恩人に手を合わせる

2014年03月22日 | 日記
今朝訃報が届いた
旦那の会社の常務が亡くなった

人の人生はわからない

旦那が家業とバイトをしていた頃
懇意にしていただいた製造系の会社があった


2代目社長は旦那と同じ年齢で
趣味の音楽のジャンルが同じだったため
話が弾み
家業の方で旦那をよく呼んでくれた


その会社を先代社長のころから30年支え続けた
60代後半の常務が末期がんだと分かったのは
一昨年の秋だった

医師の宣告は3か月

社長は、常務の仕事を引き継いでくれる人を
急きょ探さなくてはならなくなり
旦那に連絡がきた


旦那は私に相談することなく
二つ返事で引き受けた

あの時も私は随分混乱し、苦しんだ


それから1年半
私は何度かお会いした

常務は治療を受けながら働き続け
旦那に仕事を引き継いだ

娘さんしかいない常務に、突然息子ができたような喜びかただった

二人の関係は親子のような、師弟のような関係だった
その様子は、旦那の話から伺えた

パソコンが使えない常務のために
常務専用パソコンを用意した

youtubeを簡単にみられるように設定してあげたら
鶴田浩二の歌を見つけ、涙を流していた

将棋のゲームを入れたら、はまってしまった

治療のため、味覚を失った常務のために
少しでも味が感じられるものを食べさせたいと
私も何度か、買い物を頼まれた



3週間前まで働いていた
まだ時間があると思っていた


しかし、今朝連絡が入った


もう、自宅に帰ってきていると聞いて
納棺前に会いたいと
二人で自宅に伺った


お通夜や告別式で、旦那は何かと用事をこなさなくてはならない
工場の稼働を止めることもできない
ゆっくりお会いできる日は今日しかなかった


旦那は頭を撫で、泣きながら話しかけていた


私は、手を合わせながら
この人の死を前提に
旦那は職を得たのだと思うと
心苦しく、切なかった


私は泣き崩れる奥様を抱え、背中を撫で
「ご苦労様でした。お辛い日は続くと思いますが、家にいる間はご主人様とたくさんお話をしてください」としか言えなかった






またもや私の不安動悸が始まった
繊細な旦那である
落ち込みが激しい
常務の不在を乗り越えられるのか、想像がつかない

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