今から20年前の今日97年7月20日にスイスのチューリッヒで
行われたFIFAの会議で、98フランスW杯アジア最終予選がホーム
&アウェー方式で行なわれる事に決まった。
当初フランスW杯アジア最終予選は10カ国が中立地に集まって
行なうセントラル方式が予定されており7月20日に開催地、21日
にグループの組み分けが決まるはずだったのが急遽ホーム&アウェ
ー方式に決まったのだった。
私がW杯を見始めたのが82スペイン大会からだがスペイン大会
予選は1次が4箇所に分かれてセントラル方式で行なわれ、各組1
位の4カ国がホーム&アウェーの最終予選を戦っていた。
86メキシコ大会はアジアとオセアニアが分離しアジアから2カ国
となったので東西から1カ国づつという形になり、4つのグループで
ホーム&アウェーの1次予選を戦い各組1位がホーム&アウェー方式
での準決勝&決勝を行なう方式だった。
90イタリア大会からアジア全体から2カ国となり6つのグループで
ホーム&アウェーの1次予選を戦い、各組1位の6カ国がシンガポー
ルに集まってのセントラル方式に変更された。
そして94アメリカ大会は1次予選がダブルセントラル方式になり、
勝ち抜いた6カ国がドーハでのセントラル方式という形になった。
98フランス大会も最終予選の枠が6から10に増えたものの94ア
メリカ大会と同じシステムで行なわれる予定だったが、当初はマレー
シア開催が有力視されていたものの中東勢はバーレーン開催を主張し
収集が付かなかったゆえの措置だろう。
基本的にアジアは広過ぎるためホーム&アウェー方式は難しいと
されていたわけだがセントラル方式だと雨の多いマレーシアならば
中東勢が不利になるし、ドーハで行なわれた前回の予選は予想以上
に中東勢が強かった事から日本や韓国を含めた東アジア勢が難色を
示したのは当然でホーム&アウェー方式になったのは悪い事ではな
かった。
セントラル方式では一発勝負的な形なので実力よりも勢いに乗っ
たチームが勝ち抜く可能性が高く、実際にフランス大会の予選スケ
ジュールならば3試合目の韓国戦が9月28日に国立で喫したような
逆転負けした時点で敗退確定だったろうからホーム&アウェー方式
に救われたともいえる。
ちなみにフランス大会以降もアジアは1次予選からホーム&アウ
ェー方式で戦うようになり、このシステムが定着したわけだから今
から20年前のFIFAの決定はアジアサッカー界だけでなく日本にと
っても重要だったわけである。