乱鳥の書きなぐり

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日本古典文学大系『近松浄瑠璃集 上』より 『大経師昔暦』近松門左衛門(だいきょうじ むかしごよみ、通称「おさん茂兵衛」)近松作品本来の面白みに触れることができる作品のうちの一つ。

2019-03-28 | 近松門左衛門
  大神神社(三輪神社)  『三輪』




     日本古典文学大系『近松浄瑠璃集 上』より 『大経師昔暦』近松門左衛門(だいきょうじ むかしごよみ、通称「おさん茂兵衛」)
     近松作品本来の面白みに触れることができる作品のうちの一つ。 



 先日溝口健二監督 依田義賢脚本の 映画『近松物語』を楽しんだ。

 映画『近松物語』は、近松門左衛門作の人形浄瑠璃『大経師昔暦』を下敷きに作られ、一般的には『おさん茂兵衛』でも知られる。


【大経師】だいきょうじとは、

   ① 経巻・仏画などを表装する職人の長。朝廷の用を受け、また奈良の幸徳氏・賀茂氏より翌年の新暦を受けて大経師暦を発行する権利を有した。
   ② 経師屋。表具師。
(大辞林 第三版)

 また、

   1 昔、朝廷御用の、経巻・仏画などを表装した職人の長。造暦にあたった賀茂・幸徳井両家から新暦を受け、大経師暦を発行する権利を与えられた。
   2 表具師。 
 (大辞泉)
と記されている。また、

【大経師昔暦】だいきょうじむかしごよみとは、大辞泉によれば、次のようにある。

   浄瑠璃。世話物。3巻。近松門左衛門作。正徳5年(1715)大坂竹本座初演。
   京都の大経師の妻おさんと手代茂兵衛との密通事件を脚色したもの。
   近松三姦通物(かんつうもの)の一。
   通称「おさん茂兵衛」。




 近松の「おさん茂兵衛」で名高い『大経師昔暦』は、『曽根崎心中』など近松作品本来の姿と同様、芝居のように最後は悲恋で美しく二人で死ぬなどといった安直な話ではない。

 もう少し近松作品を読み進めていきたいが、近松門左衛門はそういったことを表現していない。

 ところが、歌舞伎などでは、最後は美しく描かれる。

 それはそれで、演劇の味わいがあり面白いと思う。

 だが、できれば、作品本来の意図を踏まえた上で、芝居を味わいたいものだと、齢を重ねた今の私は思うのである。


 ところで、日本古典文学大系(赤)で読んだ『大経師昔暦』は、最後の最後でどんでん返し。

 黒谷のお坊さんが着物の裾をまくしたて駆け寄り、あれやこれやとまくしたてておさんを救う。

 見事なまでに近松の面白みを描き出している。


 これを芝居にすれば収集がつかなくなるであろうことを考えると、やはり、芝居は芝居、原作は原作の良さがあり、両方楽しめれば一層良いと感じた。


 かわいそうなのが、お玉。

 首掻っ切られ、差し出される。

 部分的に『すし屋』の女房子供を思い浮かべた。

 当時どこまで忠義が重んじられたかは定かではないが、芝居や読み本によれば、忠義忠義と口やかましいくらいに出てくる演目や作品がある。

 今では考えられない忠義に、現在人の私は作品として面白みを覚えるのである。


   

 
 
 馬琴関係

 『馬琴中編読本集成 『阿旬殿兵衛實實記』(『阿旬殿兵衛実実記』あしゅんでんべいじつじつき)』

 『阿旬殿兵衛実実記』和本巻一、巻二、巻三  滝沢馬琴 歌川豊広 1857年

 『阿旬殿兵衛実実記』和本&影印本 巻一〜巻三  滝沢馬琴 歌川豊広 1857年(安政版)と初版(文政版 汲古書院 影印本)を比べ読む。)

 『阿旬殿兵衛実実記』和本&影印本  巻四(安政版) 巻三(文政版) を比較して楽しむ。)

 『阿旬殿兵衛実実記』安政になり再版再売された際、十巻を十二巻に増やしたのは、冊数を増やす事により、貸本屋の利益が増える

 『阿旬殿兵衛実実記』滝沢馬琴 歌川豊広 1857年(安政版 和本) を一巻から読み直す。忠臣蔵の定九郎が記されている。

 『阿旬殿兵衛実実記』滝沢馬琴 歌川豊広 1857年(安政版 和本)これだから古典はやめられない。(巻之二十九オ 十八ウ)

 『日本古典文学辞典 第三巻』(岩波書店)より、『阿旬殿兵衛実実記』を引く。浄瑠璃『近頃河原達引』が元である。

 『阿旬殿兵衛実実記』滝沢馬琴 歌川豊広 1857年(安政版 和本)巻之五まで読了。芝居のように場面が思い浮かぶ。

 『阿旬殿兵衛実実記』滝沢馬琴 歌川豊広 1857年(安政版 和本)猿づくしの目次と、猿に関連した言葉遊びが続く。

 『阿旬殿兵衛実実記』滝沢馬琴 歌川豊広 1857年(安政版 和本)「近頃河原達引」を引き猿づくし 絵馬 猿曵図「猿回し」「堀川」「近頃河原達引 大阪」

 『日本古典文学大系『近松浄瑠璃集 上』より 『大経師昔暦』近松門左衛門(だいきょうじ むかしごよみ、通称「おさん茂兵衛」)近松作品本来の面白みに触れることができる作品のうちの一つ。



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 『馬琴中編読本集成 俊寛僧都嶋物語』

 『馬琴中編読本集成 第八巻 俊寛僧都嶋物語』下巻 巻之八 (巻之一〜巻之八の和本の表紙 共通絵柄)(1枚)

 『馬琴中編読本集成 第八巻 俊寛僧都嶋物語』巻之一 自叙 八巻八冊 絵師:歌川豊広(3枚)

 『馬琴中編読本集成 第八巻 俊寛僧都嶋物語』巻之一 玉抱有罪とハ 八巻八冊 絵師:歌川豊広 曲亭馬琴編次(3枚)

 『馬琴中編読本集成 第八巻 俊寛僧都嶋物語』巻之二  さすらひの巻 弐   八巻八冊 絵師:歌川豊広  (5枚)

 『馬琴中編読本集成 第八巻 俊寛僧都嶋物語』巻之三  みさほのまき 三   八巻八冊 絵師:歌川豊広  (5枚)

 『馬琴中編読本集成 第八巻 俊寛僧都嶋物語』巻之四  以王ふが島能春   八巻八冊 絵師:歌川豊広  (3枚)

 『馬琴中編読本集成 第八巻 俊寛僧都嶋物語』巻之四  巻之四を終えて予告等  八巻八冊 絵師:歌川豊広(4枚)

 『馬琴中編読本集成 第八巻 俊寛僧都嶋物語』下巻 巻之五 序・物語最初頁 八巻八冊 絵師:歌川豊広(4枚)

 『馬琴中編読本集成 第八巻 俊寛僧都嶋物語』下巻 巻之五 抱筈露宿とハ 歌を遺して 児に示せし 俊寛僧都が事(3枚)

 『馬琴中編読本集成 第八巻 俊寛僧都嶋物語』下巻 巻之六 だ以せんの上(6枚) 抱琴述情とハ 

 『馬琴中編読本集成 第八巻 俊寛僧都嶋物語』下巻 巻之七 大悲山の下   (4枚)

 『馬琴中編読本集成 第八巻 俊寛僧都嶋物語』下巻 巻之八 序文滝沢馬琴の引用書が半端なくすごい。(4枚)

 『馬琴中編読本集成 第八巻 俊寛僧都嶋物語』下巻 巻之八 付録瞬間考(5枚)『馬琴中編読本集成 第八巻 俊寛僧都嶋物語』「目録上」「目録下」「目録終 全本八冊」読了す。

 
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『西鶴一代女』(井原西鶴原作『好色一代女』より) 1952年 148分 溝口健二監督 依田義賢脚本 井上八千代(振り付け) 田中絹代 三船敏郎

2019-03-28 | 井原西鶴
 京都 顔見世の季節に  改装前
 改装後の南座 顔見世
 






     『西鶴一代女』(井原西鶴原作『好色一代女』より) 1952年 148分 溝口健二監督 依田義賢脚本 
                              井上八千代(振り付け) 田中絹代 三船敏郎



 四夜連続、溝口健二監督作品をみる。

 今回は、井原西鶴原作『好色一代女』、脚本は今回も依田義賢の『西鶴一代女』

『西鶴一代女』も以前に見たことがある映画だが、印象深い強烈な場面が多い。

 何度見ても面白いと思える映画の一つ。

 良い作品は良いとしか言いようがないくらいに、良い映画の一つだと感じる。


 しかし女は、波乱に満ちた人生だ。

 琵琶の音色が心に響く。


    諸行無常
    是生滅法
    生滅滅已
    寂滅為楽






 今回も記録のみにて失礼申し上げます。









 以下のデーターは全てウィキペディア ▼

『西鶴一代女』(さいかくいちだいおんな)は、1952年(昭和27年)4月17日公開の日本映画である。
 児井プロダクション・新東宝製作、東宝配給。監督は溝口健二、主演は田中絹代。モノクロ、スタンダード、148分。
 原作は井原西鶴の浮世草子『好色一代女』で、依田義賢が脚色した。封建制度下の江戸時代を舞台に、男に弄ばれ悲劇的流転の人生を歩んだ女性・お春の一生を描き、溝口が得意とするワンシーン・ワンカットの長回しや流麗なカメラワークが随所で効果をあげた。
 海外では特に作品を高く評価しており、後のフランスヌーヴェルヴァーグの映画作家にも大きな影響を与え、ヨーロッパ映画界では長回しの流行を生じさせることとなった。ヴェネツィア国際映画祭で国際賞を受賞している。
 当時、溝口と主演の田中はそれぞれスランプにあっていたが、溝口は『羅生門』(黒澤明監督)のヴェネツィア国際映画祭金獅子賞受賞に刺激を受けて、本作を並々ならぬ熱意を込めて作った結果、作品は海外で賞を受賞し、田中も一世一代の名演を披露。この作品で両者はスランプを脱することに成功した。


あらすじ
 奈良の街外れの荒寺に老醜を厚化粧で隠した娼婦のお春がいた。
 羅漢堂に入ったお春はさまざまな仏像を見ていくうちに、今までに関わってきた男たちの顔を思い出すのだった。

 御所に勤めていた十代のお春は、以前からお春に想いを寄せていた公卿の若党、勝之介に宿に連れ込まれたところを役人に見つかってしまう。
 お春は両親ともども洛外追放となり、勝之介は斬首となった。
 都を追われ、両親とともに息をひそめるように生きていたお春だが、いまだ世継ぎのない主君の側室を探していた松平家の家中に見出され、同家に輿入れすることになる。
 殿様との間にめでたく嗣子をもうけたお春だが、奥方の妬みにあい、用済みとばかりに実家へ返されてしまった。

 お春は金策に詰まった父親に島原の郭に売られ、太夫となる。
 ある日、郭で金をばら撒いていた田舎大尽が彼女を見初め、身請けしたいと言い出した。
 自分を思ってくれるならと心を決めかけたお春だが、実は彼は贋金作りで、踏み込んできた役人に捕らえられてしまう。
 廓を出て笹屋嘉兵衛の住み込み女中となったお春だが、今度は笹屋の客の菱屋太三郎によって彼女の前身が分かったことから、嘉兵衛の妻のお和佐に嫉妬され、追い出されてしまう。

 実家に戻ったお春は、善良で働き者である扇屋の弥吉のもとへ嫁入りし、やっとささやかだが幸福な暮らしを手に入れたかにみえたが、外出先で弥吉が物盗りに襲われて殺され、無一物で店を出ることになる。世をはかなみ、老尼の妙海の世話になることにしたお春は、借金の取り立てに来た笹屋の大番頭治平に犯されそうになったところを妙海に見られてしまい、寺を追い出されてしまった。
 嘉兵衛の番頭だった文吉と出会ったお春は、彼と行動を共にするが、文吉はお春のために店の品を盗んだことが分かり、桑名で捕らえられてしまう。
 そうしていつしかお春は三味線を弾きながら物乞いをする女になっていた。
 空腹の余り倒れたところを介抱してくれた二人の夜鷹に誘われ、ついにお春は街娼にまで身を落すことになるが、長年の過労がたたって倒れてしまう。
 そこへお春を探していた母のともが現れ、松平家の殿が亡くなり若殿が後を継ぐので、共に暮らせることになったと知らせるが、その喜びもつかの間だった。
 お春が娼婦に身を落していたことを問題視した重役たちは、お春には息子である若殿の顔を遠くから一目見ることしか許さず、そのまま彼女を幽閉しようとする。
 隙をみて逃げ出したお春はただ一人、孤独な巡礼の旅に出るのだった。


スタッフ
監督:溝口健二
脚本:依田義賢
製作:児井英生
原作:井原西鶴『好色一代女』より
撮影:平野好美
音楽:斎藤一郎
美術:水谷浩
照明:藤林甲
録音:神谷正和
監修:吉井勇
編集:後藤敏男
助監督:内川清一郎
振付:井上八千代

キャスト
お春:田中絹代
奥方:山根寿子
勝之介:三船敏郎
扇屋弥吉:宇野重吉
お春の父新左衛門:菅井一郎
笹屋嘉兵衛:進藤英太郎
笹屋番頭文吉:大泉滉
菊小路:清水将夫
菱屋太三郎:加東大介
磯部弥太衛門:小川虎之助
田舎大尽:柳永二郎
お局吉岡:浜田百合子
待女岩橋:市川春代
お局葛井:原駒子
老尼妙海:毛利菊枝
笹屋女房お和佐:沢村貞子
松平晴隆:近衛敏明
重役真鍋金右衛門:荒木忍
重役田代甚左衛門:上代勇吉
丸屋主人七左衛門:高松錦之助
用人篠崎久門:水野浩
笹屋の大番頭治平:志賀廼家辨慶
所司代役人:坂内永三郎
老人:玉島愛造
丸屋の番頭:石原須磨男
貸衣装屋:横山運平
お熊:出雲八重子
お杉:平井岐代子
お仙:金剛麗子
待女柚垣:草島競子
中宿の女将:津路清子
扇屋の客:国友和歌子
女乞食:衣笠淳子
丸屋の仲居おきん:林喜美枝
丸屋の仲居おたま:大和久乃
お春の母とも:松浦築枝
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