断章、特に経済的なテーマ

暇つぶしに、徒然思うこと。
あと、書き癖をつけようということで。
とりあえず、日銀で公表されている資料を題材に。

e-tax の件(承前)

2012-11-22 21:58:04 | 日銀ウオッチ
e-tax というのに、初めて挑戦することになった。
何をいまさら、といわれてしまいそうな半面、
e-taxって何よ?と、いう人も多いのではないかと思う。
これは、”電子申告・電子納税”の、愛称である。
どこがどう愛称なんだか、よくわからないが、
それはともかく、
勤務先で、今年こそは、法人税の
電子申告を実行しよう、というのが、
当面の目標である。いや、何も難しいことはないのだが、
めんどくさいだけで、いいことは一つもない。
そういうものは、この合理化の折、
できるだけ、避けるべきだ、というのが
近代企業のあるべき姿だと思うのだが。。。
(何でもかんでも電子化・オンライン化すれば
いいというわけではない。そういう料簡では
結局、コンピューターを使うのではなく、
コンピューターに、遊ばれてしまう。)

e-tax については、何年か前までは、
法人会の税制説明会に出るたんびに、
宣伝ビデオを見せられて
(といったって、最初に見た時以外は
いつも居眠りばっかりしていたので、
いかにも恩着せがましく言うのも、
気が引けるが)、まあ、内容を説明すると、

太っちょの、さえない感じの、
いかにもちっちゃな会社の社長さんが
あたふた書類をまとめている。

それを見て、二人の若い女性の事務員、
一人はちょっとベテラン、もう一人は
今年入社したての新人みたいな感じ、
その二人が、ひそひそ会話している。
「社長、今の時期になると、
毎年、忙しそうですね」
「税金の申告で、
大変なのよ」
(入社したてのOLみたいなのが、
「毎年」って、ちょっと、変じゃない?
っていうか、毎年見ているんだったら、
税金の申告だなんて、
先輩に訊かなくたってわかりそうなもんだが。。。)
「ふうん、そうなんですか。。。。」

で、書類をまとめて、あたふた税務署に向かう社長。
(歩きかよ!)
道端で、立ち話をしていた知り合いの、
イケメンの、いかにもやり手です、風の社長に
声をかけられる。
「おおい、忙しそうに、どこに行くんだい」
(忙しそうって思うんだったら、
こんなところで声なんかかけるなよ!)
「税金の申告だよ。」
「なんだ、お前、まだそんなことやっているのか。」
「そんなことって、お前、申告しないのか」
「俺は、イー・タックスで、済ませたさ」
「いー・たっくす?」

と、ここで、突然画面が
スタジオに切り替わり、白いスーツを着た
女性アナウンサーが、解説を始める。
「e- tax というのは…」

まあ、このブログは税務署の回し者ではないので、
e-tax とやらを始めると、どれほどありがたい特典に
恵まれるのかの宣伝は、差し控える。
ともかく、いいことづくめらしい。。。

だが、おいらの勤め先は、
長らく、こんなe-taxは、やっていなかった。
社長からは、早くやれやれ言われていたのだが、
と、いうのは、
社長は、地元の法人会の役員をやっており、
その役員の会社が、いつまでたっても、
e-taxを、はじめない、ということで、
肩身が狭い思いをしていたらしい。

ところが、だ。
実は、わが勤務先は、以前からすでにe-taxでの
申告をやっていたらしいのである。
というのは、おいらの勤務先の会社は
まあ、よくある中小企業で、
税金の処理はすべて税理士に任せていた。
で、税理士のほうには、税務署から、
e-taxを行うように、
会社とは別に、依頼がうるさく届いていたらしい。
だから、税理士のほうでは、
申告の手続きだけだから、ということで、
もう大分せんから、e-taxで申告していた、
というのである。ただし、
納付のほうは、会社のほうでやっていた。
これは、当然のことだが、
それぞれの会社で当然資金繰り計画というのは
ある。法人税なんて、いくら分割したところで、
まとまった出費であり、
税理士のほうで、勝手に納付などされて、
引き落とされて、残高が足りません、
なんてことになったら、大変だ。
かといって、いちいち相談しながら、
資金繰りを説明して、
税理士と日程を打ち合わせて、
それで納付なんて、
かえって手間と時間がかかってしまう。
会社も面倒だが、
いくつも顧客を抱えた税理士のほうは、
新たに「顧客納付日程管理」(なんじゃそりゃ)なんて仕事まで
抱えることになる。
だから、当然、申告は税理士でも
納付は会社、ということになる。
ところが、このe-tax、一つの法人(あるいは事業所?
要するに課税の対象)に対しては、
一つの端末しか、登録できない。
だから、申告を会計事務所、
納付は会社、などというわけにはいかないのである。
あほか?とでもしか、言いようのない「制度設計ミス」であるが、
さらに、ばかげたのは、その制度設計上のミスのしりぬぐいを
民間の企業に押し付けようという国税当局の
姿勢である。

まあ、上記の次第で、
社長にやいのやいの言われたおいらは、
面倒くせえなあ、こんなことやったってやんなくたって、
変わりゃしねえのに、、、、
(残念ながら、毎年ビデオを見せられたにもかかわらず、
いや、居眠りばっかりしていたせいかもしれないけれど、
結局、全く啓蒙されなかった。。。)
と、思いながらも、
システムを自分の利用している端末に
ダウンロードしてしまったのである。
それから数日後、
突然、税理士先生から怒りの電話が!
何でも、申告しようとしたら、
全然申告できない。税務署に問い合わせたら、
会社で新たにダウンロードしたから、
もう、税理士事務所のパソコンからは
申告できない。何の相談もなしに、
勝手なことをやって、いったいどういうつもりだ、
と、言うわけだ。
いや、どういうつもりもこういうつもりもないんだが。。。

税務署に催促されて、税理士事務所のほうでは
仕方なしに、e-tax で申告をしていた。
ただし、納付は(上述の理由で)やっていない。
申告だけだったので、
会社のほうには、特にe-tax をやっていますよ、
なんて報告はしなかった。
ところが、社長のほうは、そうとは知らず、
法人会の席では
いやあ、うちはまだ、e-tax 導入していないんですよねえ。
えへへ、とか、勝手に、肩身の狭い思いをしていたわけだ。
そして、会社に戻ってきては、
おいらに言う。うちの会社も、早くe-tax を、導入しなきゃ。
で、おいらが、システムをダウンロードしたところで、
件の騒ぎ。
まあ、税理士事務所とうちの会社のコミュニケーションも
問題多いと思いますよ、そりゃ。普通じゃないよね。
けど、税務署というか、システムのほうも
おかしいと思うんだけどね。
だって、極端な話、
おいらが社長とけんかして、
解雇されて、
何だあの社長、気にいらねえ、どうしてやろうか、
ってんで、
自分の家のパソコンに、会社の名義で
システムをダウンロードしてしまえば(代表者の名前や
生年月日などの情報が分かっていれば、
誰でもできる)、もう、会社では
電子申告できなくなってしまうわけだ。
もちろん、それで会社にさしたるダメージを与えることが
できるわけではないが、
せこい嫌がらせとしては、
十分なものではなかろうか。
申告が必要なのは法人税だけじゃない。それぞれの税金について、
申告が遅れれば
それぞれ罰則がある。
そういう申告が年間たびたびあるのだから、
ある日突然、いつも使っているもんが使えなくなった、となれば、
やはり会社としては、少なくとも、経理財務の担当者としては
そうとう焦る場合もあるだろう。
さらに言えば、上記のような、制度設計上の
ミスである。申告と納付が別々にできないとなれば、
税理士に任せていた仕事も、
結局、すべてを会社でやるしかない。
手間が減るどころではない。かえって増えるのである。
要するに、これは、税務署なり国税局なりが、
楽するためのシステムであり、
どうも納税者にとってありがたいものでは
ないようなのである。
こんなくだらないシステム導入のため、
いったいいくらぐらい、血税が投入されたのだろう。
ちっとは、役所の合理化=人減らし、になるのだろうか。
(それがいいのか悪いのかはよくわからないが。)

しかし、問題はそんなことにはとどまらない。
話はさらに、
住民基本台帳や、住基カード、
(ここで話がわき道にそれて、
カードリーダー製造販売業者の利権の問題)

そして、そこから、国家制度の在り方や
国家財政基盤の話(近代国家における貨幣納税システムの
役割)へと、つなげるつもりだったのだが、
(さらには、そこから近代貨幣制度や
クナップ、ミッチェル・イネスの
tax driving view へ、と続いて、
やっと、日銀が登場する段取りだったのだが。。)

眠くなってしまったので、
今日はここまで。なんだか、話の前ふりで終わってしまったが。。。

続きは、もしも気が向けば、
明日。


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