断章、特に経済的なテーマ

暇つぶしに、徒然思うこと。
あと、書き癖をつけようということで。
とりあえず、日銀で公表されている資料を題材に。

昨日の補足の補足

2012-11-11 22:00:50 | 日銀ウオッチ
え~、昨夜の、家計のインフレ期待が
家計の消費支出に、どう影響するか、という話なのだが、
補足に補足をする、という
なんだか、えらく恥ずかしいことになってしまった。

というか、②の、現にインフレが進行中なのか、
現時点ではインフレが進行していないのか、ということなのだが、

これは、家計が、自分たちのインフレ予測について
どの程度確信を持っているかの判断に、大きく影響することになる。

つまり、家計は、アンケートでは
「1年後の物価は、現在の物価水準より
上昇している」と答えたとしても
それほど確信があって答えているわけではない、と、おいらは推察している点は
昨夜、だったか、今朝だったかに書いた通り。
要するに、現在の経済状況に対する漠然とした不安が
物価上昇という表現形態をとって現われてきている、と思われるわけで、
それゆえに、実際のインフレ目標などの話題は、
家計の将来に対する不安を高めることとなり、
むしろ消費支出には悪影響を及ぼすことになるのではないか、と、
そう述べたわけである。
家計が将来の貨幣収入が安定している、ということに
ある程度の確信を持っていないと、
物価上昇の予測は、かえって消費支出を引き下げることになる。
同時に家計は、将来に対する漠然とした経済的不安を
物価上昇に対する不安という感覚で自己表出してしまうため、
物価上昇に対する不安は、それがどのような原因に基づくものであれ、
つまり、原油価格の上昇や生鮮食品価格の上昇も
中央銀行による金融緩和による貨幣供給量の増加も
等しく物価上昇の可能性として受け止められてしまうため、
インフレ政策は、現在の消費支出をかえって引き下げることに
つながってしまうのではないか、ということである。

ところで、この話は、現在の日本を念頭に置いていた。
つまり、現実に、インフレが存在せず、むしろデフレ的な状況が
つよいことを想定していたのである。
実際に、世の中がインフレであれば、どうであろうか。
この場合、「1年後の物価水準に対する予想」は
全く異なった意味を持ちうる。
まず第一に、インフレ予想は、確信を伴う。
1年後の物価が現在の物価より高くなるであろう、
という予測は、漠然とした不安ではなく、
現在の状況の印象をそのまま引き伸ばしただけのものである。
ただし、この場合でも、将来の貨幣所得に対する確信が
最終的には物を言う。
景気がよく、需要超過によるインフレであるなら、
これはますます消費を増やし、ますますインフレを加速するであろう。
他方で、輸入資源の高騰などの理由で物価上昇が起こり、
国内の雇用情勢がむしろ不安定な状況では、
やはり、消費支出を抑制する傾向が強くなるであろう。
ただし、その場合でも、価格が高くなる速度が速いものについては
需要が増え、いっそう価格を引き上げることにつながるかもしれない。
オイルショック後の、いわゆる狂乱物価でみられた現象である。
これは相対価格の問題であると同時にインフレの問題でもある。
これは、将来の貨幣所得が不安定になるにもかかわらず、
物価上昇について確信が持たれ、
特定製品に対しては、家計の支出が増えるという例である。

いずれにせよ、
インフレになれば、家計が消費支出を増やす、とか、
企業が投資を増やすとか、
一概には言えない。経済環境によっては、
むしろ正反対に働く可能性もあるのだ。


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