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和田浦海岸

家からは海は見えませんが、波が荒いときなどは、打ち寄せる波の音がきこえます。夏は潮風と蝉の声。

橋本武100歳。

2012-02-13 | 短文紹介
注文してあった古本が届く。

高橋和彦編「無名抄 付瑩玉集」(桜楓社)
古本1200円+送料340円=1540円なり。
函入りで函はやけておりましたが、
本は新刊のようにきれいでした。
弘南(こうなん)堂書店(札幌市 北大前)。
ゆうメールで2月9日に出ております。
土日がはさまり、今日13日着。
既製品の梱包用の段ボールに
達筆のマジックで大きく宛名書きしてありました。
本を包装紙にくるんであり、その包装紙は
弘南道書店と名前がはいっております。
古くからの本屋さんなのでしょうね。

昨日は、
橋本武著「伝説の灘校教師が教える 一生役立つ学ぶ力」(日本実業出版社)を読みました。スラスラと読めます。あんまり分かりやすいのでスラスラと忘れそうです。おさらいのために、印象深い箇所をちょっと引用しておきます。

「私は、平成24年の7月で100歳になります。そのうちのちょうど半分、50年もの長きにわたって、兵庫県の私立灘中学校・高等学校で国語の教師を務めてきました。」

まあ、これが本のはじまりです。
こうもあります。

「私は100歳を目前に控えた現在も、毎日文章を書いたり、さまざまなことを考えたりして、そして身の回りのことも基本的に自分でしています。確かに耳はだいぶ遠くなりましたし、細かい字を読むのに非常に苦労していますが、こと考えるということになると、これがまったく苦にならないのです。ちょっと気になることがあると、すぐに思索にふけってしまいます。」(p3)

その百歳となる橋本武氏が、さらりと指摘しているのは、
こうでした。

「実は、国語力のカギとなるのは『書く』なのです。」(p80)
「また、生徒に課した月1冊の読書課題についても、ただ読めばいいというものではありません。1冊につき原稿用紙2枚程度であらすじ、内容をまとめる。また、よかった箇所、感銘を受けた表現、あるいは文中で述べられている考えに賛成か反対か、そのようなことも子どもたちに書かせました。
なぜ、ここまで『書く』にこだわったのか。そのわけは、書くことによって、読むだけではなかなか身に付かない『判断力』『構成力』『集中力』が養われるからです。」(p81)

100歳になる方が、自分が生徒だった頃の、先生のさりげない指導を、ふりかえり、反芻しているのも、興味深いものがあります。まあ、それはそれとして、これだけは忘れないように、という、分かりやすい指摘のささやきが聞こえてくる。すぐ忘れることにかけては、自信のある私。貴重で単純なささやきの一冊を、本棚へと置いとくことにします。

コメント
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