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思考の7割と収入の3割を旅に注ぐ旅人の日々

一般的には遊び(趣味)と見下されがちな「旅」も、人生のなかでやるべき「仕事」である、という気概で旅する旅人の主張と報告。

最近の山とか旅とかの小ネタ集(追記あり)

2011-05-13 23:00:25 | 他人の旅話
●映画『岳 -ガク-』は公開前の宣伝の多さには参ったが、予想以上に良かった(ネタバレを少々含む)

7日(土)に公開された今年の山・旅関連の映画で特に注目? の『岳 -ガク-』、事前に応募したいくつかの試写会がすべてハズレたり中止になったりしたので、前売券を買っておいて今週ふつうに観た。昨年の撮影前から僕の周りでも話題にしていたし、そして1年以上心待ちにしていたからなあ。

本ブログでも再三触れているようにビッグコミックオリジナル連載の原作はかねてから読み続けていて(現在で累計380万部だという14冊の単行本もすべて初版を持っている)、でも映像化となるとかなりの部分でいじられて原作に思い入れの深い読者はやはり幻滅するのかな、と半信半疑だった。
が、たしかに結構、特に主人公・三歩と救助隊長・野田を先輩後輩の間柄にしたり(原作では高校山岳部からの同級生・同志)、後半の新人隊員・久美の父親の話を新たに作っていたり、といじっているところはあるが過度ではなく、脚本上は原作どおりの山においての人の生き死にを避けずにきちんと描きつつまとまっていて、予想以上に良かった。

画的には飛騨山脈の穂高・白馬・立山周辺の撮影を基本に、でも雪崩や吹雪の場面はさすがにVFXで、終盤には過去の山岳映画で例えるところの『バーティカル・リミット』のようなぶっ飛んだ描写もあったが、最初と最後の穂高周辺の空撮は良く(一瞬、日本の山だと忘れるくらい)、ほかの夕景なども部分的には木村大作氏の画を超えたか? という映像美もあったように思う。それなりにお金かけているようだし。

まあ宣伝の度合いは公開前の、主演の小栗旬と長澤まさみのテレビ・新聞(主に毎日新聞)・雑誌(主に小学館)への映画宣伝のための露出の多さでもわかる。そんなに宣伝するものなのかー、と数あるマンガ原作の映像作品のなかでも特に思い入れの深くなるマンガなだけに予想以上の盛り上げ方に少々面食らったりもしたが。でもまあふたりとも登る、走る、掴む、切る、背負う、搬送する、表層雪崩に流される、などとスタントなしで「良く頑張った」から、本気度は評価しておこう。
劇中では「山で捨ててはいけないのはゴミと命」というセリフも頻出したが、「命は、命でしか救えない。」という宣伝のキャッチコピーも含めて最近の日本の震災後の状況と安易に照らし合わせるのはどうなんだ? とやや訝しく思いつつも、でもメッセージ性では奇しくもタイミングが合い、生きることを再考するきっかけになる作品だと思う。

ちなみに僕が観た普段よく行く近所のシネコンでも映画のメイキング映像から抜いた写真パネルを展示したり、客から今月末まで期間限定で登山の写真を募って併せてパネル展示したりもしていて、“小栗三歩”が右拳を突き上げている決めポーズ? の大型パネルも含めて宣伝に力が入っていた。原作にどっぷりはまっている者としてはやはりそういう露出ぶりもこそばゆい感覚は多少あるが、せっかく創ったのだからより多くの人に観てもらいたい。

ほかに個人的には、登山の装備について触れる場面がアップも含めて多かったのは道具好きとしてはよだれもので良かった。僕も実際に使っているモノもちょいちょい出ていたし。今回も小道具というか装備面ではICI石井スポーツが大活躍だったわね。
その点も含めてこれからの夏山シーズン、登山業界全体が山ガールとは別の側面からより活気付くといいね。(後半の谷村山荘の場面で平山ユージ氏とともに1シーン出演していた)作者の石塚真一氏はより忙しくなるかもしれないけど。まあとにかく、好機ですよ。


●日本人が例年以上に多く取り付いている今春のエヴェレスト南面

今春の世界最高峰・エヴェレストの登山ではなぜか日本人の属する公募隊が多くなり、しかも北面のチベット側が3年前から中国のチベット弾圧の影響による規制強化に伴って入山許可が出ないためにすべて南面のネパール側(サガルマータ)からの入山に集中していて(登山費用は比較的高価になる)、その様子を3月下旬の出国→高度馴化の段階から注目している。登山業界のなかでも著名なところでは以下のような登山家? や山岳ガイドが入山している。これだけ出揃うのも珍しい。

石川直樹
平岡竜石
野口健平賀淳
近藤謙司+平出和也
倉岡裕之
・村口徳行

名前順はだいたい、今回の登山の動向を自身のブログやウェブサイトで比較的多く出している、そして登山の行程が進んでいる順。それぞれ別の隊で行動していて、天候の兼ね合いで早い隊は9日(月)あたりから登頂を目指していてうまくいけば今週末にも登頂の報が出る、かもしれない。それを逃がすと、モンスーン(雨季)前の天候の良いうちに登頂を狙える好機は例年の傾向を考えると今月中にあと2回あるかどうかだろうね。次は23日(月)前後だとか。
また、今回は撮影目的で入っている人もいて、すでにエヴェレストに5回登頂して(日本人最多)、最近それ関連の本『エベレスト登頂請負い業』(山と溪谷社)も出版されて経験豊富な村口氏はNHKBS『グレートサミッツ』の撮影クルーとして、ほかにもTBS『THE 世界遺産』の撮影隊も入っている。さらに国内の公募隊主催の先駆的な会社「アドベンチャーガイズ」を率いる近藤氏の動向をWOWOWが密着取材中で、(標高5300m? の)ベースキャンプより上で登山経験の乏しい者には困難な高所での動きを(今年2月の服部文祥氏の催しでも会った)その専門家である平出氏が撮るために同行するそうで。WOWOWは普段観られないからよくわからんのだが、今後何か観る機会はあるかなあ。それもぜひ観たい。みっつとも年内に放送するだろうね。
だから今春は、彼ら(★印は隊を率いている人たち)のほかにも公募隊のお客さんも含めると登頂目的で南面を現在登り降りしている日本人は20人近くいるのかね。石川くんが参加中のラッセル・ブライス氏が率いる最大手の公募隊には詳しくは存じ上げないが日本人ガイドもいるみたいだし。日本人だけでも入山料や登山費用を含めて億円単位のお金がこの山に注がれているか。
まあ超有名な世界最高峰だからねえ。こんなに日本人が集中するのは(ひと昔前の大登山隊では登頂メンバーを強さや勢いを隊長判断で選抜して、逆に参加していても頂上まで行けない隊員のほうが多かった頃と違い、各参加隊員が全員登頂を十数人もいっぺんに目指せるのは)日本登山史的にも初めてのことか? でもまあとにかく登頂か否かにかかわらず、生きて還ってきてほしいもの。日本のご時世的にも、死や大ケガに関する報道はできるだけ少ないほうがよいものだ。

そういえば、『岳』の宣伝にも公開前に多少かかわっていて、この山の無酸素単独登頂を目指し続けているあの人は今春は別の山へ行っているが、これだけ各国の登山隊が集中して日本人も多くなると登山ルートの混雑度の問題よりは話題性で埋もれてしまうことを危惧して、春よりも登る気象条件的に困難で入山者の少ない秋にあえて行くことによって目立ちたい、という欲もあるのかね。


●『BE-PAL』5月号・6月号の野田知佑×加藤則芳の対談は“アウトドア”に敏感に反応する人は要注目

野外系雑誌で最も勢いのある『BE-PAL』が今夏で創刊30周年を迎えるが、その前に特別企画として5月号と6月号の2号連続計8ページで現在の日本の野外業界の重鎮である野田知佑と加藤則芳の両氏の対談「僕らが今、話しておきたいこと」が実現し、これは今後も日本の野山で遊ぶというかお世話になるつもりの人はちゃんと目を通しておくべき内容であるね。
加藤氏の新作のアパラチアントレイル踏破本の出版が昨年から遅れている理由が、昨年6月に「筋萎縮性側索硬化症(ALS)」を発症したことによって遅れていることをこの対談で公表したことによって知った。こればかりは努力や最先端の技術でなんとかなるものではないからなあ……。十数年来のいちファンで数回お会いしたこともあるだけに、僕も野田氏同様にその病によって死へのカウントダウンが始まってしまったことは大ショック。
この対談、2号連続のいち企画だけで終わらせずに、もっと回数を続けるなり、もしくは加藤氏をホスト役として対談相手を複数立てるなりして、1冊の本にまとめるべきだと思う。その相手役を勝手に考えると、国立公園や歩き旅やジョン・ミューア・トレイルつながりで、C.W.二コル氏、石川徹也氏、シェルパ斉藤氏、ホーボージュン氏、(加藤氏の本の内容に軽くツッコミを入れてもいるけどあえて)村上宣寛氏、土屋智哉氏、(最近の歩き系の若手で目立つ)舟田靖章氏、などなど。小学館か山と溪谷社で、もしくはほかに両氏の付き合いのある新潮社・文藝春秋・平凡社・地球丸、なんなら加藤氏の古巣の角川書店ででもよいので、ちゃんと企画してやるべきですわ、これは。


●『ワンダーフォーゲル』も悪くない

すっかり忘れていたわけではなくて触れるタイミングを逸していたが、3月に山と溪谷社の季刊誌『ヤマケイJOY』が隔月刊誌『ワンダーフォーゲル』に新装刊された(だから、表4の雑誌コードがムックではなくちゃんと雑誌扱いなのよね)。
『ヤマケイJOY』の軽い雰囲気が好きだったいち読者としてはそのいきなりの路線変更ぶりがとても不安だったが、新装刊記念の4月号は山関係の著名人の話が頻出していたこともあってご祝儀感覚で1000円出して買って読むと、たしかに軽さは控えめになったのが寂しくはあるが、もうちょい突っ込んだ読み物になっていて内容も雑誌の厚さも増して、これはこれで悪くないかも、と思った。それでも山岳部然とした重苦しさはなくて(そこは『山と溪谷』と『ROCK&SNOW』に任せるのか)、より裾野の広いワンゲル的なノリとレベルの内容ですわ。
で、10日(火)に2冊目の6月号が発売されたので早速(今月は金欠なので買わずに)読むと、表紙も含めてその落ち着いた路線でいくのだな、と今後の傾向は掴めた。本家の『山と溪谷』とどう差別化してゆくのか、これから見ものやね。普段からの『山と溪谷』『岳人』『PEAKS』と山岳系月刊誌3誌の毎号チェックに追加して隔月の刊行ペースに付いて行くのがさらに大変になるけど。

ただ個人的にはもちろん記事に好き嫌いはあって、例えば6月号の山小屋特集なんかは(基本的にテント派なので)普段は好まないクチなのだが、特に奥秩父・十文字小屋を(最近各誌でコンビ活動が目立つ)角幡唯介×西田省三が担当していたりして、こういうところもちゃんと読み物になっているから面白かった。僕は奥秩父好きを学生時代から吹聴しているが、十文字小屋はなぜかまだ未踏なのでいいかげん行かなければ、山小屋も見直そうかと早速、感化されたぞ。


●『週刊ポスト』の服部文祥×高野秀行×内澤旬子の食肉鼎談は問題発言続出と受け取るべきか否か

最後に旅とはあまり関係ないかもだが、今週の『週刊ポスト』5月20日号に、服部文祥×高野秀行×内澤旬子という3人のノンフィクションの書き手による「世界食肉紀行」なる題目の鼎談が掲載されている。
この鼎談、高野さんと内澤さんのツイッターのツイートでは催されたことはなんとなく掴んでいたが、登山や辺境の旅のなかで動物を殺して食べること、しかもゲテモノに偏らずに牛、豚、山羊、馬、羊の「5畜」以外の誌面上は「マイナーミート」と呼ばれる肉も含めて(それらがなんの肉かは記事を読んでほしい)、あらゆる動物の「肉」を食べる背景や姿勢や思い入れなど、濃い、珍しい? 内容になった、のか。
普段から3人の書くものを読んでいない一見の読者からすると問題発言続出なのかもしれないが(震災の影響でその直後はなかなか出せなかった? 鼎談後半の服部発言は特に)、死ぬまで菜食主義を貫く強いこだわりというか覚悟がなければなんだかんだ言ってもほかの動物を食べなきゃ生き延びられない現代人はもっと突き詰めて考えてゆくべきことだな、うーむうーむ、と考えさせられる。
これもできればノーカットで、さらに回数を重ねたりもして1冊の本にまとめると良いと思うのだが。学者や専門家肌ではない、脂の乗った? 40代の行動者の視点から語られているのも面白いし。

また、鼎談を読んでもうひとつ思ったのが、先日も触れた週刊少年サンデー連載『銀の匙』でも農業高校の家畜の飼育実習を通じて牛や鶏や馬を食べることにも徐々に触れつつあるので、こちらも今年は併せて注視する必要があるか、と思った。
そういえばポストもサンデーも小学館の雑誌だ、と気付いたが、今年の小学館はそんなふうに食から「命」を再考する路線なのだろうか。最近は奇しくものタイミングで焼肉店のユッケの問題も発生してしまったし、食肉の扱い方からの見直し方もアリだと思う。これもヒトの生き死にに関する大切なことだから。



※当日の追記
上記の本文は今日の昼すぎに書き上げたものだが、先程、エヴェレスト関連で同じく日本人で登っていた尾崎隆氏が昨日、頂上直下で亡くなったという報道が飛び込んできた。
民放の世界遺産の番組の取材らしい、と断定的な報じ方ではないがおそらく『THE 世界遺産』のことだろう。これは誰かが登っているだろうとは思ってはいたが植村直己冒険賞も受賞している尾崎氏だとは知らなかった。今後、放送できるかどうか微妙なところだ。
となると、僕も聴きに行くつもりの明後日午後に東京都・明治大学で行なわれる「2011日本冒険フォーラム」でもこのことは少々触れることになると思う。


※15日(日)の追記
誤字を訂正し、やや追記とリンクを追加した。


※17日(火)の追記
15日(日)の「2011日本冒険フォーラム」、聴きに行った。



植村直己の生涯について、それに植村直己冒険賞関連のことも触れるかと思ったがそうでもなく、登壇したゲストやパネリストをとにかく深く掘り下げる感じで、それはそれで良かった。開会直後に、先の尾崎氏のことや東日本大震災についてなど、900人程度は訪れていたと思われる聴衆それぞれが何事かに想いを馳せる時間を設けていたし。
後日(秋頃?)、植村の故郷で主催者の兵庫県豊岡市の取り組みも含めたこの催しの記録集が出るそうなので、地平線会議の報告会のように濃ゆい内容だったのでまとめるのが大変そうだが、それを待つことにしてここでは詳しく触れないことにする。
でも特に印象深かった発言を軽く挙げると、

・天野和明「先輩後輩として付き合うとふつうの人なのに、死ぬと聖人化される」
(山で亡くなった明治大学山岳部の先輩、加藤慶信を引き合いに。同様に人情味のあった植村が国民栄誉賞を受賞したことは良かったことなのか? とかも絡めて)
・服部文祥「服部文祥≒関野吉晴、松原英俊≒山野井泰史」
(自分のように行動よりも思考が先に立ってしまうか、それよりも周りの言い分に左右されずに媒体露出にも目もくれずに本能的にただ好きだから行動し続けるか、みたいな自他の評価)

が面白かった。ほかにもたくさん。

あと、エヴェレストは先週末は急激な天候悪化でほとんどの隊が標高7000m超に達しても撤退し、でも今週にまた回復して好機が生まれそう、と登れるか否かの判断が難しくなっていて、1週間後の見通しなんて無駄な感じやね。まあモンスーン直前直後のヒマラヤ登山はそんなものか。

※20日(金)の追記
エヴェレスト、日本人のいる隊が3隊、今日登頂したようね。良かったね。あとは無事にベースキャンプまで帰ってくるといいね。

※31日(火)の追記
エヴェレスト日本人関係の続き。26日午前に近藤氏の隊とNHKBS『グレートサミッツ』の隊も登頂した。だから後者では村口氏が6度目の登頂ということになるのか。凄い。本の出版をもう少し遅らせて、この模様も収録できたらなお良かったのかも。
で、29日(日)午後にNHKBSプレミアムで『グレートサミッツ』の生放送があったのだが、それは生では観られなかったがDVD録画はあり、ゲストも豪華だったらしいので後日しっかり観る。そして保存しておこう。

にしても、今春の特筆すべき? 日本人の多さは山関連の媒体のほかに特に野口健・石川直樹のふたりは雑誌連載などで追々触れるだろうけど、ほかの公募隊のお客さん目線からも聴いてみたいよなあ。みなさん個人でブログとかやっているのかなあ。

服部文祥的情熱大陸裏話

2011-02-18 23:59:59 | 他人の旅話

昨夜、東京都のici club 神田の6階「アースプラザ」で行なわれた服部文祥さんのスライドトークショーを聴きに行った。
この催しの触れ込みからして、昨秋に放送されてそのときに当然力を入れて観たテレビ『情熱大陸』で服部さんが取材されたときの裏話をバンバン披露する、という体だったので、放送分に収まりきらなかった未公開映像も計20分ほど流しつつ、この場では進行役を務めていた、番組の取材カメラマンとして同行した(09年のピオレ・ドールクライマーでICI石井スポーツ店員の)平出和也さんとのやりとりも含めて、面白かった。
会場はほぼ満員だった感じかなー。

(僕は過去に地平線会議の報告会で2、3回聴いていてそこそこ見知っている)服部さんの言葉遣いも含めて、オフレコにすべきネタばかりだったので詳しくは挙げるべきではないが、特に面白かったのは、昨年2月の奥秩父と8月の赤石山脈南部でのサバイバル登山の同行中の撮影で200時間以上はカメラをまわしていたこと、放送にもあった前者の冬の登山の終盤に猟銃で仕留めた鹿はそれまでに外しに外しまくって弾が最後の1発という切羽詰まった状況で獲った鹿だったために「焼肉だーーー!!」というああいう過剰? な歓喜ぶりになったこと(そこは放送直後から巻き起こっていた賛否両論のなかでは特に誤解されがちな画かも)、登山時は服部さんの単独行の体を作るために前後から撮影する平出さんが少し離れた位置から付いて行くときにその距離感をいいことに平出さんは服部さんに内緒で隠し持っていた行動食を時折食べていて空腹をしのいでいた、ことか。
ほかにもあの放送の30分弱だけではどうしても食い足りない、僕も含めた聴衆には満足の増補分の話であった。

ああもちろん、放送分の締めにあった夏の登山の墜落→入院の経緯も触れていて、その事故の直前に油断というか前兆があった? ことや、4日間入院したことによるその後の家族の反応についても、あんまり笑っては失礼だが併せて面白かった。でもまあ今となってはそういう公の場であえてネタにしているのだから、笑うべきところはそうすべきかも。
上の写真は会場の受付にあった、その一件を経てのひとネタとして出していた記念? の、事故から少し経ったあとの色紙。ホントにもし平出さんがいなかったらどうなっていたのか、だね。

事故と入院の話は、『岳人』10年12月号の山岳遭難特集で「南アルプス聖沢上部、滑落報告」を4ページ書いているので、『情熱大陸』しか観ていないのにそれだけでわかったつもりになっている方々はこの記事も図書館などでバックナンバーを探して併せて読むべき。トーク中は長くなるからと端折っていた、その一文でも触れていた山での事故発生時にヘリコプターによる救助に頼るか否かの長くなりそうな深い議論? は、僕は延々聴きたいクチです。

そうやって実際に話を聴くと、それだけの膨大な映像を30分未満に圧縮するのは大変だよなー、テレビにも表現の手段としての限度はあるよなー、と媒体ごとの過不足なく情報伝達する難しさを改めて感じた。
まああとは、というか基本的にはそれ以前に服部さんの著作や編集職に就いている毎月の『岳人』を読んで補っていくべきなのだけど、やはり登山にあまり明るくない一般的な視聴者にはその短さによって誤解も生まれやすいからなー、と放送後にツイッターなどで見聞きした賛否両論も絡めて思ったことを改めて、昨夜に同行した登山仲間とともに再考した。

それからトーク前後に服部さんの著書の即売とサイン会も行なっていて、僕も終了後に持参した『狩猟サバイバル』(みすず書房)と昨秋の新刊『百年前の山を旅する』(東京新聞)にもらい、これで僕は既刊の『サバイバル登山家』(みすず書房)と『サバイバル!』(ちくま新書)とともに4冊すべてにサインが入ったことになる(『サバイバル登山家』『狩猟サバイバル』『百年前の山を旅する』は増刷を重ねていてよく売れているが、そのなかで僕はすべて初版本を所有している、と軽く自慢)。

それで、服部さんに直にサインをもらうのは今回が3回目だったのだが、そのためか僕の名前をすっかり覚えられてしまったが(一応、以前に名刺交換も済ませている)、本ブログでもたまに服部さん関連のネタを挙げる影響でインターネット上のことだが服部さんが本人の名前で検索することによってこのブログに辿り着いて覗いたことがある、と逆に言われたのが驚いた。まさか、稀代の“サバイバル登山家”にもこのくだらないブログを覗かれているとは。たいしたことは書いていないのに。

だから、今回もせっかくなので触れておく。
服部さんの本はいずれも、現代日本の便利で安易な手法が大勢を占めつつある登山業界に一石どころか二、三石を投じてより愉しみを増幅させて深みも持たせる可能性を拡げてくれる、思いっきり「人力」派の正直な本ばかりです(と、宣伝)。

服部さんは僕が校正をやっていることも知っているので、いつになるかはわからないけれども校正者としての『岳人』絡みの仕事もお待ちしておりまーす。



なお、ついでにもうひとつ宣伝? だが、まだ3か月近く先のことだが5月15日(日)午後に、この店舗からも近い(最近はインテル・ミラノへのレンタル移籍でさらに大ブレイクの長友佑都の母校としてさらに有名になった?)明治大学駿河台キャンパスのアカデミーコモン3階の「アカデミーホール」にて、故植村直己の出身地の兵庫県豊岡市(旧日高町)が主催の「2011日本冒険フォーラム」が催されるのだが、そのパネリストのひとりとして服部さんも登壇することになっている。これも聴きに行くつもり。

昨夜にその案内をもらったので、僕は早速申し込んだ。これは会費要らずで参加無料だが、事前申し込みによる入場整理券の持参が必要だって。
ちなみに敬称略で当日の登壇者というか関係者を挙げておくと、

・中貝宗治 (豊岡市長、講演)
・廣江研  (明治大学山岳部時代の植村直己と同期生、講演)
・市毛良枝 (俳優、ゲスト予定)
・天野和明 (登山家、パネリスト)
・永瀬忠志 (冒険家・リヤカーマン、パネリスト)
・服部文祥 (サバイバル登山家、パネリスト)
・松原英俊 (鷹匠、パネリスト)
・江本嘉伸 (地平線会議代表世話人、コーディネーター)

となっている。
無料でこの豪華な面々を見聞きできるのは幸いなことだなあ。ぜひ。

北極野郎の10年間の活動をまとめたDVD

2011-02-06 18:30:36 | 他人の旅話
昨夏から触れている北極圏の徒歩行に傾倒している北極冒険家の荻田泰永さんが、北極圏へ行き始めた2000年から昨年までの10年間の活動中にビデオカメラで記録した映像をまとめた『ARCTIC EXPEDITION 2000-2010』を先月から発売している。
で、僕にも先月末に届き、観た。

これは約60分間の自作DVDだが、

1、北極単独徒歩冒険の軌跡 (約36分)
2、イヌイットとの狩り~カリブー (約19分)
3、北極圏に生息する野生生物 (約5分)

という3本立ての映像集になっている。

あまり具体的な内容に触れるのはなんなのでかいつまむと、1は10年間の北極行のあらすじ。でも大半は昨年の37日間の北磁極単独徒歩行の様子で、行動中の歩行撮影やホッキョクグマとの遭遇とその対処(ライフルと大声で)、ブリザード襲来時のテント生活など。ビデオ撮影は02年の徒歩行から採り入れているのね。

2は、冬場にイヌイットの狩りに同行し、カリブー(トナカイ)を撃って仕留めてそれを即解体する様子を撮影したものが主で、もうひとつは夏場に冬の保存食用に捕ったアークティックチャー(ホッキョクオオイワナ)を捌く様子。後者は北極絡みの紀行文で頻出する北極圏の女性が使う伝統的な「ウル」という半月状ナイフで捌くが、実際には大型と小型の刃を使い分けていた。

3は、ジャコウウシ、ライチョウ、シロフクロウなどの北極圏らしい野生動物の観察記録。そういえばライチョウは、絶滅危惧種扱いの日本と違って北極圏では生息数が多いからよく食べられるそうで。

という感じの3項目。

最初、価格が1枚3500円と知ったときはちょっと高価かなあと思ったが、過去にあったテレビで例えば椎名誠や関野吉晴の特別番組のような取材混じりの画ではなく、荻田さんがこの10年で個人レベルで北極圏へ赴いて自然や人とかかわった記録だから、よりその土地の他所行きではない雰囲気が身近に感じられる。
1のブリザードのときの停滞の模様や2の約10分間ノーカットで収録したカリブーの解体は見モノで、これらを観て価格相応かな、とようやく納得した。特に後者は内容的におそらくこれは最近力を入れている各地での講演でも見せていない(容易には見せられない)ものだろうね。

まあ価格がやや高めなのは、今後の最大目標の「北極点無補給単独徒歩到達」への資金作りの一環として宣伝的に作ったモノという意味もあるが、しかしここ数年の北極圏の有様がよくわかる、環境教育的にも資料的にもなかなかの価値がある映像であると思う。2枚以上の複数枚同時購入の場合は割引価格になっている。興味のある方はぜひ。

それで、当初は今春に予定していた「北極点無補給単独徒歩到達」は資金面の準備が整わず、来年以降に延期となり、今年はその代わりに本番へのトレーニングとしてカナダ北極圏で無補給による徒歩行へ行くそうで。先月27日(木)の投稿で触れた『BE‐PAL』11月2月号の(アウトドア・パーソン100人の)特集でも荻田さんは18番目に登場していてその旨を公表している。
さすがに1000万円超の大金を1年かそこらで用意するのは、環境調査のような社会との接点を持っていても厳しいか。

実は、荻田さんとは昨年8月のネタで触れて以降のここ半年間にも、所在地の北海道から毎月のように上京して計画実現へのスポンサー獲得の営業活動のために奔走していて、その合間に地平線会議の場などで数回会っている。
だが、某登山家のように大風呂敷を広げて企業や媒体のみならず周りの一般市民をもやたらめったら巻き込んでど派手に敢行する感じでもないため、色好い返事はなかなかいただけないことは時折聞いている。ざっくり言うと、良くてもメーカーなどから装備提供としてモノは出すもののお金は出せない、という感じで、最近のご時世も考えると「現金」の獲得はとても厳しいのね。

たしかに某登山家のような派手さはないけど、今後につながる社会性を考えても周りとの「共有」の意味でもそれよりも数段意義深い活動で、それに殊更に派手にしない慎ましさがまた良いではないか、といちファンとしては思うのだが、なんとかならないものか。うーむ。
行動者本人の思いとは別の、周りのなんらかの支援をしてくれる人々の想いをどこまで求めるか、そして受け容れるかは、極地においての大がかりな計画の資金のやりくりは植村直己の頃から悩ましい課題である。
エヴェレスト・北極点・南極点といわゆる地球の「3極点」のどの極点も、てっぺんへ行くにはどうしてもお金というハードルが高いのよねえ。

まあ僕は荻田さんの活動は変わらず面白いと思っているので、個人的には引き続き応援してゆく姿勢は変わらない。

今年の「人力」パーソン100人

2011-01-27 22:33:18 | 他人の旅話
『BE-PAL』11年2月号の創刊30周年開幕特集「アウトドア・パーソン100人の夢と道具総カタログ これが今年のイチおし!」を読んで、面白い企画だなと思って触発され、パクリネタ、ではないけれど僕が日々突き詰めている五感と全身を駆使して突き進む「人力」の旅に関する注目すべき人物を似た感じで100人挙げてみることにした。

今回は各種媒体や記録などで一般的に通っている名前(ペンネーム? も含む)で挙げる。めんどくさいので各々の個人名義のウェブサイト・ブログ・ツイッターなどのリンクは張らない。名前のみ。
ビーパルのその記事に登場している方とも一部はかぶっているし、僕の大好物であるビーパルはじめ野外関連の出版物の制作の携わっている方が多くなるのはあらかじめご了承を。

基本的には僕が面識の有無にかかわらず本ブログで過去に名前を挙げたことのある人、公私問わず各々の行為や表現を傍から、もしくは直接視ると割合的にその過半数が「人力」の事象であると見受けられる、言わば“人力濃度”の高い面々を中心に構成している。今回初めて触れる人もいるけど。
では以下に50音順で。


・麻生弘毅
・阿蘇吉洋
・天野和明
・安間佐千
・石川直樹
・石田ゆうすけ
・一村文隆
・今泉奈緒美
・岩城史枝
・打田一
・江本悠滋
・大久保由美子
・岡田康
・尾川智子
・荻田泰永
・尾関裕思
・恩田真砂美
・角幡唯介
・柏倉陽介
・柏澄子
・勝峰富雄
・かとうあづみ
・かとうちあき
・加藤直之
・鏑木毅
・亀田正人
・菅野由紀子
・菊野令子
・熊沢正子
・倉岡裕之
・栗城史多
・黒田誠
・小林由佳
・小山田大
・近藤謙司
・佐々木大輔
・佐藤裕介
・佐藤佳幸
・澤田実
・志水哲也
・新谷暁生
・鈴木博子
・鈴木みき
・清野明
・仙石淳
・高桑信一
・高橋庄太郎
・竹内洋岳
・田中幹也
・谷口けい
・谷剛士
・土屋智哉
・寺澤英明
・戸高雅史
・ドロンジョーヌ恩田
・中嶋徹
・中西大輔
・仲村忠明
・成瀬陽一
・成瀬洋平
・西川昌徳
・西田省三
・西野淑子
・西村志津
・丹羽隆志
・野川かさね
・野口啓代
・のぐちやすお
・長谷川哲
・服部文祥
・花谷泰広
・疋田智
・平出和也
・平岡竜石
・平沼義之
・平野勝之
・平山ユージ
・深谷明
・福瀧智子
・星野秀樹
・堀田貴之
・間瀬ちがや
・松尾由香
・松原英俊
・馬目弘仁
・三浦大介
・村石太郎
・村上宣寛
・村越真
・森山伸也
・矢島慎一
・八幡暁
・山岸尚将
・山崎美緒
・山田淳
・山田哲哉
・横山勝丘
・吉田泰弘
・四角友里
・若菜晃子


以上。

「人力」にこだわるとどうしても登山・自転車・野外全般・山岳写真の分野で活躍中で結構目立つ人物にどうしても偏るが(一般的には? と疑問符が付く人も多いかもだが、僕からするとそれぞれの分野で特に実績のある有名人ばかりなのです)、「人力」と狭義に考えると妥当なところだと思う。これが、動力もアリでしかも「旅」や「探検」という広義で考えると人選はまた大きく変わってくるけどね。
これを並べるのに2週間悩んだが、でもその作業自体はとても楽しかった。結果、各種媒体でも見られない異なる分野の方々の名前を単に50音順に同列に挙げるだけでも意外に珍しい名前順になったかなあと自賛しているが、どうだろうか。

僕の見立てでは以上の100人が今年、というかこれから数年の活躍もより期待できる人物。ひとまずこの方々を特に注視しておけば、国内外問わず現代の日本人の「人力」の旅の動向と今後の可能性を探るさいにはより理解が深まるはず。
まあこれはあくまで僕の好みで、昨年~今年に新たに知った人もいれば、ここ数年の僕的に絶対外せない“鉄板”な人も多い。
ホントは最初にもっと有名な芸能人も含めて150人以上挙げたのだが(芸能人で最近目立つところで例えば、登山ならば石丸謙二郎やKIKIや小島聖とか、自転車ならば団長安田や鶴見辰吾とか)、そこから芸能人は除いて、さらにひとつの分野での代表的な野外系の媒体露出の多い人100人に絞った。それに、僕と歳の近い方々、もしくは一般企業ではなくそれぞれの分野の仕事で独立・開業というかフリーランス的に生計を立てている(であろう)方々をできるだけ中心に絞ってもいる。という偏りはある。大手の媒体に登場しない(というかまだ引っかからない?)もっとマニアックな名前も少しは青田買い的に挙げられたが、比較的わかりやすい全国的な媒体への露出の多さ、も今回挙げるさいの判断基準にした。

ちなみに例外として、加藤則芳、九里徳泰、シェルパ斉藤、野田知佑、ホーボージュン、の5人は僕がこれまで「人力」の旅にこだわるうえで十数年前から特に影響を受けていて(可能であれば弟子入りしたいくらいの)別格の人物なので、あえて外した。それから、10年以上注視している「植村直己冒険賞」の07年までの受賞者である、安東浩正、関野吉晴、永瀬忠志、野口健、山野井泰史、の5人も別枠とした(100人のなかに挙げている中西大輔氏は09年の受賞)。だから実質は110人になるか。

なお、わざわざ挙げるくらいだから基本的に僕が好きな人ばかりだが、実は100人のなかに言動・行動が嫌いというか苦手な人も1割ほど含めていて、でもその動向は常に注視すべき人も正直いるっちゃあいる。それが誰なのかは秘密。

でもまあ良くも悪くも、今後も上記の100人の活躍を中心に視て、引き続き僕も日々影響を受けて自分の立ち位置を確認しながら、彼ら彼女らと同時代に生きていることを幸せに思いつつ勝手に傍から楽しむことにしよう。すでに知り合いの方以外にも、なんらかの直接交わる機会がより増えるといいなあ。

渋谷で映画『僕らのカヌーができるまで』の再映

2010-10-13 07:30:59 | 他人の旅話
更新したいことは山ほどあるのだが、最近は仕事のことで頭がいっぱいですべてを追うのは難しいので、すっかり忘れていた軽めのものを。

4月にも触れた、関野吉晴さんの「新グレートジャーニー」のひとつの「海のグレートジャーニー」関連の映画『僕らのカヌーができるまで』の再映が先週と今週に東京都内で行なわれる。
場所がモンベルの店舗で、先週の南町田のグランベリーモール店はすでに終了したが、今週も渋谷店で15日(金)と16日(土)の2回催され、そこでは上映とともに関野さん本人のトークショーも漏れなく付いてくる。
しかも、4月に上映したポレポレ東中野で販売していた前売券も今回使えるとのことで、そのときに上映期間が2週間と短かったために観逃した方も行けるかと。

でも僕は両日ともに仕事で行けず、無念。
ああでも、映画の内容はなかなか重厚なもので、僕の友人知人もちょいちょいかかわっている(というか一部で出演もしている)こともあって自信を持っておすすめしますわ。興味のある方はぜひ。

そういえばその海の旅の本番のほうは、2年目の今年は沖縄県へは安全上の問題で行けない、というよりは行かないという判断ですでに6月に中断していて、続きはまた来年となっている。まあ時間はかかっても焦らず着実に行けば、と思う。

久々にブックマークを、同世代の北極野郎のウェブサイトを追加した

2010-09-15 23:59:36 | 他人の旅話
あまりいじらない本ブログ左側のブックマーク(まあ主に知り合いの固定式のリンク先のこと)だが、今日新たに1件追加した。

今年は7月以前にもちょいちょい触れている、ここ10年は毎年のように北極圏へ通い続けていて、来年には当初からの大目標である北極点への無補給単独徒歩による到達を計画してこだわっていて、現在その準備に追われている荻田泰永さんのウェブサイト。
なんかもはやこの計画は自分だけのものではなくなってきている、というかそうせざるを得ない状況で(だって実現するには1000万円超の大金が必要だから)、現在は北海道在住だが最近は毎月のようにちょくちょく上京しては協力者を増やすことに腐心していることはブログやツイッターで時折小耳に挟んでいる、というか先月に直接聴いたりもした。

で、こういう面白い冒険野郎もいるのだ、という意味で、本ブログもちょっこし彼の活動を支援する態勢を強化することにした。だって単純に僕の大好物の、すんごい面白い人力旅の話なんだもの。
その一端になるかどうかはわからないが、まずその手始めにブックマークを追加した。これでいつでもウェブサイトに飛びやすくなった。興味のある方はぜひこちらも覗いてくだされ。

それでちょうど良いタイミングで、今日発売の『岳人』10年10月号の第2特集で「極地探検のいま」という、執筆は7月に集英社の第8回開高健ノンフィクション賞を受賞した角幡唯介さんによる北極・南極話を組んでいるのだが、先程書店でざっとチェックすると、ここに荻田さんの近年の活動の成果が紹介されていて、角幡さんによる荻田さんへのインタビュー記事も収録されている(もうひとつ、先週11日に別件の話を聴いたばかりの山岳ガイド・スキーヤーの佐々木大輔さんの南極話も含まれている)。これによっても彼の活動はより周知されるかしら。今月の『岳人』はほかにも興味深い記事が多くて結構な分量で読みごたえもあり、今月号を買おうかどうか、でもたぶん買う方向で現在検討中。

ちなみに余談だが、というか誰も触れないので荻田さんと今回意外に早めにお近づきになったきっかけを以下に。
先月に荻田さんが上京したときに偶然だが夜に一緒に東京都内で野宿することになり、それで野宿して(といっても暑かったので、寝袋も不要なゴロ寝状態だった)、その翌朝、といっても朝っぱらからうだるような暑さの日だったのでほとんど熟睡できず眠かったのだが、でもその流れで先月29日までモンベルクラブ渋谷店で開催されていた(これまたすでに本ブログで触れている)月風かおりさんの作品展を一緒に観に行った。しかもこのときは荻田さんと僕だけでなくあの人この人も一緒で、つまり4人で行った。モンベルのその日の開店時間直後から4人で展示フロアに入り浸り(だって冷房が効いていて涼しい別天地だったから)、暑い日で午前中はたまたま来客がなかったために月風さんも交えて5人で、今後の旅やその表現に関する雑談を2時間近く続けていた。
このときの中身は個人情報も含まれるのでここではさすがに触れられないが、まあ各種媒体のよそよそしい? 取材ではおそらく引き出せないであろう、かなり濃密な話になっていたと思う。
なんせ僕以外の4人は、それぞれの分野でかなりの実績があって突き抜けた人々だから(しかも、そのうちのひとりは「植村直己冒険賞」受賞者ですし)、5人の輪のなかでひとりだけたいしたことをやっていない僕だけが客観的に見るとそこではなんか場違いなヤツだったので、いつものように出しゃばらずにふむふむと聞き役に徹していた。

まあとにかく、強い覚悟を抱いて現在の「風書」というカタチで唯一無二の尖った? 表現を続けている月風さんと、今後の旅について(やろうとしていることの規模の大きさもあってか)少々の迷いや苦悩も見られた荻田さんを、その初対面で変わり者同士? を引き合わせることができて、荻田さんにとっては今後へ向けてのなんらかのプラス材料にはなったかも、と思えばそこに同席できたのは幸いなことかと思う。
なお、僕はその会場に足を運んだのはそのときが3回目とすっかり場の雰囲気に慣れていた。それからこの5人の共通項を挙げると、地平線会議か。

最近そんな濃いできごともあり、雑誌記事や自身のウェブサイト上にある対外的にかっちりとした報告書のみではわからない荻田さんの素性を間近で知ったため、今回のブックマーク追加に至っている。
というくらい、本ブログのブックマークはその人の生き様をちゃんと理解していないと、安易に張りたくないなあ、と常々思っているので、今後もそういう方に出会う機会があれば、何か共有できるものを得たうえでその都度更新していきますわ。

ああそうだ、荻田さんがサイト上で募っている北極行の協力金への協力も前々から検討しているが、最近なんか仕事でまとめて働ける機会が訪れて、頑張れば晩秋あたりにはそれをじっくり考える余地もより生まれそうなので、お金の面からもできるだけ彼の活動を協力してゆくつもり。

放浪書房はどこへ行く

2010-08-10 15:15:00 | 他人の旅話
盟友の放浪書房・とみー氏がなんか大阪の『なんば経済新聞』という媒体の取材を受けていた。というのを最近知った。まあツイッターではなんとなく聞きかじっていたことだけど。
今年の彼は路上出店よりは、本業? の携帯電話のデコレーション職人として関西・広島方面への滞在型の出張仕事が多く、その合間にたまに路上出店に繰り出しているカタチらしい。今後もそのような、傍目から見ると随時どこへ行くかよくわからないやや風来坊な勤務形態? が続くのだろうか。
それでたまに本拠地の千葉へ戻って古本イベントを主催して、という感じか。
まあ本業と副業を合算すると? 商売的には僕よりは数段好調のようでよろしいですなあ。
そういえば、預けていた『野宿魂』と『野宿塊』は売れたのだろうか。

秋にでもまた会うときに、その出張? の件も含めていろいろ訊きつつツッコミも入れてみようっと。
というか、昨夏からもう1年ほど貸しっぱなしの(僕的には結構大事なサイン入りの)本をまだ返してもらっていないので、早く返しなさいよ。

20代女子目線の沖縄と琉球

2010-07-27 03:30:45 | 他人の旅話
先月の月末ネタでもちょっこし触れたメレ山メレ子女史のブログ「メレンゲが腐るほど恋したい」で、今年5月に旅した沖縄本島の話をスローペースで出しているが、最新の記事は本島南部の斎場御嶽(せーふぁうたき)と久高島(くだかじま)について触れている。僕はここ8年で斎場御嶽は3回、久高島は1回行ったことがある。

このへん、行ったことのある人はわかると思うが沖縄県以前の琉球の成り立ちを考えるうえでも特に重要な地域で、以前は男子禁制だったこともあって現在も立入禁止の箇所も多く、南部の祭祀や風習について触れるのは米軍基地話と同様にちょっと勇気が要ると思うのだが、そこを基本的に毒入りのふざけた? 筆致で鳴らすメレ子女史がどのように表現するのかは特に興味があった。で、読んでみた。

まあ猫をはじめとする動物との出合いと触れ合いについてはいつもどおりだが(僕が05年6月に久高島へ行ったときも、強い陽射しを避けるために日陰でだらだらしている動きが緩慢な猫はよく見かけた)、さすがに久高島については毒は控えめか。それにいつもどおりよく調べて書いている。妥当な内容だと思う。
まあこの地域を調べるさい、ネット上や図書館資料に当たればだいたいこの記事のようなカタチに落ち着くだろうから、僕が触れたとしても似たような結果になっただろう。

拙著『沖縄人力紀行』(彩図社刊)でもこの地域のことはさらっと触れてはいるが、そこが本の論旨ではなく、紙幅の都合もあってここまで細かく触れることはできなかった。だからその手落ち分を今回、メレ子女史が補完してくれた感じ。あと近年では、島の祭りを取材した石川直樹くんの撮る・書くものも参考になる。

この地域は僕も今後もできるだけ通ってより理解を深めようと思い続けていて大切にしたいので、まあ追々再訪するつもり。できればイザイホーも一度は観たいし。ええと次回は14年で4年後か。

そんなわけで、写真も相変わらず巧いので、興味のある方は覗かれるとよろしいかと。
というか、20代女子でお軽いキャピキャピしたノリではなくがっつり本気でこの地域について触れるのは珍しいことかと思う。僕は初めて観た。さすが。
今後の沖縄話の更新も楽しみ。

本気で見極めた、そして今後が楽しみな、野外系ブログ&ウェブサイト15選

2010-06-30 23:59:23 | 他人の旅話
昨年同日に、よく覗く他人のブログを50本挙げたのだが、それに似たネタを今年もやってみる。
以下に僕が最近特に注目している、とりわけ旅というか野外系の行動者のブログとウェブサイトを15本挙げてリンクも張ってみる。昨年は触れていなかった今回お初の、または今年に入ってから新たに知った方々も含む。
今回はブログサービスを利用している10人のみならず、独自にウェブサイトを開設して発信している人も併せて5人挙げた。

●ブログ
1  クッキー日記 ~大好きなこと楽しく~ (松尾由香) 無・有・無
2  ホトケの顔も三度まで (角幡唯介) 有・有・有
3  dai's diary (小山田大) 有・無・無
4  森と山 (森山伸也) 無・無・無
5  山田淳の山登り日記 (山田淳) 無・有・有
6  シャモニから世界の山々へ (仙石淳) 無・無・無
7  尾関のブログ (尾関裕思) 無・有・無
8  四角友里's blog: Respect Nature+Slow Adventure (四角友里) 無・有・無
9  ぼくの地球を走る旅 (西川昌徳) 無・有・無
10 メレンゲが腐るほど恋したい (メレ山メレ子) 有・無・無

●ウェブサイト
11 JAPANESE MUSHER IN ALASKA YUKA HONDA (本多有香) 無・有・有
12 天空の旅人 (多胡光純) 無・有・有
13 TRAIL RUNNER Suzuki Hiroko.net (鈴木博子) 無・無・無
14 北極点無補給単独徒歩到達への挑戦 (荻田泰永) 無・有・無
15 山さ行がねが (平沼義之) 有・無・無

見方としては、左から番号は便宜的に付けたが、ブログ・サイトのタイトル(氏名)と、有無の順番は「自著・共著の有無」「僕がその人の行動に関する講演・報告会を聴きに行ったことの有無」「過去に地平線会議の報告会に登場した経験の有無」のみっつ。
便宜的に番号を付けたとあるが、これは上から年齢順に挙げていて、たぶんこれで間違いないはず。更新頻度に関係なく。ただ現在は厳密に生年(月日)や年齢を非公表の人もいるのでだいたいだけど。ちなみにこのなかに既婚者もいるが、大半は独身の方。
15人中11人は面識があるというほどでもないが実際に会ったことはあり、なんとなく人と成りも知っている(つもり)。

で、今回この選択結果となった理由だが、ここで固定するために挙げておきたい人はもっといるが、多すぎても収拾つかなくなるし、僕が好きでもなんらかの自分専用の媒体を持っていない(自らの行動や思考を省みて発信する暇があったら次の行動を優先している? 発信という作業に興味なし?)人もいるだろうし。
というわけで、昨年よりももっと限定的に条件を設けてみた。硬軟問わず、決め手は、「20~30代」、「実名で記述・発信している」、「それぞれの分野では基本的に単独行動(たまに小人数も可)」、の3点をすべて満たしている人。

ひとつめは、つまり40歳未満で、とりわけ1976年1月産まれの僕とほぼ同世代を中心に挙げている。やはりトシが近い人の活躍のほうが刺激はより受けやすく、それにもっと若い人もできるだけ触れたい。
ふたつめは、ニックネーム・ハンドルネームや匿名で書いているよりも潔く、自分のやること成すことへの責任感は強いであろうこと。それだけでも自分の行ないや発信することに信念があることの証左で、受け手としてはわかりやすい。
みっつめは、実名でやることにも関すると思うが、できるだけ他者の思惑の介在なく自分の個性を発揮するには基本的にはひとりで行動・発信したい、という人に興味があるから。この感覚は僕もよくわかる。

もちろんこの3点の条件のいずれかが外れていても、今年も相変わらず言動と行動が伴っていない僕なんかよりも凄い・面白いことを実践し、それを書く・記録するというか「表現」するのが巧い人はたくさんいるが、今回は以上の15人に絞った。
ここで挙げたような個性的な旅や探検・冒険的な行為への世間一般においての認知度はまだ低いかもだが、でも僕の目に狂いがなければ今後の行動・表現により磨きがかかって間違いない、今後もっと(本人の意に反して?)世間で認知されるべき行動者たちなので、これからの動向を楽しみにしたい。
以上。



にしてもよいのだが、以下にその15人への僕から見た印象というか雑感やはみだし情報を触れておく。今回は全員分。以下はまた長いので無視してもかまいません。


2010年4月26日の投稿ですでに触れている自転車乗り。そちらを要参照。
そこで触れなかった補足を加えると、約1年7か月間ユーラシア横断旅をやる前に一時期、ネパールへの自転車旅を通じてネパール好きになったことが高じてロイヤルネパール航空に数年間勤めていたことがあったそうで。たぶん時期的に、9年前にネパールへそこの便を利用して(関西-カトマンズ間を)行ったことのある僕も事務処理で間接的に接しているかも。それと、旅人ネームというか通称が「クッキー」であると自ら名乗っているが、これは菓子のクッキーから取ったというベタな付け方ではなく、旅先で名前の「由香」が徐々に訛ってそう呼ばれるようになったんだそうで。と、今年2月の旅話を聴いた機会に教えてもらった。


平山ユージとともに十数年前から活躍が目立っている現在躍動するクライマーたちの兄貴分のようなクライマー、というよりは現在はコンペというか競技クライミングの路線からは外れてボルダリングに注力しているボルダラーと呼ぶほうが妥当か。最近はクライミング人口の年々の増加によって初心者の手本の役割を担うことも多い。
僕と同い年だが、ちょうど大学時代に東京都内で催されたコンペで国内トップレベルの結果を出して大活躍していた様子は生で数回観戦したことはあり、その頃に比べると近年のボルダーの開拓や啓蒙に傾倒している様子は他者とではなく自分と向き合って自然体で我が道を行く感じで求道的で、それもまた良いと思う。
ブログというよりはウェブサイトのような体裁だが、更新頻度の高い日記なのでこちらに分類した。


早稲田大学探検部出身で、西木正明・船戸与一・高野秀行のように探検的な行動と文筆を両立させる探検野郎の系譜を継ぐ探検家およびライター。また文筆と写真で活躍中の石川直樹の先輩格でもある。
ちなみに、01年に東京からニューギニア島へヨットで往復してトリコーラ北壁を初登攀した探検行を日記調で綴った『ニューギニア水平垂直航海記』(峠恵子、小学館文庫刊)に登場する“ユースケ”は彼のこと。
現状では自身の探検行と登山に関する取材記事が増えつつあり、今年上半期の雑誌『岳人』で目立ったのが前者では4月号の「ツアンポー峡谷脱出行」と後者では1月号の「雪崩に遭うということ」の2本の特集で、ともに自身の体験も踏まえて書いている。後者のように探検部上がりのわりに山へ頻繁に行っていてかなりの実力のクライマーであるのは学生時代の雑誌・同人誌投稿から小耳に挟んでいて(『きりぎりす』も興味深く読んで唸っていた)、よって彼に関しては探検よりも登山の印象が強い。
大学時代とライターのあいだの数年間は朝日新聞の記者をやっていて、その初期の富山赴任中に黒部ダム排砂問題を取材した『川の吐息、海のため息』(桂書房)というルポ本も出版している。08年に朝日を辞めてライターとして独立し、今後最も期待したい書き手で、朝日に就いた前後に2回行ったヤルツアンポー関連探検史的な話もゆくゆくは出版されるだろう。ほかにも書く対象はいろいろ抱えているようでそれらも楽しみ。
同い年なのにまだ挨拶以外でほとんど喋ったことはなく、まあそこは追々。


『BE-PAL』や『フィールドライフ』など野外系媒体によく寄稿するアウトドアライター。先月に月刊化された『PEAKS』では連載を持つようにもなって、僕の守備範囲である複数の野外系媒体にはことごとく登場してくるライターのひとり。数年前からの売文とは別にブログもやっていることを知ったのは今年だけど。私的なことで力を入れている毎秋の北欧の長距離トレッキングもブログのほうが詳しい。
学生時代は明治大学探検部をかじっていたそうで、だから完全に山ヤという感じではなく、垂直よりはトレッキング・自転車・カヤックのような水平移動のほうが得意か。数々の記事を読むと登山・旅の実力や本の趣味は散見される多くのライターのなかでも僕と似ているかも。
最近は出不精の僕からすると、ことごとく自分の行きたいところへ仕事で行きやがって、と今年は特に彼の行動ぶりに歯噛みする回数が多いが、これから追い付いてやる! とまだ会ったことはないけど勝手にライバル視している。


01年の石川直樹~04年の渡辺大剛(はるひさ)にかけての“世界七大陸最高峰(セブンサミッツ)最年少登頂”記録更新の流れの渦中にいた、東京大学スキー山岳部時代の02年にそれを達成した若い登山家。「家」を付けるにはまだ早計かもだけど。前出のふたりと異なるのは、オセアニア最高峰として比較的容易なオーストラリア最高峰のコジウスコのみならず、それよりも登攀要素が多くて難しいニューギニア島のカルステンツ・ピラミッドにも登り直していることか。
その後、外資系の経営コンサルタント職に就いて結婚もして登山から3年ほど離れていたが、学生時代からの富士登山ツアーなどの経験も踏まえて08年に「フィールド&マウンテン」という登山関連ツアー・イベントの企画を催す会社を設立して脱サラして(外資系勤めはこうは呼ばない?)、起業・独立によって09年から登山の理論・実践の伝道の活動を本格化させている。彼も地平線会議とのかかわりが深い。


実は今年初めて知った方。ツイッターでフォローしてくださった方経由で知った。だからまだ面識はない。
ブログは幼少時の家庭の事情が複雑だったことから正直に書いているが、それを経て唯一無二の生きがいとしての登山に出合って、はまって、現在は毎夏にフランス・シャモニへ移住しながらアルプスの岩や雪の山を登ることを軸に活動し、それ以外の時期は国内に戻って登山ツアーのリーダー役? として生計を立てている、という日本と欧州の往復生活を毎年続けている。
しかも興味深いのが、仕事とは別に切り離して続けている自分の登山については単独登攀にこだわっていることか。
ただ、ひと昔前の山ヤのように他を寄せ付けない求道的な雰囲気はなさそうで、主に中高年? のお客さんのツアーリーダー的な仕事登山も楽しめて、とにかく公私問わず山へ行くことが好きで人当たりの良さも伝わってくる。今後話を聴く機会があるといいね。彼をサポートしているME(マウンテンイクイップメント)の企画でとか。


07年1月~09年9月に韓国縦断後に中国・上海~ポルトガル・ロカ岬の約1万6000kmを一時帰国なしで徒歩で踏破した徒歩の旅人。ブログは当時その模様をたまに筆致は適当に? 綴った日記のようなもの。実は1の松尾さんとも旅の途中の中央アジアの安宿で会っていて仲が良くて、その影響? で今年2月にモンベルクラブ渋谷店で行なわれた旅の報告会は、松尾さんとの2本立てという構成で催された。
その旅はカザフスタンやロシアなどで強盗に遭い、ルーマニアで鬱な気分になってひと冬足止めしたり、ビザ取得困難なロシアを行くにも日本とのパスポート・ビザのやりとりで乗り越えて、という紆余曲折もあったが、そんなことを感じさせない下ネタも含む喋りやブログのふざけた筆致だけで判断すると騙されそうだが、そのくらい長期の旅をやったとなると粘り強さはある。
今後の大きな目標として「南極を歩く」ことを挙げて、ユーラシア横断もそのための布石というか実績作りのためにやっただけと言いきり、10年後くらいに南極をやりたいそうで。特に資金的政治的に独力では困難な大陸だけど、大丈夫かなあ。
元々は関西人だが、資金稼ぎのために昨年末に東京都内に引っ越してきて、その報告会以降もある特定の地域でたまに見かける。


各種媒体では3年ほど前からよく見かけていたが、9日の投稿でも触れた今月11日の渋谷の催しで初めて生で(旦那で釣りキチの四角大輔氏とともに)旅話を聴いた、昨年あたりからの女子登山ブーム? の火付け役のひとり。
ここ数年拡がりを見せている“山スカート”の普及に力を注いでいて(山スカートの教祖的存在)、最近は欧州メーカー(バーグハウスとラフマだっけ?)と組んで山スカートの企画開発にも携わっている。大卒後に国内の某玩具メーカーで商品開発も一時期経験していて、完全にモノ作りの素人でもないことは先日初めて知った。今年始めからの夫婦のニュージーランド移住前の着物の着付け講師の経験も活きているか。
で、実は彼女が媒体露出してきた当初はそんなにたいした山を歩くわけでもないのになぜ着飾るほうへ進むのか? と違和感があってその出方を少々バカにしていたが、しかし昨年の『PEAKS』4号の夫婦で雨の屋久島を旅した話で、その記事で彼女には元々運動が苦手で重荷も背負えない身体的なハンデがあり、でも旦那が彼女を野外へ引っ張り出すことによって活発になって、自然のなかで旦那も驚く感受性の強さがあることに感心、という成長ぶりが赤裸々に綴られていて、少々見直した。
それを踏まえて先日会うと、夫婦の仲の良さとともに自然へ分け入るときにスポーツ的な要素はなく自然体で接していることがわかり(それはブログタイトルからもわかる)、さらに見直した。終了後に少し喋る機会もあり、間近で見るとたしかにかわいかった(結婚6年の人妻には見えない。細身で背も高い)。今後は色眼鏡をかけずに視るか。


2010年4月26日の投稿ですでに触れている自転車乗り。そちらを参照のこと。
そこには出さなかった補足としては、中国から始めたユーラシア横断旅がインドで中断して今は一時帰国状態なのだが、つい最近、国内の仮? の生活拠点を大学時代にも住んでいた徳島県に移して資金繰りやら講演やらいろいろ活動しているそうで。ということをブログのみならず今年から、僕より少しあとに始めたツイッターでもフォローしていればわかる。基本的には四国と関西を中心に活動しているが、たぶん来春に旅を再開するまでにまた会う機会はありそうだな。

10
今回の選択基準に「実名」とあったが、この方のみ例外としてハンドルネーム? ペンネーム? でウェブ上や各種媒体に登場しているけれども、ぜひ挙げたい。
というのもこのブログ、ひとつの投稿に写真を50枚も60枚も使う旅写真ブログで、その写真でびしばし顔出ししているため、素性とはキャラクターを変えてブログをやっているといっても例外的に挙げてもよいかと思ったため。初期の記事では下ネタも頻出しているが、私生活ではそのへんは問題ないのか。
で、世間一般では一昨年からテレビや雑誌で度々取り上げられていて現在はファンクラブまである08年の青森県・鯵ヶ沢の旅で出会った“ブサかわ犬”「わさお」の名付け親としてブロガー界隈では加熱して結構な有名人らしいが、僕は『BE-PAL』の石田ゆうすけさんの連載で遅まきながら今春に初めて知った。それ以降直ちにブログを遡るとまだ20代なのに実は東京大学卒の才女らしい旅先・写真の選択の巧さや文体・趣味(特に生物)の硬軟の振り幅の広さもわかり、即座に気に入った。
これが僕が数十本巡回しているブログやサイトのなかで現在最もはまっているブログで、旅関係の表現者? で今最も会いたい人にも挙げられる。僕の身近な旅関係の友人知人のあいだでも人気急上昇中。ひとまず一般企業に勤めながらの週末旅で大変だろうけど、今年5月に行った沖縄本島の旅の話をモリモリ更新してほしいワ。

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本ブログでも以前少し触れたことのある、アラスカ・カナダの冬季の犬ぞりレースに傾倒している犬ぞり使い=マッシャー。地平線会議の報告会にも2回登場している。
日本人でこの道に進んでいる人は舟津圭三氏をはじめ男性ではいてもそんなに多くないし、しかも女性がやっているというのは世界的にも珍しいが、当人は男とか女とか関係なくただそれが好きだから、好きなことに理由なんか要るの? みたいな口ぶりと姿勢で臨んでいる。04年から冬のアラスカ・カナダでの長距離犬ぞりレースに参戦し始め、「ユーコンクエスト」などの1000km超の犬ぞりレースの完走を目指して冬季はカナダの先輩宅にお世話になりながら犬に囲まれて生活している。「男勝り」という表現は失礼だが、酒どころの新潟県出身で酒豪な面からもついそんな表現を当てはめてしまう。ただ、冬以外の時期は地元新潟で複数のアルバイトを掛け持ちして資金稼ぎに勤しみ(レースに出走するには犬の世話やレース費用などで毎回200万円かそれ以上の大金が必要)、という往復生活を数年続けていた。
だが今年、カナダの移住権を取得して、今後は向こうで犬と犬ぞり三昧の生活になる。昨今の同世代の行動者のなかでも特にひとつの道へ心血を注ぐうえで「潔さ」のある人だ。

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獨協大学探検部出身のエアーフォトグラファー。
元々は探検部時代にはまったカナダ・マッケンジー川下降とその流域住民の生活に触れたことを機に、空から写真を撮る手段としてモーターパラグライダーに出合ってその技術を速攻で会得して、再びマッケンジーに戻って撮影して以降、人間が入り込み難い自然を鳥と航空機の中間のような1m~数百mの距離感から写真と映像を空撮する活動を国内中心に続けて、今年で始めてから8年近くになるか。
地平線会議の報告会にも3回登場していて、そのときモーターパラグライダーを乗りこなすうえでの技術的な問題やその改善策の話も聴いているが、撮影手法は年々洗練されている。
数年前からNHKやテレビ朝日の特番の仕事で全国の紅葉や瀬戸大橋や冬の知床の流氷、それに国外にも撮影の範囲を拡げつつあり、今年は上海万博・日本政府館の展示映像をフルハイビジョン以上の解像度の高級な映画用カメラで撮影、という大仕事もあった。
昨年から、地平線会議が縁で結ばれた(ドイツで修業した)木のおもちゃ作家の奥様と表現主体の株式会社を設立して、子育ての傍ら自分たちの創作・表現活動はより進化するだろう。数年前から京都府内に構えているその店舗も一度は行かないとなあ。

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7、8年前から女性トレイルランナーのなかでは国内トップレベルの選手。「TEAM A&F VASQUE」所属。
元々はバックパッカーだったことは以前も少し触れたが、ここ数年は年々加速するトレランブームの追い風の影響もあって選手活動の傍ら各地のトレランの催しや専門媒体に講師役として招かれる機会も増えて、昨年からは自分で催しをプロデュースするようにもなった。
毎秋の“ハセツネ”をはじめトレランやちょっとしたアドベンチャーレース、それにここ2、3年は国外では北米やニュージーランドのレースにも参戦して(しかも短距離よりは長距離で自然の色濃い土地がより好き)、一昨年あたりから情報が増えてきた毎夏のツール・ド・モンブランの完走でも目立つ。
元は旅人ゆえに地平線会議によく出入りしているために数年前からその場に同席することもたまにあるが、実は僕と同い年だとは今年知った。共通の知人は多いし、ここ数年は高地のトレラン対策の高度馴化目的の富士登山をはじめ登山の機会も増やしていることへの突っ込んだ話をしたことがないので、それは追々。

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日本人初の北極・南極の両極地の徒歩横断(南極のほうは最後に少々問題があった)を達成した大場満郎氏が2000年に催した「北磁極を目指す冒険ウォーク2000」に参加して以降北極に惹かれ、その後はほぼ毎年の北極圏に通い、現在は来年の「北極点無補給単独徒歩到達」を目指す北極歴10年の青年。神奈川県出身だが現在は北海道を拠点にその準備を進めている。喫緊の問題はここ数年の北極海の氷の融解の早さと、徒歩行にかかる計画上は1000万円超でその大部分を一般からの寄付金に頼りもしたい費用の捻出か。
ちなみに、「冒険ウォーク」はNHKの特番で放送されて僕もそれを観ていて、たぶんそれを録画したビデオテープは部屋を捜索すればどこかにあるはず。だから荻田氏の名前は一応は10年前から知っているが、初対面はその2年後の地平線会議で、北極行のもうひとりの先達で01年に遭難した河野兵市氏絡みの催しだった。そのときに3の角幡氏も同席していた。
その縁で最近も角幡氏の取材対象として荻田氏も挙がっているようで、たまの東京滞在時に取材を続けている模様。両極地の徒歩行となると単独か複数人か、補給や救援態勢の有無、極点到達か横断か、で難易度がまた異なるが、近々どこかで出す角幡記事で整理してくれるはずなのでそれを待ちたい。
また、同じく数年前から北極圏の経験もある安東浩正さんとも神奈川県への帰省時に会って情報交換しているそうで、今度できれば僕もその場に混ざりたい気分。
なお、近況を伝えるブログも別にあるが、それよりもまずこのサイトで理解を深めたい。だからここではサイト扱いにした。

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国内の廃道を自転車で巡ってその模様を報告し続けている“廃道ハンター”。秋田県出身だが3年前に上京したそうで。現在は東北~近畿で40本超の廃道を辿っている。
ここ数年、近代史や地理の要素も掛け合わせた「廃墟」や「酷道」や鉄道の廃線跡を行くような過去の遺産的な朽ち果てた場所をあえて巡る、現代的なモノには飽き足らないマニアックな旅人が年々増えつつあるが、その時流に乗って出版や「廃道ナイト」のような講演活動も年々盛んになっている。
ただ、平沼氏の本名よりも旅人ネーム? の「ヨッキれん」のほうは3年近く前から小耳に挟んでいて廃道を巡る活動もなんとなく聞きかじっていたが、昨年あたりからの廃道関連のムックの制作にも実名でかかわっていると知ったのはつい最近で、このサイトの存在も遅まきながら今春に知ったばかり。全体をざっと観たがあとで再度じっくり観直すつもり。

今度こそ以上。

「シール・エミコ支援基金」の最新の状況

2010-06-15 22:33:13 | 他人の旅話
前々から本ブログで触れている、がんの再発によって自転車地球一周を中断しているシール・エミコさんを応援する目的でモンベルが設けた「シール・エミコ支援基金」の続報。

先週届いた、今月発行のモンベルの会報誌『OUTWARD』No.48による最新情報では、基金の総額は2010年4月現在で705万652円となった。

本ブログで一昨年からこの基金に触れた投稿7回分というか基金の経過を以下にリンク付きで挙げたので、こちらも参考に。

2008年8月1日
2008年9月13日
2009年3月20日
2009年6月26日
2009年9月15日
2009年12月16日
2010年3月19日

エミコさんのブログ、4月中旬から更新されていないんだよなあ。その後の治療はどうなったのかしら。もちろん悪い方向には考えずに続報を静かに待ちたい。

それとこの号の最後のページのモンベルの辰野勇会長の連載で、会長も今年初めに腸にがんを患ったことが発覚したものの、でもまだそれは初期の段階だったので治療して事なきを得た、という話を出していたのにはびっくり。ほぼ毎年、野外系の各種催しでお見かけする限りではいつでも元気はつらつな会長も加齢と多忙によってそうなってしまうのか、と複雑な心境で読んだ。
一般的に人一倍がんにかかりやすいとよく言われる肥満体の僕も、最近たるみがちな普段の生活から気を付けないと。


※7月1日の追記
エミコさんのブログ、先月29日に約2か月ぶりに更新された。本人から直接のメッセージではないけど、普段の生活に支障はなさそうでなにより。そうだ、奈良に気を送らないと。

野外系トークショー強化月間

2010-06-09 03:45:21 | 他人の旅話
なんか今月に限って、僕がかねてから興味のある人物のトークショーが身近な東京都内でたくさん催されるのだが、11日(金)からいよいよサッカーW杯南アフリカ大会も始まるというのになぜこの時期にかぶせてくるのだ、と嬉しい悲鳴混じりにちょっと戸惑ったりもしたが、熟考したうえで以下のように5つのものに絞って計画的に行くことにした。だから今月は極私的な野外系トークショー強化月間である。


1 Yosumi's Nomad Life in New Zealand(四角大輔・友里)
日時 6月11日(金)19:00~20:30
場所 モンベルクラブ渋谷店

2 サスライのススメ3(ホーボージュン)
日時 6月16日(水) 20:30~22:00?
場所 patagoniaゲートシティ大崎ストア

3 山のこども 戸流 ~もうひとつの自然の魅力、山の楽しみ方~(戸雅史)
日時 6月17日(木) 20:30~22:00?
場所 patagonia渋谷ストア

4 「サラリーマン転覆隊」隊長・本田亮トークショー
日時 6月26日(土) 14:00~15:30
場所 モンベルクラブ渋谷店

5 塩野米松×竹内洋岳トークショー
日時 6月27日(日) 15:30~17:30
場所 ICIClub神田6階 EARTH PLAZA


いずれも予約済みなので、もちろん全部行くつもり。
以上の主役の面々について解説はある程度できるけど、めんどくさいのでしない。それぞれのウェブサイト等にある略歴を参照のこと。本ブログを覗くようなマニアな方であればすでに全員知っているはずだと思うし(というのはウソで、べつに知らなくてもいいです。でもまあこの機会に時間があれば触れてみるのも一興かと思ったもので)。

ちなみに、1についてはどうやら仮タイトルのようで、当日どうなるかはまだ未定なのかな。
というのも、最近「山スカート」で人気上昇中の四角友里氏を主役に据えるとは思うが、基本的にはその旦那の(元音楽プロデューサーで現在は独立して事業を昨年末に起こしたばかりの)大輔氏とともに夫妻によるトークショー、というカタチになるみたい。まあこの準備の進み具合はツイッターで大輔氏をフォローしていれば関連情報は随時入ってくるのだが、それによると山スカート云々よりはニュージーランドの話、それとこの主催元のジャパンゴアテックスの今夏のキャンペーンの一環としてゴアテックス採用の雨具に関する話題が主体のようで。

1~4は無料だが、5のみ会費1000円。予約は今からではもう遅いものもあるだろうが(特に1と2が人気あるのでは。5はもう締め切られたのね)、ひょっとしたら直前にキャンセルが出るかもしれないので興味のある方は積極的に問い合わせてみては。
1は今月中に東京・大阪・神戸の複数店舗を巡回するので(ニュージーランドからの出稼ぎ的な巡業?)、他店も要チェック。まあこの聴衆の大半は“山ガール”とその候補生だろうね。どこも女子率がかなり高そうで、そこに紛れる野郎としては目のやり場に困りそう。
あと、3は翌週23日(水)にpatagoniaゲートシティ大崎ストアでも催される。僕はこれはどちらでもよかったが、ほかの所用との兼ね合いで17日にした。

みなさん各種媒体ではよく触れていても半数は今回が初対面の方。でも、ホーボージュン、戸雅史、竹内洋岳、の3氏はほかの催事などで会ったことはあり(ジュンさんは過去の「サスライのススメ」1と2も聴いているし)、戸・竹内両氏はかしこまった場でちゃんと話を聴くのは初めて。これだけ豪華な場が1か月のうちに立て続けに用意されるのは珍しいので、とても楽しみー。

このあとの7~8月にもこれらと同様に興味深い催しはいくつかあって(ひとつ挙げると、7月の野川かさね氏も鋭意検討中)、今夏は気になる人物の話を生で聴ける機会が多いのは良いことだ。本ブログでもたまにネタとして使わせてもらう人もいるが、やはり実際の人と成りをこういう場でたしかめてからああだこうだと言及すべきなので、各種媒体経由ではなくできるだけ生で触れる、ということはいつも大事にしている。
なお、これらをこなしたあとに特に事後報告はしないつもり。今月はできるだけW杯テレビ観戦に注力するのでめんどくさいから。まあ追々どこかで反映させるかも。

ほかにも、毎月恒例の地平線会議の報告会も今月は25日(金)で、もちろん行く(しかも今月分は特定の報告者の登壇はなくて今は亡き行動者の回顧話、というちょっと珍しいカタチ)。だから僕的には25~27日は3日連続で催しがあって、聴くだけでも大変なんだよなあ。まあいいけど。今、運悪く風邪気味なので、徐々に体調を整えないとなあ。

それから、もうひとつ昨日知らされたのだが、東京都・西荻窪にある世界の旅関連の雑貨や食品を「フェアトレード」で販売もするカフェ「旅茶箱」で27日までチベット関連の写真展が催されているのだが、その絡みで今週末の13日(日)18時から、先月30日の投稿でも触れたタムラアキオがまたチベット自転車旅の話を披露する場が急遽設けられたそうで。なんと2か月連続ではないか。
でも僕的には今月はどちらかと言うとW杯のほうが大事なのでたぶんそれには行かないけど、頑張ってちょうだい(できれば「チベット通」ではなく「自転車乗り=人力移動者」の視点から)。というかこれ、なぜかは知らんけど遅れてまだ公になっていない情報なのか。まあ良いことなのでいいや、出しちゃえ。これまでのここでの催事の実績からすると、入れる聴衆は20~25人程度の小規模の店だけど。ちなみにここはチャージ500円+1ドリンク以上要オーダーと有料なので、要注意。

それにしても、いずれも偶然ではなく必然なんだろうが、14日、19日、24日(の深夜で実質25日)、のW杯の日本代表の予選3試合がある日はちゃんと外してあり、これは賢明な措置であるね。



※本文とはあまり関係なさそうだけど少しは関係ありそうなのであえて切り離しておく追記
トークショーではないのだが、東京都・銀座3丁目の青木画廊3階で今週12日(土)まで催されている勝峰翳(かつみね・えい)氏の写真展「Triple Mirror 屋久島・奄美・線景論」を、7日(月)に観てきた。
青木画廊の案内にあるように、山と溪谷社の(『山と溪谷』編集長も経験している)勝峰富雄氏が「勝峰翳」という名義で本業の山岳書編集者とは別に写真家として活動中で、その初個展である。今後は写真と並行して文筆のほうでもまた別の名義で積極的に「表現」を広げていくそうで、来週に『山で見た夢 ある山岳雑誌編集者の記憶』(みすず書房刊)も刊行される。単著は初めてでしたっけ。というかこれ、来週発売予定らしいのにジュンク堂書店新宿店にはなぜか今週すでに入荷しているのを見かけたので、ちらっと立ち読みしたけど。
画廊に伺ったさいに数分間ではあったが勝峰氏としっかり挨拶できて、僕のほうはもちろん誌面でよく存じ上げているが(いち読者としてだが)、実は勝峰氏のほうも本ブログを(僕がちょっと引くくらいに結構詳しく)ちょくちょく覗いていてコメントもくださっている、という話にもなった。その証拠のネタがこれ。ちなみに2人の共通点を無理矢理2点挙げると、学参の仕事の経験者、東武東上線沿線育ち、ということか。
で、その流れで編集者と校正者という立場で仕事の話にもなり、名刺もいただき、逆に僕のほうは名刺を携行していなかったので名刺交換代わりに後日メールにて何か必ず返事しなければ、とは思っている。それによって今後、なんらかの良い仕事の話に発展するのかしないのか。または、沢登りの先輩に僕のほうが何か教えを乞うことができるのかできないのか。
というわけで、『山と溪谷』および山岳関連雑誌・書籍の出版にかかわってきた、そして現在もかかわっている「登山」と「山」関係の著名人や同業者(編集・広告・写真など)も今日を含めて残り4日間の期間中に結構訪れるだろうから、そっち方面の表現に興味関心のある方は足を運んでみると勝峰氏と特に山メディアに関する突っ込んだ話ができるでしょう。



※12日(土)の追記
3点ある。

まず、16日のホーボージュンさんのは、ブログの9日付に告知が出たのでリンクを張り直した。そちらを参照に。ただひとつ心配なのはブログの11日付にあるが、9日にその告知の更新後かな、にクルマの運転中に追突事故に遭ってしまい全治2週間の(たぶん)重傷で、しかしそれでも騙し騙しで翌10日からの今回のトークツアー? に臨んでいるそうで。そんな酷い状態でも行くのかー、凄いなあと脱帽。このぶんだと16日も変更なく当初の予定どおり実施するかもだが、後遺症が出る可能性も多分にありそうな痛め方だから、治りが遅かったらあまり無理せず延期でもかまわない、とは思う。

次に、13日のタムラアキオ報告だが、その主催は「Students for a Free Tibet Japan」という団体であることが判明。それと、その進め方は単独の喋りというよりはチベットに詳しい聞き手と相対する対談形式になるみたい。特に事前予約は不要だそうで、でも座って聴きたい場合は早めに行ったほうがよいかも。たぶん15~20人は座れると思う。それ以上増えるとなると立ち見になるかも。

それから、事後報告はここではしないがツイッターのほうで必然的な流れ? で軽くはやるつもり。
早速、11日の四角大輔・友里夫妻のトークショーへ行ってきたのでその模様についてもつぶやいている(相変わらず長いけど)。これ、予想以上に良かった。帰り際に四角夫妻と少し喋れて握手もしたし。まあいろいろな意味でちょっと見直したりもした。繰り返しになるけど、旅話はやはり生で触れるべきやねえ。友里氏に「また来てくださいねっ」とも社交辞令的? に言われたが、ほかのものと日程がかぶったから結局は11日に決めた。残念。まあまたの機会に。


※30日(水)の追記
結局、滞りなく5本すべて聴きに行けて安堵。当初の予想以上にいろいろ為になった。ときには一緒に写真を撮ってもらったり本にサインをいただいたりもして、いつものミーハーぶりも発揮したし。
それらを踏まえて何か考察でも書いてもよいかと思ったが、それも軽くはツイッターのほうでやっているので、興味のある方は僕のアカウントを覗いてくだされ。5本ともに行ったその日にうちに長々と触れているから。

なお、上記の追記で触れた勝峰氏、ホーボージュンさんの先週発売の新刊『山岳装備大全』(山と溪谷社刊)の編集を担当していたこともあって16日のトークショーに同席していて、その帰り際に挨拶と名刺交換の続きはできた(つまり都内で2週連続で会った)。その50冊の先行発売もきれいに完売していたが、当初の予定以上の100名超の聴衆があったこともあって、まあ当然の結果か。ちなみにその最後の1冊を買ったのは僕の友人だったりする。
また、その場に今春発売のジュンさんのもうひとつの新刊『実戦主義道具学2』の編集担当さんもいて、併せて挨拶できたりもした。ワールドフォトプレスの雑誌『モノ・マガジン』の比較的若い編集部員で、入社当時は野遊びはそんなに興味がなかったものの、ジュンさんの担当になって以降はいろいろ連れ回されて今は登山やらなんやらが好きになって傾倒しつつある、という裏話もできて楽しかった。両社ともに今後、何か仕事くれないかなー(がめつい)。

タムラアキオ報告会再び

2010-05-30 03:00:31 | 他人の旅話

事後報告になるが29日(土)夜、東京都文京区の「千石カフェ」で昨年から定期的に開催している旅の報告会「旅の夜」シリーズの12番目の喋り手として、タムラアキオが07~08年のチベットを中心に巡った自転車旅について喋った。

まあこれ、昨年のちょうど同じ時期に僕が池袋で報告会を主催して、内容もそのときとほとんど変わりはないので詳細は省くが、今回はその店舗の夜の貸切によって広く使えるといっても小規模のお洒落なカフェなので、詰めて十数人入るのがやっとの空間であった。しかも昨年と違って聴衆の約半分が彼とは初対面で、件の旅の充実度はちゃんと伝わったのかしら、とアキオのお目付け役として急遽聴きに行った僕としては他人事ながら少々気を揉んだりした。

ちなみに急遽、というのは、僕や仲間内ではすでにだいたい知られているこの旅話、できればまだ一度も触れたことのない初対面の方に特に届いてほしいなあ、という僕なりの願望もあって当初は限りある出席枠をそういった方に譲るためにあえて出向かないことにしていた。が、前日に詰めれば最大でなんとか15人くらいは入れそうだという話を聴き、結局は当日はふつうにいち来客としてじっくり聴くことができた。

千石カフェ、飲料よりもカレー特集でたまに取り上げられることは雑誌を通じて知っていたので店名もなんとなく憶えていたが、実際に訪れて利用したのは今回が初めて。店内の雰囲気もよろしく、店主さんの反応もなかなか良かったかと。良い機会に恵まれて、少しは旅と自分のPRにもなったか。

そういえばアキオ報告会、聴きたいけれども開催場所や日程の都合が合わずに泣く泣く断念している友人知人も結構いるようで、特に関西圏でも催してほしいという意見があることも小耳に挟んでいる。が、今後は関西でも誰かしらに仲介して催せるかどうか。

人前で喋るのは苦手とは言いつつもこれで一応は人前で2回喋ったので場慣れしてきて、またの機会があればより良くなるだろう。
それに僕も今回初めて聞いたことで、話の最後に今後の生き方というか旅の展望についても触れていたが、そういう最新情報もアドリブ? で出していけるように進化しているので、今後もまた何かの機会があればどこかでぜひ。

映画『僕らのカヌーができるまで』

2010-04-15 00:00:00 | 他人の旅話
今月の17日(土)から30日(金)まで、と公開期間は限定的だが、ポレポレ東中野で各日20時50分からレイトショー公開される長編ドキュメンタリー映画『僕らのカヌーができるまで』が良い、と推しちゃう。
関連の代表的なリンクは以下。

●ポレポレ東中野・公開映画紹介『僕らのカヌーができるまで』
http://www.mmjp.or.jp/pole2/bokurano-canoe-gadekirumade.html
●『僕らのカヌーができるまで』公式サイト
http://bokuranocanoe.org/
●『僕らのカヌーができるまで』公式ブログ
http://blog.livedoor.jp/bokuranocanoe/
●関野吉晴 公式サイト(旅の主役。しかし映画では脇役?)
http://www.sekino.info/
●竹村東洋子 ゑかき日記(関係者のひとり。美術担当)
http://d.hatena.ne.jp/takemura-toyoko/

ほかにどなたか関係者の方の媒体、ありましたっけ。あったら教えてつかーさい。追記するから。
映画のあらすじやら解説やらはサイトを覗いてもらうとして。

ここで映画公開までの経緯をざっくり触れると、「グレートジャーニー」でお馴染みの探検家・関野吉晴さんがここ数年取り組んでいる「新グレートジャーニー」で3本挙げているルートの最後として(うち2本はすでにフジテレビの特番で放映済み)、インドネシアから沖縄県へ自作のカヌーで海洋航海する、というのがある。

で、これまではそれに関野さん単独または相棒を求めてとにかく小人数で臨むことにこだわっていたが、今回は自身が教授を務めている武蔵野美術大学略して“ムサビ”の教え子たちを多く巻き込んで気付きを促しながら、時代に逆行している? モノづくりの工程・自然の恵み・文化の継承を体験できるこの「黒潮カヌープロジェクト」に08年から取り組んでいて、その過程を余すところなく記録した記録映画、ということになる。

その本番である航海自体は昨年4月にインドネシア・スラウェシ島から2隻のカヌーでスタートしていて、でも予定どおりには進まずに8月にフィリピンで中断して、来月中旬からその続きを再開して今夏には沖縄県・石垣島へゴールする予定。でも予定は未定。
当初は昨年じゅうにゴールする計画だったが、風や波やと様々な条件が揃わないと進まないから、やはりそう簡単にはいかないか。

で、この航海で使っているフネを造る前段階の、08年5月から国内で始めている鉄斧・縄・保存食などを自作する段階から主に地平線会議のほうでその進捗状況は伝わってきていて知っているし、09年2月にはムサビのこのプロジェクト関係者主催のモノづくりのパートの映像を観る機会もあって観に行ったのだが、イチからとにかく「人力」で「作る」というか「創る」さまを観ているだけでも面白かった。

今回、それに加えて昨年の航海の模様も加わって1本の長編ドキュメンタリー映画としてどのように仕上がったのか、とても楽しみであるね。前売券はすでに買ってあり、僕が今年必ず観たい映画ベスト5のひとつに挙げているくらいに期待しているので、きっちり観に行くもんね。公開期間中にトークショーも目白押しだが、そのいずれかに行けるかしら。

もし好評だったら、後々に再上映もあり得るんじゃないのかね。


※15~16日の追記
でもよくよく考えると、タイトルが「できるまで」なので、航海に関することは含まれていないのかな? 映画の主旨はその前のモノづくりの過程を見せることだから。

昨年9月に今回の公開分とは別編集の状態のを上映する機会があったが、それは観られなかったので、それとはまったく別物の作品、と見てよいのかしら。
まあ、明後日からの映画を観ればわかるか。
でも今週は微妙なので、東中野に観に行くとしたら来週以降だなあ。

今月の公開で受け入れられれば、ポレポレ東中野だったら再上映もあり得るだろうし、それでなくても関野吉晴さん関連の映画では以前の『プージェー』のようにその後各地で自主的な上映会を催す手もあると思うなあ。フットワークの軽い若手主体で作っているから、今年の航海の結果も踏まえつつ今後何かしらの動きはありそう。いや、あるだろうね。

なので、特に人力派は公式ウェブサイトは随時要チェックですな。


※27日の追記
26日の回を観た。簡単に触れると、若さが全面にしっかり出ていて良かった。(下の写真の)800円のパンフレットも最初は高いかなあと思ったが、読み進めると映画の解説というよりは絵と写真でもわかりやすく説明しているこの旅の進捗状況を記録した報告書という感じでとっつきやすい。映画、今後も再映してほしいなあ。



「シール・エミコ支援基金」の最新の状況

2010-03-19 09:00:01 | 他人の旅話
前々から本ブログで触れている、がんの再発によって自転車地球一周を中断しているシール・エミコさんを応援する目的でモンベルが設けた「シール・エミコ支援基金」の続き。

今月発行のモンベルの会報誌『OUTWARD』No.47による最新情報では、基金の総額は2010年1月現在で688万4385円となった。前回の告知からそんなに増えてはいないが、まあそれでも確実に増えているようでなにより。

また、本ブログで昨夏からこの基金に触れた投稿6回分というか基金の経過を以下にリンク付きで挙げてみたので、こちらも参考に。

2008年8月1日
2008年9月13日
2009年3月20日
2009年6月26日
2009年9月15日
2009年12月16日

エミコさん、快復するといいね。ブログも更新中。

安東浩正さんの格言

2010-01-24 18:00:29 | 他人の旅話
最近なんかいろいろ忙しくてブログ更新ができず(挙げたいネタはいくつかあるのだが)、自分のふがいなさに日々がっくり。そんななか埋め合わせのひとネタ。

テレビ朝日系列で毎週土曜日20時台に、様々な分野で活躍する人を取り上げる『挑戦者 No.1への階段』という3分間の番組があるのだが、昨日の放送分でかねてからお世話になっている安東浩正さんが登場していた。

で、昨夜は外出していたので予約録画したものを先程観たのだが、あら、もう40歳になっている。それに上着が新しくなっている気が。さらに最後のガッツポーズは失礼ながら笑ってしまった(ごめんなさい)。あれ、観るべきところが違うか。本分の冒険的行為のほう、この例では厳冬期のシベリア自転車横断のほうを観ないと。でもそれには3分間は短いよなあ。

番組の締めにあった、

「昨日の自分を越えなければ面白くない」
「好奇心と努力があれば不可能は可能になる」

というような前向きなことは常に言っている、ここ2、3年は行為的には得意の登山や自転車から少し離れて熱気球による山脈越えや海峡横断のほうにはまっている安東さんだが、年に数回お会いするたびに、旅人としては後ろ向き発想ありきの自分を反省してしまう。
行ったやった万歳、というただの移動や自己満足だけの旅ではダメなのよね、安東さんのような数歩先を進んだ旅人としては。翻って僕はそれだけでも満足できるクチだから、いまだに低調続きの名もなき旅人なのか。旅人として周りからも認知されるくらいの名前が真に付くのはいつになるのやらならないのやら。

ちなみに、この番組のギャラは提供のリポビタンDの現物支給だそうで。今度、少し分けてもらおうかしら。



※10年1月29日(金)の追記
26日(火)の地平線会議の報告会(報告者は最近の登山業界で大活躍中の谷口けい氏の回。すんごく面白かった)で安東さんと3か月ぶりに会ったのだが、モンベル製の上着はこの番組出演のために新調したそう。ああでも、ギャラのことを訊くのを忘れた。また今度訊こうっと。
それからついでにまだ未確定だが情報をひとつ挙げると、安東さんが昨年初参加したモンベルの毎年の黄金週間中の石川県・羽咋での恒例催事「トライ&キャリー」に今年も参加するかも、とのこと。で、昨年に安東さんが持ち込んで好評だったという熱気球体験、これの手伝いに地平線会議関係の仲間内とともに僕も昨年誘われていたのだが、不忍ブックストリート・一箱古本市への出店のために行けなかった。でも今年は双方の日程のやりくりの仕方によってはひょっとしたら行けるかもしれないので、前向きに検討中。モンベルの会員を今月で丸13年もやっているのに、これにはまだ一度も行ったことがないからなあ。なんとかしたい。

※10年2月19日(金)の追記
取り急ぎの報告。上記の今年のモンベルの催事「トライ&キャリー」への安東さん主導の熱気球体験、開催日程と安東さんの都合が折り合わず、今年は参加見送りとなった。残念。今後、別の機会はあるのかしら。
僕はこれへ行くのを前向きに考えていたので、うーむ。ひとりでふつうに客として行こうかなあ。それとも予定は振り出しに、白紙に戻すか。となると、今年の黄金週間中は何をやろうかなあ。まあ、ほかにもやりたいことはいろいろあるんだけど。


※10年4月下旬の追記
この番組、3月で終了しちゃったのね。残念。