いまさらなんで日銀短観か、というと、
手元に届いたのが、25日だったから。
公表が14日だから、プリント版が手元に届くまでに、
10日もかかったことになる。
この後、本体が届くわけだが、年明けになりそうな感じだ。
すでに内容はウエッブページで公開済みで、
新しいことは何もないんだけれど、
毎度毎度プリントアウトするのも紙がもったいないし、
おいらの場合、別に情報の最先端を行く必要があるわけでもないので
プリント版が手元に届いてからのんびり眺めれば、それで十分なわけ。
で、肝心の内容だが、、、
特にいつもと変わり映えしているわけではない。
仕事上、取引先として重要なのが
自動車及び生産用機械なのだが、
業況判断は、
すでに報道されている通りで、景気の急速な悪化が見込まれている。
特に自動車大手は、変化幅が-28と、他にちょっと比べるものがないぐらい
著しく変化しているが、これは9月調査がプラスの19と、ちょっと、楽観的過ぎたため。
エコカー減税打ち切りなどの要因もあり、すでに9月時点で
先行きは-5だったわけだから、今回-9になったというのは、
もしかしたら、それほど急激な悪化とも言い切れないのかもしれないが、
それでも-28というのは、大きすぎる。需要の先食いで済まされる変化では
無いでしょう。同じ自動車産業でも中小になると、変化幅は-20と、
大手よりむしろ小さいが、これは、すでに9月調査時でプラスの4でしか無かったため。
業況自体は-16と、かなり悪い。
生産用機械のほうは、それに比べればややましという感じではあるが、
鉄鋼業は、自動車を上回ることはるかにひどい。
そうした中で堅調なのが通信、対事業所サービス、対個人サービス、物品賃貸などの、
特に大手。中小はいずこも厳しいが、それでも通信はかなりよい。
ちなみに、通信の大手は、9月調査時で48、今回は悪化したといっても40。
2ページ目の価格判断であるが、
中小は、販売価格はマイナス、仕入価格はプラスという状態が
ずっと続いている。中小企業では全業種で「上昇」が「下落」を上回っている。
他方、仕入価格はすべて「上昇」が「下落」を上回っている。
販売価格が軒並み-20%であるのに対し、仕入価格のほうは
8%程度ではあるが、中小企業が完全に供給過多であることがわかる。
(あるいは、交渉力のなさによって
スクイーズされてしまっている)
他方、大企業でも販売価格は上昇が下落を20%近く上回っているものの、
仕入価格判断では、加工業種は下落が上昇を上回っている。
製造大企業全体ではマイナスである。大企業と中小企業の非対称性、
大企業が価格を、いわば「逆転嫁」している状況がうかがわれる。
さて、設備投資などが、期待よりよかったことなどは
すでに報道されている通り。
それより企業金融では、資金繰りは
大企業16、中堅企業10、中小企業-5
金融機関の貸出態度判断では
大企業は16、中堅で15、中小は3と、
ここは中小も「緩い」が「厳しい」を上回っている。
貸出金利判断はすべてマイナス、
手元流動性比率は9月末で
大企業1.17、中堅1.30、中小企業は2.17で
資金繰りの厳しさを反映して手元流動性比率は
中小企業のほうが大きくなっている。
全般的に、企業の間での格差が広がりつつある状況が示されている。
中小企業の生産力は、
結局、供給過剰であり、それがてことなり、
仕入サイドと販売サイド両面からスクイーズされている状況が
はっきりする。
と、いうわけで、続きは、また今度。
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