懐かしい写真がでてきたので。
僕のホテル通いは、
このホテルから始まりました。
このキーで、
このドアを開ける。
幾人もの先人たちが、
この部屋に泊まったのだ。
今は自分が、
このソファに座る。
かたわらのオットマンに、
歩き疲れた足を乗せて。
こぢんまりとした、
このシングル・ルーム。
昭和の規格で、やや小さめだが、
よく眠れたこのベッド。
先人らも、かつて、
この眺めを楽しんだんだろう。
朝食も真似して、
部屋食にかえてもらった。
品数十分な、フルの
ブレックファーストで、
小一時間かけて、
ゆっくり、いただいた思い出。
今もう、このキーも、
このソファも、
このベッドも無い。
過去の風景です。
これらを奪った奴。
沖縄から来た、
あの支配人のことを、
僕はけっして、忘れない。
ひとを雇わないと思うことは、
実際、そうは無いことですけども。
この支配人だけは、
絶対に、雇わないわ。