迦羅求羅虫

小さな寺の日々の出来事

空白の常磐線

2011-06-10 17:55:22 | 原発
先日、遠方から訪ねてこられた住職の友人にいわき市の被災地を案内するというので、
同行しました。
そのとき、原発方向へ行ける所まで行ってみようということになり、
国道6号線を北へ向かいました。
とちゅう、津波に見舞われた四倉を走り(道の駅よつくら津波にめげずがんばってます!)、
美しかった波立海岸を過ぎ、やがて津波と火災で大きな被害の出た久之浜。

JR常磐線は、上野(日暮里)から仙台(岩沼)まで、茨城、福島の太平洋沿いを走る路線です。
震災後、段階を経てようやくこの久ノ浜駅まで、開通しました(特急はいわきまで)。
でも、この先がないのですね。

いわきー草野ー久ノ浜ー末続ー広野ー木戸ー竜田ー富岡ー夜ノ森ー大野ー双葉ー浪江
ー桃内ー小高ー磐城大田ー原ノ町ー鹿島ー日立木ー相馬ー駒ヶ嶺ー新地
ー宮城県・坂元ー山下ー浜吉田
ー亘理ー逢熊ー岩沼ーーーーー仙台

子どもの頃、母の実家の浪江や叔母のいる相馬に行くため汽車に乗り、
一駅一駅の名前を覚えたことが懐かしい。
富岡駅、新地駅は駅舎、線路ともに津波に流されました。
宮城県の山元駅も同じく津波に。
本来なら、時がたてば、生活の足としての電車が復活するはずですが、
おそらく、久ノ浜から南相馬の区間は、消滅してしまうかもしれない。
原発で人の住めない町に、電車は走らないでしょう。

新聞の折り込みに入っている広告付きの時刻表をとってあります。
震災翌日3月12日改正。
現実には運行されることのなかったまぼろしの時刻表です。
原ノ町行き、仙台行きの記載がある最後の時刻表。



こちらは5月13日改正、いわき止まりが並ぶ臨時時刻表。





ということで、電車での北上は無理ですが、国道6号線は
いわき市を出てからもうちょっと走れます。
いわきを出ると、ちょっと緊張します。
意外にふつうの車が走ってる?
隣の広野町は、緊急時避難区域でもありますが(ほとんど避難しているのでは?)、
微妙に戻っている人もいるという話。
でも人気はほとんど感じられません。ふしぎな感じです。
と思ったら、ガソリンスタンドに、おばさま二人立ち話をしていて、ホッとしたり。

海側に東電広野火力発電所のおなじみの2本の煙突。
ただいま復旧工事中とか。
しばらく走ると、J ビレッジ。
原発事故収束作業の前線基地です。
サッカー大好き亡き前坊守を連れて、日本代表を見に来たっけなあ。

しかし、さすが関係者の車のみになり、交通規制の警官がいるので、
Uターンしてきました。
この先に足を踏み入れることは、二度とないのかなと、寂しい思いで帰ってきました。

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