<浮世絵の版元 蔦屋重三郎>
浮世絵の仕掛け人「蔦屋重三郎」のことはよく知っているが、この人を主人公にした展覧会はあまり記憶にない。そういう意味で今回の展覧会は出色ものといえる。江戸の安永・天明・寛政期における「蔦重」の晴れやかな活躍によって浮世絵の文化が市井に花を咲かせるが、吉原文化とともに歌麿や写楽の華々しい活躍の裏側には、寛政の改革による「身代半減」という過酷なお咎めや病気による苦しみとの . . . 本文を読む
衛星放送で「アマルフィ 女神の報酬」を見た。昨年、2009年に話題になった映画であるが、アマルフィを舞台にしながら観光映画にしていない、いや気づかせないストーリーの展開が秀逸である。<アマルフィとは>アマルフィはイタリアの断崖絶壁に囲まれた、周囲6キロメートル人口5300人の小さな海岸の都市だが、断崖上に立ち並ぶ街並みの光景は夢のようだ。ユネスコの世界文化遺産に登録されている。<全編、イタリアロ . . . 本文を読む
<シアター・コクーンの松たか子>5月1日(土)、シアター・コクーンでサマセット・モームの喜劇「2人の夫とわたしの事情」を見た。見た、というような穏やかな座席の取り方ではなく前夜の新聞での舞台評を読んで翌朝急に思い立って渋谷へ向かった。開演1時間半前に到着したが既に10人ほど並んでいた。土曜日だったこともあり当日券は多分30人~40人分しなかったようで、7000円の席は10人でお終いとな . . . 本文を読む
アメリカ映画の有名なプロデューサーにジェリー・ブラッカイマーという人がいる。私が好きなテレビドラマは、
「CSI:科学捜査班」
「CSI:マイアミ」
「CSI:ニューヨーク」
「コールドケース迷宮事件簿」
それに
「WITHOUT A TRACE FBI 失踪者を追え! 」
である。
後で分かったことだが、これらの作品はみんなジェリー・ブラッカイマーのプロデュース作品である。
それに . . . 本文を読む
<私にとっての剣客商売の主役「藤田まこと」と「寺島しのぶ」>
私は「剣客商売」が好きである。現在のシリーズとスペシャルドラマの主役は藤田まことの秋山小兵衛であるが、重要な役回りを演じているもと佐々木三冬、結婚して秋山三冬となった女剣士の役は寺島しのぶである。寺島しのぶは舞台女優としてデビューした当時から、何かを持っている、という感じがしていたが、特に映画に転じてから男女の「性」に関する演技を . . . 本文を読む
「根津青山(Nezu Seizan)の茶の湯」の展示品
<数多くの重要文化財・重要美術品>
私が拝見した今回の第2部では、一つの国宝と、桃山時代の「鼠志野茶碗」を
始めとする20数個の重要文化財や重要美術品が展示されていたが、根津嘉一
郎蒐集品のほんの一部であるという。今回の展示品は、別に「コレクション展」
として茶の湯以外のものが沢山展示されているが、その内の半分以上が中国 . . . 本文を読む
「根津青山の茶の湯 初代根津嘉一郎の人と茶の道具」
根津美術館は10月7日に元の場所に新築開館したばかりなので館名の冒頭に
新を付けて新根津美術館と呼称しているが、新築の新という意味だけでなくこの
大きな和風建築物が、大庭園との一体感を維持するために外観は瓦屋根の純
和風に仕上げてあること、一方内部は現代建築の粋を取り入れているがあくまで
もシンプルで清新な空間を醸し出しており、建物と庭園と . . . 本文を読む
最近まで永青文庫という博物館の存在をほとんど意識の中にはなかったが、
ふとしたことから
永青文庫秋季展「黄庭堅・伏波神祠詩巻~中国大書家の気に触れる~」
という案内を見た。
黄庭堅の代表的な行書である「伏波神祠詩巻」については平成18年2月に
東京国立博物館で開催されていた「書の至宝ー日本と中国展」を鑑賞した折、
同年2月15日のこのブログに
「書の至宝<黄庭堅筆の「行書伏波神祠詩 . . . 本文を読む
クリシュトフ・キンテラ(チェコ)、「製品」シリーズより
1月21日から3月26日まで、東京都現代美術館で「転換期の作法」とい
うタイトルの美術展が開催されていた。これは私が追い求めていたポップ
アートの世界の一つなのだろうかと思いつつ、タイトルに惹かれて鑑賞した。
「転換期の作法」という意味不明のタイトルは、時代の先端を行くのか、
あるいは、後追いで転換期に指しかかろう . . . 本文を読む
印象派から発展していった近代絵画は、それぞれの画家の活躍した年代
により、或いは絵画の様式により幾つかの呼び方がある。印象派、後期印
象派、新印象派、素朴派、フォーヴィスム、キュビスム・・・・。
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ルオー ルノワール ピカソ
「ユビュ親父」 . . . 本文を読む
上の絵は、ピサロの「テアトル・フランセ広場、陽光の効果」(1898年)
<印象派>
印象派の画家、という表現は日本人には、心地よい響きに聞こ
えるようだ。
モネ、ドガ、コロー、ピサロ、マネ、シスレー、ルノワール、ゴッホ、
ゴーギャン・・・・等々の名前は、殆どの日本人が知っている。
音楽の世界でも、ドビュッシー、ラベル、プッチーニ、等の名前が
印象派として挙げられる。
======= . . . 本文を読む
ゴーギャン「タヒチの女性」(1898年)
日本橋三越で、ベオグラード国立美術館所蔵の「近代フランス絵画展」が
開催されている。ベオグラードは旧ユーゴスラビアの首都であるが、現在
はセルビア・モンテネグロという国名に変わっている。日本の浮世絵が世
界各国の美術館にあるのと同様に、ヨーロッパの各国でもフランスの絵画
を沢山収集している。
フランス近代絵画というのは、保守の芸術を打破して . . . 本文を読む
<歌舞伎市村座「積恋雪関扉 小町姫」三代目歌川豊国作>
(つもるこいゆきのせきのと)
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<浮世絵師「渓斎 英泉」>
渓斎 英泉(けいさい えいせん、寛政2年(1790)~嘉永元年(1848))は、
江戸の下級武士の出身で、苦労しながら狂言作者を目指したり葛飾北斎
に私淑 . . . 本文を読む
(冒頭の絵は鳥居派による初代市川団十郎の歌舞伎絵である)
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喜多川歌麿は、宝暦3年(1753年)生まれと云われているが、年代が近い
浮世絵師は7歳後に葛飾北斎、8歳後には山東京伝(戯作者・浮世絵師)
がいる。菱川師宣や鳥居清信は90年以上前、鈴木春信も30年以上前の
人物で、歌川(安藤)広重は40年以 . . . 本文を読む
私が作品を知っている、あるいは名前を聞いたことがあるという浮世絵
師は沢山いる。例えば、
鳥居清長、鳥居清信、歌川(安藤)広重、歌川豊国、歌川国芳、
歌川国貞、葛飾北斎、鈴木春信、喜多川歌麿、菱川師宣、東洲斎写楽、
渓斎英泉、勝川春章 等々。
その中でも一番、作品に触れる機会が多い作者は以下の6人であろうか。
今回一般にはあまり知られていない渓斎英泉(けいさいえいせん)なる人
物の浮世絵を初 . . . 本文を読む