東京・歌舞伎座での坂田藤十郎襲名披露「口上」は、夜の部の二番
目、「藤十郎の恋」の次に行われる。新聞報道によれば、皇太子殿
下も鑑賞された、という。「口上」は誰が襲名した場合でも、実に
楽しいものだ。
””””””””””””””””””””””””””””””””””””””””””””””
<江戸時代の口上と現代>
江戸時代の「口上」は、開演前に演目や配役などを読み上げる
こと . . . 本文を読む
「床下」の場
胸がスカッとする荒事の場である。
凄みのある悪人、仁木弾正の松本幸四郎、豪快な荒獅子男之助の
中村吉右衛門と、役者が揃えば言うことなしの気持ち良さ。
前の「御殿」の重い長丁場から、場面はガラリと変わる。短時間だが、
豪快で、凄みのある、ぞくぞくする雰囲気が荒事のすばらしさだ。
<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<
<忠臣、荒獅子男之助>
忠臣、荒 . . . 本文を読む
<芝居の見所>
「芝居の構成」
(「御殿」と「床下」)
伽羅先代萩の通し狂言としては、「花水橋」「竹の間」「御殿(ごてん)」「床下」
「対決」「刃傷」とあるが、今回は「御殿」と「床下」の二つとなっている。「御殿」
では一部、舞台の造りを変え、鶴千代君を隠すための部屋を設けたことが新し
い趣向である。これは新藤十郎の意向であろうか。
”””””””””””””””””””””””””
( . . . 本文を読む
<御殿の場・・・陰謀と局たちの打ち掛けの様式美>
御殿の場は、静かな動きが長く続くなかで、乳母政岡が子千松と若殿鶴千代
君の不憫さとけなげさに胸を詰まらせる場面が圧巻であり、子役の力を如何
に引き出すか、さらに若殿を必死に守る政岡の、悲痛な立場と強固な決意を
静かな動作の中で如何に伝えるかが見所である。しかも、この場面は一国の
興廃にかかわる陰謀との戦いを御殿の女だけの戦いの場として演出してあ . . . 本文を読む
<演出に独自色>
襲名披露で新坂田藤十郎が上演する狂言三題のうち、「夕霧名残の正月」は初代
坂田藤十郎が生涯18回も演じたという当り芸、次の「曽根崎心中」は中村鴈治郎
(新・藤十郎)の当り芸で、右に出るものはいない。そこで、今回は、三番目の狂言
「伽羅先代萩」をとりあげてみたい。
「伽羅先代萩」は「めいぼくせんだいはぎ」と読ませるが、今回、筋立てと舞台装置
に手を加えて独自の演出による狂言を . . . 本文を読む
<初代坂田藤十郎のやつし芸の装束>
<東京・歌舞伎座>
昨年12月の京都南座に次いで、1月は東京・歌舞伎座で「中村鴈治郎改め
坂田藤十郎襲名披露」公演が行われている。
坂田藤十郎は江戸時代における上方歌舞伎の創始者といわれる大名跡であ
るが、三代で途絶えているので、実に231年ぶりの襲名ということになる。
二代目、三代目 . . . 本文を読む
<そもそも因果の花とは>
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
そもそも、因果とて、よき・悪しき時のあるも、公案を尽くして
見るに、ただ、めづらしき・めづらしからぬの二つなり。
同じ上手にて、同じ能を、昨日・今日見れども、面白やと見えつ
る事の、今また面白くもなき時のあるは、昨日面白かりつる心慣
(な)らひ、今日はめづらしからぬ . . . 本文を読む
<因果の花>(花伝第七別紙口伝より) 別紙口伝の中で説く「能」の「道理」は、現代の我々も納得させられるものであるが、中には現代の「処世術」として大いに勉強になる言葉が多い。 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ この男時・女時(おどき・めどき)とは . . . 本文を読む
<因果の花>(花伝第七別紙口伝より抜粋) 別紙口伝の中の因果の花は芸道の真理を説く。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 因果の花を知る事、極めなるべし。 一切みな因果なり。 初心よりの芸能の数々は因なり。 能を極め、名を得る事は果なり。 . . . 本文を読む
<能の教本「風姿花伝」> 世阿弥(ぜあみ)の「風姿花伝(ふうしかでん)」は、「能」を勉強しようとするものにとっては必須の教本であるが、一通り読んで理解した積りでも、研究者から直接話を聞くことによってそれまでの解釈が間違っていたことに気づいたり、あるいは新たな感銘を受けたりすることが多い。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~私は独学で「能・歌舞伎」を勉強しているが、当然分から . . . 本文を読む
江戸東京博物館で行われている第十八回江戸博歌舞伎
歌舞伎フォーラム公演を、9月19日(月・祝)に観てきました。
三部構成で、開演は16:30の部、終了は20:00でした。
第一部 「歌舞伎に親しむ」
歌舞伎の美/効果音
第二部 伊達娘恋緋鹿子
「櫓のお七」
第三部 増補・菅原伝授手習鑑
「松王下屋敷」
(写真は . . . 本文を読む