Natural Mystic ~ナチュラルミスティック~

There's a natural mystic blowing through the air

巻機山 その2

2006-10-02 22:23:31 | 登山・アウトドア
巻機山(まきはたやま)は新潟県南魚沼市と群馬県利根郡みなかみ町の境の三国山脈にある標高1,967mの山。山頂一帯には池塘の点在する高層湿原が広がり、美女が機織(はたお)りをしていたという伝説に由来し、機織りの神としての信仰も集めている。

3:00起床。すぐに出発。ガラガラの関越道をひた走り、5:10、塩沢石打インターを下りる。コンビニを探しながら国道291号線まで進むが開いている店は見つからなかった。291号は開かずの国道で巻機山登山口近くで谷川連峰に阻まれ行き止まりになる。非常食は持っているがとりあえず朝飯と山で食う分を確保しなければならずやむなく国道17号の走るJR塩沢方面へ行き、そこで購入する。

6:12、巻機山登山口となる桜坂駐車場着。既に車が止められない程であった。どうにか自分の分を確保し、着替え、水を汲む。登山口では山岳監視員のオッサンが登山者記録を書かせていた。訊いてみたところ予定していたヌクビ沢コースは雪解け後の整備が不十分らしく出来れば井戸尾根コースを往復して欲しいと言われた。また下りのヌクビ沢コースは絶対やめて欲しいとのアドバイスもあった。
6:30登山開始。気温も低いため快調にペースが作れる。何よりも前回の南アルプス北部縦走のときのように22kgのザックと比べ日帰り行程のザックが軽くて嬉しい。7:30、あっさり五合目着。良いペースである。更に樹林帯を進み8:10六合目着。ここでヌクビ沢方面への展望が一気に開ける。風景を見て何となく飯豊連邦を攻めたときの記憶が蘇った。


【6合目からのヌクビ沢と天狗岩】

8:50、7合目着。ここで樹林帯を抜け前方に前巻機山が遮る物なく見えだした。ここから急登になりドンドン高度を稼ぐようになる。9:25、8合目、植生復元中の札が出て荒れ放題の斜面となる。
ここを抜けると前巻機の尾根に取り付き、谷を挟み前方に巨大な山容の巻機山を目にする。程なく前巻機山山頂着。ここが9合目であった。

見渡す草紅葉が最高頃合いで光の加減によっては本当に黄金色の絨毯のようであった。

程なく、避難小屋に着く。無人ではあるが'04に改築されたばかりできれいな物であった。ここからまた登りとなるが、池塘をアクセントにした巻機山の景色が登っていて楽しい。ノンビリとした気分で風景を楽しみながら登れた。

10:30、斜面を登り切ると突然、集団が休憩していた。御機屋と呼ばれる場所であったが何故か巻機山山頂との表示が出ていた。地図を広げると1967mの山頂は更に東へ10分となっていた。尾根伝いの道なので荷物をデポし、なだらかな湿原地帯の木道を写真を撮りながら進む。11:00最高所着。丁度南側に延びる米子頭山更に朝日岳まで続く分岐となる場所であった。地図を整地したところ、至仏・武尊・日光白根等が確認出来た。冬の条件次第では日本海も見えるらしい。


【巻機山最高所付近】

御機屋まで引き返し、昼飯を食っていると、隣では6合目で抜いてきたオヤジが何とテープレコーダーで演歌を鳴らし3Lのビールボトルを飲み始めた。つまみはこれも驚いたことに刺身。その他卵豆腐や枝豆等、重そうな物ばかりであった。そのそばではツアーのおばさん集団が盛り上がっている。呆れているとガイドさんが話しかけてきた。この辺りの山のツアーに携わっているそうであるが、今日がこの秋一番の見頃であろうと教えてくれた。本当の頂上は私の行った分岐ではないかと尋ねると苦笑いしながらこういった。
「10分ほど先だって伝えたのですが、誰も行こうとしないんですよ。この大人数ではいられない場所だし、危険でもないので各自適宜と言ったのですが、皆さん100名山のピークハントを目標にしてますので標柱のあるこの場所で記念写真を撮って落ち着いたようです。」
との回答だった。この団体はこの後下山して明日は苗場山に登るらしい。

騒々しいので適当に退散することにした。11:30下山開始同じ道を辿る。10分ほどで避難小屋まで引き返した。そこで水を汲みに沢まで出る。汲んでいるとカップルが沢沿いに上がってきた。訊いてみると6時間かけて沢登りでここまで来たと言っていた。この山では最も難しい沢らしいがそんなに難しい箇所はなく、楽しかったと語っていた。

余談だがこの水場付近から眺めた前巻機山と巻機山の様相は本当にきれいであった。


【避難小屋前のテント場より山頂部を望む】

再び前巻機山山頂にたどり着く。ここからは延々と下るのみである。ここからのきれいな景色に見とれていると先ほど雲の中にあった平が岳が確認出来た。

15:00駐車場着。無事下山。

きついとは訊かされていたがむしろ非常に楽しい山であった。夏の頃、また登って緑の草に覆われた風景を見たいと思った山である。