和田浦海岸

家からは海は見えませんが、波が荒いときなどは、打ち寄せる波の音がきこえます。夏は潮風と蝉の声。

小沢昭一俳句のこころ。

2024-01-18 | 詩歌
小沢信男著「俳句世がたり」(岩波新書・2016年)を
ひらいていたら、小沢昭一の俳句(変哲)が登場しております。

  落第や吹かせておけよハーモニカ   変哲 (p90)
 
  危うくも吾れ祭られず招魂祭     変哲 (p93)

はい。俄然興味がわきまして、
p91に紹介されている小沢昭一の本を古本で注文。
「俳句で綴る 変哲半生記」(岩波書店・2012年)。

ちなみに、小沢昭一は83歳で亡くなっております。
1929年(昭和4年)4月6日~2012年(平成24年)12月10日。

「俳句で綴る 変哲半生記」は
年毎の月毎に俳句が並べてあるのでした。
うん。74歳から晩年までの1月の俳句を私の好みでピックアップ。

  まだ稼ぐ猫背めでたき明(あけ)の春    平成15年1月

  五慾ひく二慾三慾寒の内          平成16年

  関八州暮れなんとして葱の列 

  犬なみに心躍るや雪しきり        平成17年

  寒中の握手山形から来た人と 

  なまいきに懐手して塾通い

  熱燗や棟上げ終えし夜の棟梁(とうりょう)

  ひまらしく守衛のつくる雪達磨      平成18年

  雪折れの枝で杖つく羽黒山        平成19年

  積もる雪折れる枝やら撥ねる枝

  水仙や佛と暮らす四畳半

  年寄の笑はぬ顔の初笑ひ

  老残の頭(かしら)の小言出初式     平成20年

  煮凝や粋筋かくす割烹着

  寒月やいきてりゃこそ娑婆の空

  大根をきざむ手際のカッポー着       平成21年

  寒月め俺亡きあとも照りやがる

  冬なればこそ青さに空深く 

  江の電にただ海を見て実朝忌        平成22年

  大木に隠れる真似も実朝忌

  水洟や年はとりたくないものよ

  大寒の夜の六度目か厠月          平成23年

  寒月の照るも曇るもわがこころ

  めでたくもまたこの顔ぶれの初句会     平成24年

  変りばえせぬもめでたし初句会





  

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