一人ディズニー見聞録

ディズニーを切り口に世の中の出来事を紹介しています。ディズニーソングのコンサートレポートも書いています。

『アラン・メンケン ソロ・コンサート「ホール・ニュー・ワールド 」』 3/2公演 第2部

2023-03-05 17:23:00 | コンサート




3月2日(木)、『アラン・メンケン ソロ・コンサート「ホール・ニュー・ワールド 」』が東京芸術劇場で行われた。2月25日(土)から大阪で始まったメンケンさんのツアーは、2月26日(日)に愛知、3月2日(木)と3日(金)に東京で行われた。本日は、東京公演初日の第2部の様子を紹介する。

今コンサートは、メンケンさんが、自身の作曲家人生を語りながら、所々でエピソードに関する曲を演奏するという演出になっていた。第2部は、作詞家で盟友のハワード・アシュマンさんが亡くなった後から現在に至るまでのエピソードが語られた。

20時。15分の休憩が終了し、メンケンさんが再び登場し、第2部が始まった。

開口一番、「ミンナ、ダイスキ」と日本語で挨拶した。その姿に会場は大いに沸いた。「ディズニーソングの神様」と言われる人が、観客たちの母国語で挨拶してくれるのは、とても嬉しかった(メンケンさんは、今回の来日が17回目という親日家だ)。

第2部最初の曲は、ミュージカル版の『美女と野獣』の『愛せぬならば』。この曲は、作詞家で盟友のハワード・アシュマンさんと作ったものではなく、『アラジン』でパートナーを組んだ作詞家ティム・ライスさんとの作品だった。ミュージカル版の『美女と野獣』のにわかファンだったため、この作品がアシュマンさんと一緒に作った曲ではないことを知って驚いた。しかし、その驚きは一瞬に過ぎ去り、感動的なメロディと歌詞が心に響いて勝手に泣いていた。

2曲目からは『ポカホンタス』、『ノートルダムの鐘』、『ヘラクレス』とメンケンさんが作曲した大人気ディズニーソングが演奏された。『ノートルダム~』の重厚なクラシック調の曲を作ったかと思えば、『ヘラクレス』の軽快なゴスペル調の曲を作ったメンケンさんの作曲力には驚かされた。

人気曲に続いて演奏されたのが『ホーム・オン・ザ・レンジ/にぎやか農場を救え!』の『いつかまた太陽は輝くの』だ。日本ではビデオ販売しかされていないため、あまり知られていない作品だが、この作品の製作秘話が会場を大いに沸かせた。

メンケンさんは、ディズニー社の重役から「次に製作されるディズニー映画が牛を主人公にしたミュージカルだ」、と聞かされて困惑したというエピソードを笑いながら話すと、観客席からは爆笑が起きた。牛のミュージカル映画など聞いたことないが、その楽曲の製作依頼はたぶんメンケンさんじゃなくても、困惑して苦笑いすると思った(曲はとても良かった)。この時の会場の爆笑は、この日一番の盛り上がりだった。

盛り上がった会場では、『魔法にかけらて』のメドレー曲が演奏された。ここでは、『白雪姫』と『眠れる森の美女』の楽曲をベースにした『真実の愛のキス』、『シンデレラ』をベースにした『歌ってお仕事』、そしてメンケンさんらしさ全快の『想いを伝えて』が演奏された。『魔法にかけらて』は、過去の名曲たちをインスパイアした曲、そして自分らしさのある曲を作ったメンケンさんの凄さを知る作品だと知れて良かった。早くディズニープラスで観ないとな。

第2部後半は、『塔の上のラプンツェル』メドレー、ミュージカル版の『天使にラブソングを』などのミュージカルソング、そして実写版の『美女と野獣』などの実写映画の曲が演奏された。

アニメ映画、ミュージカル、実写映画の楽曲を製作するメンケンさんの凄さを目の当たりにしていたら、第2部最後の曲であるミュージカル版『アラジン』の『プラウド・オブ・ユア・ボーイ』が演奏された。第2部はあっという間に幕が降りた。

メンケンさんは一度ステージ袖に行ったが、再び戻ってきてアンコール曲を演奏してくれた。曲を紹介する際に「この曲は日本人に馴染みのある曲です」と言っていた。最初検討がつかなかったが、メロディを聞いた瞬間、東京ディズニーシー「シンドバッド・ストーリブック・ヴォヤッジ」の『コンパス・オブ・ユア・ハート』だと分かった。大人気アトラクションの曲もメンケンさんが手掛けており、聞いているとリアルタイムでアトラクションの中にいる感じがして楽しかった(もちろん感動して泣いた)。

アンコールが終わり、割れんばかりの拍手が鳴る中、メンケンさんはステージを後にした。しかし、鳴り止まない拍手にメンケンさんは3回もステージに戻ってきてくれたのだ。

この神対応を見て、メンケンさんは「ディズニーソングの神様」というより、優しくて気さくな楽しいおじさんだと感じた。この人柄が多くの人に愛される映画の楽曲を作り出しているのかもしれない。

20時50分。当初2時間15分はかかると言われていたコンサートは、予定終了時間より早くに終わった。短い時間のようだが、それだけの時間に感動を凝縮させたメンケンさんのトークと演奏は素晴らしかった。次に来日するのはいつかは分からないが、その時までこの感動は続いているに違いない。

〈第2部セットリスト〉
1.『愛せぬならば』

2.『カラー・オブ・ザ・ウィンド』

3.『ノートルダムの鐘』メドレー
→『サム・デイ』、『僕の願い』

4.『ヘラクレス 』メドレー
→『ゼロ・トゥ・ヒーロー』、『ゴー・ザ・ディスタンス』

5.『いつかまた太陽は輝くの』

6. 『魔法にかけられて』メドレー
→『真実の愛のキス』、『歌ってお仕事』、『想いを伝えて』

7.『ハー・ヴォイス』(ミュージカル『リトル・マーメイド』)

8.『塔の上のラプンツェル』メドレー
→『自由への扉』、『お母様はあなたの味方』、『輝く未来』

9.『スター・スパングルド・マン』(『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー』)

10. ミュージカル『天使にラブソングを』メドレー
→『レイズ・ユア・ボイス』、『ブレス・アワ・ショウ』

11.『アイ・ライク・イット』(ミュージカル『ブロンクス物語』)

12.『時は永遠に』(実写版『美女と野獣』)

13.『スピーチレス~心の声』(実写版『アラジン』)

14.『愛の力』(『魔法にかけられて2』)

15.『プラウド・オブ・ユア・ボーイ』

アンコール1. 東京ディズニーシー「シンドバッド・ストーリブック・ヴォヤッジ」の『コンパス・オブ・ユア・ハート』

『アラン・メンケン ソロ・コンサート「ホール・ニュー・ワールド 」』 3/2公演 第1部

2023-03-04 19:31:00 | コンサート




3月2日(木)、『アラン・メンケン ソロ・コンサート「ホール・ニュー・ワールド 」』が東京芸術劇場で行われた。2月25日(土)から大阪で始まったメンケンさんのツアーは、2月26日(日)に愛知、3月2日(木)と3日(金)に東京で行われた。本日は、東京公演初日の第1部の様子を紹介する。

17時50分。開場時刻10分前だったが、すでに100人以上のお客さんが劇場の外で待っており、「ディズニーソングの神様」と称される作曲家のコンサートを多くの人が待ち望んでいることが分かった。

19時。開演時間を迎えると、「全員、ご起立お願いいたします。盛大な拍手でお出迎えください。アラン・メンケンです!」というアナウンスが入ったため、観客は全員立ち上がり、メンケンさんの登場を拍手で出迎えた。

この様子に自分の近くに座っていた初老の男性が、「まるで卒業式みたいだな」と笑っていた。メンケンさんのコンサートは、彼の音楽を聞くイベントではなく、式典行事となっていた。

観客からの拍手に迎えられて登場したメンケンさん。写真や映像でしか見たことがなかったが、実際の姿は、明るくて陽気な元気いっぱいなおじさんだった。「ディズニーソングの神様」と言われているため、超大物感のあるオーラを出している人と思っていただけに、親しみやすい人柄に親近感を感じた。

第1部最初の曲は、『アラジン』の『アリ王子のお通り』。メンケンさんのピアノの弾き語りのみで演奏された後、マイクを持って椅子から立ち上がり、同曲が盟友で作詞家のハワード・アシュマンさんがHIV感染症で入院している病室で書いたことを語ってくれた。悲しい出来事があったから楽しげな楽曲ができたのか、それともその逆か。いずれにせよ、自分の知らないことを知ることが出来て良かった。

今コンサートではメンケンさんが自身の作曲家人生を語りながら、所々でエピソードに関する曲を演奏するという演出になっていた。第1部は、自身の幼少期から盟友ハワード・アシュマンさんが亡くなるまでのエピソードが語られた。

1曲目終了後、幼少期から学生時代のエピソードを語りだした。小学校では落ち着きのない生徒だったが作曲の才能が既にあったこと、大学で医学部に入学するも勉強より音楽活動に励んでいたことなど、多くの人が知らないであろう自身の過去をメンケンさんは話してくれた。内容によっては会場から爆笑が起こるなど、メンケンさんの若い頃はとても面白いものだった。

学生時代の次は、アシュマンさんとの出会いについて語った。その際に、アシュマンさんと製作したミュージカル『ローズウォーターさん、あなたに神のお恵みを』と『リトル・ショップ・オブ・ホラーズ』の楽曲を演奏してくれた。正直に言うと、両作とも全く知らなかったが、どちらの楽曲も聞いていて楽しい気持ちになった。

これらの曲を聞いて、メンケンさんとアシュマンさんは人を楽しませる才能に長けていたことを知ると同時に、それが後の大ヒットディズニーソングを生み出すことに繋がったのだと気がついた。

続いて、第1部のハイライトとなるメンケンさんとアシュマンさんが手掛けた3つの作品のディズニーソングについて、メンケンさんが語ってくれた。

最初は『リトル・マーメイド』。この作品の全楽曲を手掛けた二人は、見事にその年のアカデミー賞歌曲賞と作曲賞を獲得した。その時のエピソードを話ながら、『パート・オブ・ユア・ワールド』や『アンダー・ザ・シー』などの名曲をメドレー式で演奏した。特に『パート・オブ・ユア・ワールド』は、美しいメロディであることに加え、実際に作った人が演奏してくれたことで、涙が勝手に流れるほど感動した。

アシュマンさんの亡くなった友人に捧げる曲を挟み、続いては『美女と野獣』をエピソード交えながら同作の曲をメドレーで演奏した。

ここでも曲を聞きながら涙が流れていたが、それは曲を聞いて流れたものではない。HIVにより死期が迫っているにも関わらず、最後の力を振り絞ってメンケンさんと仕事をするアシュマンさんの姿に感動して泣いたのだ。ステージ上のスクリーンに写し出される映像やメンケンさんの話を通じて見えたアシュマンさんは、死の直前まで名曲を作り出そうとしていた。その姿を見ていると、涙をこらえることはできなかった(加えて曲も感動的だから、より涙が止まらなくなった)。

『美女と野獣』の後、ミュージカル『ニュージーズ』のメドレーを挟み『アラジン』から『フレンド・ライク・ミー』と『ホール・ニュー・ワールド』が演奏され、第1部は終了した。

第1部後半は、アシュマンさんと手掛けた名曲が流れた会場は、自分のように涙を流す人がいるなど、多くの感動に包まれていた。この雰囲気は、15分間の休憩中も無くなることはなかった。

〈第2部に続く〉

1. 『アリ王子のお通り』

2. 『過去は戻らない』(学生時代の曲)

3.『ラウンド・アップ』(農薬のCMソング)

4.『ローズウォーター財団』

5.『リトル・ショップ・オブ・ホラーズ』メドレー
→『リトル・ショップ・オブ・ホラーズ』、『夢の花咲く家』、『サドゥンリー・シーモア』、『歯医者さん』

6.『ミーン・グリーン・マザー・フロム・アウター・スペース』(映画『リトル・ショップ・オブホラーズ』)

7.『リトル・マーメイド』メドレー
→『パート・オブ・ユア・ワールド』、『キス・ザ・ガール』、『哀れな人々』、『アンダー・ザ・シー』

8.『シェリダン・スクエア』(ハワード・アシュマンの友人を偲ぶ曲)

9.『美女と野獣』メドレー
→『朝の風景』、『強いぞ、ガストン』、『ひとりぼっちの晩餐会』、『美女と野獣』

10.『ニュージーズ』メドレー
→『キャリーイング・ザ・バナーー』、『サンタフェ』、『キング・オブ・ニューヨーク』

11. 『アラジン』メドレー
→『フレンド・ライク・ミー』、『ホール・ニュー・ワールド』

アラン・メンケン ソロ・コンサート「ホール・ニュー・ワールド」

2023-03-03 17:21:00 | コンサート
3月2日(木)、東京芸術劇場にて「アラン・メンケン ソロ・コンサート「ホール・ニュー・ワールド」」が開催された。

アラン・メンケンさんは、『リトル・マーメイド』の『アンダー・ザ・シー』、『アラジン』『ホール・ニュー・ワールド』など数多くのディズニー作品の音楽を手掛けてきた作曲家だ。彼の作った曲は、アカデミー賞に最も多く選ばれるなど、多くの人々から称賛そして愛されている。

「ディズニーソングの神様」と称されるメンケンさんのソロコンサートはどんな感じだったのか?明日(3月4日)に第1部、明後日(3月5日)に第2部を紹介していきます。