ヘアサロンうつのみや・オーナーのスポーツやヒーローもの、雑談ネタを徒然なるままに
こーじ苑
ニカラグアの貴公子・アレクシス アルゲリョを偲ぶ
今日の夕刊に
「ボクシングの元3階級世界王者で、ニカラグアの首都・マナグア市長の
アレクシス・アルゲリョが自宅で死亡しているのが発見された」という
ニュースが載っていて驚いた。
どうやら拳銃自殺らしい。
中南米の元世界王者は現役時代の稼ぎを使い果たしてボロボロになって
悲惨な状況に陥るのだがアルゲリョは引退後に首都の市長になるなど前途洋々と思われたのに・・・・何ともやりきれない。
生涯戦跡・90戦83勝(67KO)7敗、長身から繰り出されるスピード溢れる
強打が印象的。
アルゲリョといえば今から34年前の75年10月11日にWBAフェザー級王者
として来日し、KO仕掛け人と言われたミュンヘン五輪ベスト 8のロイヤル
小林と蔵前国技館で対戦。
177㎝の長身から鋭く伸びる左ジャブで小林を寄せ付けずに圧倒、 4R
終盤に小林の反撃を許すが5Rにボディブローで2度のダウンを奪いKOして
磐石の強さを見せ付けた。
試合前は‘小林のパンチが1発でも当たれば・・・・’という淡い期待が持た
れていたが、それすら許されない磐石の勝利だった。
小林は試合後
‘アルゲリョのパンチは氷でも入っているのかと思えるぐらい硬く
痛かった。
ボディブローで倒された時は刃物を突き刺された気分で息が
できず正直言って負けたけど命があってよかったと思った’
と語っていた。
フェザー級のタイトルは小林戦を含めて4度防衛後に体重苦で返上すると、
Jライト級王者のアルフレッド・エスカレラを13RでKOして2階級制覇する。
エスカレラは75年7月に来日し柴田国明を2RでKOしてタイトルを奪うと76
年に2度にわたってバズソー山辺の挑戦も退けるなど10度の防衛を成功
させていた強豪だ。
そのエスカレラを防衛戦でも13RでKOするなど2度退けた。
8度防衛後にライト級に上げて3階級制覇に成功すると、4度防衛後に返上
しJウェルター級王者のアーロン・プライヤーに2度挑戦するが14Rで失神
TKO負けし再戦でも10RKO負けして引退していた。
特筆すべきはフェザー級ではルーベン・オリバレスとロスで、
Jライト級ではプエルトリコでエスカレラ、ライト級ではイギリスで
ジム・ワットと いずれも2団体いるうち強い方の王者に敵地で挑戦
して奪取している事。
JウェルターでもWBC王者のレロイ・ヘーリーやブルース・
カリーに挑戦していれば十分勝てる可能性が高かったのだが、
あえて強いアーロン・プライヤーに挑戦しているのだ。
まさしく男の中の男だった。
« ウルトラマン... | わざと忘れ物? » |
しかし、それほど強い男でプライベートでも順調に見えた人物が拳銃自殺とは・・・
アルコールと薬物の依存に苦しんでいたと報道されていますが、本当にやり切れませんね。
無敗のKO仕掛け人・ロイヤル小林の挑戦に期待は大きかったが、練習を通じてアルゲリョの実力が明らかになるにつれ、予想は悲観的な物になり、果たして試合結果はご存知の通り。ロイヤル小林唯一の見せ場だった4R終盤の「斬り込み」も冷静に見れば一発もクリーンヒットを奪えず、次のR、痛烈な左ボディでロイヤルは悶絶。「凄え!これが本当の超一流なんだ。」日本人選手が負けたのは悔しかったけど、凄い物を見せてもらった、そんな風に思いました。
それとJ・ライト級(こう呼んだほうがしっくりくるのです)時代にディエゴ・アルカラを1RKOした試合も凄かった!よく「白目を剥いて失神する」と言う表現がなされますが、実際にそう言う事が起こり得るのをリアルに見せられたのがこの試合。衛星中継(懐かしい表現ですが)の荒い画像でもそれははっきりと確認でき、冗談抜きで「背筋に寒気が走る」恐怖に似た感覚を味わったものです。
よくアルゲリョを表現して、俳優クラーク・ゲーブルに似た風貌からか「エレガントな倒し屋」と言われていましたが、私個人は、詰めに掛かってからの手数の多さ、あらゆる角度からの鋭いパンチ等を見るにつけ、もし「阿修羅」が実在したら、きっとこんな感じなんだろうな、と思っていました。
若くして母国ニカラグアの英雄になり、その後も母国を代表する存在であり続ける事を要求され続け、人知れぬ苦悩があったのだろうと想像しますが、拳銃自殺とは・・・
この上半期、多くの著名人、かつてのスターがこの世を去りましたが、特に悲しい、胸を締め付けられる悲報でした。
故アレクシス・アルゲリョ氏のご冥福をお祈り致します。
では来年ロイヤル小林戦のDVDを持参しましょう。
強いなんてものではなかったです。
やはり若くして英雄になるとプレッシャーが半端
じゃないのでしょうが・・・・まさかです。
>吉法師様
私もアルゲリョが初めて生で見る超一流の王者でしたよ。
エデル・ジョフレ以来かもしれません。
Jライトに上げてもパワーは落ちることなく、KOを
量産してましたからね。
はじめの一歩に登場するリカルド・マルティネスの
雰囲気はアルゲリョだと思ってました。
ここのところセンサクら、かつての名王者達が亡くなってますが拳銃自殺とは辛いものがあります。
記帳テーブルが準備されていて
卓には「北京五輪で旗手を務めるアルゲリョ氏の姿」がありました。
記帳は殆どがスペイン語でしたが、日本のファンが書いた物もありましたね。
個人的には
ロベルト・デュランと並んで最大のヒーローですから
ただただ神妙に記帳させていただきました。
まぁ、室内に飾られたアルゲリョ氏の写真などは、許可もらって撮影いたしましたが・・・。
とにかく
選手としては「端正で基本に忠実で、それでいながら企画を超えた攻撃力・爆発力を備えた、攻防兼備の名王者」でした。
倒した相手に背を向けてニュートラルコーナーに向かう姿が、これほど絵になる選手も居なかったと思います。
「ファイトが終わったら、必ずシャワーを浴びスーツに着替えてから、試合を作ったことに対する感謝を述べに来てくれた」とボブ・アラムをも魅了した紳士ぶりも、またファンの尊敬を集めましたね。
タイソンの来日試合でもリングサイドに姿がありましたが、
本当にタキシード姿が似合うボクシング人でした。
ただただ残念です。
ローマン・ゴンザレスvs高山戦では
追悼のテンカウントゴングを行って欲しいですね。
本日午後一番で追悼記帳に行って参りました。
事前に判っていた情報で、スペイン語または英語で記帳すればご遺族にもご覧頂けるとのことでしたので、ネットの翻訳サービスを駆使(しかし便利な時代になったものです、私のようなブロークンスピーカーにとっては特に)して、記帳用ブックのほぼ一ページ分を記帳しました。
リアルタイムで初めて見た超一流チャンピオンがアルゲリョだった事、少年時代に彼のファイトを見られた事が得難い経験だった事等など・・・
同じ時間帯に記帳に来ていた人と少し話をしましたが、私とほぼ同年代の方で、やはり最初に見た超一流チャンピオンがアルゲリョだった事、今年多くの著名人がお亡くなりになったが、アルゲリョの事が一番悲しく、寂しい。自分達の時代が、20世紀がまた一つ終わってしまったような気がする、とお互いに語り合ってしまいました。
さようなら、そしてありがとう。
偉大なるチャンピオン、アレクシス・アルゲリョ!
室内に飾られた写真を撮影できるとは粋な計らいですね。
攻防兼備という言葉が、ここまで似合う選手は珍しかったです。
7月14日のロマゴン戦と言わず、2つの会場でテンカウントと黙祷をやって欲しいですね。
>吉法師様
どうしても記帳するとなると文章が増えますので、
週末でなくてよかったですね。
私も在京なら行ってますけど、地方ではないのが残念です。