誰かと「仲良く」したことがない
その方法がわからないのだ
教えろ雪兎!
(レイシーから雪兎へ)
読んでいてほくほくする、音久無さんの新作。
前作『花と悪魔』と重複しないように意識しながら変えている部分と、意図的に前作を(良い意味で)踏襲している部分が感じられて、一話目から引き付けられる。
無条件に「ヒロインの幸せ」を願いたくなる。そういう魅力は前作と共通している。ところが、どういう状態が訪れれば本当の意味で「ヒロインが幸せ」になるのかは、その背景や人間関係が複雑なので、物語の展開を追うのが楽しみ。
本誌で読んでいた時は、レイシーの可愛らしさに目を奪われていたけれど、単行本で読み返すと雪兎も魅力的なキャラだ。姉たちから逃れて「平穏」を手に入れたかった雪兎は、それをようやく手に入れた高校生活の中で、「好きな子」もいないし、誰かを好きになろうともしていなかったのかもしれない。『水戸黄門』の再放送を見るのが日課(?)で、勉強も家事もそつなくこなし、今まさに願っていた「平穏な日々」が叶っているのに、何か満たされないものがある。レイシーだけではなく、雪兎自身の「本当の願い」が何なのかも描かれていくのだと思う。
下町を見下ろすようにそびえ立つスカイツリーもなんだか良い。
episode.1扉カラー(花とゆめ平成23年17号)
episode.2扉カラー(18号)
花とゆめ平成23年17号表紙
お薦め度:★★★★☆
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