新会社法で小資本で起業!

新会社法施行に合わせ少資本で起業しました。
その時起きた意外な問題など、いろいろ綴って行きたいと思います。

特許の先行技術調査支援制度の紹介

2007-09-30 | 知的財産権

本日特許先行技術調査の支援制度を紹介する文書が届きました。
発送社は、ある大手企業の100%子会社です。

先行技術調査というのは、既に出願されている特許の前に同様の出願がなされているか調査するというものです。
その先行技術の支援制度とは、中小企業や個人が行った出願について一定の条件を満たせば、調査事業者に対して特許庁が費用を支払ってくれるというものです。


この制度の趣旨は(おそらく)2つあります。

まず1つ目は、中小企業や個人が審査請求しやすくするということです。
審査請求には基本部分として168600円、請求項ごとに4000円かかります。
この金額は安くはありません。
それで、いざ審査請求しても特許として認められないとなると非常に痛いと感じる方が多く、出願されても審査請求されない特許が少なくなかった訳ですね。

しかし、無料で先行特許も調査してもらえるということなら、ひとまず調査依頼しやすくなります。
その上で審査を通る可能性が高いということなら審査請求しやすくなりますし、審査を通る可能性が低いと言うことなら審査請求しないで済みます。


2つ目は、特許庁の審査負担の軽減です。
この点については、私の推論ということで触れさせて頂きます。

特許庁からの委託によって特許審査のための先行技術調査を実施する組織を登録調査機関と言いますが、その中でも特に特許庁長官の登録を受けたものを特定登録調査機関といいます。

ここが交付した調査報告書を提示したら、審査請求料が若干軽減されて基本部分が134900円、請求ごとに3200円となります。
大企業などなら特許調査を依頼した場合にはお金がかかると言うこともありますが、特許調査を利用するように政策的に誘導している訳ですね。


審査に時間がかかりすぎると批判されがちだった特許庁としては、審査の負担を軽減する必要がありました。
そのため、審査にかかる手間を減らす必要がありましたが、その手段の一つとして信頼性の高い先行技術調査を利用するという方策を採ったと思われます。

これは、実質的に特許庁による一種のアウトソーシングと考えることもできます。
そして、その実現のために審査請求料の軽減などの誘導策を採ったと言えるのではないでしょうか。
その後創設された審査請求料返還制度もこの流れに沿うものと言えます。


知財立国の政治目標を達成するべく中小企業や個人の技術やアイデアを活かすと同時に、審査期間短縮を計るというジレンマを解決する方法としてはうまいやり方だと感じました。。。



 

 



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