一人ディズニー見聞録

ディズニーを切り口に世の中の出来事を紹介しています。ディズニーソングのコンサートレポートも書いています。

警護隊長は大原部長!?

2022-03-27 16:40:12 | キャラクター
「何としてもティアラを取り戻せ!!」。その男は、白馬に乗りながらそう叫んだ。


一昨日(3/25(金))、『金曜ロードショー』で『塔の上のラプンツェル』(2010)が放送された(『金ロー』の前に放送された野球中継が延長されたため、30分遅れで始まった)。2年ぶりの地上波放送をオンタイムで最初から最後まで観れて良かったが、その中でも印象に残ったのが冒頭のセリフだ。いや、セリフというより、それを発した男の声が忘れられなかった。


書き出しのセリフを発したのは、主人公・ラプンツェルが生まれた王国の警護隊長だ。彼は、盗賊のフリン・ライダーたちによって盗まれた王国のティアラを取り返すため、馬(マキシマス)に乗ってフリンたちを追っかけている際に先のセリフを言った。


このシーンはそこまで重要なシーンではないため、覚えている人はほとんどいないと思う。さらに、警護隊長も登場キャラクターの中ではさほど重要でないことが、このシーンが人々の記憶に残りにくくする要因と考えている。


しかし、警護隊長の声の主はディズニー映画には数多く出演する佐山陽規さんなのだ。佐山さんは、『レ・ミゼラブル』等のミュージカルを中心に活動する俳優であるが、持ち前の声と歌を活かして『ポカホンタス』のラトクリフ提督、『不思議の国のアリス』のイモムシなどで声と歌を務めている。


声優としても活躍する佐山さんだが、彼の声優として知られるようになったのは『こちら葛飾区亀有公園前派出所』の大原大次郎(2代目)だ。大原部長(大原の階級は巡査部長)でおなじみの佐山さんが、『~ラプンツェル』で警護隊長という部長と似たキャラクター(見た目も何となく似ている)を演じると、どうしても大原部長になってしまうのだ。


「何としてもティアラを取り戻せ!!」というセリフも、まるで部長の部下である両津勘吉に対して言っているように聞こえてしまう。頭の中で「警護隊長=大原部長」という方程式になると、「フリンの大バカ者!!」、「コラ、両津!!」…じゃなくて「コラ、フリン!!何をやっとるか!!」といったように、警護隊長の言うことすべてが、『こち亀』で大原が言いそうなことに聞こえてくる。


そうなると、フリンも見ようによっては両津勘吉と、彼の後輩の中川圭一を足して2で割ったキャラクターにも見えてくる。中川みたいなルックスに、両津のような繋がり…はしてないけど太い眉毛。盗み癖やずる賢さ、そして男気溢れるフリンの姿はどこか両津に似ている(無理があるか)。


両津と中川のようなフリン・ライダー、大原部長にそっくりな警護隊長。『~ラプンツェル』は、『こち亀』ファンが観ると以外とはまってしまう作品だ(その逆はたぶんないと思う)。



<フリン・ライダー>



<フリンに似ている(?)両津>



<フリンに似ている(?)中川>


宝塚歌劇団による『塔の上のラプンツェル』

2022-03-25 17:15:24 | 映画
「しょこたんがラプンツェルだったんだ」。ネット上では、そういった意見が多かった。


本日(3/25)のYahooニュースで、午後9時から日本テレビ系列『金曜ロードショー』で放送される『塔の上のラプンツェル』に関する記事が多く掲載されていた。作品の日本語吹き替えキャストを紹介するものから、原作との比較など、『~ラプンツェル』は日本で初公開されてから11年経った今でも人気があることが分かる。


数多くある記事のレビューで多かったのが、最初に書いたことだ。「しょこたん」ことタレントの中川翔子が、初めてディズニー作品の吹き替えを務めたが、ラプンツェルを違和感なく吹き替えていたため、多くの人は彼女の声が中川だと気付いていなかったはずだ。自分も何回か観ているが、言われなければ中川だと分からないぐらい、彼女の声はラプンツェルに合い過ぎている。


『~ラプンツェル』は中川を始め、実力ある声優陣が吹き替えを務めている(中川も『劇場版ポケモン』シリーズの声優を何度も務めている)。中でも印象的なのが、ラプンツェルの母と偽り彼女の髪の力を独り占めする魔女・ゴーテルを吹き替えた剣幸(つるぎ みゆき)さんだ。


剣さんは、元宝塚歌劇団・月組のトップスターとして活躍し、卒業後は舞台とコンサートを中心に活動している女優だ。意外にも声優は『~ラプンツェル』が初めてだったが、さすがは元・月組のトップスター。長年培ってきた演技力と歌唱力を惜しみなく披露し、魔女のゴーテルを見事に演じていた(あまり知られていないが、元タカラジェンヌでディズニー作品の日本語吹き替えを初めて行ったの剣さんだ)。


そこでふと思った。剣さんがゴーテルを演じきったのなら、『~ラプンツェル』も宝塚歌劇団の舞台で行えるのではないかと。出演するのは、ほとんど人間だけだし(カメレオンと馬はいるが)、作中の人物が唄うシーンもある。しかも男女のラブストーリーもしっかりとあるから、宝塚でディズニーから権利を買って、上演したほうがいいと思う。面白そうだから、観に行きたい。


これは実現可能な企画だ。まず、元タカラジェンヌの剣さんは『~ラプンツェル』に出演(吹き替えで)したため、日本並びにアメリカのディズニー社と繋がりが生まれた。剣さん経由、さらには宝塚歌劇団、元タカラジェンヌたち、そしてファンたちの組織力でディズニー社に舞台化の交渉をすれば、さすがのディズニー社もこの企画を飲むはず。


交渉時の懸念材料はいくつかあるが、その中でも一番気をつけるのは、劇団四季による妨害工作だ。『ライオンキング』を筆頭に『美女と野獣』、『リトル・マーメイド』さらには『アナと雪の女王』等の人気作の舞台化をしてきた劇団四季。多分、ディズニープリンセス作品を網羅しようと考えているはず。そうなると、『~ラプンツェル』は恰好のターゲットだ。


劇団四季でが舞台化するのは、もう面白くない。だっていっぱい上演しているから。それなら女性だけのプロ劇団がディズニー作品を上演したほうが、新しくて面白く、しかも過去に日本のアニメ(『ベルサイユのばら』など)の舞台化もしているから、実績がある。宝塚による『~ラプンツェル』は安心して観れる。


とは言っても、カメレオン(マキシマス)などの動物どうする問題や、莫大な版権料などの関係で実現するのは難しいと思う。でも、だからこそ諦めずに宝塚歌劇団はディズニー社と戦って(交渉)ほしい。宝塚には、それができると俺は信じている。なぜなら、日本で初めてレビューやミュージカルを上演した実績がある。歴史を作った者たちを継承する彼女たちに不可能なことはないだろう。


『塔の上のラプンツェル』が宝塚歌劇団で上演される日は、そう遠くないかもしれない。

<参考記事・ホームページ>
・今夜25日『塔の上のラプンツェル』放送!吹替え声優って?(シネマトゥデイ) - Yahoo!ニュース

・宝塚歌劇団 - Wikipedia

ラプンツェルの「巨人」退治

2022-03-23 18:50:54 | キャラクター
8.8。


この数字は、昨年3月26日(金)に放送されたプロ野球開幕戦、巨人vs横浜DeNAの世帯平均視聴率だ。国民的スポーツと称されるプロ野球の開幕戦、しかも大人気球団と言われる巨人の試合の視聴率が10%を切るのは、異例のことだった。


かつて巨人戦は、毎日のようにナイターの試合がテレビ中継されており、視聴率は毎回20%を越えていた。しかし、約20年前から視聴率は20%を切るようになり、ここ2~3年は1桁台を記録するようになった。また、約15年前から毎日地上波でプロ野球中継が放送されなくなり、ここ2~3年は年に10回程しか放送されなくなった。


オワコン(終わったコンテンツ)となったプロ野球の地上波中継だが、昨年の開幕戦は両チーム点の取り合いになったため、放送時間が30分延長。その結果、野球中継後に放送される『金曜ロードSHOW!』の放送開始時刻は、21時から21時30分に繰り下げられた。そして、当日放送された『バイオハザード』(2002)の視聴率は7.3%と、過去のテレビ放送では一番低い数字となった。


野球中継の延長が『バイオハザード』の低視聴率を招いたとは言い切れないが、それでもオワコン状態の番組を流す必要はあったのか。正直、開幕戦を試合終了まで流すより、大ヒット映画をオンタイムで放送、いや早い時間から本編ノーカットで流したほうが絶対に数字は取れた気がする。


今年は特にそうだ。今年も日本テレビ系列で巨人vs中日の開幕戦が放送されるが、その後の『金曜ロードショー』では『塔の上のラプンツェル』(2010)が放送される(しかも本編ノーカット)。『~ラプンツェル』は大人気ディズニー作品で、過去に何回か地上波放送されたが、何度も10%越えの高視聴率を取っている。次の数字は、過去3年の巨人の開幕戦視聴率と『~ラプンツェル』の『金ロー』の視聴率の比較だ。


〇巨人開幕戦、世帯平均視聴率


・2021→vs横浜DeNA:8.8%


・2020→vs阪神:10.7%


・2019→vs広島(ビジターゲーム):10.6% 




〇『塔の上のラプンツェル』、『金ロー』における世帯平均視聴率


・2020→5月1日放送(21:00-22:54、本編ノーカット):14.7%


・2017→3月10日放送(21:00-22:54、本編ノーカット):12.6%


『~ラプンツェル』は3年のブランクがあっても、前回放送よりさらに数字を伸ばしているが、毎年放送されている巨人の開幕戦は、昨年ついに1桁台に突入した。このままいくと、今年の開幕戦も視聴率1桁台が予想され、昨年と同じく放送時間を延長しようものなら、さらに数字は下がるだろう。


しかし調べてみると、今年もどうやら放送時間の延長がありそうだ。それでは放送時間が繰り下げられ、多くの子どもたちが『~ラプンツェル』を最後まで観るのが難しくなる。子どもが観れなければ、その親も観られなくなる。すると視聴率は下がり、この日の日テレのゴールデンタイムの視聴率は共倒れになってしまう。


そこをディズニーさんの圧力…じゃなくてラプンツェルとフリンたちで、巨人戦の放送時間延長を阻止してほしい。これは、プロ野球ファンより遥かに多いディズニーファンの切実な願いだ。


3月25日(金)。ラプンツェルたちは、本作のヴィランであるゴーテルより先に、日テレ系野球中継『DRAMATIC BASEBALL』のスタッフ、そして巨人と中日の選手たちと放送時間を戦うのであった。


私ときどきレッサーパンダ(2022)

2022-03-14 16:54:20 | 映画
16時59分。その男は、パソコンの画面をソワソワしながら徘徊していた。「まだか、まだか」とウロウロし、壁に掛けられていた時計をちらりと見た。


3月11日(金)17時、ついにその時がきた。ディズニープラスで『私ときどきレッサーパンダ』が独占配信されたのだ。昨年11月頃から、映画館で同作の予告編が流れており、「早く観たい」と切に願っていた。そして昨日、劇場公開とはならなかったが、その思いが叶った。


2002年、カナダ・トロントのチャイナタウンに住む13歳の女の子メイ。真面目で頑張り屋の彼女は両親、特に母親の期待に応えようと日々学業に励んでいた。その一方、母親が嫌っているボーイズバンドや彼らの音楽を好み、また恋愛や友達と羽目を外して遊びたいと思っていた。


母親の前では「真面目で頑張り屋の娘」を演じていたメイだが、ある日、自身の感情がコントロールできなくなり、思い悩んだまま寝てしまった。そして翌朝目を覚ますと、メイはなんと巨大な赤いレッサーパンダになっていた。自分の姿に戸惑うメイ、しかしそこには彼女も知らないある秘密が隠されていた。果たしてメイは、元の人間の姿に戻ることができるのか。そして、レッサーパンダになったメイが様々な人と関わることで見つけた、本当の自分とは何だったのか。


メイの母親のキャラクターが、日本語吹替えを務めた木村佳乃にしか見えなかったことはさておき、『~レッサーパンダ』は全編観終えた後、自分のメンタルの不調を癒してくれる精神系セラピーを受けた感じにさせてくれた。ほぼ全作のディズニー・ピクサー作品を観てきたが、そういった感覚になった作品は今作が初めてだった。


『~レッサーパンダ』は、思春期の女の子の心の葛藤と成長を描いているが、思春期の女の子以外の「真面目で頑張り屋」な人にも共感できるストーリーだ。自分もメイと同じく「真面目で頑張り屋」の性格なため、彼女と似た経験をした。


大学を卒業するまでの学生時代はメイのように、「真面目で頑張り屋」な人間として、親や周囲の期待に沿いながら過ごしてきた。しかし卒業後、社会に出て働くようになると、自分の感情とは異なる行動を取らなければならなくなった。当初は感情を抑えてメイのように頑張ろうとしたが、やがて自分の感情をコントロールできなくなり、レッサーパンダに…じゃなくて短期間で転職と離職を繰り返し、そして会社を長期で休むことになった。


そういう状態だから『~レッサーパンダ』を観たとき、精神系セラピーを受けたに感じたのかもしれない。しかし、心に傷がついた「真面目で頑張り屋」な人ではなくても、作中でのメイの行動や心情は共感できるものばかりだと思う。共感することで、「これは自分だけに起きていることなのか」と思う不安などの感情が軽減されるのだ。


『~レッサーパンダ』は他のディズニー・ピクサー作品と比べて、観客の心の負担を軽減する要素が多く含まれている。それが、観ているときに精神系セラピーを受けているような体験をさせてくれるのだと思った。


自分が「真面目で頑張り屋」だと感じる人にとっては良薬として、そうじゃない人は身近にいる「真面目で頑張り屋」な人をサポートするための参考書として『私ときどきレッサーパンダ』を観てみてはいかかだろうか。


ディズニープラスに入ってみた

2022-03-11 18:33:52 | ディズニープラス
そいつは、一度も会ったことがない自分のことをよく知っていた。


これはYoutubeに流れる広告のことだ。先週、Googleの検索エンジンでディズニープラスのことを調べた後、Youtubeで動画を観ていると、やたらとディズニープラスの広告が流れた。GoogleのAIは、検索エンジンで頻繁に検索するものを、検索者が好きなものと判断し、GoogleのサービスであるYoutubeなどに検索したものと関連する広告を流すのだ。


そのため、毎日Youtubeを観るたびに、ディズニープラスの広告が流れてきて、サブリミナル信号の効果で「月額払ってでも入会したい」と思うようになった。また本日(3月11日(金))、ピクサー最新作の『私ときどきレッサーパンダ』がディズニープラスで独占配信されるため、それも相まって入会した。


スマホでアプリをダウンロードした後、入会画面が表示されたが、全文英語で書かれていて挫折しそうになった。「ディズニープラスに入会するのはかなりハードだ」と痛感したが、諦めずに入会した。しかし、そこで待ち受けていたのは、またしても英語表記のホーム画面であった。中学生レベルの英語力しかない自分には、アルファベットが表記された時点で英語アレルギーが出て、体が痒くなった(後に、言語設定で日本語に直し、事なきを得た)。


英語にブロークンハートとなったため、時間をあけて改めてアプリを開くことにした。開いてみると、そこはディズニーファンにはたまらない世界となっていた。何が良いって、ミッキー&フレンズの昔の短編アニメが日本語吹替えで観れることだ。「そこかよ!!」てなるかもしれないが、ミッキーたちの短編アニメはふとした時に、軽い気持ちで観れて、軽くて面白い笑いを提供してくれる、いわばスナック菓子のような存在だ。


また、『リセス 僕らの休み時間』や『スイート・ライフ』といった昨年まで開局していた「ディズニーXD」(懐かしい)で放映されていた作品もディズニープラスでは観れるのだ。「ディズニープラスができたから、ディズニーXDは放送終了したのか」・・・というのは置いておき、ディズニープラスはテレビでディズニー作品を楽しんできた世代にとって、救いの存在とも言える。


さらに、現在は「20世紀スタジオ」と呼び名が変わった「20世紀フォックス」の作品も全て観れるのだ。『コマンドー』(1985)に『ダイハード』シリーズといったドンパチ低偏差値ムービーも収録されており、ディズニー・ピクサーの夢と魔法の世界が飽きたら、銃弾と山盛りの筋肉という男臭い世界を堪能するもの良いだろう(本当に臭そう)。


ディズニープラスは、動画配信サービス界の「夢と魔法の王国」になろうとしている。