上野みえこの庭

日本共産党熊本市議の上野みえこのブログです。

後期高齢者医療広域連合議会2018年10月議会一般質問報告・・・熊本地震の災害減免復活と保険料ならびに一部負担金減免の活用を

2018-10-30 22:00:53 | 議員活動
後期高齢者医療広域連合議会の2018年10月議会で一般質問を行いました。
テーマは、2つです。年に2回しか開かれない議会なのに、一般質問の時間はわずか10分です。
今回は、熊本地震に係る被災者の医療費減免復活と、減免制度の利用促進について質問しました。
いずれの問題でも、大西連合長(熊本市長)は高齢者の願いに背を向けた冷たい答弁でした。
医療費の災害減免復活では、仮設住宅自治会等から県に対して復活を求める署名が2万人以上届けられています。そういう切実な声に応えるならば、医療費減免は速やかに復活すべきです。
保険料や一部負担金の減免運用でも、制度がありながら、一部負担金免除は全く利用されていません。制度の周知はもちろん、適切に運用されるよう、広域連合としても積極的に取り組むべきです。
質問は、以下のとおりです。


【質問内容】
 一般質問を行います。
はじめに、熊本地震に係る災害減免の復活について伺います。
 第1に、熊本地震の発災から2年半が経ちました。熊本県下で、死者270名、2700人を超える重軽症者の人的被害、及び20万世帯近い住宅被害を出すという未曽有の被害からの復旧は、まだまだ道半ばです。9月末現在で、プレハブ仮設・みなし仮設の入居は、10843世帯、24580人となっており、住いの復旧に様々な困難を抱えておられると思います。自宅生活ではあっても、まだまだ復旧に困難を抱える人は多数いらっしゃいます。発災から2年を経た今の、被災者の暮らしの実態や、復興状況についてどのように認識されていますのでしょうか。
第2に、災害減免が廃止された昨年10月以降の被災者の受診状況について、多方面から様々な報告がなされていますが、どのように把握されていますでしょうか。具体的にご説明ください。
第3に、今後、災害減免を復活した場合、1年間に必要となる費用はどの程度と試算されますか。
第4に、25000人近い人たちが未だ仮住まいをなされている状況を見るならば、災害減免については、是非復活すべきではないかと思いますが、今後の復活についての考えをお尋ねいたします。
 1点目と4点目は連合長に、2点目・3点目は事務局長に伺います。

(答弁)

被災者の受診状況では、レセプト件数のみご紹介されましたが、この間マスコミでも、地震の影響による受診抑制の状況は様々に報道されています。討論では、熊本県保険医協会のアンケート結果を紹介しましたが、医療関係者主催の学習会では、益城町の医師より、地震発生後は、地域住民はもちろん、医療機関の被災により医療の提供体制が変わることや、避難所・仮設への入居など、被災者の住環境も変化し、精神的・肉体的ストレスが高まることによって、健康だった人でも体調を壊す、慢性疾患患者は継続治療が難しく病状が悪化するなど、地震によって被災者の健康が阻害されている様子が報告されていました。そして、医療費の減免・免除が被災者の健康管理に大きく貢献し、中止によって、復興道半ばで被災者が倒れてしまうと指摘されていました。阪神大震災でも、震災後のストレスの多い生活環境によって、仮設住宅の住民に高血圧・糖尿病・狭心症・心筋梗塞・腰痛症など、様々な疾病の発症率が上がる一方で、病院が遠い、自己負担が重い、医療費減免打ち切りなどを理由に診療を中断した人が3割もいたとの報告がありました。それぞれ、医療の現場にいる方々が、切実に、震災後の医療支援の重要性を述べられていました。
このような現場の実態こそしっかりとつかんで、被災者の立場に立った支援を実施すべきです。連合長は、医療費免除を復活すれば、被保険者の保険料に9億円影響すると答弁されましたが、広域連合の医療給付に係る特別会計の決算剰余金115億円のわずか6%程度でできることです。病気を抱え、復旧に取り組む被災者に冷たいと思います。被災者の立場に立ち、一部負担金減免を是非復活していただくよう要望いたします。

引き続き、保険料ならびに医療費の一部負担金減免についてお尋ねいたします。
第1に、「熊本県後期高齢者医療広域連合後期高齢者医療に関する条例」第19条では「保険料の減免」を定めています。また、医療費の一部負担金減免は要綱に定められています。条例に基づく保険料減免ならびに、要綱に基づく一部負担金減免・免除の必要性について考えを伺います。
第2に、熊本地震を除く減免の実施状況について、過去3年間の事由別件数・減免額をご説明ください。条例第19条7項の「特別な事情」による減免実績は、どのようになっていますか。また、要綱による一部負担金の減免免除実績について、過去3年間の件数・金額をお示しください。
第3に、条例や要綱に規定された減免・免除については、適切に実施されるべきであると思います。そのためにも、
⓵保険料減免については、要綱に定められた減免の基準を見直していくべきではないでしょうか。特に、条例の6項では、「生活困窮により、公の扶助を受けたこと」を減免対象としています。しかし、生活保護基準以下の収入で生活する世帯については、減免の対象となっていません。生活保護基準以下の収入の世帯についても、条例の7項に規定される「その他広域連合長が認める特別の事情」に位置付けて減免を実施すべきではないでしょうか。
⓶医療費一部負担金の減免免除についても、適切に運用されるように、基準生活費の1・2倍となっている対象範囲を引上げ、1・3倍ないし1・5倍に、あるいは住民税非課税世帯を対象とするなど、要件の緩和を行うべきではないでしょうか。
⓷適切な減免制度実施のためにも、減免制度の周知をきちんと行っていくべきではないかと思いますが、現状と今後の取り組みについて伺います。
1点目と2点目は事務局長に、3点目は連合長に伺います。

(答弁)

 医療費の一部負担金減免は、過去3年間全く実績がないということです。制度がありながら、全く利用されていないというのは、まずもって問題です。広域連合で作成したパンフレットや市町村による説明等での周知が行われているようですが、市町村段階へ周知しても、具体的な内容が被保険者である一人一人の高齢者やその家族に届かなければ、利用はすすまないと思います。私のいる熊本市でも、周知が十分に届いている状況にはないと思います。後期高齢者医療の場合、運営主体である広域連合が直接被保険者にアクセスするわけではなく、間に窓口となる市町村が入ります。よほど丁寧に状況を確認しなければ、被保険者にまで情報が届きません。特に、対象が75歳以上の高齢者ですから、より丁寧に伝えなければ正確な制度の理解も難しいのではないでしょうか。減免内容では、国の要旨に基づき運用していると言われましたが、後期高齢者医療制度は自治事務です。運用している特別地方公共団体としての広域連合が、住民の立場に立ち、被保険者の実情に即して運用していくべきです。全く運用されていないような制度設計については、内容を検証し、しかるべき運用がなされるような改善こそ必要です。
貧困、生活困窮が社会の大きな問題になっている昨今、この一部負担金減免制度の必要性は増しているのではないかと思います。次年度は、利用実績はありませんということがないよう、制度の周知と利活用の促進をお願いいたします。
 保険料についても、特別徴収の人には有無を射言わさず年金から天引きし、低年金の普通徴収の人には払えなければ厳しいペナルティを科すのですから、その前に払える保険料でなくてはなりません。収入の金額だけでなく、それぞれの高齢者の状況から、支払い困難という状況も生まれてきます。そうした状況を考慮できるような、減免制度の適切な運用が必要だと思います。
 また、今回質問して気づいた点として、広域連合では、条例・規則はホームページに掲載されていますが、要綱は載っていません。適切な制度運用には要綱の内容を把握することも大切だと思いますので、是非要綱も含めてホームページに掲載していただくようお願いいたします。
 以上で質問を終わります。
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