現実的な死ね死ね団の作戦

　今から50年前はヒーローブーム真っただ中で多くの番組がOAされ
ており、多くのヒーローが登場する一方で対峙する悪の組織も登場
するわけだが多くの悪の組織が立案した作戦は一貫性がないケース
が多かったのも事実。

　まぁ現実問題としてしっかりとした陰謀を企てると解決が難しく
なるしメインターゲットの視聴者である子ども達からそっぽを向か
れるというデメリットがあるので、番組サイドも見た目だけ派手な
作戦ばかりを中心にせざるを得なかったのだろうしミラーマンなど
本来秘かに侵攻するインベーダーとの暗闘を描くはずが途中から怪
獣路線に変更された事など最たるものではないか。

　ところがそんな中で超現実的な作戦を立案し実行していたのが、
レインボーマンの敵・死ね死ね団というのは言うまでもないだろう。

　死ね死ね団は第2次大戦中に日本軍から虐待されたミスターKが率
いる悪の秘密結社で、日本および日本人を憎悪しており日本壊滅を
目指す組織。

　そして人間の精神を破壊して狂気にする薬・キャッツアイを蔓延
させ社会を混乱させる作戦を立て、失敗すると宗教団体を通してニ
セ札を流通させて日本をハイパーインフレに経済破綻に追い込むM
作戦と並行して魔女イグアナ率いる殺人プロフェッショナル部隊と
契約しレインボーマン抹殺を企てるなど現実的だ。

　そして特にM作戦により日本は壊滅的被害を受けるのだが、こう
いった本気度の高い作戦を次々に仕掛けて来る組織というのは異色
だったし子供心にもインパクトが強かった。

　レインボーマン＝ヤマトタケシは20歳前にして、こういった組織
に1人で立ち向かわなければいけないわけだからEDヤマトタケシの
歌の歌詞に表されている苦悩は計り知れないものだったろう。

　もっともレインボーマン自体が1話完結ではなく仮面の忍者赤影
のような1クールで1つの陰謀を片付けるスタイルだったからこそ、
こういった本気度の高い重厚な作戦が立てられたという事情もある
のだろうが。