語勢を強める接頭語「ま」「まっ」を伴う単語を思い起こしてみた。
なかで「まっか」「まっさお」の語形の問題に逢着、なぜ発音上の母音脱落や子音の付加が起こったのか。
漢字表記すれば「真っ赤」「真っ青」であり、「あか」の「ア」母音脱落で「か」となり、「あお」の冒頭に「s」子音が付加されて「さお」となっている。が、発音上の省力化は納得できるけれど、子音の付加はあり得ない現象であり、なぜかを論理的に考えてみた。
母音脱落の例を挙げると、「あらいそ」が「ありそ」(荒磯)となり、一音分短縮化される。ローマー字表記すれば「araiso」が「ariso」となり、「a」母音が脱落する。「いそ」が音変化を起こしているわけではなく、先頭の語成分「ara」が発音上縮約されて「ar」となったものであり、「まっか」の場合は「あか」が「か」一音になっていることが理解できないなぞとなる。
理解できないなぞを解くためには、幼児語「まっかっか」を援用することで論理的に解釈可能となる。
さらに副詞「かっか」「かっと」を参照すれば、「か」一音の意味に「あか」の意味的な核心が残されてるから、と考えることで、「まっか」は本来、「まっ」+「か」と理解すべきであり、「まっ」+「あか」ではなかった、と推察できる。
「まっさお」の場合は本来、「まっ」+「さおあ」だったのではないか。
「さみどり」という単語がある。若草の緑を表すことばであり、援用すれば「さあお」という語形を考えることができる、青ざめた色合いを表すことばであり、「みどり」より淡い「さみどり」、「あお」より淡い「さあお」であり、「さあお」をローマー字表記すれば「saao」、連続する同じ母音が一音脱落して「sao」となり、「s」子音の付加と見られていたのは接頭語「さ」の母音脱落だった、と捉え返すことができる。
「あお」が接頭語「まっ」を伴って「さお」になったわけではなかった、と了解できる。