一人ディズニー見聞録

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クレヨンウォーズ エピソード1997

2023-05-04 09:52:40 | テレビ
「May the Force be with you.」。これは、大人気SF映画『スター・ウォーズ』シリーズで頻繁に用いられるセリフだ。


「フォースと共にあらんこと」をという意味だが、この言葉は他の意味も成している。「May」は5月の「May」と同じスペルで、「Force」が「4日」を表す「4th」と同じ読みのため、5月4日は「スター・ウォーズの日」となった。


『スター・ウォーズ』シリーズは、1977年に第1作目『~エピソード4 新たなる希望』が公開され、2019年には9作目となる『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』が公開され、世界的に大ヒットするなど、最初の作品が公開されてから45年が経った今でも大人気シリーズとなっている(しかも、スピンオフものは今でも作られている)。


しかし、それだけ長く作られていると、『スター・ウォーズ』シリーズをオマージュやパロディ化させた作品も多く作られてきた。その代表作がハリウッドのパロディ映画の巨匠、メル・ブルックスが製作した『スペースボール』(1987)だ。『~エピソード4』から『~6』のストーリーをベースに、ダースベイダーやチューバッカたちをを面白おかしくさせ、『エイリアン』や『猿の惑星』等の名作SF映画の演出を盛り込んでいる。


さらに『スペースボール』は、『スター・ウォーズ』シリーズの監督、ジョージ・ルーカスが正式にパロディ化を許可した作品だ。ルーカスがブルックスのファンであったためパロディ映画が実現したが、パロディ化される側から許可が出たのは相当珍しい。


『スペースボール』公開後も、多くの『スター・ウォーズ』パロディが製作されたが、中でも1番おふざけが過ぎていたのが、日本の大人気アニメ『クレヨンしんちゃん』のテレビスペシャルで放送された『クレヨンウォーズ』だ。同作のストーリーは、『スペースボール』と同じく『エピソード4~6』をベースにしている。


宇宙征服を企む悪の化身「アーシ・クセイダー(野原ひろし)」は、ニンニク星の「スーパーニンニクエキス」を手に入れようと、ニンニク星の王女「バーゲンセール姫(みさえ)」を誘拐した。それを伝えるべく、彼女の部下の人工ロボット「A.P.U(シロ)」は、遠い惑星に住むさすらいの5歳児「しんのすけ」とジジイの「銀之助(野原銀之助。ひろしの父)」に助けを求めた。事情を知った2人は、バーゲンセール姫」を救いに行くのだが、果たして救出することはできるのだろうか。


『クレヨンウォーズ』の醍醐味は、本家をかなり面白おかしくさせたパロディ演出だ。例えば、バーゲンセール姫のホログラムが巨乳美女になっていたり、ハン・ソロ役のレオナルド・デカ・ブリオ(ぶりぶりざえもん)が、しんのすけたちを裏切って帝国軍側に寝返るなど、『クレヨンしんちゃん』らしさ全開のものになっている。


中でも、今の時代にやったら『スター・ウォーズ』シリーズを製作するディズニー社から即クレーム、ネットで炎上しそうになるのが、ライトセイバーを使った戦闘シーンだ。原作では手に持って使うが、『クレヨンウォーズ』では、股間に挟んで使用するのだ(劇中では「由緒正しい戦い方」と紹介)。しかも、ひろしや銀之助のライトセイバーの光の部分の長さは同じだが、しんのすけが使うとめちゃくちゃ小さくなるのだ。

<由緒正しい戦い方をするアーシ・クセイーダーと銀之助>

あまりにもくだらないが、下ネタが許されていたアニメだから使えた演出だ。『スター・ウォーズ』シリーズに下ネタをぶっこむのはなかなか勇気がいるが、それを成し遂げた『クレヨンしんちゃん』製作陣は勇敢だ。ディズニー社から訴訟を起こされそうな演出を手掛けられたのは、まだ『スター・ウォーズ』がディズニーの手に渡る前ということも、下ネタ演出が許された要因かもしれない。


『クレヨンウォーズ』が放送されたのは1997年。つまり、第1話『~エピソード4』が公開されてちょうど20年という年に作られたのだ(ちなみに『スペースボール』は『~エピソード4』から10年後に公開)。これは偶然か、それとも狙ってやったのか。真相は分からないが、今まで観た『スター・ウォーズ』パロディでは1番面白い作品なので、GW中に是非観てみてはいかかだろうか(Youtubeで「クレヨンウォーズ」と検索すれば出てくる)。



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