乱鳥の書きなぐり

遅寝短眠、起床遊喰、趣味没頭、興味津々、一進二退、千鳥前進、見聞散歩、読書妄想、美術芝居、満員御礼、感謝合掌、誤字御免、

日本古典文学大系『近松浄瑠璃集上』より『冥途の飛脚』 近松門左衛門作

2019年03月27日 | 近松門左衛門


     日本古典文学大系『近松浄瑠璃集上』より『冥途の飛脚』




 以前にも何度も読んだ日本古典文学大系(赤)『近松浄瑠璃集上』より『冥途の飛脚』を読む。

 今回は、劇団☆新感線の演出を手掛けておられるいのうえひでのり氏のシス・カンパニー公演『近松心中物語』の筋書き([作]秋元松代)と演出において、後味悪く心に残り続け、日にちが経った今も気になっているからである。

 所蔵の近松全集や名作歌舞伎全集でも確かめようとは思ったが、そこまでの気力はない(笑)

 とりあえず、日本古典文学大系(赤)のみを読むことにした。


『冥途の飛脚』(めいどのひきゃく)とは、人形浄瑠璃の演目のひとつ。全三段、大坂竹本座にて初演。近松門左衛門作。(ウィキペディア引用)

 話は、歌舞伎ではあまりにも馴染みすぎていて、人によっては、あれこれ好きな役者で見立てた芝居が、封印切や道行などをこの演出と決め込んで見てみたいと感じることもあるであろう。

 また、そういった芝居好きも、『冥途の飛脚』はあれこれ違った演出や志で見てみたいと願う、それほどまでに名作の一つと言える。


 日本古典文学大系『近松浄瑠璃集上』を読み終えて、ほぼ歌舞伎に近いが、歌舞伎は美しく膨らましてあったことに気づく。

 シス・カンパニー公演『近松心中物語』のように、近松作品を別の芝居に仕立てて演出するのは自由であり勝手である。

 古典を軸に新しい芝居が演じられるのもいいことだと感じる。

 ただし、原作や伝統芸能である文楽や歌舞伎の出来を上回った素晴らしい作品を望む。

 今回、原作を読み直し、芝居知らずの阿呆がこのように感じた次第である。









 
 


 

 
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映画『近松物語』(近松門左衛門作の人形浄瑠璃の演目『大経師昔暦』を下敷き『おさん茂兵衛』でも知られる)1954  溝口健二監督 依田義賢脚本 長谷川一夫 香川京子 南田洋子

2019年03月27日 | 近松門左衛門
  写真は、『俵藤太物語絵巻―チェスター・ビーティー・ライブラリィ所蔵』 (甦る絵巻・絵本) 影印




 映画『近松物語』(近松門左衛門作の人形浄瑠璃の演目『大経師昔暦』を下敷き 『おさん茂兵衛でも知られる)』
 1954 溝口健二監督  依田義賢脚本 長谷川一夫 香川京子 南田洋子

 *(近松門左衛門作の人形浄瑠璃の演目『大経師昔暦』(だいきょうじ むかしごよみ、通称「おさん茂兵衛」)を下敷きにして川口松太郎が書いた戯曲『おさん茂兵衛』を映画化した作品)
 *(脚本は、近松の『大経師昔暦』と、西鶴の『好色五人女』の「おさん茂右衛門」の二つを合体させたものである



   溝口健二監督の映画作品を三日連続みたよ





 この映画も何度か見たが、印象が強く初めから最後まで楽しむことができた。

 溝口健二監督の映画は見始めると、次々と見たくなって困ったものだ。

 映画の一部が芝居長であったり、構図が大きくインパクトが強い。

 まるで劇場で上質の芝居を楽しませていただいているようにも思え、見ている間にのめり込む。

 かといって、芝居とは違った映画の店舗や光の使い方も魅力的で、どこを切り崩しても、
「私満足あっぱれじゃ!」
というより仕方がない。

 日本には溝口健二監督を初め多くの映画監督の巨匠がいらっしゃり、素晴らしい映画の多くの残されている。

 時間が許されるなら、そしてこういった映画が好みであるのであらば、一作品でも多く見ておきたいと見るたびに痛感する。


 この映画も好きであったので、ほぼ覚えていたが、良いものは何度見ても新たな発見があり一層深みにはまり込む。

 溝口健二監督の作品を少しでも多く見ておきたい。



 今回も簡単な記録のみにて失礼申し上げます。


 以下のデーターは全て、ウィキペディア ▼

映画『近松物語』

監督 溝口健二
脚本 依田義賢
製作 永田雅一
出演者 長谷川一夫
香川京子
南田洋子
音楽 早坂文雄
撮影 宮川一夫
編集 菅沼完二
配給 大映
公開 日本の旗 1954年11月23日
上映時間 102分

『近松物語』(ちかまつものがたり)は、1954年(昭和29年)の日本映画。溝口健二監督作品。


 近松門左衛門作の人形浄瑠璃の演目『大経師昔暦』(だいきょうじ むかしごよみ、通称「おさん茂兵衛」)を下敷きにして川口松太郎が書いた戯曲『おさん茂兵衛』を映画化した作品である。
 脚本は、近松の『大経師昔暦』と、西鶴の『好色五人女』の「おさん茂右衛門」の二つを合体させたものである
 スター嫌いだった溝口健二監督は、大映社長の永田雅一の強い要請で長谷川一夫を起用した。
 キネマ旬報ベストテン第5位にランクインされた。1999年にキネマ旬報社が発表した「映画人が選ぶオールタイムベスト100・日本映画編」では第49位にランクインされた(同じ順位に『隠し砦の三悪人』『もののけ姫』など)。*


[編集]
監督:溝口健二
製作:永田雅一
企画:辻久一
原作:近松門左衛門
劇化:川口松太郎
脚本:依田義賢
撮影:宮川一夫
録音:大谷巌
照明:岡本健一
美術:水谷浩
音楽:早坂文雄(東宝)
編集:菅沼完二
和楽:望月太明蔵、豊沢猿二郎
装置:山本卯一郎
結髪:花井りつ
助監督:田中徳三
進行:小澤宏


茂兵衛:長谷川一夫
おさん:香川京子
お玉:南田洋子
大経師以春:進藤英太郎(東映)
助右衛門:小沢栄太郎
源兵衛:菅井一郎
岐阜屋道喜:田中春男(東宝)
院の経師以三:石黒達也
おこう:浪花千栄子
鞠小路侍従:十朱久雄
公卿の諸太夫:荒木忍
赤松梅龍:東良之助
僧侶:葛木香一
黒木大納言:水野浩(東映)
検校:天野一郎
お蝶:橘公子
船宿の女中:金剛麗子
茶店の老婆:小松みどり
おたつ:小林加奈枝
おその:仲上小夜子
おかや:小柳圭子
堅田の役人:伊達三郎
宿の番頭:石原須磨男
切戸の庄屋:横山文彦
村役人:藤川準
梅垣重四郎:玉置一恵
ほか。
 
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映画『雨月物語』1953年 大映 96分 溝口健二監督 川口松太郎脚本 京マチ子 森雅之 水戸光子 田中絹代 上田秋成の読本『雨月物語』の「浅茅が宿」と「蛇性の婬」の2編にモーパッサンの『勲章』脚色

2019年03月27日 | 映画
 写真は『化物草子』 ボストン美術館 角川



 映画『雨月物語』1953年 大映 96分 溝口健二監督 川口松太郎脚本 上田秋成原作 京マチ子 森雅之 水戸光子 田中絹代
 上田秋成の読本『雨月物語』の「浅茅が宿」と「蛇性の婬」の2編に、モーパッサンの『勲章』を加えて、川口松太郎と依田義賢が脚色





   映画『雨月物語』

 何度か見たことのある映画『雨月物語』を楽しむ。

 見事な出来栄えで、御伽草子や芝居を見て楽しんでいるような錯覚に陥る。


 滋賀県の雰囲気は京都の隣であり、なるかしい感じがする。

 戦国時代に思いを馳せ、このような物語もあったのではないかと夢見心地に楽しむこんな自分がいてもいいのではないか。


 大映京都撮影所政策の本映画も、近しい親戚が重要なスタッフとして携わっている。

 大映映画については子供の頃から幾度となく聞かされていたので、親しみを覚える。


 そして、溝口健二監督の印象深い場面の展開の連続と美しい映像、田中絹代さんの言い回し(語り口調)と京マチ子の妖艶な美しさに拍手を送りたい。



 今回は記録のみにて失礼申し上げます。



  以下のデーターは全てウォキペディアより ▼

監督 溝口健二
脚本 川口松太郎
依田義賢
製作 永田雅一
出演者 京マチ子
森雅之
水戸光子
田中絹代
音楽 早坂文雄
撮影 宮川一夫
編集 宮田味津三
製作会社 大映京都撮影所
配給 日本の旗 大映
公開 日本の旗 1953年3月26日
イタリアの旗 1953年8月20日
アメリカ合衆国の旗 1954年9月7日
上映時間 96分


『雨月物語』(うげつものがたり)は、1953年(昭和28年)3月26日公開の日本映画である。
 大映製作・配給。監督は溝口健二、主演は森雅之、京マチ子。モノクロ、スタンダード、96分。
 上田秋成の読本『雨月物語』の「浅茅が宿」と「蛇性の婬」の2編に、モーパッサンの『勲章』を加えて、川口松太郎と依田義賢が脚色した。
 戦乱と欲望に翻弄される人々を、幽玄な映像美の中に描いている。
 第13回ヴェネツィア国際映画祭銀獅子賞受賞。


 村にて
 近江の国琵琶湖北岸の村に暮らす貧農の源十郎は、畑の世話をする傍らで焼物を作り町で売っていた。賤ヶ岳の戦いの前に長浜が羽柴秀吉の軍勢により占領され、賑わっていることを知った源十郎は、妻の宮木と子を残し、焼物を載せた大八車を引いて長浜へ向かった。義弟の藤兵衛は、侍になりたいと源十郎に同行する。源十郎は大銭をもって村へ帰ってきた。藤兵衛は市で見かけた侍に家来にするよう頼み込むが、具足と槍を持って来いとあしらわれる。
 源十郎は戦が続くうちに、さらに焼物を作り大儲けをしようと、人が変わったように取り組むが、宮木は親子3人が幸せに暮らせればそれで充分なのに、とつぶやく。源十郎と藤兵衛は焼物を窯へ入れ、火を付けるが、折り悪く柴田勝家の軍勢が村へ近づいて来た。男は人足として徴用され、女は乱暴される、と村の人々は山へと逃げだす。窯の火は消えていたが、焼物は綺麗に焼けていた。

 離散
 皆は裏道を使い湖畔に出て、そこから捨て船で対岸の丹羽氏の城下・大溝へ向かうが、海賊に襲われたという瀕死の男が乗る船と出会い、宮木と子はやはり村へと返すことにする。大溝で源十郎の焼物は飛ぶように売れる。分け前を手にした藤兵衛は、今度こそ侍になるのだと、阿浜を振り切って逃げ出し、具足と槍を買って兵の列に紛れる。探し疲れた阿浜は兵の集団に捕まり、強姦された。兵から代金だと銭を投げ捨てられた阿浜は、藤兵衛を呪う。
 市で焼物を届けるように頼まれた源十郎は、若狭という上臈風の女の屋敷へ向かうが、座敷へ上げられ、饗しを受けた。織田信長に滅ぼされた朽木氏の生き残りであるという若狭に惹かれ、源十郎はこの家に居つく。
 そのころ、湖岸で別れた宮木と子は落武者勢に見つかり、宮木は槍で一突きされ殺されていた。いっぽう、藤兵衛は戦に敗れ切腹した敵大将の首を拾い、手柄を立てた。馬に乗り家来を連れて村へと凱旋しようとする途中で寄った宿で、遊女に成り下がった阿浜に出会い、許しを乞う。
 町の着物屋で源十郎は買い物をするが、朽木屋敷へ届けるよう言うと、店の主は恐れ代金も受け取ろうとしない。帰り道では神官から死相が浮かんでいる、家族の元へと帰りなさいと諭され、死霊が触れられぬように呪文を体に書いてもらう。家族の元へと帰りたいと切り出した源十郎を若狭は引きとめようとするが、呪文のために触れることができない。源十郎は倒れ、気を失う。

 帰還
 翌朝、源十郎は気が付くと朽木家の屋敷跡だという野原の中で目を覚ます。金も侍に奪われた源十郎は村へ戻るが、家々は荒らされ、家族の姿もなかった。源十郎は囲炉裏で飯の用意をする妻の宮木の幻を見て、自らの過ちを悟る。阿浜と村へ帰った藤兵衛が畑を、源十郎は焼物作りに取り組んでいるシーンで映画は幕を閉じる。


スタッフ
監督:溝口健二
製作:永田雅一
企画:辻久一
原作:上田秋成
脚本:川口松太郎(「オール讀物」所載)、依田義賢
作詞:吉井勇
撮影:宮川一夫
録音:大谷巌
照明:岡本健一
美術監督:伊藤熹朔
音楽監督:早坂文雄
音楽補佐:斎藤一郎
風俗考証:甲斐庄楠音
能楽按舞:小寺金七
陶技指導:永楽善五郎
和楽:望月太明吉社中
琵琶:梅原旭濤
編集:宮田味津三
助監督:田中徳三

キャスト
若狭:京マチ子
阿浜(映画の出演者紹介では「阿濱」):水戸光子
宮木:田中絹代
源十郎:森雅之
藤兵衛:小沢栄(俳優座)
老僧:青山杉作(俳優座)
丹羽方の部将:羅門光三郎
村名主:香川良介
衣服店主人:上田吉二郎
右近:毛利菊枝
神官:南部彰三
自害する武将:光岡龍三郎
梅津の船頭:天野一郎
武将:尾上栄五郎
家臣:伊達三郎
目代:横山文彦
村の男:玉置一恵
源市:澤村市三郎
具足商人:村田宏三
鎧武者:堀北幸夫、清水明、玉村俊太郎、大崎史郎、千葉登四男
遊女屋の鎧武者:大國八郎
遊女屋の客:三浦志郎、越川一、三上哲
敗残兵:藤川準、福井隆次、石倉英治、武田徳倫、神田耕二
徴発の兵:菊野昌代士、由利道夫、船上爽
徴発される男:長谷川茂
遊女:大美輝子、小柳圭子、戸村昌子
待女:三田登喜子、上田徳子
余吾川の老婆:相馬幸子
遊女宿の老女:金剛麗子
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