片棒を担ぐ重荷を下ろしたい衝動を利用すれば、スイス銀行の秘密口座価値を高めている守秘義務規定を責める突破口に出来ると言う。

次の標的は自分達だと怯えて貸金庫室に閉じこもっていた二人の銀行家は、自分達の命も守り、銀行の秘密も守り、スイス警察の追求もかわすための唯一の方法だと、秘密口座を持つ銀行家ならその名を知っている顧客に依頼をしようとする。
警部はあの男がスイスに現れたと知り、銀行家は明日の早朝に依頼を引き受けてもらえば生き抜けると安堵するが、銀行家の運転する車は崖下に転落してしまう。


『憂国のラスプーチン』第4話/佐藤優・伊藤潤二・長嶋尚志
背任について全面否認する憂木。検事は対話のテーマを変えようと事務官に席を外させ、憂木はロシアを崩壊に導いた売国奴のあだ名を名誉に思っているとはぐらかし、都築は愛国者だと断言する。
1991年のリトアニア。在ロシア日本大使館三等書記官の憂木衛と都築峰雄外務政務次官との出会い。憂木が通訳を務めた都築とランズベルギス議長との会談の中で、都築が杉原千畝の名誉回復を果たしたエピソードを話しても、検事はまるで興味を示さなかった。面会に来た、都築の代理人である室田弁護士は、東京地検は事実よりもストーリーを優先させ、憂木が「自動販売機」になるまで攻め立てると言う。

鈴木宗男が収監されたことで、連載の中止を求める声が既に届いているらしい。巻末に寄せられた、「すぐに連載をやめるべきでは?」という意見はその多くの中の一つだろう。しかし編集部は「伝統の殻を破ることが新しい伝統の創造につながると考えます。」などとへりくだる必要はない。伝統のある漫画雑誌が常に「正しいこと」を発信する必要はないと私は考えている。
そもそも司法の判断が絶対ではないのと同様に、漫画に描かれる物も絶対ではない。
この漫画に関しては原作として使われている佐藤氏の著作を私は2冊ほど読んでいて、その内容の全てには賛同できなかった。それでも漫画(作画)を担当する伊藤潤二がフィクションとして何をどう描くのか、私は完結まで読みたい。


『神様のカルテ』その3/石川サブロウ・夏川草介
こちらは逆に、私は原作を読んでいなくて、漫画で初めて読んでいます。
気に入っています。
医者が「医局」に移ることのジレンマは『ブラックジャックによろしく』(佐藤秀峰)でも描かれていたけど、こちらは既に優秀な医者である一止(いちと)の奇人ぶりもあって、前者とは違う面白味があります。
末期の膵臓癌患者へのモルヒネの量を増やして欲しいと頼む新人看護士の水無と、それはできないという一止の葛藤。患者は七日後に亡くなり、一止は自分を見ることさえしない水無には当分わかってもらえないだろうと、改めて悲しむのは苦手だと実感する。
そして病院からの帰途、一止はラオスから帰国した妻と神社で久々の再会をし、自分の周りにいるもう一人の「心を読める人間」の存在で、心は前向きになり、明日からまた闘う気持ちになれる。


以下は、例によって読むのが途中からなので大した感想は書けません。面白かった所だけ箇条書きにします。


『太陽の黙示録 建国編』CHAPTER 61/かわぐちかいじ
読んでいるうちにどんどん面白くなってきました。
南日本行政府の宗方長官をはじめとする高官が、新神戸空港に降り立つ再生特区の柳舷一郎代表一行を出迎える。調印式を終え、宗方は舷一郎を自分の私邸に招く。かつての難民キャンプで共に地面に字を書けと命じられ、迷わず「一」と一本の線を引いた二人。宗方の一字は拒絶の境界線だったが、舷一郎の一字は受容だった。それを「愛」だと評した宗方の言葉は買いかぶりだと舷一郎は答えるが、「主権譲渡」を阻止しようとする銃弾から舷一郎は身を挺して宗方を守る。
建国編はラストまであと2回のようです。


『総務部総務課山口六平太』第584話/林律雄・高井研一郎
今回の六平太は海に丸投げ。小賢しい言葉よりずっと良い海。安易に答えを求めようとするより海でも見よう。
人間はちっぽけで、その悩みもちっぽけで、時には成り行きに任せることも必要だ。


『そばもん』第47話/山本おさむ
演歌歌手の「ギャフン」がついに聞ける。「江戸そば」と「郷土そば」は対立するものとして語られたり、優劣を競うもののように対置されるが、そばの長い歴史から見れば江戸そばも数ある郷土そばの一つに数えるべきものだと矢代は言う。いい話でした。


『華中華(ハナ・チャイナ)』第99話/西ゆうじ・ひきの真二
これまでの経緯を読んでいないんだけど好きです。
パワースポットと呼ばれる「横浜三塔物語」。それを料理に生かそうとする華子と、そんなものに頼らなくても世界一の料理人になれると見守る楊貴妃。
島野料理長はマダムからお許しをもらうが、試作メニューの手伝いのために満点大飯店の昼休みは30分間だけになる。上海亭を手伝えなくなったと謝りに行く華子の前に、有田元店長が新作料理を盗もうと立ちはだかる。


『S-最後の警官-』episode.028/小森陽一・藤堂裕
テロの首謀者だと思われる「正木圭吾」という名を存じないかと尋ねる香椎の質問を、霧山は心当たりはないとはぐらかし、SATとNPSの共闘という「得る物」があったとほくそ笑む。
神御蔵は、事件を極秘にするために霧山の息のかかった病院に入院している嵐と横山を見舞いに行き、己のふがいなさに心が折れるが、ボクシングジムの会長に殴ってもらえ、元気を取り戻す。
再び自分のせいで負傷した二人を見舞いに行くと、横川は脳と指はなんともないとベッドの上で仕事を再開しており、嵐は心配などおこがましいと怒鳴りつけてくれる。
嵐も横川も最高にカッコイイ警察官だとふっきれ、神御蔵が意気揚々と出勤すると、蘇我がNPSに異動になっていた。


『宗像教授異考録』第137話/星野之宣
山形の湿原から出土した、実用性のない「蛇行剣(だこうけん)」。
忌部は鏡は平安時代から鎌倉時代にかけてのもので古墳時代の蛇行剣とは時代が違うと口をはさむが、宗像は兵庫の風土記とギリシア神話のナルキッソスの逸話から、「屈み」が日本語の「鏡」の語源とも言われており、蛇も古くは「カガミ」と呼ばれていたかもしれないと指摘する。
そこに居合わせた、稲作文化の研究をしている菅田は、宗像のお手伝いをしたくて東京からおしかけたと言う。水の中を見ていると、その時代ごとに人が何を求めていたのか映し出されているように思えると。
しかしロンドンで人を亡くしていた宗像は、自分を客員教授としてロンドンの大学に招きたいという申し出に対し、断りはせずに考えさせて欲しいと答える。


久々に購入したセブンスターがすごく美味しい。来月からの値上げ幅の大きい銘柄(300円→440円)なので、ハイライト(290円→410円)より美味しいと、少しだけ思ってしまった。


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『潔く柔く』第13巻(完結)/いくえみ綾

2010-09-25 | 少女漫画
 
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完結しました。最終巻です。私は雑誌(Cookie)を読んでいなかったので、単行本でようやく最終話が読めました。
「感動した」という、最もありふれた感嘆の言葉しか出てきません。

この漫画は「死者の魂との対話が叶う」という、奇跡のような物語なのだと思います。だから(読者が知る限りでは)誰かを亡くしてはいない百加の話である『切切と』は番外編として描かれたのだと私は考えています。

死者の魂は姿を変えずに過去に留(とど)まり続け、生きている人間の時間だけが当然のように、一方的に経過する。
しかし「過去」と呼ばれる死者の魂に縛られ、それがしこりとなり、時間が流れない人もいる。
清正がカンナに、彼が夜の公園でハルタから聞いた言葉を彼女に伝えるシーンでは息を呑んだ。
妹を亡くした姉や、幼なじみを亡くした人々の魂が、過去を忘れることではなく、罪悪感を昇華(と呼んで良いのか分からないけど)させることで彼らの時間はようやく流れ始めた。

ラストで繰り返されたモノローグは、「魂」と「感情」との決定的な違いをカンナが理解した時の言葉なのでしょう。
その最後の「等しく 愛しく」という部分は「潔く 柔く」と同義なのだと、私は思います。

もちろんこの記事は私個人の感想に過ぎませんが、この漫画が名作であることに変わりはありません。


お薦め度:★★★★★


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『ひとりたち』/菅野文

2010-09-24 | 少女漫画
 
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『オトメン(乙男)』の連載が長引いていることが、作者にとって逆に不幸なのではないかと思わされる短編集。

表題作の『ひとりたち』は別冊花とゆめ2010年3月号に発表された最新作。
父を亡くし「ひとり」の夜を迎える女子大生、幸(ゆき)が、今までもひとりだったが今は本当にひとりなのだと、病床の父から手渡されたメモがたったひとつの繋がりに思え、そこに書かれた番号に電話する。

バイトに間違われた幸は、綱木(つなき)の命じるがままに遺品整理の仕事を手伝い、引き取り手のない遺書を誰かに届けようとして、故人の人生に踏み込むなと怒鳴られる。死ぬ時は皆ひとりだと言う綱木の過去を知り、人はひとりで死ぬが、誰かと生きた証を残して死ぬのだと知る。


『永遠のハニー』。
これは別花2008年2月号の別冊ふろくで私は最初に読んだ、単行本初採録の読み切り。初出は花とゆめプラス2004年9/15号。
娘の羽生衣(はにい)を溺愛する父が、片思いしている本当の「ハニー」との仲を娘に取り持ってもらう。娘を撮った写真に込められた愛情を以前から見ていたその女性は娘に会いたいと答えてくれるが、父はようやく娘が事故で亡くなっていたことを思い出す。


『悪性-ZERO-』。
『悪性-アクサガ-』全2巻に採録されなかった、第1話として雑誌に掲載された読み切り。『悪性』の単行本第1巻の「1話」は番外編として描かれた「4話」に差し替えられています。結果的に『悪性』全2巻は佳作となりましたが、ゼンの男色趣味も少し読んでみたかった。両刀であるというのは、盗むよりも壊すよりももっと「自由を体現している罪」だと思う。



『傷口から流れるあいのうた』。
ザ花とゆめ2000年10/1号。この単行本の中で最も初期の作品。
天才作曲家と呼ばれている男の仕事場に、そこから動けない少女の霊が現れる。彼女との会話の中で男は音楽が好きだという気持ちを取り戻していくが、少女から全てを奪ったのが自分だったという過去も思い出す。
掘り起こした死体と心中した男の部屋には、悲しく、とても綺麗な未発表の曲が遺されていた。


『ひとりたち』カラーページ(『別冊 花とゆめ』2010年3月号)




『AYA KANNO SELECTION』(2008年2月号別冊ふろく)



お薦め度:★★★☆☆
『オトメン(乙男)』が一刻も早く完結して、新作の連載が始まることを願っています。
私は『オトメン』を初めて読んだ時、素晴らしい漫画だと思いました。でも第9巻で買うのをやめました(連載は読み続けています)。
「『オトメン』は素晴らしい漫画だ」と「菅野文は素晴らしい漫画家だ」が同じ重みを持ち始めた時に間をおかずに、「本当はこういう漫画が描けるんです」という主張を作者にはしてほしかった。



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『ACONY』第3巻(完結)/冬目景

2010-09-23 | 青年漫画
  
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永遠に描き続けてほしい漫画だったので、帯を見て完結と知り、少しショックでした。
しかし、読み終えたら、言葉にならないほど美しく楽しい名作でした。
全3巻で完結したことも含めて、私はこの漫画の総てが大好きです。

人生は凡庸(ぼんよう)だけど、それは退屈の同義語ではない。
平行世界では自分は違う人生を歩んでいるかもしれないし、容姿も性別も違うかもしれないし、初恋の相手も違う姿をしているかもしれない。
老いない人はいても、死なない人はいない。だから生きるということには掛け替えのない価値がある。
櫁野(しきみ野アパート)は幼い頃や子供の時に人の心に刻み込まれる原風景で、やがて大人になって足が遠のき、自分の知らない内に取り壊されるのかもしれない。プライバシーもなく騒がしい、そこでの暮らしをむしろトラウマだと称したモトミも、大人になった時にはその本当の価値を思い出すだろう。

一般的に「名作」と呼ばれる作品は全ての要素に意味があることを評価されるけど、この漫画は逆に大半のエピソードが「無意味」であることで名作となっている。

世の中は面白い漫画で溢れているので、私は今こうして生きていることが幸せでたまりません。
なんでオレはこんな恥ずかしいことを書かなきゃならないんですかっ!?(笑)


お薦め度:★★★★★


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『テルマエ・ロマエ』第1巻/ヤマザキマリ

2010-09-22 | 青年漫画
  
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この漫画は読む前の買う段階で、既に笑ってしまう出来事があった。
先日までこの漫画は近所の本屋のある場所に積んであったんだけど、それが無くなっていたので題名も出版社も思い出せないオレは店員に尋ねた。
「しばらく前にこの辺りに積んであった漫画でして、えーと、題名は忘れちゃったんですが、内容は…ろ、ローマ人が…ぷっ、日本にタイムスリップして銭湯をパクるという物でして…」…。
店員さんは笑顔で棚の中に埋もれた一冊を見付けてくれたけど、こういう「オレは漫画とか読まない人なんですよ」的な質問をしたオレの左手には、既に新刊コミックスが3冊くらい抱えられていた。新刊をチェックしていながら漫画の題名が分かりませんというウソのような質問をしてしまった挙動不審な僕。見付けられなかったのは本当です。


紀元128年、ローマ。世界で最も文明が発展し人々が豊かな暮らしをしていた帝国。
斬新さばかりを追い求める現代社会が忘れた、古き良き時代を再現しようと思っていた建築技師ルシウスは失業してしまう。そして親友のマルクスと公衆浴場に行くと、妙な排水口に吸い込まれ、言葉の通じない異国に来てしまう。いつからローマ領になったのか不明なそこは、平たい顔をした奴隷達のくつろぐ浴場だったが、壁にはヴェスビオス火山が描かれ、催し物を告知する絵は完璧で、牛の乳に温帯の果実を加えた飲み物はこの世の物とは思えないほど美味く、ローマ人としてのルシウスのプライドは深く傷付く。
しかし元の世界に戻れた彼は、復職し、夢だけど夢ではなかった世界の奴隷浴場をマネて、ローマで大人気の建築家に返り咲く。

翌年の129年、ルシウスは再びあの高度な文明社会に迷い込み、見た目はローマ人よりはるかに下等な人種から多くを学び、健康促進効果のある屋外浴場と湯の熱で卵を茹でる技術を持ち帰り、執政官の信頼を得る。

130年。男色のハドリアヌス帝が最愛の男を亡くし、ローマは皇帝の愛人の像を彫るのに忙しかった。マルクスの師匠は家の敷地内に風呂を欲しがっており、ルシウスは再びあの世界に迷い込み、軍事力で領地を広げるのではなく他民族の文化から学ばなくてはローマに未来はないと、家庭用簡易ブロの技術をローマに持ち帰る。その報告を読んだ皇帝は、エジプトから急遽ローマに戻る。
一介の浴場技師でありながら皇帝陛下への謁見を許され、緊張して腹の具合が悪くなってしまうルシウス。エルサレムで為すべき事をじっくりと考えなくてはならない皇帝陛下のお役に立つという大役を仰せつかったルシウスは、見事な風呂と便器を完成させ、他国の文化をマネするだけではない立派な技師だと陛下から褒められてしまう。

134年。皇帝陛下の信頼を得たルシウスは、ローマ帝国属州ユダヤの最前線にいた。傷付いた兵士達は風呂に入りたがっており、ルシウス自身も己の体力を過信してはいけない年齢になっていた。滑って転んで目を覚ますとそこはあの「平たい顔族」の世界で、ルシウスは地熱が傷を癒すこと、鉱泉の湯は飲んでも効き目があることを知る。
ルシウスの設計した浴場で兵士達は体力を回復させ、エルサレム陥落は叶うが、3年もローマを離れていた彼が家へ帰ることを許してもらうと、妻は「離縁させていただきます」という書き置きを残していた!
第2巻に続きます!



お薦め度:★★★★☆
おフロって素晴らしい!(笑)
ちなみにオレは最近バスクリンよりバスロマン派です。
湯船に浸かりながら高尚な哲学の事とかは考えていません。


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『暁のヨナ』第3巻/草凪みずほ

2010-09-21 | 少女漫画
 
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緋龍を主とし
命の限り
これを守り
これを愛し
決して
裏切るな


既に雑誌で読んでいましたが、単行本でまとめて読むとぐっと胸に込み上げてくる物があります。

城の外の寒さどころか城の中の事すら知らなかったヨナが、それでも阿呆のままいたくないと、自分の足で立って生きようとする。不条理なまま死ぬのは嫌で、ハクを失うのはもっと嫌で、その為なら神の力だろうと私は手に入れたいと決意し、ハクはその天命に賭けてみようと答えてくれる。
家族であるユンとイクスを引き裂けないと強く優しい言葉を言ったヨナ。飢饉の地で絆を深めていったユンとイクスとの出会い。神は信じられないがイクスは嘘をついていないと、「さびしさ」と商いを教えてくれたイクスの言葉は絶対なのだと、ユンもまた外の世界を見に行こうと決意する。

赤い髪の姫と、元将軍の雷獣、天才美少年というただでさえ目立つ組み合わせの三人が、龍の血を守り続けている一族の住む国境の山を目指す。
剣術を覚えたいと頼むヨナに、ハクは自分は今、決して姫に武器を触らせなかった陛下の命に背くのだと弓を譲る。命を奪うという父の嫌った痛みを知り、それでも奪わなければ今、自分は生きてゆけないと、ヨナもまた亡き父に背く。

誰かを犠牲にしてでも武器を手にしたいと涙をこぼすヨナに、道具の心配はするなとハクが自分を抑えるやりとり。ユンが消え、二人は弓矢をつがえた兵達に囲まれる。
しかしヨナの赤い髪を見た男は、我々は白き龍の守り人だと名乗り、二人を白龍の里へ招く。
己を必要としてくれる主を渇望していた白龍は、ヨナの前にひざまずき、王でも主でもなく自分と仲間を守るために神の力を欲しがる不届き者だと嘘をつかないヨナに、彼女が誰であろうとどんな目的があろうと今からあなたの龍だと慇懃(いんぎん)に答える。


第14話扉カラー(『花とゆめ』2010年9号)



お薦め度:★★★☆☆
涙が込み上げるような展開と、コメディのノリが大好きだ。
そして「大河ファンタジー」の看板に負けていない完成度だ。

「この漫画が大好きだ」というのはもちろん私の主観ですが、オレは自分の好きな漫画を勝手に応援するのだ(笑)


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【検索用】暁のヨナ 草凪みずほ 3
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『神様はじめました』第7巻/鈴木ジュリエッタ

2010-09-20 | 少女漫画
 
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遅くなってすみません!
ミカゲ社 桃園奈々生
ただいま到着しました!


自分だって奈々生の役に立ちたいと身分差に嘆く、第二神使の瑞希のエピソードで幕開けする第7巻。
まだ人間社会に不慣れだからと学校にもお供させてもらえない瑞希が、テレビに映るKURAMAを見て、天狗である彼が何故16年間も人間と交わってこられたのか、その術を盗み見ようと、「僕も奈々生ちゃんに認めてもらうんだ」とお台場へ向かい、人間の毒気にやられてしまう。
神酒を作った瑞希が報われるという一見して番外編のようなエピソードですが、私は気に入っています。というか大好きだ。そしてここで瑞希がお賽銭を使い込んでしまったことが、出雲へのお供の人数を左右してしまう。
瑞希とKURAMAが「家出」をしたのはどっちだと言い争いをするシーンがさりげなく挿入されていますが、実はこれはこの漫画のテーマその物なので、実際には第三十七話は番外編などではなく、不可欠な「本編」です。(とオレは思っているんですよ)。

神議り(かむはかり)の前に、遊園地でデートする奈々生と巴衛。人間は専門外だと言いながら自分以外の人間の女には気安く触る巴衛を見て、昔は雪路という人間の女性が好きだったくせにと、嘘は傷つくと、奈々生は「かんざし」へのヤキモチをエスカレートさせてしまう。

瑞希が東京でお賽銭を使い込んでしまったために三人分の出雲での宿泊費が足りず、二頭の神使の内片方は留守番だと主人に言われ、巴衛も瑞希も奈々生のためを思って自分が出雲にお供すると争う。
実は悪羅王の仮の姿である霧仁を助けた奈々生が戻ってきて、「汚らわしい人間」「下種(げす)な狐」という言葉を神堕ち(かみおち)から投げ付けられた主人は、勝負に勝った巴衛ではなく、聖神使の瑞希をお供に選ぶ。

神堕ちを退ける神々しい奈々生!


出雲での神議り。八百万の神が集い、人神(ひとがみ)である奈々生はいびられるが、ミカゲは人神である彼女にしかできないことがあると指摘してくれ、蝶の姿で社の新しい神に道を示してくれる。そして奈々生は神議りの主宰である大国主に、香夜子に会う条件として、神にしか行き来できない黄泉比良坂(よもつひらさか)の門を越えてきた穢(けが)れを祓ってこいと命じられる。
その頃、留守番をさせられていた巴衛は、奈々生に対して腹を立てながらも、「帰る場所」があることにとてもあたたかな気持ちになっていた。


第四十話扉カラー(『花とゆめ』2010年9号)



お薦め度:★★★★☆
「このマンガ面白いじゃないか!」ともう少し騒ぎになっていいんじゃないかと、私は思っている。

帰る家をなくした女の子が参拝者の減った神社の神様になり、力を付けながら本物の神様に近付いていき、やがて人ではない者達にとって彼女自身が「帰る場所」という大きな存在になるお話だ、と書けば面白さが伝わりますか?

少なくとも私にとっては『花とゆめ』を買い続ける大きな動機の一つです。


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【検索用】神様はじめました 鈴木ジュリエッタ 7
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「消費税は上げないで頂きたい」。

2010-09-19 | daily
 
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菅改造内閣が発足し、テレビのインタビューに街行く人々が、政府に何を期待するのか答えていた。
カメラの前で「消費税は上げないで頂きたいですねえ」「保育所を増やして頂きたいですよ」というようなことを通行人が喋り、画面の下には「消費税は上げないでほしい」「保育所を増やしてほしい」と語尾を訂正した字幕が出ていた。
また、以前から、閣僚が「○○さんには○○大臣に就任して頂きたい」などと喋っても字幕では「就任してもらいたい」となっていた。
NHKをはじめとするテレビ局に対しては批判も多いけど、さりげなく日本語を是正している面もあるのだなと、なんとなく感心してしまった。

ついでに「身内に対して敬語を使う」ということの不自然さも指摘してみたい。例えば自分の会社に岡田という渉外担当部長がいて専務に昇格したとして、お客様に対して「岡田部長は専務になられました」とは言わない。政党と会社はもちろん違うが、会社であれば電話をかけてきたお客様や取引先に対しては「岡田は異動があって専務になりました」と答えるのが一般的だ。社長が「小沢さんには辞めて頂きました」とさん付けで謙譲語で喋るのも変だ。党内(会社内)でどちらが偉いのかは国民には関係ないので、「小沢は不手際があったので降格させました」と言うべきだ。ただしこういう慣習は自民党政権時代から存在していたようで、総理大臣として私の記憶の中で最も古い中曽根康弘も、身内である当時の官房長官に対して謙譲語を使ったことはある。


「頂く/戴く」は頭にのせる、頭上高くに位置させるという意味の言葉で、謙譲の意を表し、「~頂く」というのはもちろん「~してもらう」の謙譲語である。そして「致す」と同源であり、それは「ささげつくす」という意味だ。そして謙譲とはへりくだることである。

私は漫画家の先生から色紙や著書にサインを頂戴(ちょうだい)する機会に恵まれることがあるが、それが可能な場合は「WRLZ君へ」と名前を入れてもらっている。その際、言葉では「『WRLZ君へ』と入れて頂けますか」と謙譲語でお尋ねしお願いしている。転売を目的としない限り尊敬していない漫画家のサインをもらうことはあり得ないので、サインを頂戴したい漫画家は常に自分より「目上」だ。従って何かをしてもらった時に漫画家に対して謙譲語を使うことは、私にとっては日本語として自然だ。

もちろん私は立派な政治家に対しては敬意を払っているが、「内閣その物」を尊敬することはない。内閣は人間ではないからだ。従って「消費税は上げないで頂きたい」と政府を相手にへりくだった言葉を使うことはしない。
消費税を上げてほしくなければ「消費税は上げないでほしい」、上げても構わないのなら「消費税を上げても良いが代わりに福祉を充実させてほしい」というような言葉遣いで、仮にマイクを向けられたら喋りたいと思う。
「消費税を上げさせて頂きます」とへりくだる立場にあるのは政府であり、国民は「消費税の税率を上げるのを許してあげる」という立場である。

政策について世間話をする時は、敬語は使っても謙譲語を使う必要はない。
有権者に対して土下座をする政治家はいるが、政治家に対して土下座する有権者はいないというのと、少し似ている気がする。

「日本語にやかましいオレ」という内容の記事は他にもあるのでよろしければお読みください。
「言う」と「云う」と「謂う」
縦書き文章の中の英数字
「犯人は私じゃないです」。

オレってやかましくてイヤな奴だなあ(笑)

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『花とゆめ』2010年20号

2010-09-18 | 少女漫画
 
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花とゆめCOMICSの新刊もかなり購入した週末です。オレはどこにも行かずに漫画を読んで過ごすのだ!


『天使1/2方程式』1時間目/日高万里
秋吉家シリーズの新作。別花で『お気に召すまま?』を読んですごく面白かったので期待していたんですが、初回はやや期待外れでした。
「くちびるが荒れる」という些末な悩みだけで延々と物語が続くのか?(笑)
ある意味、身近でリアルな悩みだけど、「漫画で美容講座」という内容に終始してしまうのは勘弁してほしい。


『モノクロ少年少女』#32/福山リョウコ
ケダ高祭2日目。お互いを嫌いだ大嫌いだと罵り合いをエスカレートさせてしまう右京と呉羽。すきな人とペアだなんて奇跡に等しいとリボンを開けていない蝶々。
間違えてマタタビ2倍のドリンクを飲んでしまった右京は、酔ってスリスリさせろと暴走し、呉羽は右京は誰にでもするんだと揺れ、すきか嫌いか言えという、今まで無かった選択を迫られる。
そして茅は、その答えは呉ちゃんの中にしかないからと、すくなくとも自分にだけは素直でいようと、呉羽に笑顔を取り戻させてくれる。
酔いつぶれて呉羽にすがるように問いかける右京と、顔を真っ赤にしながらきらいだと言い張ってしまう呉羽がすごくいい。そしてまた、はじめてがひとつ呉羽の心の中に灯り、眠ってしまった右京にかわいい言葉をつぶやく。


『神様はじめました』第50話/鈴木ジュリエッタ
神議り(かむはかり)を終え、帰省した奈々生。そしてKURAMAと巴衛の久しぶりのご登校。
しかし巴衛が好きだという揺るぎない想いを確信した奈々生は、海より深ーい借り(第4巻)があるケイに「合コン」へ連行されてしまう。人間をまだわかっていない巴衛と、16年間も人間界でもまれていたKURAMA、そして新しい御主人様ができて嬉しくてたまらない瑞希のいがみ合い。巴衛が、男の子と一緒にいた自分にイライラしてくれたのだと思い込みたい奈々生は巴衛の言葉を遮るが、巴衛は「イライラしているよ 俺は」と認めてくれる!

漫画感想系ブログでこの作品を大声で絶賛している同志は少ないんだけど、私は叫ぶ。これは名作だ!と。
またKURAMAの出番を増やしてあげて下さい。第7巻ももちろん買いました。


『俺様ティーチャー』第55回/椿いづみ
自分は無能で頼りにならないのかと乞うような泣き言を言う真冬に、わかりやすい乱暴な言葉を投げかけて安心させてくれる鷹臣くん。髪を結んでくれる鷹臣くんに「近い近い!!」と赤面してしまう真冬!
そして由井は、「山彦の術」に固執するが、風紀部の信頼も得られず、自分を好いている北条さんの想いにも気付けない。
「誰かを大事にしない奴は 誰にも大事にされないよ」。
ウサちゃんマンが自分のクラスから出てきた所を見てしまった早坂。正義。それが何なのかは若い時ほど分からず、大人になっても分からない。だから人は自分の信じるものを貫き通そうとするのだ。


『花と悪魔』Episode.55/音久無
完結まであと4回!
生きてはいるが引退した前魔王ルシフェル、現王モーリッツ、その現王から招待状を届けにきたギルベルト。
はなちゃんが自分のキスを拒んだことで落ち込んでしまうビビ!
恐がっていただけのはなちゃんをビビが学校まで車で迎えにきてくれて、あの人はお兄ちゃんではなく自分の恋人だと言い切ることができるはな。しかし、はなが3年間変わらず自分を待っていてくれただけで目が眩(くら)む程に幸せなビビと、ビビが恋人なんて夢みたいだというはなちゃんの想いはまたすれ違ってしまう。


『暁のヨナ』第23話「反響する恐怖」/草凪みずほ
自分の力を欲する者は敵だと、ヨナに剣を突き付ける青龍。呪いは事実だと拒絶する青龍に、あなたの手はとても温かかったと、強く優しく微笑みかけるヨナ。

「ともだちがほしい」という感情をずっと忘れていた孤独なアオ。しかしヨナは初めて会ったのに大切な人を暗い檻に置きざりにした気分になり、面を外した青龍は、息も止まる程の、美しい瞳(め)をしていた。
ハクとキジャの心がなぜ共鳴するのか、そこもまた楽しみです。


『星は歌う』第59回/高屋奈月
この回は読み手によって受け取り方が大きく二分されそうだ。しかし一貫して、また完結を間近に控えたこの時点でも読者を「甘やかさなかった」高屋奈月を私は支持する。
高屋奈月は主に少女達に向けて作品を描いている漫画家なのでやんわりと指摘しているが、千広の叔父夫婦と奏の言葉を言い換えれば、「不幸な自分に酔って、その『不幸』をまわりのせいにして甘えているクズ野郎(「クズ野郎」は奏が千広に向けながらも自分を形容した言葉)は軽蔑されて然り」という辛辣(しんらつ)な物だ。多かれ少なかれ10代の頃(=花とゆめの主たる読者層)というのは、「自分は不幸だ」と己の境遇に不満を抱くものだ。物語の結末では「救い」が用意されているのだろうが、「大人と"子ども"の違い」というのは「自分の現状を肯定できるか否定しかできないか」という違いだ(と私は思う)。
そしてユーリは、サクヤは切り捨てられるのではなく、「可哀相」でもないと指摘する。
この回が単行本に採録されて店頭に並ぶ頃、自分への同調が欲しくて漫画を手にした者は猛省を促されるかもしれない(昨日出た第9巻は第53話まで採録)。
しかしその時には、高屋奈月のベストセラー『フルーツバスケット』が何故「名作」と呼ばれるのか、その所以(ゆえん)を思い出してほしい。



『はじまりのにいな』/水森暦
新人さんの読み切り。読み始めてすぐ「前世」と「年の差」を組み合わせた漫画と思ってしまったけど、最後まで読んだらかなり良かった。
青八木新菜(あおやぎにいな)10歳の前世は、10年前に死んだ、伊丹篤朗(いたみあつろう)の恋人だった享年15の天宮千歳。「近所の子供」として篤朗と親しくなった新菜は、彼が亡くした恋人をどれほど愛していたか、空けた時に痛かったピアスはもう傷ではなくただそこにあいている穴だと聞かされる。傷ではないので自分には治せないと打ちひしがれて新菜は篤朗の前から逃げ出してしまうが、嘘がつけないことの大変さに苦しんでいたのは彼のほうだと知り、嘘もつけない彼がとてもいとおしいと、また片思いから始めようと、夕食のリクエストに「サンマ」が食べたいと答える。


『ネイビー☆NATS!』第5話/古都和子・榛乃綾子・羽村初
今回は軽い話で楽しめました。架空戦記や海洋ロマンではなく、艦長のすごさに七緒が感激し、同時に幽霊が苦手な艦長に乗組員が親近感を覚えることにより絆が深まるという、ゆるい展開のほうが楽しめそうです。


ふろくは新人さんの読み切り集。

岡田ハルキさんの作品が好きです。
面白かったのは『髪恋』(来海ユウ)と『先生のセンセイ』(ミドリノコ)。
自分を追い抜いていく義理のオトウトを拒絶してしまう想いが良い。生徒と先生の立場が逆転してしまう話も好きです。


神様、星歌、花と悪魔。


何かを読み忘れている気がすると思ったら、『月刊なかとば』(山口舞子)がお休みでした。あの3ページって意外と大きな存在です。


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【検索用】花とゆめ 白泉社 201020
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『ワイルド7』(文庫)第1巻/望月三起也

2010-09-17 | 少年漫画
 
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名前だけは知っているのにきちんと読んだことがなかった『ワイルド7(ワイルドセブン)』。この度、文庫の第1巻を購入しました。
1969年~1979年作品。
自分が生まれる前に発表された作品というのは、私はその時代を生きていないのであまり上手くご紹介できませんが、とにかく面白いんですよ!

閉鎖された高速道路、銀行から金塊を奪った犯人一味と、それを追う7人の白バイ隊。
日本の警察はごていねいだから証拠が無ければ逮捕は出来ないと、指示に従って車が停止すると、警官らしき男はいきなり散弾銃で悪者を「退治」してしまった。そして金塊を積んであるトラックには容赦なくミサイルが撃ち込まれた。
彼らはあらゆる社会から選び抜かれたプロの悪党ども、「ワイルド7」だったのだ!

隊員の一人が署長室に、ただ一人生き残った瀕死の犯人を荷物のように運び込んで、床に放り投げる。質問に答えない彼を署長と刑事が咎めると、つかまれた彼の襟の内側では「警視正」のバッジが光っていた。このバッジより上の階級は警視監と警視総監しかいない。そして税金で雇われていないワイルド7は、取り戻した50個の金塊の内、一割の5個は自分達の報酬だと、当然のようにもらっていった。

ワイルド7を組織したのは、かつて警視庁のエリート街道を歩むはずだった、江戸大学出身の草波勝。証拠を残さない悪人をむざむざと釈放しなくてはならない民主警察に絶望した草波は、本庁から消え、死んだとも思われていたが、実は一年の歳月と莫大な予算を使い、たった7人で1万人の警官でもできないことをやってのけるワイルド7を組織した。

そして今、草波は隊員の飛葉(ひば)を喫茶店に呼びつけて、ココナッツゲームを命令する。ゲームの相手は、表向きは芸能プロの看板を掲げ、裏では50人の殺し屋を抱える一大結社「M・Cプロ」の社長、大岩雷太(おおいわらいた)。
実戦そのもののテストで候補者を何人も殺してきた草波の眼鏡に適い、あのまま鑑別所にいれば長い一生をおくれたはずの飛葉も、あと10分あまりでこの世の見納めかもしれないと、M・Cプロに殴り込む。
自分には「処刑」の権限があると電話に伸びた大岩の手を踏み付けて、飛葉は時限装置の付いたココナッツの形をした爆弾で、大岩と命をかけたゲームを始める。
「神の判決だ!!」。
大岩は恐怖に耐えきれず、全てを自白すると約束して警察へ出頭しようとする。
しかし飛葉の行動は命令違反であり、弁護士の遠井は陰で日本を支配している「大先生」の意に反すると、大岩の出頭をやめさせる。
そして要塞化されている事務所に閉じこもった悪党どもと、悪党で結成されたワイルド7との戦いが始まる。

死者7名、重傷35名、その他けがをしていない者皆無というすさまじいたたかいの末、潜入していた刑事も息子の誕生日に帰宅でき、殺人結社M・Cプロは壊滅する。しかし仲間を見捨てることが出来ずに命令違反を犯したワイルド7は、草波隊長に呼びつけられる。


お薦め度:★★★★☆
そうだそうだ、悪い奴はぶっ殺してしまえばいいんだ!
裁判とか法律なんか糞くらえだ!

※注意:良い子はこのような「悪い漫画」を読んではいけません。
オレはこの漫画が大好きになってしまったので続きを買いますが。


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【検索用】ワイルド7 望月三起也 1
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敬老の日

2010-09-16 | daily
 
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敬老の日が近い。(本来なら15日だ)。最近、お年寄り(私は「高齢者」ではなくこう呼ぶように教えられたのでこう呼んでいる)を敬わないけしからん論調が、特にネット上に散見しているのが気になる。
傾向としてインターネットは若者の利用者が多く、若者のほうが頻繁に活発に目立つ発言をするので、年輩の方々を蔑視する発言が相対的に多くなってしまう。
「年輩だからといってその人を敬うことはできない」という反発にも道理はあるが、「老人だという理由だけでその人を否定して良い」というわけでは断じてない。そしてそれは同時に「自分は若いので無条件に尊重されなくてはならない」という傲慢な思い上がりに繋がるので自重するべきだ。

「老害(ろうがい)」という造語があるが、そのような汚い言葉の使用は厳に謹むべきだと私は考えている。
社会が発展しながら持続していくために世代交代は確かに必要だが、この造語には、それを産み出した者の真意はさておき、その響きからは歳を重ねた人を一方的に排除しようとする高慢な悪意だけを私は強く感じる。

忘れてはならないのは、「お年寄りを敬う」ということと「己の若さを恥じる」という謙虚さは表裏一体だということだ。

若い時には誰でも恥ずかしい行いの一つや二つは冒(おか)してしまうものだ。私は過去の自分を振り返ると恥ずかしい気持ちになるし、今でも数年経つと数年前の自分が恥ずかしくなる。

21世紀の今日(こんにち)、敬老の日に敬われるべき対象となっている人々は、1950年代から1960年代にかけて何らかの形で「安保闘争」と呼ばれた物に巻き込まれてしまった世代である。50年前には安保反対(新条約締結反対)を叫んだ人々もいれば、逆に左翼運動の暴力から自分達の学校を守るためにバリケードを築いた人々もいた。大多数の人々は無関心であったり消極的に日米同盟を支持しており(それを岸信介は「声なき声」と呼んだ)、あのような「学生運動」を勉学の妨げになるといった理由で迷惑がっていたと聞いている。そして日米安保が我が国を守るために必要だったことは、東西冷戦が社会主義の敗北で終結したことからも、歴史が証明している。



いつの時代も人々は過去の過ちから学んで成熟に向かう物なのだ。だから「過ち(あやまち)」という字は「過ぎる(すぎる)」と書くのだと思う。

先の大戦で先人が死を賭して護った国を、その次の世代が発展させ、今日(こんにち)を生きる我々は豊かさを享受しているのだから、私は自分より上の世代を敬うようにしている。
それは「職場の上司や学校の先輩が嫌な奴だ」という話とは次元の違う物なので、混同してはいけない。


さて、私は「リア充」と呼ばれる種類の人間ではないので連休中にも特に遠出をする予定はないが、明日明後日と続けざまにブログを更新しない可能性もあるのでこの記事は数日間、一番上に表示されているかもしれない。このような記事を書いたことも、後日「恥ずかしい」と思うことになるかもしれないが、それもやがて読み返しては自分の若さを恥じるための備忘録の一頁になるのかもしれない。

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『電撃デイジー』第7巻/最富キョウスケ

2010-09-15 | 少女漫画
 
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DAISY
兄を殺した人は
許せない
消えてください


「アキラ」の出現で急展開しました。
いつものように照がバス登校する、当たり前の朝の光景、そこにいた顔を隠した男。初キスはどんな物なんだろうと意識し始めた照は唇を、待ち伏せていたその男にむりやり奪われてしまう。

泣いて部屋に閉じこもる照。理子さんのアドバイスで、黒崎とDAISYが同一人物だと知っている照が、そのことを知られていると分かっているDAISYにメールを送る。
いつものような優しい文面に照が安心していると、改行された下のほうに更に続く文章。

「というのは嘘です」

更に改行すると

「今すぐ 君のところに行ってキスしてやりたい
どこかの子供(ガキ)の下手くそなキスなんか
一瞬で忘れさせてやれるのに」

隣の部屋では、「黒崎」と「DAISY」の使い分けができなくなった男が赤面して自分を殺してくれとのたうち回っていた(笑)

迷子には絶対にならないという奏一朗の言葉を最愛の少女の口から聞いた黒崎は、「とても大事な話」があると、次の日曜日に出かけようと彼女を抱きしめる。時が訪れたという不安と、デートを楽しもうと揺れる照。
しかし当日、荷物を預けた隙に照は携帯を奪われ、制御コンピュータをいじられた観覧車に呼び出される。目の前に現れた「アキラ」は、手にした携帯にはパスワードが入力してあると言い、それを奪った照は騙されてDAISYを見限るメールを送信してしまう。

森千春に呼び出された黒崎。自分の仕えるお姫様は生涯誓って一人だけだと観覧車を再駆動させ、照に正体を知らないふりをしてくれたことに感謝するメールを残し、姿を消してしまう。



お薦め度:★★★☆☆
スタンガンで気絶されられるまで泣き続けた最後の照が切ない。
森千春に再会した時の黒崎の第一声が失礼すぎて笑った。
「整形した?」。

黒崎が奏一朗を「殺した」という認識。そこがどうまとまるのかに注目しています。
お互いの正体を「気付いていることを気付いていないふり」をもはや続けられないという、その先が楽しみです。


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【検索用】電撃デイジー 最富キョウスケ 7
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