夜の翼

オーディオ、音楽、車、ケータイなど好きなことを気ままに綴るブログです。

Pure or AV? Part4~GX100との出会い~

2010-01-05 22:13:11 | オーディオ
展示会はコンベンションホールの多目的ホールみたいなところでやってました。
お店にはいったことはあるのですが、展示会ははじめて。
会場に入っての第一印象。
「なんかオッサンばっか。」
自分自身も中年、十分にオッサンなわけですが、その自分より上の年齢の人がほとんど。
若い人は、ほとんど見当たらない。
そりゃそうですよ。若い人はみんなポータブルオーディオだもの。
せいぜいミニコンポか。それなら家電量販店で売ってるから、こんな展示会に来る必要なし。
この業界も先細りだな、いやもうすでに先細っているのかも、などと思いながら、
お目当てのFOSTEXのブースを探すと、すぐ見つかりましたが、
とりあえず、そんなに広くはない会場をぐるっと一周。
やはりというか、国内メーカーのブースが多かったですね。
KEFのスピーカーも気になっていたので、
ブースを覗いてみたのですが、担当者は1人だけ。
しかも、かなりやる気なし。
なので早速FOSTEXのブースへ。

G2000の試聴スペースと並んでGX100の試聴スペースがありました。
担当者がかなり熱心に説明してくれます。
GX100のカットモデルもあり、なかなか興味深い。
リアのバスレフポートの内部はトイレットペーパーの芯のような紙管がつながれていましたが、
微妙な角度でアングルがつけられていて、この角度が肝なのかなと勝手に想像してみたり。
お願いして持参したCDをかけてもらうことに。

持参したのは、聞きなれたCDのうち録音が良いものということで、
Philip Koutev National Folk Emsembleの「Bulgarian Polyphony1」と
PinkFloydの「The Dark Side of The Moon」の2枚。

最初のは、私が大学生の当時かなり話題になったブルガリアン・ポリフォニー。

知っている人は知っているビクターのエスニック・サウンド・シリーズの1枚です。
また、あの山城祥二が録音を担当しています。
その後の私の音楽観が変わるほど衝撃を受けた一枚です。

2枚目は言わずと知れた「狂気」。

CD盤は持っていたのですが、SACDの音質もチェックしたかったので、
5.1チャンネルのSACDと2チャンネルのCDのハイブリッド盤をこの日のために買いました。
SACD盤のジャケットは、色が青っぽいです。

GX100はこの秋発売予定という専用のスピーカースタンドにセットされていました。
アンプとCDプレーヤーはLuxmanのM-800A、C-800f、D-06という組み合わせ(だったと思う)。
なんでこんなアンバランスな組み合わせかというと、
単に代理店がLuxmanとFOSTEXの両方を扱っているというだけだった模様。

はじめに「Bulgarian Polyphony」をかけてもらうことにしました。
展示会場内のあちらこちらで音を出していて、だいぶ騒々しいので、
渡されたボリュームのリモコンでボリューム上げ目で試聴。

何ですかこれは・・・
「Bulgarian Polyphony」を聴いたことのある方ならお分かりだと思うのですが、
これってほぼ純粋な女声合唱(ソロパートもありますが)で、ハモリのないユニゾンです。
もともとはブルガリアの民謡ですが、
これを現代的に洗練させたのがPhilip Koutev National Folk Emsembleなのです。
洗練されてはいるが、繊細ではない非常に強い声です。
(詳しくは別の機会に書きたいと思います。)
その澄み切った声が朗々と鳴り響いている。
「洗練されてはいるが、繊細ではない強い声」が見事に表現されているのです。
これが5万円の、こんなコンパクトなスピーカーの音なのかと、うなるばかり。

ペアマイクひとつのみで録音されたホールの響きも十分に感じられて、
評判がいいので期待をして試聴に行きましたが、それを上回る出来。
思わず聴き入ってしまいました。
ソースとしては相性ばっちりです。
(ここまで良い印象につながったのは、アンプの影響も大きかったことにあとで気づくことになります。)

続いて、SACD盤の「狂気」。
これは1973年の作品で当時はもちろんレコードで発売されたわけですが、
なんだか知らないのですがとにかく録音が良い。
知らない人に黙って聞かせれば、まさか35年以上前の録音だと気づく人はいないでしょう。
で、どの曲を聴いたかというと「タイム」。
時計の針音からベルが鳴り響き、振り子時計の鐘がゴンゴン鳴るイントロから聴きました。
かなりボリュームを上げていたので、ベルのけたたましい音で周りの人がビックリ。
そこからボーカルが始まるまでかなり長いのですが、
そのイントロの深いエコーとボーカルが始まってからのデッドな感じがハッキリ分かる。
低音は、かなり締まっていますが、下の方までぐーっと伸びる感じ
「Bulgarian Polyphony」ほどの相性のよさは感じませんでしたが、
5.1チャンネル録音のSACD層を2チャンネルで聞いているので、こんなものかと思ってました。

あとジャズピアノの曲も聞かせてもらいましたが、これはあまり印象が良くありませんでした。
理由はよく分かりませんでしたが。

気になったところは、全体的に音が硬いこと。
きけば、エージングの済んでいないおろしたてのスピーカーとのこと。
これは、鳴らしこめば硬さがとれるだろうな、と判断しました。

音の方はかなりいい印象です。
音以外のことで、試聴をしていて気づいたのは正面のユニットを取り付けている面に
通常あるものがない。
サランネットを固定する突起(なんていうんでしょう?名前が分かりません。)がないんです。
確認するとサランネットの四隅に磁石が付いていて、磁力で張り付いているとのこと。
さらに、ツイーターに金属製のガードネットが付いているのですが、
サランネットの磁石にくっつけて外すと簡単に外せると教えてくれました。
カットモデルをチェックしていて気づいたのは、スピーカーの底にねじ穴がひとつ切ってあること。
これは専用のスピーカー台を使えば、スピーカー台の天板の裏側からねじ止めできるとのお答え。
私の使用環境からすると、これはポイントが高い。
買うなら専用のスピーカー台込みで考えなきゃと思って、発売時期と予定価格を聞いてみると
「秋ごろで2台1組4万5000円ぐらい」とのお答え。
「1本5万円のスピーカーに4万5000円でちょっと高くないですか?」というと、
「いやいや、いま発売されているスピーカー台(SG850のことらしい)は1本5万円なので、
それに比べれば、かなりリーズナブルですよ。」というお返事。
相対比較の問題ではないのだが、と思ったものの、
「はぁ、そういうものですか」とお答えしておきました。

何度も言いますが、単に試聴に行っただけで、
買う気はなかったのでお金を持っていっていません。
GX100の付いていたプライスタグは4万5000円ぐらい。
ネットでチェックしていた最安値は4万円。
結構差があったので、なんと言って断ろうかと考えているところに、
その代理店の責任者らしき人が登場。
私が値段で踏ん切りが付かないと思ったらしく、
「今日は展示会だし、普通の値段じゃ面白くない。4万円ジャストでどうですか?」
「・・・買います。」
自分で言うのもなんですが、衝動買いはしない方です。
特に高額商品は、衝動買いをしたことがありません。
スペックを調べたりして、じっくり考えて選ぶ方です。
しかし、このGX100は買っちゃいました。

今思うと、
ほかのスピーカーも試聴して決めればよかったんじゃないかとは思うんですよ。
でもね、多分ほとんど利益でない値段にまけてくれたその気持ちに負けてしまいました。

買うつもりがなかったのでお金を下ろしてくると言うと、
手数料無料のクレジット契約でOKとのこと。
となると、あとは色を選ぶだけ。
試聴したのは、明るい黄色ハニーイエロー。

妻はこの色がかわいいという。
ただ、専用のスピーカースタンドがダークブラウン1色しかないとのことだったので、
スピーカーの色も合わせて無難にダークブラウンにしました。
配送はメーカー直送、販促品のスペーサーもつけてくれるということ。

そう、スピーカー台の発売日も決まっていないのに、
買ってしまったこのGX100こそが、高校以来のオーディオ熱を再発させ、
こんなブログを書かせる原因なのでありました。

(つづく。次回はGX100が我が家にやってきてからのお話です。)