ブルース・リーがウルトラを救った?

 今から50年前の74年は燃えよドラゴンが公開されて大ヒットして
以来、主演のブルース・リーをはじめとするカンフーブームが起き
ていた。

 だから50年前の今頃はタイトルに‘ドラゴン’が付くカンフー映画が
次々と雨後のタケノコの如く公開されまくっていたし、ヒーロー番組
でも電人ザボーガーをはじめとした等身大ヒーロー番組は明らかに
カンフーブームの影響を受けた作品が多く作られていた。

 帰ってきたウルトラマン以来4年目に入った第2期ウルトラでも光線
技を多用せず体術中心で敵と戦うウルトラマンレオが作られており、
子ども心に光線技をあまり使わないレオはアクションが凄いわりには
人気が今一つだったのだ。

 とはいえレオは前年制作された円谷プロ創立10周年記念作品のウル
トラマンタロウが華やかだったものの、次番組は同じような流れであ
る派手な作品を作るわけにいかなくなったので制作サイドは大変だっ
たと思われる。

 しかもオイルショックによる物価高で製作予算が厳しくなって多額
の予算を必要とする光学合成による光線はあまり使えないため、そう
なるとパンチやキックなどの体術系を武器にしたヒーローという事に
なる。

 ところがカンフーブームだったおかげで体術中心の巨大ヒーローが
登場しても、それなりに許される流れだったのでレオが光線技をあま
り使わなくても世間は受け入れてくれた形なのだろう。

 そういった意味でブルース・リーが起こしたカンフーブームは、ウ
ルトラをも救った事になるのではないだろうか。

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