なぜ徳山昌守の統一戦が実現しなかったのか

 今から20年前の04年1月3日に大阪中央体育館で行われたのがWBA
:Sフライ級タイトルマッチ=アレクサンドル・ムニョスー小島英次戦
と、WBC:Sフライ級タイトルマッチ徳山昌守ードミトリー・キリロ
フのSフライ級ダブル世界戦。

 セミファイナルに登場した小島は2年前2RでKOされたムニョスを1
度はグラつかせて見せ場を作るも10RでKOされたのに続き、メインで
は徳山がキリロフを倒せなかったものの翻弄して大差の判定勝ちし8
度目の防衛に成功する。

 同じ日に同じリングで王者が共に防衛戦を行うというのは珍しいの
だが、こうなると本来なら統一戦となるはずが成立しなかったのは解
せない。

 海外では同じ階級の選手同士が同じ会場で世界戦を行うというのは
次が統一戦と煽るようなもので、いわばデモンストレーション興行と
いう事になる。

 最も印象深いのが81年6月にヒューストン・アストロドームで行わ
れたウエルター級のダブル世界戦で、WBAウエルター級王者トーマス
・ハーンズ3度目の防衛戦とWBA;Jミドル級王者アユブ・カルレに2
階級制覇を目指して挑戦したシュガー・レイ・レナードが試合を行い
ハーンズが防衛するとWBC王者レナードもカルレにKO勝ちして2階級
制覇を達成し9月にハーンズーレナードのウエルター級タイトル統一
戦を行っている。

 個人的に同じ会場でSフライ級の世界戦がダブルで行われるという
事は徳山が待望のビッグマッチである統一戦を行えると思っていた
のだが、結局実現せず次の防衛戦が前年6月に大差の判定勝ちしてい
た川嶋勝重との再戦でモチベーションを失った徳山は1RKO負けを喫
しタイトルを失う事に。

 そういえばWBA:Sフェザー級王者・内山高志とWBC王者・三浦
隆が13年大晦日にダブルタイトルマッチを行い共に防衛に成功して
いるのだが、この時も統一戦は行われず(もっとも内山は三浦とは
11年1月に対戦し10R終了TKO勝ちしている)両者とも独自路線を進
んでいる。

 内山の会長・渡辺均や徳山の会長・金沢英守もリスクを冒さず、
現実路線を行った人だけに、もう少しビッグマッチを行う気概が
あったらと思う次第である。

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