団塊世代の人生時計

 団塊世代として生きてきた「過去」、「現在」、そして「未来」を、自分自身の人生時計と共に綴り、「自分史」にしてみたい。

炎の人

2010-12-13 17:43:16 | 趣味
                              炎の人

                                                      2010年12月9日(木)

 ゴッホは、自殺したとされていますが、その「自殺」には様々な疑問があります。
 まず、自殺しようとした人間がなぜ家に帰ってきたのか?
 右利きのゴッホにしては、ピストルの弾丸の入射角度が不自然だということ。
 ピストルが見つかっていないということ。等など。


 私が最近みたTVでは、ゴッホがピストルを持っている弟のテオともみ合っていて、誤ってピストルが暴発してしまい、ゴッホは弟をかばうため、自殺に見せかけたのだとの、大胆は推理のものがありました。私には結構説得力を感じられました。


 ゴッホは、「炎の人」と題が付いているように、感情の激しい人物との印象があります。確かに、耳を掻き切ったり、ゴーギャンとの確執など、激しい言動を行ったようです。でも、私は、ゴッホは外界世界と自己との矛盾の矛先を自らを激しく問い詰めるような人物だったと思うのです。

 その矛盾の問い詰めによる、ゴッホの回答は、弱い立場の人や貧しい人への共感であり、限りない愛情でした。社会の矛盾を一身に背負うかのような娼婦シィヌとの同棲生活はその現れでしょう。

 
 私にとって、ゴッホの一枚の絵は、「カラスのいる麦畑」です。広い麦畑の上に黒いカラスが舞っているという、一見何の変哲もない絵ですが、私には、地獄へ引きずりこまれるような絵に見えました。奇しくも、これが絶作ということですが・・。




 無名塾、仲代達也演じる「炎の人」は、仲代の大袈裟な演技振りが大いに、鼻につきました。
 説教調のエピローグは不要でしょう。
 
 幕間の音楽は、ビゼーのアルルの女を編曲したものでしょうが、これが、とても情感がこもっていて良かったのは特筆ものと思いました。
(音楽は池辺晋一郎)




 ゴッホの絵は生前に一枚売れただけといいます。その当時の評価が歴史に耐えなったということを如実にあらわしています。
 今の我々が生きている現在にも、そのようなことは大いにあるでしょう。私は、ポイントはマイノリティをどう評価するかだと思っています。




2010年12月6日、広島市中区アルソックホール
























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