水星に氷の証拠あった NASA探査機発見
- 2012年11月30日11時14分
【波多野陽】太陽に最も近い灼熱(しゃくねつ)の惑星、水星に氷が存在している証拠を、米航空宇宙局(NASA)の無人周回探査機メッセンジャーが見つけた。NASAなどのチームが30日付米科学誌サイエンス(電子版)に発表した。
太陽から水星までの距離は、地球までの距離の0.39倍。表面温度は場所によっては400度以上に達する。しかし自転軸の傾きの関係で、北極や南極のクレーターの中には太陽光が当たらない「永久影」ができて零下173度以下になることがわかっており、「氷があるのでは」と考えられてきた。
今回、メッセンジャーの観測で、水星の北極のクレーターに氷の存在を示す特徴的な明暗部分が見つかった。氷の体積は、琵琶湖の水の量の20倍程度に達するという。
チームは水星の氷は有機物を豊富に含んだ堆積(たいせき)物に覆われているとし、「彗星(すいせい)や小惑星によって水星に運ばれたものだろう」と説明している。
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