一人ディズニー見聞録

ディズニーを切り口に世の中の出来事を紹介しています。ディズニーソングのコンサートレポートも書いています。

インパでストレスフリー③ 行きたいところ以外への移動は避ける

2022-11-27 07:09:00 | メンタル
4620。

これは、『東京ディズニーランド パーフェクトガイドブック 2023』の編集部が独自に調べた、東京ディズニーランド内を一周した際の歩数だ。

20代の成人男性の歩数データになるが、4620歩の距離、消費カロリー、歩数時間は次の通りだ。

・距離:約3.3㎞

・消費カロリー:142cal

・歩数時間:43分

これらの数字は、あくまで20代男性の4620歩のデータであるため、実際にランドで同じ歩数歩くと、距離や時間は大きく変わってくるだろう。

ランドを1周する歩数が4620歩という数字は、普段自分がランド内を歩く歩数の約3分の1だった。言い換えると、自分は普段からランドで12000歩以上を歩いていることになる。すなわち、歩行距離は約9.9㎞以上、消費カロリーは426カロリー以上消費していることになる。

自分が今年行き始めた頃は、1日平均約2万歩も歩いており、多いときは1日3万歩近く歩いている時もあった。1日2万歩という数字は、4620歩の約4.5倍にあたるため、移動距離は約15㎞、消費カロリーは639calとなる。

半日で約15㎞も歩くと、当然身体への疲労は大きくなり、夜になると疲れがどっと押し寄せることが多々あった。その結果、閉園1時間前にミッキーに会いに行った際は、30分待ちにも関わらず立っているのが辛くなり、壁に寄りかかりながら並ぶほど疲れていた(それでもミッキーに会うと、疲れが吹っ飛び笑顔で写真を撮った)。

歩けば歩くほど、体力は減って疲れが貯まっていく。身体が疲れると同時に心も疲れてくる。そうなると、心に余裕が無くなっていき、些細なことが気になり、自分の思い通りに行かないことへイライラするなど、強いストレスがかかっていく。その結果、楽しい時間を過ごせる場所で楽しむことが難しくなり、ストレスを抱えながらパークで過ごすことになると思う。

歩き過ぎの疲れから来るストレスを軽減する対策の一つに、行く前に自分が行きたいと思うエリアを決め、当日はそのエリアから離れたエリアへの移動を控えるという方法がある。

行くエリアを決めずに、当日行き当たりばったりで行動すると、東京ディズニーリゾートの公式アプリで待ち時間を調べ、待ち時間の少ないアトラクションに行こうとし、今いるエリアから遠いエリアへと向かうと予想される。

しかし、歩いていれば知らずに体力が消費され、疲労が溜まり、心も疲れてストレスを感じやすくなる。実際にパークにいると、互いにイライラしてケンカをするグループや、目に見えて疲れているゲストをよく目にする。たまに彼らの会話を聞いていると、多くのことをやろうとして、あっちこっち歩き回っていることが分かった。

言い換えると、パークでやることをある程度決めておけば、行き当たりばったりで行動しなくなるため、歩き疲れを軽減することができる。

実際に自分も、行くところを前日までに決めたことで、当日歩く歩数は約2万歩から12000歩まで激減した。さらに、この1ヶ月はランドにいるときは、歩数が1万歩近くまで減っており、歩き疲れから来るストレスを感じにくくなった。むしろ、あまり疲れていないため、毎回快適に過ごせている。

また、当日パークに行く目的が決まると、「そこから離れたエリアには行かなくてもいっか」という割り切る気持ちが出てくる。割り切ることの大切さは、今後詳しく書いていこうと思うが、割り切りの気持ちは身体と心にゆとりを持たせる効果があると思う。

パークで歩き疲れによるストレスを軽減させるには、パークでやりたいことを決める、それが出来るエリアから遠いエリアへの移動はなるべく避ける、という方法がオススメだ。

過去と他人は変えられない(東京ディズニーリゾートの展示会を通じて)

2022-11-23 07:09:00 | イベント
「ああ、行っておけば良かったな」。多くの人は、この感情を一度は抱いたことあると思う。

先日、東京ディズニーリゾートのイクスピアリで行われている展示会「アンコール・ザ・モーメンツ」(以降アンコール)に行ってきた。

来年2023年に開園40周年を迎える東京ディズニーランドを祝して、東京ディズニーリゾート40年間の歩みを紹介した「アンコール~」は、過去に行われたパレードやショーの映像から実際に使われた衣装やフロートの模型が展示されている展示会だ。

東京ディズニーリゾートの歴史を堪能できる「アンコール~」の展示コーナーは、自分がリアルタイムに行ったイベントを紹介するコーナーはもちろん、リアルタイムで行ったことがないコーナーもじっくりと見ていた。



〈一番思い入れのある展示物、「ワンマン・ズ・ドリームⅡ」〉

しかし、自分が実際に見に行ったショーやパレードの展示コーナーと、そうではないところの自分の認知には、大きな違いがあった。それは、自分が行っていない時の展示コーナーを見ている時「あの時行っておけば良かった」、という後悔の気持ちが強く出た。

「アンコール~」は、東京ディズニーリゾートが開業してから40年間のショーやパレードの衣装等が展示されているが、その中でも2010年代に行われたイベントの展示物が多かった。ちょうどその頃は、自分がパークに行っていなかった時期であったため、ほとんどのショーやパレードを知らなかった。

2010年代は学生時代だったため、行ける時間は存分にあり、またお金も学生料金で安く入れるという、今考えるとかなりお得な時期だった。しかし、一人で行くことへの恐怖や「自分みたいな人間は、夢と魔法や冒険とイマジネーションの世界に行ってはいけない」、と変な思い込みをしていたため、意図的にパークから足が遠ざかっていた。

誰に対してもディズニー好きを公言している現在の自分からすると、学生時代にパークを遠ざけていたことを後悔している。だから、「アンコール~」で2010年代のイベントの衣装や映像を観ていると、「なんで行かなかったんだ」という後悔を感じるのだ。

「アンコール~」を見終えた後、後悔の気持ちが少し尾を引いていたが、あるアメリカの心理学者の言葉を思い出した「過去と他人は変えられない」。

この言葉通り、意図的にパークに行かなかった時期に開催されたショーやパレードは、もう一度やってくれない。それに、そのイベント時に行かなかった自分を責めても仕方ない。

変な思い込みから、パークに行くことを遠ざけていた過去は、過去に過ぎない。むしろ、自分が心から好きなものを無理に遠ざけてはならない、ということが学べた。

この学びから、東京ディズニーランドやシーで何かしらのイベントが行われたら、必ず足を運び、思いっきり楽しもうと思った。

「アンコール~」は、過去の自分の東京ディズニーリゾートでの思い出を甦らせ、加えて「過去と人は変えられない」という言葉を思い出させてくれた素晴らしい展示会だった。

ミッキーとミニーへの誕生祝い

2022-11-18 07:28:00 | キャラクター
「ミニーちゃん、1週間早いけどお誕生日おめでとう!!」。そう言うと、彼女は驚きそしてめちゃくちゃ喜んだ。

11/8(火)から東京ディズニーランド、シーでクリスマスのイベントが始まった。3年ぶりの本格開催ということで、ランドとシー共にパーク全体がクリスマスのデコレーションが施されている。

2週連続でランドに行っていて、既にクリスマスのパークを楽しんでいる。しかし11月のパークは、クリスマスのイベント以上に楽しむことがある。それは、11月18日(金)に誕生日を迎えるミッキーとミニーをお祝いすることだ。

約半年前、ランドのキャラグリ(キャラクターグリーティングの略)でミッキーとミニーに会い、そこで誕生日を祝ってもらってから、ランドならびにシーに行った際は、必ず彼らに会うようにしている(特にミニーちゃん)。

ミッキーとミニーは、満面の笑顔で挨拶し、自分がよく着ているミッキーがプリントされた服やぬいぐるみバッジを褒めてくれる。さらに、写真を撮る際は、同じポーズを考えてくれて、そして直筆のサインをしてくれる(10/1~)など、ミッキーとミニーはゲストに対して目一杯のおもてなしをしてくれるのだ。

元気いっぱいにゲストをもてなすことが得意なミッキーとミニー。彼らに会うと常々感じるのは、2匹は共(彼らはネズミ)にとても幸せなオーラに包まれているのだ。最初は分からなかったが、会っていくうちにミッキーとミニーからは、幸せなオーラが溢れ出ていることに気がついた。どんな形をしているのかは説明が難しいので、実際に行ってみて確認してほしい。

目に見えやすいものではないため少し信憑性には欠けるかもしれない。では、ミッキーたちから幸せなオーラが出ていると仮定して、なぜ彼らからそのようなものが出ているのか?

その答えは、ミッキーとミニーが常に私たちゲストへ様々なものを与えてくれているからだ。彼らは素敵な笑顔と仕草でその日会ったゲストに、元気や幸せ、さらには日々の生活や将来の夢へのモチベーションも与えてくれる。つまりミッキーたちは、私たちに元気や幸せを提供しているから幸せや元気なオーラを放っているということになる。

詳しい内容は後日書くが、実際に心理学でも相手が喜ぶことをすることで自分も嬉しくなるということがある。ミッキーとミニーは、それが実践できているため、私たちには常に幸せな雰囲気でいるように見えるのだ。

相手の喜ぶや幸せになることを与えることで、自分も同じく喜び幸せになるなら、今までミッキーたちから与えられてきたことをやろうと思った。

そこで、11月にパークに行ってミッキーとミニーと会うときは、彼らのバースデーカードを書いて渡すことにした。

そして先週。ミッキーのカードにはミニーのサインを、ミニーのカードにはミッキーのサインをしてもらい、彼らに直接手渡してきた。すると、ミニーは冒頭文のような反応をし、ミッキーも同じような反応をしてくれた。



〈バースデーカードに驚き、喜ぶミッキー〉

相手を喜ばすことを行った結果、自分も嬉しくなり幸せな気分となった。この感覚は翌日まで続くなど最高の時間だった。

東京ディズニーリゾートは、11月上旬から絶賛クリスマスのイベントを行っているが、自分にとっての11月は、ミッキーとミニーをお祝いし、自分も彼らと同じく幸せな気分を味わう時間だった。

ディズニー・オン・クラシック 2022 11/13公演 第2部

2022-11-16 07:21:00 | コンサート
11/13(日)、「ディズニー・オン・クラシック ~まほうの夜の音楽会 2022」が東京国際フォーラムで行われた。昨日は第1部を紹介し、本日は第2部を紹介する。

第2部が定刻通りに始まり、ナビゲーターのささきフランチェスコさんと指揮者のリチャード・カーシーさんのトークセッションが行われた。フランチェスコさんはリチャードさんに、ディズニー・オン・クラシック(以降オンクラ)への想いや日本で何がしたいかなど、3年ぶりに来日したリチャードさんに様々なことを聞いていた。

その中でリチャードさんは、日本の歴史や文化を知るために、休養日に明治神宮に行ったと話してくれた。外国人が、来日した際に日本の文化や歴史を知りたい、と言ってくれると、彼らとの距離感が近くなった感じがする。リチャードさんが、日本について知りたい姿勢は、観客との距離感を縮めた瞬間だった。

第2部は、大人気作品『ノートルダムの鐘』から演奏された。この演目は、歌唱パートのあるカジモド、エスメラルダ、フロロー、クロパンを演じた4人のシンガーに触れながら紹介しよう。

まずは、ノートルダム大聖堂の鐘つき男・カジモド役のパトリック・ブレイディさん。パトリックさんは、2017年春のディズニー・オン・クラシック(以降オンクラ)でもカジモド役を務めていた。そのため、パトリックさんがカジモドを演じている時は、本物のカジモドがステージにいるように思えるほど、自分のものになっていた。そう感じたのは、パトリックさんもカジモドと同様に心優しい性格だからだと思った。

また、パトリックさんのカジモドは映画のカジモド以上に優しさ溢れ出ていて、観ていて心が暖まった。特に、カジモドが外の世界に出て人々と一緒に過ごしたいという想いを歌った『僕の願い』を聞いている時は感動して涙が出て来た。『僕の願い』は、第2部の序盤で演奏されたが、第2部のハイライトだった。

続いては、美しいジプシーの娘・エスメラルダ役のトリシア・タンガイさん。今年のオンクラは、第2部が2つの異なる演目が行われており、A公演(『ノートルダム~』はB公演)では『塔の上のラプンツェル』から演奏される。トリシアさんは、『~ラプンツェル』で魔女・ゴーテル役を務めているため、『ノートルダム~』でゴーテルと対照的なエスメラルダを演じることに驚いた。

しかし、トリシアさんは対照的な役柄も見事に演じ、エスメラルダが歌う『ゴッド・ヘルプ』では、曲の雰囲気と同じな優しさと愛情溢れる歌声で歌い上げた。またトリシアさんは、『トプシー・ダーヴィー』でエスメラルダのダンスシーンでも軽快な踊りを魅せて、会場を沸かした。トリシアさんは、歌だけではなく踊りも上手だった。

続いて、冷酷非道な判事・フロロー役のディロン・ヒープさん。明るく元気なイメージのあるディロンさんだが、その真逆のキャラクターであるフロローを見事に演じきっていた。ディロンさんは、フロローと対照的なキャラクターだからこそ、全力でフロローを演じきれたと思った。

フロローの最大見せ場は、エスメラルダへの歪んだ愛を歌う『罪の炎』の場面だ。重苦しいメロディと歌詞だが、人間臭さも残っている歌で、フロローになりきっていたディロンさんの歌声が歌の世界観を見事に表していた。

そして最後は、ストーリーテラー兼ジプシーたちのリーダー・クロパン役のアーロン・ヤングさん。2011年秋、2017年春に続く3回目となる来日を果たしたアーロンさん。以前の公演でも、クロパンを演じていたため、アーロンさんのクロパンは板についていた。

クロパンはストーリテラーという、影ながらストーリーを支える名脇役だ。オンクラ経験豊富なアーロンさんは、名脇役・クロパンを見事に演じていた。中でも、お祭りシーンで歌われる『トプシー・ダーヴィー』を歌っているときは、会場を盛り上げる雰囲気作りをしていた。アーロンさんは、会場を盛り上げるムードメーカーの役割も担っていた。

『ノートルダム~』は演目全体を通じて、重厚感と迫力がある曲が多くを占めている。そのため、迫力と適度な緊張感のある演奏が行われ、聞いている側は手に汗握る感じで聞いていた。

オーケストラとホールだからこそ、曲が活きていた。音の迫力が凄く、良い緊張感のある演奏が聞けた。聞いていて手に汗握る感じだった。しかし、そういう中で『トプシー・ダーヴィー』と『ガイ・ライク・ユー』は、ポップな曲調であったため、そのときはリラックスして楽しく聞くことができた。

『ノートルダム~』終了後、オンクラ恒例のアンコール曲『星に願いを』が演奏された。今ツアーの多くは、ヴァイオリニストの青木高志さんがコンサートマスター(以降コンマス)を務めるが、今日のコンマスはヴァイオリニストの真部裕さんが務めた。

ヴァイオリンのことは全く知らない素人だが、青木さんの音色は「柔」、真部さんは「剛」という感じがした。そのためか、真部さんがソロを務めた『星に願いを』は、同曲が主題歌の映画『ピノキオ』内に流れる曲と同じ感じだった。

1940年に公開されたことを考えると、真部さんのヴァイオリンは80年以上前の演奏と何ら変わらない音色だった。つまり、それだけ味のあるソロを真部さんは演奏してくれたのだ(青木さんの演奏も味があって素晴らしいです)。初めて聞いた真部さんのヴァイオリンソロに感動した。

真部さんのヴァイオリンソロと指揮者のリチャードさんが弾くピアノソロに合わせて、シンガー全員が日本語で『星に願いを』を唄った。

いつもなら、唄い終わった後に金テープが観客席に飛ぶのだが、『ノートルダム~』公演では、『星に願いを』の後に『ノートルダム~』のエンディング曲『サム・デイ』と『ノートルダムの鐘(リプライズ)』が演奏されて金テープが飛んだ。

午後4時50分頃、夢と魔法の時間は終わりを迎えた。3日連続のコンサート最終日にも関わらず、リチャードさん、オーケストラ、シンガー、そしてフランチェスコさんは疲れを一切見せずに、むしろ楽しみながらコンサートに挑んでいた。

出演者のパフォーマンス力の高さに驚き、そして感動した3日連続公演の最終日だった。

〈第2部セットリスト〉

①『ノートルダムの鐘』
『ノートルダムの鐘』、『巣立ちの朝』、『僕の願い』、『エスメラルダ』、『フロローの正義』、『トプシー・ダーヴィー』、『フェスティバルでの出来事』、『屈辱のモンスター』、『大聖堂』、『ゴッド・ヘルプ』、『ベルタワーへようこそ』、『大脱出』、『天使が僕に/罪の炎』、『災い』、『ガイ・ライク・ユー』、『胸の傷/天使が僕に(リプライズ)』、『フロローの罠』、『僕はどうかしてる』、『奇跡の法廷』、『ストップ!/一網打尽』、『サンクチュアリ!』、『フロローの最期』、『輝きの中へ』、『ノートルダムの鐘(リプライズ)』

②アンコール『星に願いを』、『サム・デイ』、『ノートルダムの鐘(リプライズ)』

ディズニー・オン・クラシック 2022 11/13公演 第1部

2022-11-15 07:08:00 | コンサート
11/13(日)、「ディズニー・オン・クラシック ~まほうの夜の音楽会 2022」が東京国際フォーラムで行われた。

この日は、第2部に『ノートルダムの鐘』から全曲演奏されるB公演の日で、(A公演は『塔の上のラプンツェル』。今年のディズニー・オン・クラシック(以降オンクラ)は、第2部が2つの公演に分かれている)、加えて3日連続で東京国際フォーラムで行われる最終日だった。

午後2時。定刻通りに第1部が始まった。オーケストラ・ジャパン(オーケストラ)の方々が音合わせを終えた後、ステージに指揮者のリチャード・カーシーさんが笑顔で登場した。

一昨日の夜、前日の昼と夜に公演を行い、疲れが顔に出てもおかしくない状態だったが、リチャードさんと演奏者の方々からは、そんな雰囲気が一切なかった。むしろ、「今日も元気に頑張るぞ!」という感じだった。

第1部1曲目は、東京ディズニーランド「ディズニー・ファンティリュージョン!」より『フェアリー・ガーデン』が演奏された。1995年~2001年の間にランドの夜のパレードで使用された同曲は、今までのオンクラでは何度も演奏されてきた人気の曲だ。

前回自分が観たツアー初日(9/10)のときは、オンクラが始まった2002年の映像が流れた時から感動して涙を流していた。しかし、今回は2回目ということもあり、映像が流れ初めてから泣かなかった。「観るの2回目だからか」なんて思っていたが、2018年の映像で、その年をもって指揮者を勇退したブラッド・ケリーさんが映し出されたときには、感情が高まっていた。

実際にブラッドさんが指揮者を務めるコンサートを観たことはないが、オンクラ初年度から指揮者を務めていたレジェンドの勇退する姿は、寂しさと感謝の気持ちを感じた。それが感情を高める要因になったのかもしれない。そして、自分が観に行った2021年の映像が流れた時は感動のボルテージがマックスとなり、勝手に涙が流れていた。

1曲目終了後、コンサートのナビゲーターを務めるささきフランチェスコさんとシンガーのみなさんが登場。出演者が全員登場したのは、2、3曲目をルーレットで選ぶ演出を見届けるためだ。

オンクラ開演20周年を祝う今ツアーでは、ディズニーソングのプロデューサーたちが選んだ3曲と、お客様リクエストから選ばれたパークミュージックの4曲をそれぞれルーレットで決めるお楽しみコーナーがある(曲のリストはホームページでチェック)。しかも毎公演行われるため、公演ごとにより異なった曲が演奏されるのだ。

国際フォーラム公演最終日ということで、気合いが入ったフランチェスコさんがパーク部門の曲を紹介する際に、思わず聞き逃してしまいそうになる早さで紹介した(しかも一切噛んでない)。アナウンサー並みの早さと正確さを兼ね備えたフランチェスコさんの紹介に、会場は盛り上がっていた

11/13の公演では、プロデューサー部門は『ハイスクール・ミュージカル』より『みんなスター!』。パーク部門では、東京ディズニーシーで2009年、2010年に開催されたハロウィーンショーの『ミステリアス・マスカレード』(エディット・バージョン)となった。

『みんなスター!』では、アーロン・ヤングさんとモネ・サーベルさんがソロを務め、さらにはシンガーが全員登場して楽しく手拍子、そして躍りながら会場を大いに盛り上げた。

2曲目から会場はダンスフロアと化して大盛り上がり。多くのお客さんが席から立ち上がり、手拍子やライトを回してシンガーたちと盛り上がった。『みんなスター!』は、会場を盛り上げたことに加えて、シンガーと観客の距離感を一気に縮めてくれた。

続いて『ミステリアス・マスカレード』をパトリック・ブレイディさんとトリシア・タンガイさんのソロで演奏された。暗くて妖しげな雰囲気が『ミステリアス・マスカレード』の良さだが、今日のコンサートでイントロがこの曲で最も良いところだなと思った。イントロの妖しげなパイプオルガンの音色は、国際フォーラムで見事に反響していたため、響きがとても良かった。また、オーケストラの生演奏ということもあり、CDなどで聞くより重厚感があって聞き応えがあった。

そして歌の終盤には、シンガー全員がマスクを着けて登場し、ステージは一気に妖しげな舞踏会の会場と化していた。リアルタイムでこのショーを観たことはないが、実際にその当時のショーを目の前で観ている感じだった。『ミステリアス・マスカレード』は、実際に観に行った感覚にさせてくれる没入体験を提供してくれた。

セレブレーション・ルーレットのあとは、お客様アンケートで1位となった各部門の曲が演奏された。まずは、作品部門で1位を取った『リトル・マーメイド』の『パート・オブ・ユア・ワールド』をケイティ・トラビスさんのソロで演奏された。

続いて、パーク部門で1位を獲得した東京ディズニーシー「シンドバッド・ストーリブック・ヴォヤッジ」より『コンパス・オブ・ユア・ハート』をアルマンド・ロンコーニさんソロで演奏された。

そして最後は、歌曲部門で1位を獲得した実写版『アラジン』より『スピーチレス ~心の声』がトリシアさんのソロで演奏された。

ツアー初日(9/10)の公演で既に聞いているため、その頃と比べると感動は少し弱まったが、代わりにシンガーたちへの尊敬の念が高まった。

シンガーたちは、オーケストラとリチャードさんと同じく3日連続でステージで歌っている。本来なら疲れが出て来て、ベストなパフォーマンスを行うのが難しくなる日だが、それを一切見せずに各々が最高の歌を届けてくれた。彼らの歌うことへのプロ意識の高さに、とても尊敬した。

お客様リクエスト曲が終わると、第1部最後の『メリーポピンズ』より『メリーポピンズ』組曲が、ケイティさんのソロとシンガー全員で演奏された。

55分の演奏時間で、2時間ぐらい聞いた満足感を得られた第1部。既にこの時、自分は「もうお腹いっぱい」となっていたが、第1部は前菜であり、メインディッシュの2部はまだ残っていたのだ。

〈第2部に続く〉

〈第1部セットリスト〉
①東京ディズニーランド「ディズニー・ファンティリュージョン!」より『フェアリー・ガーデン』
②『ハイスクール・ミュージカル』より『みんなスター!』
③東京ディズニーシー『ミステリアス・マスカレード』(エディット・バージョン)
④『リトル・マーメイド』の『パート・オブ・ユア・ワールド』を
⑤東京ディズニーシー「シンドバッド・ストーリブック・ヴォヤッジ」より『コンパス・オブ・ユア・ハート』
⑥実写版『アラジン』より『スピーチレス ~心の声』
⑦『メリーポピンズ』より『メリーポピンズ』組曲
『チム・チム・チェリー』(楽器演奏)、『お砂糖ひとさじで』、『凧をあげよう』、『チム・チム・チェリー』、『2ペンスを鳩に』、『スーパーカリフラジリスティックエクスピアリドーシャス』