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大学院であまり役に立ちそうもない勉強をしたり、陶芸、歌舞伎・能、カメラ、ときどき八ヶ岳で畑仕事、60代最後半です。

近代絵画展「ルオー、ピカソ、セザンヌ、ローランサン」

2006-03-13 23:37:08 | 文学・文芸・芸術
印象派から発展していった近代絵画は、それぞれの画家の活躍した年代
により、或いは絵画の様式により幾つかの呼び方がある。印象派、後期印
象派、新印象派、素朴派、フォーヴィスム、キュビスム・・・・。

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  ルオー           ルノワール         ピカソ
「ユビュ親父」        「傘を持つ少女」      「女性の頭部」

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ルオー(1871-1958)は、一般的には、マティスに代表されるフォーヴィスム
(野獣派)に類するとみられているが、フォーヴィスム(野獣派)の絵画は、
強く鮮やかな色彩で描かれており、物固有の色は無視され、画家の主観的
感覚を表現することから批評家にフォーヴ(野獣)といわれたことからその
呼び名が始まるといわれている。

ピカソ(1881ー1973)は、キュビスム(立体主義)といわれているが、フォー
ヴィスムとは対照的に抑制された静的な色彩が特徴で、初めの頃、描く対象
を円、筒、球、円錐などの幾何学的な形態として捉えたのでキューブ(立方
体)という言葉からキュビスム(立体主義)という呼び方になったものらしい。
ピカソはそこから発展していって、写実的な発想から解放されて独特の世界
をつくりあげた。

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   セザンヌ                    マリー・ローランサン
  「水浴者たち」                   「二人の姉妹」

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セザンヌ(1839-1906)は、近代絵画の父といわれる。彼はキュビスム
といわれる手法を用いて、ピカソやブラックに大きな影響を与えた。彼は
成長過程において、ドラクロワ(ロマン主義)、クールベ(写実主義)、
マネやピサロ(印象派)等に影響を受けながらも、しかし印象派の非科学
的な技法には飽きたらず、自然を幾何学的に捉え、光の当たり方による表
情の変化を追求した。彼が世間に巨匠として認められたのは晩年のことで
ある。

マリー・ローランサン(1883ー1956)は、ピカソとほぼ同年代の女性画家
であるが、この絵は顔も肌も真っ白で、夢のような美しさである。この絵
が示すものは、「淡い色調と簡潔なフォルムによる、繊細で、華やかで、
官能的でさえある女性像」という独特の画風である。第一次世界大戦前
は「憂いを秘めた詩的な女性像」を描き、パリで独自の境地をひらいたが、
戦後はガラリと画風を変え、「繊細、華やか、官能、夢の世界の少女像」
という世界を描くようになり、肖像画や舞台装置や衣装の世界でも持ては
やされるようになった。

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<フランスの近代絵画>

今回、ベオグラード国立美術館所蔵のフランス近代絵画を鑑賞して、一口
に近代絵画というけれども印象派が打ち破った古い伝統芸術の殻から抜け
出した様々な運動、反目、思想、様式、技法などが重なりあって近代美術が
形成され、そして20世紀美術の新境地へと流れてきたことが分かり、非常
に感銘を受けた。

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