頂上と間違えたトマの耳で休んでいたときのこと、突然旗を広げて記念写真を撮りだした6~7人の団体がいた。旗には『関東学院大学ワンダーフォーゲル部』と書かれていた。突然ヤツらの中の一人が絶叫しだした。
「自分、関東学園大学ワンダーフォーゲル部、○○○○は谷川岳...!」
ここで居合わせた登山者が冷ややかに言った。
「うるさいよ!!」
学生達はばつが悪そうにザックを背負い下山を始めた。思わず見ていて笑ってしまった。
このような体育会系サークルの伝統をたまに目にすることがある。一昨年甲武信岳山頂では3人組のワンダーフォーゲル部が山頂に着くやいなやザックも下ろさず何故か、「1・2・3・4」と叫びながら体操を始めた。聞けば声出しは周りの迷惑になるため体操にしたそうだ。彼らは体操を終えると頂上の風景も楽しまずに物凄い勢いで縦走ルートを進んでいった。
三度、目にした肩の小屋前は先ほどとは違い、何かイベントでもあるのではないかと思うほど人でごった返していた。ざっと見ても朝のロープウェイ駅程度の人はいたはずである。どんどん登ってくる人で混み出したので早々に下山ルートを進む。
【登っていく人々で大渋滞の天神尾根】
天神ザンゲ岩を過ぎると、巨大なザックを担いだ集団が登ってきた。先頭の人は言った。
「頂上まではどのくらいあるんですか?」
「後30分くらいかな...。」
答えたついでに聞いてみると25人の団体でこちらも大学ワンダーフォーゲル部だそうだ。その後ろに詰まった登山客が更に25人ほど繋がり大渋滞と化していた。下山に若干のストレスを感じつつも進んでいくと、今度は『熊穴沢の頭』と呼ばれる岩場(1,441m)で怒鳴り合いが聞こえていた。30名の中高年の団体ツアーの引率者と5名の下山者の言い合いだった。標高を下げた分日差しも出てきて辺りの紅葉も見頃だったため休憩ついでにその怒鳴り合いを眺めることにした。岩の上に座って聞いているとどうも団体の引率者が下山者の行く方向を手で遮り、「ちょっと待って!」と言ったのが事の起こりらしい。引率者曰く、山では上り優先の原則があるから下山者は譲れという態度だった。下山者の言い分は30名の団体なら最低でも6~7名のパーティーに分割して5分程度の感覚を開けて登るべきだと言い、問答になっていた。結局は団体の客らが引率をなだめて下山者が先に進んで行った。
その場所からは武尊山・赤城山・浅間山が確認できた。
【登山道から眺める武尊山・中央奥】
12:30、無事下山となった。
今回の谷川岳であるが、紅葉の季節更にアクセスが容易な山のためかやたらと人が多かった。これに加え下山時に特に感じたが登山道が全体的に滑りやすかった。それは整備のために敷設された木道が霧で濡れていたという事もあるが、数多くの人が歩くためか岩肌も丸みを帯び、更に本当に滑りやすく、ストックがつくづく役に立つ登山であった。眺望があまり取れなかったせいもあるのであろうが、人が多すぎて妙なところで疲れる山行となった。次回は是非快晴の平日に登ってみたい山である。
「自分、関東学園大学ワンダーフォーゲル部、○○○○は谷川岳...!」
ここで居合わせた登山者が冷ややかに言った。
「うるさいよ!!」
学生達はばつが悪そうにザックを背負い下山を始めた。思わず見ていて笑ってしまった。
このような体育会系サークルの伝統をたまに目にすることがある。一昨年甲武信岳山頂では3人組のワンダーフォーゲル部が山頂に着くやいなやザックも下ろさず何故か、「1・2・3・4」と叫びながら体操を始めた。聞けば声出しは周りの迷惑になるため体操にしたそうだ。彼らは体操を終えると頂上の風景も楽しまずに物凄い勢いで縦走ルートを進んでいった。
三度、目にした肩の小屋前は先ほどとは違い、何かイベントでもあるのではないかと思うほど人でごった返していた。ざっと見ても朝のロープウェイ駅程度の人はいたはずである。どんどん登ってくる人で混み出したので早々に下山ルートを進む。
【登っていく人々で大渋滞の天神尾根】
天神ザンゲ岩を過ぎると、巨大なザックを担いだ集団が登ってきた。先頭の人は言った。
「頂上まではどのくらいあるんですか?」
「後30分くらいかな...。」
答えたついでに聞いてみると25人の団体でこちらも大学ワンダーフォーゲル部だそうだ。その後ろに詰まった登山客が更に25人ほど繋がり大渋滞と化していた。下山に若干のストレスを感じつつも進んでいくと、今度は『熊穴沢の頭』と呼ばれる岩場(1,441m)で怒鳴り合いが聞こえていた。30名の中高年の団体ツアーの引率者と5名の下山者の言い合いだった。標高を下げた分日差しも出てきて辺りの紅葉も見頃だったため休憩ついでにその怒鳴り合いを眺めることにした。岩の上に座って聞いているとどうも団体の引率者が下山者の行く方向を手で遮り、「ちょっと待って!」と言ったのが事の起こりらしい。引率者曰く、山では上り優先の原則があるから下山者は譲れという態度だった。下山者の言い分は30名の団体なら最低でも6~7名のパーティーに分割して5分程度の感覚を開けて登るべきだと言い、問答になっていた。結局は団体の客らが引率をなだめて下山者が先に進んで行った。
その場所からは武尊山・赤城山・浅間山が確認できた。
【登山道から眺める武尊山・中央奥】
12:30、無事下山となった。
今回の谷川岳であるが、紅葉の季節更にアクセスが容易な山のためかやたらと人が多かった。これに加え下山時に特に感じたが登山道が全体的に滑りやすかった。それは整備のために敷設された木道が霧で濡れていたという事もあるが、数多くの人が歩くためか岩肌も丸みを帯び、更に本当に滑りやすく、ストックがつくづく役に立つ登山であった。眺望があまり取れなかったせいもあるのであろうが、人が多すぎて妙なところで疲れる山行となった。次回は是非快晴の平日に登ってみたい山である。