断章、特に経済的なテーマ

暇つぶしに、徒然思うこと。
あと、書き癖をつけようということで。
とりあえず、日銀で公表されている資料を題材に。

アメリカの国家貨幣論(MMT)について①続き

2013-12-02 00:12:36 | 日銀ウオッチ
さて、簡単に、

徴税のオペレーションを
簿記の仕分け形式で説明。

徴税が行われるとき、

申告済みの企業Aは、政府に対する債務者となっている。
企業Aが銀行にて納税を済ませるとき、
企業Aの仕訳は

借)未払税金  xx
貸)預金  xx

となる。(税金は、預金から引き落とされると想定)

この時、銀行側(銀行X)では

借)企業A xx
貸)準備預金 xx

企業Aというのは、企業A名義の預金口座である。
ここから、Aの申告額が引き落とされる。
これによって、銀行Xの企業Aに対する債務が減少する。
それと同時に、銀行Xは、中央銀行に政府への支払いを依頼する。

さて、中央銀行であるが、

借)銀行X xx
貸)政府 xx

銀行側への債務である準備預金が減り、
政府預金の残高が増加することになる。

当然のことながら、準備預金の減少は
その何倍かのマネーストックの減少を引き起こすことになる。
勿論、個々の納税額は全体から見ればわずかであるケースが多く、
中小企業などが納税手続きをするたびに中央銀行が市場に介入するわけではないが、
大きな金額のベースマネーが政府預金に振り替えられる場合には
中央銀行は、あらかじめ
買いオペレーションなどによりベースマネーの残高を増やしておき、
納税(あるいは、国債発行などの場合も同じだが)による
ベースマネー減少の影響(主として金利が
目標水準より大きく低下すること)を
防止しようとする。

つまり、実際には戦後、各国の中央銀行が行ってきたことは
目標金利水準があれば、その近傍に実際の市場金利を維持するように
資金需要に合わせてベースマネーを供給していたのであって、
一定のマネーストックの下で、銀行の貸出金利が
上下するような、主流派経済学の教科書に載っているような
オペレーションは、かつて行われたことがなかった。
(ただし、ここにきて、アメリカにせよ日本にせよ、
ゼロ金利政策の下で、ベースマネーを増やし続けている結果、
このような政策は行いようがなくなった。
逆に、超過準備預金に対して金利をつけることによって
実質的にこの金利水準のほうが
インターバンクレートの下限を画するようになってしまった。)
結局、実際に中央銀行が行っていたことは
ホリゼンタリストやアコモデーショナリストが言う通りで
外生変数とされるべきは金利(インターバンクレート)であり、
マネーストックではなかったのである。
また、繰り返し強調するが、
我々が日々生活する中で
納税は、銀行預金でも紙幣でも(印紙を購入する場合など)、
どちらでも同じように行われると感じられるかもしれない。
だが、実際に納税ができるのは
連結政府部門(State)の債務であるベースマネーであって、
銀行預金が納税のため引き落とされる、というのは
単に、銀行が、納税者に代わって納税を行う際に
その分、納税者に対する銀行の債務を減額しているに過ぎない。
実際には、ベースマネーでしか
納税は行えないのである。


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